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闖入者
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「なぁ、タバコ吸っていいか?」
退屈そうに足を組み替えて、グシオンが問いかける。再び愛車のハンドルを握っているネプチューンは、バックミラー越しに彼を一瞥し、渋々窓を開けてやった。
現在彼らが訪れているのは、アメジストの最東に位置する、ジルコン地区。比較的地価が安いことから、大学や工場など、広い敷地を必要とする組織が集まっている地域である。緑が豊かに生い茂る郊外の片隅で、ネプチューン、グシオン、ムーンの三人は黒塗りのバンに乗って待機していた。
「僕にも一本くれないかい?」
眼鏡のレンズを拭いていたムーンが、手を止めて隣に視線を注ぐ。尋ねられたグシオンは、何も言わずに懐を探り、取り出した箱を軽く振った。飛び出した一本をムーンが摘むと、ご丁寧に火の灯ったライターまで差し出される。片手を上げて礼を告げたムーンは、反対側の窓を開けてから、久しぶりの味をふんだんに吸い込んだ。たちまち吹き付けてきた平日の朝の風が、彼の滑らかな金髪を揺らした。
「へへっ、怒られるぜぇ?あんた、家族いるんじゃねーの?」
桟に肘をついたグシオンが、歯を覗かせて揶揄う。ムーンも合わせて、苦い煙を纏わせた微笑みを浮かべた。
「当たり前さ。妻も娘も、喫煙者が嫌いだからね」
悪戯っぽく目配せして答えると、グシオンは心得顔で頷き、ニヤッと笑みを深くする。
「おー、悪い親父だねぇ」
それ以降、二人は黙り込んでひたすら紫煙を燻らせる。車内の沈黙を肌で感じながら、ムーンは細く息を吐き、つい数時間前の出来事を漫然と思い返していた。
まだ今日という日が始まって一時間も経っていない頃だ。ネプチューンの自宅に集まって会議を行なっていた彼らのもとに、突然レジーナが現れた。彼女は失っていった信頼と名誉を挽回するために、昼夜を問わず諜報活動に勤しんでいたらしい。そして、セイガに関する重要な情報を掴んだ。彼の持つ数ある隠し口座の一つに、およそ数億ヘルにも上る金が、ある団体に寄付されたというのだ。振込先の名前は、<特異物管理収容所>。通称SGPと呼ばれる、魔法道具の収集や研究を行う機関だった。
だが、彼らはガイアモンドの、というよりもヘリオス・ラムダの協力者である。かつてメレフの事件が起きた際には、古代遺物にまつわる貴重な資料を快く提供してくれていたし、今回の件についてもとっくに相談している。しかしながら、彼らは不死鳥の心臓のことなど何も知らないし、実在すら疑っていると答えた。過去に友好な関係を築いていたからこそ、レジーナはその回答を信じたのだが、それが間違いだったのかも知れない。SGPは既にヘリオス・ラムダを裏切り、セイガの味方についているのか。
疑惑に駆られたレジーナは、危険を冒して彼らのサーバーに侵入し、メールや研究報告書などを全て検めた。そして、大量の電子データの中から、謎の通話記録を探し出したのだ。不運にも相手の特定には失敗したが、消去されていたメッセージのいくつかは、復元することが出来た。暗号化された文章を解いてみると、“例の品物”が無事に到着したこと、受け渡しを済ませたいという内容が簡略に綴られていた。曖昧な表現ばかりが用いられているが、状況を鑑みれば、“品物”が何を指しているかは容易に察せられる。更に、メールに記された日付は、彼女が文面を読んでいた瞬間の翌日。つまり、本日の午前十時に取引が行われるらしい。故に、彼女はガイアモンドのところに急行し、共に事情を聞いたムーンたちは、危険を承知でSGPに直接乗り込むことを決断した。結果、彼らは数時間の仮眠を済ませ準備を整えて、ここアイオラ地区に来たのである。
「しかし、あれは意外だったな」
「あ?何がだよ?」
唐突に、ムーンが口を開いた。おもむろに放たれた呟きに、グシオンは戸惑って彼を見遣った。ムーンは口の形だけで笑むと、タバコの灰を外に落としつつ補足する。
「まさか君が、ガイアに発破をかけるとは。正直、驚いたよ」
ようやく意味を理解したグシオンは、思い出したくもない過去を蒸し返されたことにうんざりして、溜め息を漏らした。
「……別に、そんなつもりはねぇよ。ただあいつがあんまりにも萎びてるから、ちょっと蹴飛ばしてやっただけだ」
彼は片手を振ってはぐらかそうとしていたが、ムーンは決して騙されず、ただじっと相手を凝視している。その視線に耐えかねたのか、グシオンは鼻から煙を吐き出して気怠げに呻いた。
「俺ぁケツの穴の小せぇ野郎が嫌いなの。あんなのに付き合って、馬鹿みたいに時間を浪費するなんて冗談じゃねぇ。死んでもごめんだ。だから言ってやった、以上終了。分かってくれたか?ムーンさんよ」
「あぁ、よく分かったよ」
グシオン自身、己の衝動的な行動を苦々しく思っていたのだろう。もう話題にするなと言外に釘を差され、ムーンは微笑みと共にそれを受け入れる。だが、ネプチューンは彼とは違っていた。
「ちょっと、グシオン!社長を侮辱する発言は謹んでちょうだい!それ以上言ったら、放り出すカラネ!!」
「わーったよ、ったく……」
粗野な口調がよほど癪に触ったのか、声を荒げて注意する彼を、グシオンはさも面倒臭そうにあしらう。
「センセェだって元軍人なら、この程度慣れてるはずじゃねーのか?」
「それとこれとは話が違う。このボンクラが」
眉を顰め、頬杖をついてぼやく彼を、ネプチューンは鋭く睨め付ける。機転の効くグシオンはすぐに不利を察して降参を示した。ムーンは二人を視界の端に捉えたまま、ドリンクホルダーに置かれていた携帯灰皿を取り、吸い殻を放り込む。
「さて、そろそろ時間かな?」
「そうネ、急がなくっちゃ!」
さりげなく問いかけると、ネプチューンがはっと息を飲み、腕時計を確かめた。慌ただしく用意を始める彼の背中に、グシオンは舌を突き出して挑発の表情を向けている。一方のムーンは、ポケットから小型の通信機を出して左耳に嵌めた。ワイヤレスイヤホンに酷似したそれを起動させ、待機しているはずのレジーナに呼びかける。
「レジーナ、僕だ。聞こえているか?そちらの状況を教えてくれ」
『万全よ、ムーン。いつでも構わないわ』
返ってくる音声は、まるで対面して会話しているかのように鮮明に聞こえてきた。いつもより良好な通信環境は、彼女が数名の部下を率いて乗っている、特別な車によって実現されたものだろう。
昨日の爆発事件の影響で、オメガビルの周囲は封鎖され、地下にあるヘリオス・ラムダの本部へも出入りが出来なくなった。尤も、たとえ強引に行ってみたところで、半壊し瓦礫に埋め尽くされた拠点を目の当たりにするだけだったろう。当然、拠点としての機能が使えるはずもない。またも窮地に立たされた彼らの脳裏を、たった一つ残された希望が駆け巡った。
開発者パトリックがかつて暇潰しに製作し、以来誰にも顧みられることのなかった装置。“移動式仮設司令部”、通称MTC2と名付けられたそれは、小型の冷凍車そっくりの外見に大量の情報機器を詰め込んだ、いわば走るパソコンのような代物である。搭載された最新鋭の機材には、流石に本部の設備には及ばないまでも、十分なスペックが積まれている。おまけに、内蔵されたハードディスクの中には、最高レベルの探知系魔法の術式が保存されていた。これならば、SGPなど魔導セキュリティの強力な施設にも、気が付かれずに侵入することが可能だろう。
無論、MTC2にも欠点がないわけではない。車両が展開出来る監視や通信の魔法は、その精度に対して範囲が極端に狭く、対象との物理的な距離が近くなければ効果を発揮しないという問題を抱えていた。だが、不用意に接近すれば、敵にこちらの存在を気取られる可能性が高くなる。車そのものの走行や防御性能に不安があるからこそ、懸念は余計に募った。とはいえ、現状他にマシな選択肢はないのだから、致し方ない。レジーナは自らを強引に納得させると、チームの者たちを率い、物陰に潜んでムーンたちを支援することを決めたのであった。
『それで、ムーン……あなたたちに、一つ伝えなければならないことがあるの』
彼女がいつになく苦い声音で言いかけた途端、ムーンが先程閉めたばかりの窓を、誰かがコツコツと叩く。彼がふと顔を上げると、深刻な面持ちを浮かべて佇むガイアモンドの、険しい瞳と視線が合った。
退屈そうに足を組み替えて、グシオンが問いかける。再び愛車のハンドルを握っているネプチューンは、バックミラー越しに彼を一瞥し、渋々窓を開けてやった。
現在彼らが訪れているのは、アメジストの最東に位置する、ジルコン地区。比較的地価が安いことから、大学や工場など、広い敷地を必要とする組織が集まっている地域である。緑が豊かに生い茂る郊外の片隅で、ネプチューン、グシオン、ムーンの三人は黒塗りのバンに乗って待機していた。
「僕にも一本くれないかい?」
眼鏡のレンズを拭いていたムーンが、手を止めて隣に視線を注ぐ。尋ねられたグシオンは、何も言わずに懐を探り、取り出した箱を軽く振った。飛び出した一本をムーンが摘むと、ご丁寧に火の灯ったライターまで差し出される。片手を上げて礼を告げたムーンは、反対側の窓を開けてから、久しぶりの味をふんだんに吸い込んだ。たちまち吹き付けてきた平日の朝の風が、彼の滑らかな金髪を揺らした。
「へへっ、怒られるぜぇ?あんた、家族いるんじゃねーの?」
桟に肘をついたグシオンが、歯を覗かせて揶揄う。ムーンも合わせて、苦い煙を纏わせた微笑みを浮かべた。
「当たり前さ。妻も娘も、喫煙者が嫌いだからね」
悪戯っぽく目配せして答えると、グシオンは心得顔で頷き、ニヤッと笑みを深くする。
「おー、悪い親父だねぇ」
それ以降、二人は黙り込んでひたすら紫煙を燻らせる。車内の沈黙を肌で感じながら、ムーンは細く息を吐き、つい数時間前の出来事を漫然と思い返していた。
まだ今日という日が始まって一時間も経っていない頃だ。ネプチューンの自宅に集まって会議を行なっていた彼らのもとに、突然レジーナが現れた。彼女は失っていった信頼と名誉を挽回するために、昼夜を問わず諜報活動に勤しんでいたらしい。そして、セイガに関する重要な情報を掴んだ。彼の持つ数ある隠し口座の一つに、およそ数億ヘルにも上る金が、ある団体に寄付されたというのだ。振込先の名前は、<特異物管理収容所>。通称SGPと呼ばれる、魔法道具の収集や研究を行う機関だった。
だが、彼らはガイアモンドの、というよりもヘリオス・ラムダの協力者である。かつてメレフの事件が起きた際には、古代遺物にまつわる貴重な資料を快く提供してくれていたし、今回の件についてもとっくに相談している。しかしながら、彼らは不死鳥の心臓のことなど何も知らないし、実在すら疑っていると答えた。過去に友好な関係を築いていたからこそ、レジーナはその回答を信じたのだが、それが間違いだったのかも知れない。SGPは既にヘリオス・ラムダを裏切り、セイガの味方についているのか。
疑惑に駆られたレジーナは、危険を冒して彼らのサーバーに侵入し、メールや研究報告書などを全て検めた。そして、大量の電子データの中から、謎の通話記録を探し出したのだ。不運にも相手の特定には失敗したが、消去されていたメッセージのいくつかは、復元することが出来た。暗号化された文章を解いてみると、“例の品物”が無事に到着したこと、受け渡しを済ませたいという内容が簡略に綴られていた。曖昧な表現ばかりが用いられているが、状況を鑑みれば、“品物”が何を指しているかは容易に察せられる。更に、メールに記された日付は、彼女が文面を読んでいた瞬間の翌日。つまり、本日の午前十時に取引が行われるらしい。故に、彼女はガイアモンドのところに急行し、共に事情を聞いたムーンたちは、危険を承知でSGPに直接乗り込むことを決断した。結果、彼らは数時間の仮眠を済ませ準備を整えて、ここアイオラ地区に来たのである。
「しかし、あれは意外だったな」
「あ?何がだよ?」
唐突に、ムーンが口を開いた。おもむろに放たれた呟きに、グシオンは戸惑って彼を見遣った。ムーンは口の形だけで笑むと、タバコの灰を外に落としつつ補足する。
「まさか君が、ガイアに発破をかけるとは。正直、驚いたよ」
ようやく意味を理解したグシオンは、思い出したくもない過去を蒸し返されたことにうんざりして、溜め息を漏らした。
「……別に、そんなつもりはねぇよ。ただあいつがあんまりにも萎びてるから、ちょっと蹴飛ばしてやっただけだ」
彼は片手を振ってはぐらかそうとしていたが、ムーンは決して騙されず、ただじっと相手を凝視している。その視線に耐えかねたのか、グシオンは鼻から煙を吐き出して気怠げに呻いた。
「俺ぁケツの穴の小せぇ野郎が嫌いなの。あんなのに付き合って、馬鹿みたいに時間を浪費するなんて冗談じゃねぇ。死んでもごめんだ。だから言ってやった、以上終了。分かってくれたか?ムーンさんよ」
「あぁ、よく分かったよ」
グシオン自身、己の衝動的な行動を苦々しく思っていたのだろう。もう話題にするなと言外に釘を差され、ムーンは微笑みと共にそれを受け入れる。だが、ネプチューンは彼とは違っていた。
「ちょっと、グシオン!社長を侮辱する発言は謹んでちょうだい!それ以上言ったら、放り出すカラネ!!」
「わーったよ、ったく……」
粗野な口調がよほど癪に触ったのか、声を荒げて注意する彼を、グシオンはさも面倒臭そうにあしらう。
「センセェだって元軍人なら、この程度慣れてるはずじゃねーのか?」
「それとこれとは話が違う。このボンクラが」
眉を顰め、頬杖をついてぼやく彼を、ネプチューンは鋭く睨め付ける。機転の効くグシオンはすぐに不利を察して降参を示した。ムーンは二人を視界の端に捉えたまま、ドリンクホルダーに置かれていた携帯灰皿を取り、吸い殻を放り込む。
「さて、そろそろ時間かな?」
「そうネ、急がなくっちゃ!」
さりげなく問いかけると、ネプチューンがはっと息を飲み、腕時計を確かめた。慌ただしく用意を始める彼の背中に、グシオンは舌を突き出して挑発の表情を向けている。一方のムーンは、ポケットから小型の通信機を出して左耳に嵌めた。ワイヤレスイヤホンに酷似したそれを起動させ、待機しているはずのレジーナに呼びかける。
「レジーナ、僕だ。聞こえているか?そちらの状況を教えてくれ」
『万全よ、ムーン。いつでも構わないわ』
返ってくる音声は、まるで対面して会話しているかのように鮮明に聞こえてきた。いつもより良好な通信環境は、彼女が数名の部下を率いて乗っている、特別な車によって実現されたものだろう。
昨日の爆発事件の影響で、オメガビルの周囲は封鎖され、地下にあるヘリオス・ラムダの本部へも出入りが出来なくなった。尤も、たとえ強引に行ってみたところで、半壊し瓦礫に埋め尽くされた拠点を目の当たりにするだけだったろう。当然、拠点としての機能が使えるはずもない。またも窮地に立たされた彼らの脳裏を、たった一つ残された希望が駆け巡った。
開発者パトリックがかつて暇潰しに製作し、以来誰にも顧みられることのなかった装置。“移動式仮設司令部”、通称MTC2と名付けられたそれは、小型の冷凍車そっくりの外見に大量の情報機器を詰め込んだ、いわば走るパソコンのような代物である。搭載された最新鋭の機材には、流石に本部の設備には及ばないまでも、十分なスペックが積まれている。おまけに、内蔵されたハードディスクの中には、最高レベルの探知系魔法の術式が保存されていた。これならば、SGPなど魔導セキュリティの強力な施設にも、気が付かれずに侵入することが可能だろう。
無論、MTC2にも欠点がないわけではない。車両が展開出来る監視や通信の魔法は、その精度に対して範囲が極端に狭く、対象との物理的な距離が近くなければ効果を発揮しないという問題を抱えていた。だが、不用意に接近すれば、敵にこちらの存在を気取られる可能性が高くなる。車そのものの走行や防御性能に不安があるからこそ、懸念は余計に募った。とはいえ、現状他にマシな選択肢はないのだから、致し方ない。レジーナは自らを強引に納得させると、チームの者たちを率い、物陰に潜んでムーンたちを支援することを決めたのであった。
『それで、ムーン……あなたたちに、一つ伝えなければならないことがあるの』
彼女がいつになく苦い声音で言いかけた途端、ムーンが先程閉めたばかりの窓を、誰かがコツコツと叩く。彼がふと顔を上げると、深刻な面持ちを浮かべて佇むガイアモンドの、険しい瞳と視線が合った。
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