39 / 85
氷の磔刑
しおりを挟む
「ぐはっ!?」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。気が付いた時には、左肩を中心に激しい痛みと強烈な冷たさが駆け抜け、彼の身体を硬直させる。凄まじい衝撃を受けたせいで、肺から勝手に空気が漏れ、呻きと混ざって排出された。
「ぅぐ……っ」
喉の奥から込み上げてきた赤黒い体液が、唇を割って滴る。何か硬質で鋭いものが皮膚を破って体内に食い込む感覚と、傷口から流れた鮮血がじわじわ服を濡らす不快感があった。彼の体は奇妙な姿勢で空間に固定され、磔刑を科された者のようにその場でもがいているしか出来ない。踵が床から浮き上がっているせいで、爪先のみでバランスを取る他なく、酷く不安定な体勢になっていた。
「セイガ様!」
「ボス!」
「ご無事ですか!?」
突如、入り口のドアが蹴破られ、武装した男たちが室内に入ってくる。彼らは皆手に武器を携え、セイガを脅かす者を葬ろうと息巻いていた。
「止めろ、鬱陶しい」
しかし肝心の主君は、片手を挙げるだけで彼らの熱意とやる気とを拒絶する。意外な対応に初めは当惑していた男たちだったが、やがて室内の光景を目の当たりにすると、驚愕の表情と共に抱えていた武器を下ろした。セイガ以外の全員の視線が、部屋の中央に聳える、グロテスクなオブジェへと注がれる。
それは、例えるならば氷の槍。先端が鋭利に尖った殺意の高い氷の凶器が、床から斜めに伸びて突き出し、一人の男を串刺しにしていた。そして、生贄となった者を丸呑みにせんとばかりに、どんどんとその身体を凍り付かせ覆い尽くしていく。男の足元に溜まっていた血までもが飲み込まれて、透明な氷のあちこちに色鮮やかな花を咲かせていた。
「ッく……がはっ!」
ムーンは傷付いた身体を必死に動かして、この凶悪な檻から逃れようと足掻く。だが、魔法で作られたそれは極めて頑丈で、どれほど抵抗しても壊れるどころか亀裂さえ生じなかった。むしろ、力を込めた箇所から優先的に戒められ、体温と感覚を奪われていく。銃は未だに握っているはずだったが、腕ごと氷の中に閉じ込められ固められていては、引き金を引くことも能わない。
「美しいだろう?冷凍保存とは、素晴らしい技術だ」
悪夢よりも惨く残酷な光景を目にし、セイガは端麗な顔立ちに歓喜の笑みを浮かべて手を広げた。周りを取り囲んでいる部下たちは、彼の狂気的な称賛に恐怖感を覚えて、半歩分足を後退させる。しかし、セイガは彼らのことになど構わずに続けた。
「極限まで冷えた氷の中で、永久に変わらぬ姿のまま、腐ることなく保たれる……心臓はいずれ止まるが、その程度のことだ。大した問題ではない」
セイガは無造作にムーンに近寄ると、彼を捕らえる氷に片足を置き、至近距離から相手の顔を覗き込む。好戦的な眼差しをムーンは果敢に睨み返そうとしたが、既に頭を上げる余力もなく、断念するしかなかった。彼の身体は胸元まで氷に包まれ、手や足の先から徐々に凍傷が侵食していたからだ。これではもう、意識を保っておくこともままならない。
「まずは、お前を殺す。次に、お前の仲間全員を殺し……最後に、お前の“主”も殺す。そのために、長い時間を費やしてきたんだ。今更、邪魔立てはさせない」
朦朧としているムーンの瞳を、セイガは暗い怒りを湛えた面持ちで射抜いた。かと思えば、再び皮肉的な笑みを宿して、白々しく話しかける。
「最期に言い残すことがあるなら、聞き届けてやろう。家族に、あの頭の足りないガキにでも、別れの挨拶をしたらどうだ?おい、メモを取ってやれ」
「は、はい!」
「一つだけ……教えてくれ」
命じられた部下が紙とペンを取るよりも早く、ムーンは俯いていた顔をおもむろに上げ、セイガに向かって尋ねた。
「あ?」
「君の……目的は、何だ……何故……不死鳥の、心臓を……狙う……」
彼の声は途切れがちで掠れていたため、セイガは訝しげな様子で眉を顰める。しかし、次の瞬間には彼の意図を察したらしく、即座に口を開いた。
「あぁ、そのことか。別に、わざわざ死に行くお前に話しても意義はないが……いいだろう。教えてやる」
セイガは侮蔑的に吐き捨てると、今まで以上に冷酷な微笑を唇に載せる。そして、一語一語を噛み締めるようにゆっくりと発音した。
「俺の目的は、復讐だ。あの日、俺の家族を虐殺したガイアモンドに、死をもって報い、過去の罪を償わせる。そのために、俺は永遠を生きる必要があるんだ」
彼の言葉は決して感情的なものではなかったが、だからこそ不気味な印象を持って部屋中に響いた。彼の纏っている剣呑な空気を危ぶみ、ムーンは背筋を粟立たせるものの、そこでついに体力の限界を迎えてしまう。
「何だ、もう終わりか?下らない。この程度の情報に、死ぬ前の貴重な時間をかける価値があったのか?甚だ疑問だな」
ガックリと項垂れるムーンを、セイガはつまらなさそうに一瞥し、それから身を翻して出口へと歩き出した。
「この男は放置しておけ。ここはもう引き払う。死体も含めて“清掃”しておくよう、フロントに伝えろ」
「かしこまりました。ボスはこれから、如何するおつもりですか?」
端的な命令を与える態度からは、先程までの病的な興奮の余韻がすっかり消え失せ、いつも通り沈着そのものの彼に戻っている。まるでスイッチを押すように振る舞いを切り替える彼を、手下の一人が怖々と見遣りながら質問した。指導者に追従する男の後ろに、他の部下たちもぞろぞろと続いていく。
「搬入の打ち合わせだ。予定通り運べば、決行は一週間後になるだろう。お前たちには、別途連絡する。だが、こいつのようになりたくなければ、常に準備を整えておくことだ」
セイガは立ち止まることもなく早い調子で捲し立てると、さっさと出て行こうとした。気を利かせた部下が咄嗟にドアに駆け寄るが、邪魔だとばかりに追い払われている。そして、セイガは自らの手で扉を開け放ち、奥の闇へと消えていった。
残された男たちは、しばし気まずげな表情で互いを小突き合っていたが、やがてここに留まる理由がないことに気付いたのだろう。彼らはそれぞれ己のペースで撤退の用意を整え、武器を片付けるとそそくさと部屋を去っていった。何人か、警戒心も露わに室内を見回している男もいたが、大抵の者たちはムーンの無惨な姿に恐れをなし小走りで逃げていく。たったそれだけの出来事だが、セイガが尊敬ではなく恐怖を利用して人々の上に君臨する人物だという事実を、十分過ぎるくらい証明していた。
全員が部屋から退出してしまうと、音を立てて扉が閉まり、周囲は再び元の静寂と暗がりとに満たされる。同時に、中心に鎮座する巨大な氷の塊から冷気が漏れ出し、室内の温度を少しずつ下げていった。ムーンの肉体は早速、肩や首まで氷漬けにされ、血の気をなくした頬にまで薄く霜が降りつつあるところだった。乱れた前髪の先が束になって固まり、かろうじて息を吐く度に、微熱で溶かされてはまた凍り付く。
彼にはもう、自分自身が起きているのか眠っているのかも判別出来なくなっていた。時間の感覚がやけに曖昧で、こうして一人捨て置かれてから、どれだけの時が経過したのかも分からない。実際にはほんの数分も経っていなかったのだが、疲労と寒さで霞のかかった頭では、何倍もの長さに感じられた。
突然、謎の物音が彼の意識を呼び覚ました。カン、カン!と金属か何かを叩く、軽快でリズミカルな音が次第に接近してくる。ムーンは重怠い身体に鞭を打ち、今にも眼球に張り付きそうな瞼を気合いでこじ開けた。凍り付いた首筋から、剥離した氷が不規則にこぼれる。
ピントが合わずぼやけた視界の内に、無人のリビングルームと大きな掃き出し窓が映った。セイガの銃弾によってガラスの砕けたそこからは、外の風がひっきりなしに吹き込んでくる。幾何学模様のプリントされたカーテンが、激しくはためいてバルコニーの手すりを掠めていた。
「よっと!」
膨らんだカーテンをスクリーンにして、何者かの影が宵闇に浮かび上がった。小さく間の抜けた声と共に、人影は身軽に跳躍して金属製の手すりから飛び降りる。つと伸ばされた腕が、行く手を遮るカーテンをまとめて退けた。直後、タイミングよく曇天が晴れて、上空で輝く半月が朧げな光を彼の背に投げかける。
「……君か……グシオン」
男の正体を悟ったムーンが苦々しく名を呼ぶと、グシオンは月光を吸い取った金の瞳で喜悦の表情を作った。
一瞬、何が起きたのか分からなかった。気が付いた時には、左肩を中心に激しい痛みと強烈な冷たさが駆け抜け、彼の身体を硬直させる。凄まじい衝撃を受けたせいで、肺から勝手に空気が漏れ、呻きと混ざって排出された。
「ぅぐ……っ」
喉の奥から込み上げてきた赤黒い体液が、唇を割って滴る。何か硬質で鋭いものが皮膚を破って体内に食い込む感覚と、傷口から流れた鮮血がじわじわ服を濡らす不快感があった。彼の体は奇妙な姿勢で空間に固定され、磔刑を科された者のようにその場でもがいているしか出来ない。踵が床から浮き上がっているせいで、爪先のみでバランスを取る他なく、酷く不安定な体勢になっていた。
「セイガ様!」
「ボス!」
「ご無事ですか!?」
突如、入り口のドアが蹴破られ、武装した男たちが室内に入ってくる。彼らは皆手に武器を携え、セイガを脅かす者を葬ろうと息巻いていた。
「止めろ、鬱陶しい」
しかし肝心の主君は、片手を挙げるだけで彼らの熱意とやる気とを拒絶する。意外な対応に初めは当惑していた男たちだったが、やがて室内の光景を目の当たりにすると、驚愕の表情と共に抱えていた武器を下ろした。セイガ以外の全員の視線が、部屋の中央に聳える、グロテスクなオブジェへと注がれる。
それは、例えるならば氷の槍。先端が鋭利に尖った殺意の高い氷の凶器が、床から斜めに伸びて突き出し、一人の男を串刺しにしていた。そして、生贄となった者を丸呑みにせんとばかりに、どんどんとその身体を凍り付かせ覆い尽くしていく。男の足元に溜まっていた血までもが飲み込まれて、透明な氷のあちこちに色鮮やかな花を咲かせていた。
「ッく……がはっ!」
ムーンは傷付いた身体を必死に動かして、この凶悪な檻から逃れようと足掻く。だが、魔法で作られたそれは極めて頑丈で、どれほど抵抗しても壊れるどころか亀裂さえ生じなかった。むしろ、力を込めた箇所から優先的に戒められ、体温と感覚を奪われていく。銃は未だに握っているはずだったが、腕ごと氷の中に閉じ込められ固められていては、引き金を引くことも能わない。
「美しいだろう?冷凍保存とは、素晴らしい技術だ」
悪夢よりも惨く残酷な光景を目にし、セイガは端麗な顔立ちに歓喜の笑みを浮かべて手を広げた。周りを取り囲んでいる部下たちは、彼の狂気的な称賛に恐怖感を覚えて、半歩分足を後退させる。しかし、セイガは彼らのことになど構わずに続けた。
「極限まで冷えた氷の中で、永久に変わらぬ姿のまま、腐ることなく保たれる……心臓はいずれ止まるが、その程度のことだ。大した問題ではない」
セイガは無造作にムーンに近寄ると、彼を捕らえる氷に片足を置き、至近距離から相手の顔を覗き込む。好戦的な眼差しをムーンは果敢に睨み返そうとしたが、既に頭を上げる余力もなく、断念するしかなかった。彼の身体は胸元まで氷に包まれ、手や足の先から徐々に凍傷が侵食していたからだ。これではもう、意識を保っておくこともままならない。
「まずは、お前を殺す。次に、お前の仲間全員を殺し……最後に、お前の“主”も殺す。そのために、長い時間を費やしてきたんだ。今更、邪魔立てはさせない」
朦朧としているムーンの瞳を、セイガは暗い怒りを湛えた面持ちで射抜いた。かと思えば、再び皮肉的な笑みを宿して、白々しく話しかける。
「最期に言い残すことがあるなら、聞き届けてやろう。家族に、あの頭の足りないガキにでも、別れの挨拶をしたらどうだ?おい、メモを取ってやれ」
「は、はい!」
「一つだけ……教えてくれ」
命じられた部下が紙とペンを取るよりも早く、ムーンは俯いていた顔をおもむろに上げ、セイガに向かって尋ねた。
「あ?」
「君の……目的は、何だ……何故……不死鳥の、心臓を……狙う……」
彼の声は途切れがちで掠れていたため、セイガは訝しげな様子で眉を顰める。しかし、次の瞬間には彼の意図を察したらしく、即座に口を開いた。
「あぁ、そのことか。別に、わざわざ死に行くお前に話しても意義はないが……いいだろう。教えてやる」
セイガは侮蔑的に吐き捨てると、今まで以上に冷酷な微笑を唇に載せる。そして、一語一語を噛み締めるようにゆっくりと発音した。
「俺の目的は、復讐だ。あの日、俺の家族を虐殺したガイアモンドに、死をもって報い、過去の罪を償わせる。そのために、俺は永遠を生きる必要があるんだ」
彼の言葉は決して感情的なものではなかったが、だからこそ不気味な印象を持って部屋中に響いた。彼の纏っている剣呑な空気を危ぶみ、ムーンは背筋を粟立たせるものの、そこでついに体力の限界を迎えてしまう。
「何だ、もう終わりか?下らない。この程度の情報に、死ぬ前の貴重な時間をかける価値があったのか?甚だ疑問だな」
ガックリと項垂れるムーンを、セイガはつまらなさそうに一瞥し、それから身を翻して出口へと歩き出した。
「この男は放置しておけ。ここはもう引き払う。死体も含めて“清掃”しておくよう、フロントに伝えろ」
「かしこまりました。ボスはこれから、如何するおつもりですか?」
端的な命令を与える態度からは、先程までの病的な興奮の余韻がすっかり消え失せ、いつも通り沈着そのものの彼に戻っている。まるでスイッチを押すように振る舞いを切り替える彼を、手下の一人が怖々と見遣りながら質問した。指導者に追従する男の後ろに、他の部下たちもぞろぞろと続いていく。
「搬入の打ち合わせだ。予定通り運べば、決行は一週間後になるだろう。お前たちには、別途連絡する。だが、こいつのようになりたくなければ、常に準備を整えておくことだ」
セイガは立ち止まることもなく早い調子で捲し立てると、さっさと出て行こうとした。気を利かせた部下が咄嗟にドアに駆け寄るが、邪魔だとばかりに追い払われている。そして、セイガは自らの手で扉を開け放ち、奥の闇へと消えていった。
残された男たちは、しばし気まずげな表情で互いを小突き合っていたが、やがてここに留まる理由がないことに気付いたのだろう。彼らはそれぞれ己のペースで撤退の用意を整え、武器を片付けるとそそくさと部屋を去っていった。何人か、警戒心も露わに室内を見回している男もいたが、大抵の者たちはムーンの無惨な姿に恐れをなし小走りで逃げていく。たったそれだけの出来事だが、セイガが尊敬ではなく恐怖を利用して人々の上に君臨する人物だという事実を、十分過ぎるくらい証明していた。
全員が部屋から退出してしまうと、音を立てて扉が閉まり、周囲は再び元の静寂と暗がりとに満たされる。同時に、中心に鎮座する巨大な氷の塊から冷気が漏れ出し、室内の温度を少しずつ下げていった。ムーンの肉体は早速、肩や首まで氷漬けにされ、血の気をなくした頬にまで薄く霜が降りつつあるところだった。乱れた前髪の先が束になって固まり、かろうじて息を吐く度に、微熱で溶かされてはまた凍り付く。
彼にはもう、自分自身が起きているのか眠っているのかも判別出来なくなっていた。時間の感覚がやけに曖昧で、こうして一人捨て置かれてから、どれだけの時が経過したのかも分からない。実際にはほんの数分も経っていなかったのだが、疲労と寒さで霞のかかった頭では、何倍もの長さに感じられた。
突然、謎の物音が彼の意識を呼び覚ました。カン、カン!と金属か何かを叩く、軽快でリズミカルな音が次第に接近してくる。ムーンは重怠い身体に鞭を打ち、今にも眼球に張り付きそうな瞼を気合いでこじ開けた。凍り付いた首筋から、剥離した氷が不規則にこぼれる。
ピントが合わずぼやけた視界の内に、無人のリビングルームと大きな掃き出し窓が映った。セイガの銃弾によってガラスの砕けたそこからは、外の風がひっきりなしに吹き込んでくる。幾何学模様のプリントされたカーテンが、激しくはためいてバルコニーの手すりを掠めていた。
「よっと!」
膨らんだカーテンをスクリーンにして、何者かの影が宵闇に浮かび上がった。小さく間の抜けた声と共に、人影は身軽に跳躍して金属製の手すりから飛び降りる。つと伸ばされた腕が、行く手を遮るカーテンをまとめて退けた。直後、タイミングよく曇天が晴れて、上空で輝く半月が朧げな光を彼の背に投げかける。
「……君か……グシオン」
男の正体を悟ったムーンが苦々しく名を呼ぶと、グシオンは月光を吸い取った金の瞳で喜悦の表情を作った。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く
液体猫
キャラ文芸
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞受賞しました(^_^)/
香を操り、死者の想いを知る一族がいる。そう囁かれたのは、ずっと昔の話だった。今ではその一族の生き残りすら見ず、誰もが彼ら、彼女たちの存在を忘れてしまっていた。
ある日のこと、一人の侍女が急死した。原因は不明で、解決されないまま月日が流れていき……
その事件を解決するために一人の青年が動き出す。その過程で出会った少女──香 麗然《コウ レイラン》──は、忘れ去られた一族の者だったと知った。
香 麗然《コウ レイラン》が後宮に現れた瞬間、事態は動いていく。
彼女は香りに秘められた事件を解決。ついでに、ぶっきらぼうな青年兵、幼い妃など。数多の人々を無自覚に誑かしていった。
テンパると田舎娘丸出しになる香 麗然《コウ レイラン》と謎だらけの青年兵がダッグを組み、数々の事件に挑んでいく。
後宮の闇、そして人々の想いを描く、後宮恋愛ミステリーです。
シリアス成分が少し多めとなっています。
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
炎華繚乱 ~偽妃は後宮に咲く~
悠井すみれ
キャラ文芸
昊耀国は、天より賜った《力》を持つ者たちが統べる国。後宮である天遊林では名家から選りすぐった姫たちが競い合い、皇子に選ばれるのを待っている。
強い《遠見》の力を持つ朱華は、とある家の姫の身代わりとして天遊林に入る。そしてめでたく第四皇子・炎俊の妃に選ばれるが、皇子は彼女が偽物だと見抜いていた。しかし炎俊は咎めることなく、自身の秘密を打ち明けてきた。「皇子」を名乗って帝位を狙う「彼」は、実は「女」なのだと。
お互いに秘密を握り合う仮初の「夫婦」は、次第に信頼を深めながら陰謀渦巻く後宮を生き抜いていく。
表紙は同人誌表紙メーカーで作成しました。
第6回キャラ文芸大賞応募作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる