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心臓の在処
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「ハァ……お前たち、覚悟は出来ているのか?」
彼らの前に現れたセイガは、冷気を纏った身体を油断なく構え、臨戦体勢を取った。低い声音で尋ねられたムーンは、わざと間の抜けた表情で惚ける。
「覚悟、とは何への?君を怒らせたことかな?」
「俺の家族にしたことだ!!父を殺し母を辱め、見せしめにしたことへの……!!言い訳など認めないぞ!お前たちの犯した罪は、俺が今ここで償わせる!!ハァ……ッ」
セイガは怒りのあまり大きく息を切らして、肩を上下させていた。彼の頬は相変わらず蝋の白さを保っていたが、それとは対照的にブルーグレーの瞳ばかりがギラつき、無意味に鋭く際立っている。ムーンは彼の視線を正面から受け止め、傾けていた首を元に戻してから続けた。
「君こそ、覚悟を固めた方がいいんじゃないか?仮に君が僕たちを殺し、復讐を遂げたとしても、君は厄介な相手を敵に回すことになる……不死鳥の心臓を狙う者たちをね」
「何?」
あえて含みのある言い回しを使うと、セイガは呆気なく誘導されて眉を顰める。彼の興味を一層引き付けるべく、ムーンは数秒の間を設けて告げた。
「……SGP」
端的に答えると、セイガの眉間に深い皺が刻まれる。反論される前に、ムーンは穏やかだが滑らかな調子で語り出した。
「彼らが君の味方だという保証はどこにある?欺かれているのではないと、確信を持って言い切ることが出来るのか?所長代理とは、数回会ったきりなんだろう?それなのに君は、まともな証拠もなしに、彼を盲信している……本当はただ、弄ばれているだけかも知れないのにね」
彼はあくまでも他意のなさそうな、淡々とした話しぶりで問う。その方がかえって、セイガの心を乱し疑いを強めることが出来ると踏んだからだった。
「彼は君に協力するつもりなど毛頭なく、何かの実験材料か、都合のいい駒としか思っていないかも知れない。自分たちの楽しみのために、君を騙し、操ろうとしている……」
「フン、馬鹿馬鹿しい。口先だけの偽りに、俺が乗せられると思うのか?無駄なことだ」
とはいえ、流石のセイガも簡単には惑わされないらしかった。無論、投資やM&Aで莫大な富を築いた人物が、容易く他者の発言を鵜呑みにするはずはないだろうが。それでも尚、彼は堪えきれない憂慮によって、端正な面立ちに動揺の兆候が滲ませている。表面上は強がって、鼻で嘲笑っている彼の虚勢を看破し、ムーンは再び畳みかけた。
「本当に、そう言えるかな?現時点の君は、不死鳥の心臓が本物かどうかを知らない。自分の目で見たことも、効果を確かめたこともないんだからね。その存在を主張しているのは、所長代理なる男の言葉一つだけ……そしてもし、彼が嘘をついているのだとしたら?不死鳥の心臓なんて遺物は実在せず、君の行く先には、彼の仕掛けた罠が待ち構えている。奴らは最初から、裏で警察や僕らと結託し、君を捕縛する計画を立てていたんだ。危険なテロリストから街を守った英雄として、一躍話題になるために」
セイガは恐らく、数字や株式といった事実のみを映し出す代物に慣れるあまり、真偽を判断する力を失ったのだろう。あるいは、親と早くに死別したせいで、能力が十分に育たなかった可能性もある。原因はともかく、彼はムーンの企図した通り、疑心暗鬼に駆られて段々と青褪めていった。光の消えた瞳を忙しなく泳がせるセイガを、ムーンは真っ直ぐに射抜く。
「もしくは、君を生かしたままこの施設の一部に組み込む気かも知れない。偽の情報に踊らされ、まんまとやって来た君を隷属させて、まだ見ぬ真理を探究するための尊い犠牲に仕立てる……いずれにせよ、君がずっと追いかけていた物は、単なるまやかしである可能性が高い」
相手の狼狽を手に取るように理解しながら、彼は同じ表現を意図的に用い、無情な結論をはっきりと述べた。その瞬間のことである。
突如、鼓膜を突き破りそうなほどの、けたたましい警報音が鳴り響いた。タイミングの悪い出来事だと、ムーンは苦い感情を露わにし唇を歪める。直後、辺りに並んだ扉が一斉に開き、何が起こったのかを明確に提示した。
『システムが破壊されました。緊急停止します』
焦るムーンたちの頭上に、スピーカーから流れる機械音声が降り注ぐ。たった二文の短いアナウンスは、侵入者たちの手によって魔法の封鎖が解除されたことを伝えていた。繰り返されていた報告は、すぐに音割れし前触れもなく途切れる。同時に、周囲を照らしていた電灯も、次々と消えていった。視界が暗黒に閉ざされていく中、残された者たちは息を潜めて互いを窺っていることしか出来ない。
しばらくすると、万が一のために取り付けられていた非常灯が、ポツポツと点灯を開始した。しかし、その光量はあまりにも乏しく、頼りにするには何とも心もとない様相を呈している。元々まばらにしか配置されていない上に、定期的な確認や交換を怠っていたせいだろう。時折瞬いてさえいる緑の照明を浴びて、ムーンは形容し難しい絶妙な表情を浮かべていた。
「それで……これもまた、君の計画の内ということかな?」
皮肉とも本心ともつかない問いかけが、中空に投げかけられて霧散する。セイガは彼の質問を無視し、手元の携帯端末を必死で覗き込んでいるところだった。口元に宿った酷薄な笑みが、彼の顔中に徐々に広がっていくのを、ムーンは暗がりの下で目敏く洞察する。
「ふっ、お前はやはり、無駄な努力をしていたようだな。所長代理は十分、信頼に足る相手だ。何故なら、これが……奴からの合図だからだ」
セイガは侮蔑を混ぜた眼差しを送り、携帯の画面をムーンの眼前に突き出した。ディスプレイに映されたメールの文面を、ムーンとグシオンはかろうじて読み取ることに成功する。
『邪魔は全て排除。心臓は第502研究室に格納中』
随分と曖昧な言い回しだが、込められた意味は容易に察せられた。
「な、何だ?何が書いてあるんだ?」
ただ一人、文字を見逃したガイアモンドが首を捻って呻いている。彼がセイガの注意を引いてしまわぬよう、グシオンが手を挙げて黙れと指図した。
彼らを背後に庇ったムーンは、冷徹な瞳でセイガの両目を見据える。相手も同じく、最大限の警戒をした様子で彼を睨み返した。永遠にも思われる、だが実質は一瞬にも満たない時間が、二人に挟まれて過ぎる。先に動き出したのは、セイガの方であった。
「っ!!」
サッと身を翻して走り去る彼の後を、ムーンは即座に追いかける。だが、数歩も行かない内に魔法の妨害を受け、立ち止まらざるを得なくなった。壁や床、天井など至る所から生えてきた氷柱が、尖った先端で通路を隙間なく塞いでしまったのだ。
しかし、その程度の障害でムーンが諦めるはずはない。彼は素早く銃を抜くと、何度か引き金を引き、氷柱に弾丸を撃ち込んだ。もちろん、拾い物の小銃では大した威力は期待出来ないが、表層にいくつかの亀裂を入れるくらいの効果は発揮した。生じた弱点を彼は靴の踵で蹴り、氷を粉々に破壊して先に進む。やや後ろを、凍り付いた身体でも運動能力を失わないグシオンが、軽快な跳躍で障害物を飛び越え、ついてきていた。少し経つと、二人はほとんど足並みを揃えて廊下を駆けるまでになっている。セイガは彼らのすぐ手前、指を伸ばせば今にも届きそうな距離を、敏捷な動作で逃げていくところだった。不規則に放たれる魔法や、施錠の外れたドアから現れる研究員たちを避けて、ムーンたちは懸命に疾駆する。たとえどんな方法を使ったとしても、彼にだけは不死鳥の心臓を渡さないために。
彼らの前に現れたセイガは、冷気を纏った身体を油断なく構え、臨戦体勢を取った。低い声音で尋ねられたムーンは、わざと間の抜けた表情で惚ける。
「覚悟、とは何への?君を怒らせたことかな?」
「俺の家族にしたことだ!!父を殺し母を辱め、見せしめにしたことへの……!!言い訳など認めないぞ!お前たちの犯した罪は、俺が今ここで償わせる!!ハァ……ッ」
セイガは怒りのあまり大きく息を切らして、肩を上下させていた。彼の頬は相変わらず蝋の白さを保っていたが、それとは対照的にブルーグレーの瞳ばかりがギラつき、無意味に鋭く際立っている。ムーンは彼の視線を正面から受け止め、傾けていた首を元に戻してから続けた。
「君こそ、覚悟を固めた方がいいんじゃないか?仮に君が僕たちを殺し、復讐を遂げたとしても、君は厄介な相手を敵に回すことになる……不死鳥の心臓を狙う者たちをね」
「何?」
あえて含みのある言い回しを使うと、セイガは呆気なく誘導されて眉を顰める。彼の興味を一層引き付けるべく、ムーンは数秒の間を設けて告げた。
「……SGP」
端的に答えると、セイガの眉間に深い皺が刻まれる。反論される前に、ムーンは穏やかだが滑らかな調子で語り出した。
「彼らが君の味方だという保証はどこにある?欺かれているのではないと、確信を持って言い切ることが出来るのか?所長代理とは、数回会ったきりなんだろう?それなのに君は、まともな証拠もなしに、彼を盲信している……本当はただ、弄ばれているだけかも知れないのにね」
彼はあくまでも他意のなさそうな、淡々とした話しぶりで問う。その方がかえって、セイガの心を乱し疑いを強めることが出来ると踏んだからだった。
「彼は君に協力するつもりなど毛頭なく、何かの実験材料か、都合のいい駒としか思っていないかも知れない。自分たちの楽しみのために、君を騙し、操ろうとしている……」
「フン、馬鹿馬鹿しい。口先だけの偽りに、俺が乗せられると思うのか?無駄なことだ」
とはいえ、流石のセイガも簡単には惑わされないらしかった。無論、投資やM&Aで莫大な富を築いた人物が、容易く他者の発言を鵜呑みにするはずはないだろうが。それでも尚、彼は堪えきれない憂慮によって、端正な面立ちに動揺の兆候が滲ませている。表面上は強がって、鼻で嘲笑っている彼の虚勢を看破し、ムーンは再び畳みかけた。
「本当に、そう言えるかな?現時点の君は、不死鳥の心臓が本物かどうかを知らない。自分の目で見たことも、効果を確かめたこともないんだからね。その存在を主張しているのは、所長代理なる男の言葉一つだけ……そしてもし、彼が嘘をついているのだとしたら?不死鳥の心臓なんて遺物は実在せず、君の行く先には、彼の仕掛けた罠が待ち構えている。奴らは最初から、裏で警察や僕らと結託し、君を捕縛する計画を立てていたんだ。危険なテロリストから街を守った英雄として、一躍話題になるために」
セイガは恐らく、数字や株式といった事実のみを映し出す代物に慣れるあまり、真偽を判断する力を失ったのだろう。あるいは、親と早くに死別したせいで、能力が十分に育たなかった可能性もある。原因はともかく、彼はムーンの企図した通り、疑心暗鬼に駆られて段々と青褪めていった。光の消えた瞳を忙しなく泳がせるセイガを、ムーンは真っ直ぐに射抜く。
「もしくは、君を生かしたままこの施設の一部に組み込む気かも知れない。偽の情報に踊らされ、まんまとやって来た君を隷属させて、まだ見ぬ真理を探究するための尊い犠牲に仕立てる……いずれにせよ、君がずっと追いかけていた物は、単なるまやかしである可能性が高い」
相手の狼狽を手に取るように理解しながら、彼は同じ表現を意図的に用い、無情な結論をはっきりと述べた。その瞬間のことである。
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「それで……これもまた、君の計画の内ということかな?」
皮肉とも本心ともつかない問いかけが、中空に投げかけられて霧散する。セイガは彼の質問を無視し、手元の携帯端末を必死で覗き込んでいるところだった。口元に宿った酷薄な笑みが、彼の顔中に徐々に広がっていくのを、ムーンは暗がりの下で目敏く洞察する。
「ふっ、お前はやはり、無駄な努力をしていたようだな。所長代理は十分、信頼に足る相手だ。何故なら、これが……奴からの合図だからだ」
セイガは侮蔑を混ぜた眼差しを送り、携帯の画面をムーンの眼前に突き出した。ディスプレイに映されたメールの文面を、ムーンとグシオンはかろうじて読み取ることに成功する。
『邪魔は全て排除。心臓は第502研究室に格納中』
随分と曖昧な言い回しだが、込められた意味は容易に察せられた。
「な、何だ?何が書いてあるんだ?」
ただ一人、文字を見逃したガイアモンドが首を捻って呻いている。彼がセイガの注意を引いてしまわぬよう、グシオンが手を挙げて黙れと指図した。
彼らを背後に庇ったムーンは、冷徹な瞳でセイガの両目を見据える。相手も同じく、最大限の警戒をした様子で彼を睨み返した。永遠にも思われる、だが実質は一瞬にも満たない時間が、二人に挟まれて過ぎる。先に動き出したのは、セイガの方であった。
「っ!!」
サッと身を翻して走り去る彼の後を、ムーンは即座に追いかける。だが、数歩も行かない内に魔法の妨害を受け、立ち止まらざるを得なくなった。壁や床、天井など至る所から生えてきた氷柱が、尖った先端で通路を隙間なく塞いでしまったのだ。
しかし、その程度の障害でムーンが諦めるはずはない。彼は素早く銃を抜くと、何度か引き金を引き、氷柱に弾丸を撃ち込んだ。もちろん、拾い物の小銃では大した威力は期待出来ないが、表層にいくつかの亀裂を入れるくらいの効果は発揮した。生じた弱点を彼は靴の踵で蹴り、氷を粉々に破壊して先に進む。やや後ろを、凍り付いた身体でも運動能力を失わないグシオンが、軽快な跳躍で障害物を飛び越え、ついてきていた。少し経つと、二人はほとんど足並みを揃えて廊下を駆けるまでになっている。セイガは彼らのすぐ手前、指を伸ばせば今にも届きそうな距離を、敏捷な動作で逃げていくところだった。不規則に放たれる魔法や、施錠の外れたドアから現れる研究員たちを避けて、ムーンたちは懸命に疾駆する。たとえどんな方法を使ったとしても、彼にだけは不死鳥の心臓を渡さないために。
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