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諸悪の根源
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「はぁ……これで、全員かしらネ?」
敵を一掃したネプチューンが、銃を下ろして息を吐く。
「あぁ。でも、奴には逃げられた」
ムーンは辺りに転がっている男たちの顔を調べ、隊長がいないことを告げた。
「おぉ!あんたら、すげーな!一瞬でみ~んな倒しちまった!」
彼の後ろからグシオンが現れ、興奮に瞳を輝かせる。
「それにしても、何故味方を殺す必要があるんだ?さっきから思っていたが、この施設は異常だ」
同じく、ガイアモンドも物陰から這い出して立ち上がった。気丈そうな様子を装っているが、その頬は恐怖で青褪めている。彼の視線が指す先には、額に穴を空けられたロバートが横たわっていた。
「同感だね。SGPがどこまでセイガと通じているかはともかく……協力してもらえないことは事実のようだ」
もはやただの肉塊に変わってしまった彼を見遣り、ムーンも深く頷く。
彼が生きていた頃から薄々勘付いていたことだが、SGPという研究機関は、相当に不審な点を持っている相手だった。建物はやたらと高度な魔法や重装備の警備隊に囲まれ、最高責任者である所長は出張中。いつの間にか代理の座に収まった男は、非情で残酷な独裁者ぶりで職員たちを圧迫している。組織がセイガに力を貸し始めたのも、脅迫や罠が原因ではなく、所長代理の意図で選ばれた方針なのかも知れなかった。一体何が目的かは不明だが、いずれにせよSGPを信頼することは出来ない。
「じゃ、そこら中敵だらけってことネ?レジーナとの通信も切れちゃったし」
「誰からも助けは期待出来ない。今いる僕たちだけで、やるしかなさそうだね」
ネプチューンのぼやきに、ムーンが微笑みながら同意する。彼の声に被せるようにして、ガイアモンドが冷徹に断じた。
「何としても、セイガを捕らえ不死鳥の心臓を確保する。いいな?」
「「了解」」
彼の言葉に応じ、エージェントの二人は重々しく首を振る。
「でもよぉ」
唯一、納得していない調子のグシオンが口を挟んだ直後。突如として、強烈な異変が起こった。
彼らの周りを取り囲む景色が、一瞬の間に目まぐるしく移り変わる。壁だったところが道へ、狭い部屋だったはずの空間が、広いホールや細長い通路へと次々に変化していった。幻覚かとも訝ったが、ムーンはすぐに真実に気付く。
「転移魔法……!」
口走った途端に、肉体が限界を訴えた。転移を繰り返す度に、眼鏡型装置が発動している空間把握の機能から、新しい情報が与えられるせいだろう。処理能力を超えた情報量を流し込まれて、彼の脳がオーバーヒートを起こす。慌てて眼鏡を外したが、遅かった。ムーンの視界はぐるりと暗転し、意識までもが混濁する。
「う……っ、ぐっ!?」
正気に戻るや否や、首を強く押さえ付けられた。反射的にもがくと、指先にしっかりとした革の感触が伝わる。だが、相手は彼の背後に立っているらしく、抵抗しても中々上手くいかなかった。
「かはっ……」
「ムーンっ!!」
咽せ返る彼の耳に、ネプチューンの野太い声が届く。かと思うと、首にかかる負荷が唐突に消滅した。解放されたムーンは、赤くなった喉元を触って何度か咳き込む。瞑っていた目を開けると、青白い蛍光灯に照らされた薄暗い廊下にいることが分かった。
「ふん、邪魔が入ったか」
すぐそばで、聞き覚えのある男の嘲笑が響く。尻餅をついて座っていたムーンは、急いで身を起こして振り向いた。彼の前ではサバイバルナイフを構えたネプチューンが、千切れたベルトを手にして、誰かと対峙している。ブルーグレーの瞳が、怜悧な光をムーンに投げかけた。
「やはり、来ていたようだね……セイガ」
「当たり前だ。今日はこの世界の歴史に残る、偉大な日となるからな」
彼に名前を呼ばれた男は、おもむろに腕を広げて気取った礼を披露する。今日のセイガは、いつも以上に洒落た服装をしていた。青い髪をオールバックに整え、光沢のある生地のダークスーツを纏った姿は、ガイアモンドにも匹敵する端麗な魅力を備えている。一方で、整った顔立ちを邪悪に歪め、しなやかな痩身に油断なく力を漲らせている様は、狩りを待ち侘びる獰猛な獣を彷彿とさせた。
「お前も直接、自分の目で眺めるがいい」
彼は乾いた声音で吐き捨て、磨き抜かれた上等な靴でムーンの眼鏡を踏み潰す。その横に、ネプチューンによって真っ二つに切られた革ベルトの片方を放った。無造作で余裕のある態度に苛立ったのか、ネプチューンが眉を顰めて噛み付く。
「そんなこと、ワタシたちが許すとでも思っているの?だとしたら、とんだおバカさんネ。ちょっと顔が綺麗だからって、世の中舐め過ぎなんじゃな~い?」
「ネプチューン、やめろ」
「馬鹿はお前たちの方だ。俺がたった一人で、ここに立っているはずがないだろう」
すかさずムーンが窘めたが、彼は聞く耳を持たない。変わらず自分を睨んでいるネプチューンを、セイガは肩を竦めて受け流し、片手を掲げてフィンガースナップを鳴らした。パチンという音が薄暗い空間に響くや否や、どこからか銃や棍棒を携えた屈強な男たちが現れる。彼らは廊下の両側に並んだドアを蹴り開けると、訳の分からない怒号を迸らせてムーンたちを包囲した。
「ア~ラ、数で圧殺するつもり?上等じゃない……!受けて立つわヨッ!!」
「不死鳥の心臓が本物かどうかは分からないぞ、セイガ」
肌を刺激する戦いの予感に、ネプチューンは高揚を覚えて舌舐めずりをする。ムーンは彼を押し留めてから、あくまでも穏やかな口調で問うた。
「SGPは、仲間内で殺し合うような組織だ。君のことも、表向きは協力するふりをしながら、実は罠にかけるタイミングを計っているだけかも知れない」
「いずれ、時が来れば分かることだ。奴らが信用に値するかどうか、伝説の古代遺物は真実か嘘か……全て、実物を見れば解決する」
だが、彼の策は失敗に終わった。セイガは薄い瞼を閉ざして、ムーンの話を無感動に遮る。そして、退屈そうに続けた。
「第一、殺し合いは向こうが勝手に始めたものだ。俺はむしろ、奴らの願いを聞いてやっている立場なんだよ。“誰かさん”に疑われないためには、完璧な被害者を演じる必要がある。だから強引に押し入って、遺物を奪ってほしいと請われた。同時に奴は、子飼いの部隊を操って“小道具”を増やす……死体の数は多ければ多いほど、演出として効果的だとか言ってな」
テロリストと目されている男に力を貸せば、当然、SGPは警察やヘリオス・ラムダを敵に回すこととなる。それを避けるためには、彼らもまた犠牲者の一人であると演出する必要があった。故に、警備隊の連中が派遣されて、セイガ一味はおろか職員たちをも攻撃していたのだろう。恐ろしい犯罪者になす術なく蹂躙された、善良な一般市民の皮を被るために、大量の従業員が捨て駒として使い捨てられたのだ。
「奴というのは?所長代理か?」
誰の仕業なのかは、わざわざ聞かなくとも分かる。しかし、一応言質を取っておこうとムーンが尋ねると、セイガはいとも容易く認めた。
「そうだ。あのイカれた芝居狂いは、俺に格好の舞台を提供してくれた!不死鳥の心臓だけでなく、お前たちまで用意するとは周到な奴だ……おかげで、好き放題暴れられる。後で生き残りに騒がれるのも面倒だからな。今頃はあの兵隊共も、皆殺しにされているだろう」
「あんたたち、なんてことを!」
彼はチラリと部下を一瞥し、平然と非道な発言をする。そのあまりに惨い内容に、ネプチューンは絶句して拳を握り締めた。
「……なるほど。つまり、レジーナがメールを見つけられたのも、巧妙に張られた罠の一部だったわけか。わざとやり取りを盗み見させ、僕らをここに集めた。不死鳥の心臓を受け取った後、すぐにガイアを殺せるように」
ムーンも珍しく険しい面持ちで、ひたとセイガを見据える。彼の感情の読めない真顔と、鋭く細められた赤い瞳は凄まじい気迫を放っていた。
ところが、彼に睨まれてもセイガは決して臆さない。むしろ軽蔑と憎悪を強めた態度で、堂々と宣言した。
「ふん、全くその通りだ。俺はあの男の首を持って、<オメガ・クリスタル・コーポレーション>とアメジストの街を手中に収める。そこで、爆破を含む一連の事件は、ガイアモンドの自作自演だと訴える計画だ……もうすぐ、奴は何もかも失う。もうすぐで、俺の復讐は完遂される!!」
敵を一掃したネプチューンが、銃を下ろして息を吐く。
「あぁ。でも、奴には逃げられた」
ムーンは辺りに転がっている男たちの顔を調べ、隊長がいないことを告げた。
「おぉ!あんたら、すげーな!一瞬でみ~んな倒しちまった!」
彼の後ろからグシオンが現れ、興奮に瞳を輝かせる。
「それにしても、何故味方を殺す必要があるんだ?さっきから思っていたが、この施設は異常だ」
同じく、ガイアモンドも物陰から這い出して立ち上がった。気丈そうな様子を装っているが、その頬は恐怖で青褪めている。彼の視線が指す先には、額に穴を空けられたロバートが横たわっていた。
「同感だね。SGPがどこまでセイガと通じているかはともかく……協力してもらえないことは事実のようだ」
もはやただの肉塊に変わってしまった彼を見遣り、ムーンも深く頷く。
彼が生きていた頃から薄々勘付いていたことだが、SGPという研究機関は、相当に不審な点を持っている相手だった。建物はやたらと高度な魔法や重装備の警備隊に囲まれ、最高責任者である所長は出張中。いつの間にか代理の座に収まった男は、非情で残酷な独裁者ぶりで職員たちを圧迫している。組織がセイガに力を貸し始めたのも、脅迫や罠が原因ではなく、所長代理の意図で選ばれた方針なのかも知れなかった。一体何が目的かは不明だが、いずれにせよSGPを信頼することは出来ない。
「じゃ、そこら中敵だらけってことネ?レジーナとの通信も切れちゃったし」
「誰からも助けは期待出来ない。今いる僕たちだけで、やるしかなさそうだね」
ネプチューンのぼやきに、ムーンが微笑みながら同意する。彼の声に被せるようにして、ガイアモンドが冷徹に断じた。
「何としても、セイガを捕らえ不死鳥の心臓を確保する。いいな?」
「「了解」」
彼の言葉に応じ、エージェントの二人は重々しく首を振る。
「でもよぉ」
唯一、納得していない調子のグシオンが口を挟んだ直後。突如として、強烈な異変が起こった。
彼らの周りを取り囲む景色が、一瞬の間に目まぐるしく移り変わる。壁だったところが道へ、狭い部屋だったはずの空間が、広いホールや細長い通路へと次々に変化していった。幻覚かとも訝ったが、ムーンはすぐに真実に気付く。
「転移魔法……!」
口走った途端に、肉体が限界を訴えた。転移を繰り返す度に、眼鏡型装置が発動している空間把握の機能から、新しい情報が与えられるせいだろう。処理能力を超えた情報量を流し込まれて、彼の脳がオーバーヒートを起こす。慌てて眼鏡を外したが、遅かった。ムーンの視界はぐるりと暗転し、意識までもが混濁する。
「う……っ、ぐっ!?」
正気に戻るや否や、首を強く押さえ付けられた。反射的にもがくと、指先にしっかりとした革の感触が伝わる。だが、相手は彼の背後に立っているらしく、抵抗しても中々上手くいかなかった。
「かはっ……」
「ムーンっ!!」
咽せ返る彼の耳に、ネプチューンの野太い声が届く。かと思うと、首にかかる負荷が唐突に消滅した。解放されたムーンは、赤くなった喉元を触って何度か咳き込む。瞑っていた目を開けると、青白い蛍光灯に照らされた薄暗い廊下にいることが分かった。
「ふん、邪魔が入ったか」
すぐそばで、聞き覚えのある男の嘲笑が響く。尻餅をついて座っていたムーンは、急いで身を起こして振り向いた。彼の前ではサバイバルナイフを構えたネプチューンが、千切れたベルトを手にして、誰かと対峙している。ブルーグレーの瞳が、怜悧な光をムーンに投げかけた。
「やはり、来ていたようだね……セイガ」
「当たり前だ。今日はこの世界の歴史に残る、偉大な日となるからな」
彼に名前を呼ばれた男は、おもむろに腕を広げて気取った礼を披露する。今日のセイガは、いつも以上に洒落た服装をしていた。青い髪をオールバックに整え、光沢のある生地のダークスーツを纏った姿は、ガイアモンドにも匹敵する端麗な魅力を備えている。一方で、整った顔立ちを邪悪に歪め、しなやかな痩身に油断なく力を漲らせている様は、狩りを待ち侘びる獰猛な獣を彷彿とさせた。
「お前も直接、自分の目で眺めるがいい」
彼は乾いた声音で吐き捨て、磨き抜かれた上等な靴でムーンの眼鏡を踏み潰す。その横に、ネプチューンによって真っ二つに切られた革ベルトの片方を放った。無造作で余裕のある態度に苛立ったのか、ネプチューンが眉を顰めて噛み付く。
「そんなこと、ワタシたちが許すとでも思っているの?だとしたら、とんだおバカさんネ。ちょっと顔が綺麗だからって、世の中舐め過ぎなんじゃな~い?」
「ネプチューン、やめろ」
「馬鹿はお前たちの方だ。俺がたった一人で、ここに立っているはずがないだろう」
すかさずムーンが窘めたが、彼は聞く耳を持たない。変わらず自分を睨んでいるネプチューンを、セイガは肩を竦めて受け流し、片手を掲げてフィンガースナップを鳴らした。パチンという音が薄暗い空間に響くや否や、どこからか銃や棍棒を携えた屈強な男たちが現れる。彼らは廊下の両側に並んだドアを蹴り開けると、訳の分からない怒号を迸らせてムーンたちを包囲した。
「ア~ラ、数で圧殺するつもり?上等じゃない……!受けて立つわヨッ!!」
「不死鳥の心臓が本物かどうかは分からないぞ、セイガ」
肌を刺激する戦いの予感に、ネプチューンは高揚を覚えて舌舐めずりをする。ムーンは彼を押し留めてから、あくまでも穏やかな口調で問うた。
「SGPは、仲間内で殺し合うような組織だ。君のことも、表向きは協力するふりをしながら、実は罠にかけるタイミングを計っているだけかも知れない」
「いずれ、時が来れば分かることだ。奴らが信用に値するかどうか、伝説の古代遺物は真実か嘘か……全て、実物を見れば解決する」
だが、彼の策は失敗に終わった。セイガは薄い瞼を閉ざして、ムーンの話を無感動に遮る。そして、退屈そうに続けた。
「第一、殺し合いは向こうが勝手に始めたものだ。俺はむしろ、奴らの願いを聞いてやっている立場なんだよ。“誰かさん”に疑われないためには、完璧な被害者を演じる必要がある。だから強引に押し入って、遺物を奪ってほしいと請われた。同時に奴は、子飼いの部隊を操って“小道具”を増やす……死体の数は多ければ多いほど、演出として効果的だとか言ってな」
テロリストと目されている男に力を貸せば、当然、SGPは警察やヘリオス・ラムダを敵に回すこととなる。それを避けるためには、彼らもまた犠牲者の一人であると演出する必要があった。故に、警備隊の連中が派遣されて、セイガ一味はおろか職員たちをも攻撃していたのだろう。恐ろしい犯罪者になす術なく蹂躙された、善良な一般市民の皮を被るために、大量の従業員が捨て駒として使い捨てられたのだ。
「奴というのは?所長代理か?」
誰の仕業なのかは、わざわざ聞かなくとも分かる。しかし、一応言質を取っておこうとムーンが尋ねると、セイガはいとも容易く認めた。
「そうだ。あのイカれた芝居狂いは、俺に格好の舞台を提供してくれた!不死鳥の心臓だけでなく、お前たちまで用意するとは周到な奴だ……おかげで、好き放題暴れられる。後で生き残りに騒がれるのも面倒だからな。今頃はあの兵隊共も、皆殺しにされているだろう」
「あんたたち、なんてことを!」
彼はチラリと部下を一瞥し、平然と非道な発言をする。そのあまりに惨い内容に、ネプチューンは絶句して拳を握り締めた。
「……なるほど。つまり、レジーナがメールを見つけられたのも、巧妙に張られた罠の一部だったわけか。わざとやり取りを盗み見させ、僕らをここに集めた。不死鳥の心臓を受け取った後、すぐにガイアを殺せるように」
ムーンも珍しく険しい面持ちで、ひたとセイガを見据える。彼の感情の読めない真顔と、鋭く細められた赤い瞳は凄まじい気迫を放っていた。
ところが、彼に睨まれてもセイガは決して臆さない。むしろ軽蔑と憎悪を強めた態度で、堂々と宣言した。
「ふん、全くその通りだ。俺はあの男の首を持って、<オメガ・クリスタル・コーポレーション>とアメジストの街を手中に収める。そこで、爆破を含む一連の事件は、ガイアモンドの自作自演だと訴える計画だ……もうすぐ、奴は何もかも失う。もうすぐで、俺の復讐は完遂される!!」
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