聖なる幼女のお仕事、それは…

咲狛洋々

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ちょっと息抜き

SS 夏だ!祭りだ!遊びまくれ! 〜ザザナームとアルケシュナーと愛し子 後編

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「お嬢ちゃん本当かい?いくら色男だからって騙されてやしないかい?」

 肝っ玉母さんって感じのおばちゃんに色男と言われてアルバートさんがたじたじしてる!ウケる!ロアさん同様に褐色の肌に銀目や金目の人達がアルバートさんを追い立てていて、私は思わず吹き出した。

「ぷはっ!あはははっ!アルバートさん良かったね!色男だって!」

「こんのっ!フロリア!良い加減にしないと屋敷にお前だけ返すぞ」

「ごめんっ!ごめんなさい!もうしないっ、ぶふっ!」

ゴンッとゲンコツを頂いて、私は皆んなに事情を説明した。すると、背の高い青年部のリーダーって感じのお兄さんが私の前に現れて、すっと手を伸ばした。

「その魔石、見せてくれるか?」

「はい、どーぞー!」

「……ガリッ」

「ほわっつ!ちょっ!人が食べたらお腹壊しちゃうよ!」

 お兄さんはそれでもバリバリ食べた。そしてごくんと飲み込むと、清々しい程図々しい笑みで手を差し出した。

「もう一つくれないか?」

「……え?まさかお兄さん神様なの?」

「俺はアマタケルって言うんだ。嬢ちゃんもしかしてフェリラーデ様の神魂を持ってるんじゃ無いか?」

「うぇぇ!なっ、何で神様ここに居れるの?その体依代?」

「ははっ!俺が見えているのは嬢ちゃんだけだよ。俺は土着信仰されてる土地神だからな。この地から離れられないからここに居るんだ」

「ほぇぇ!でもいいね!この場所毎日楽しそう!」

「あぁ、民は穏やかで、真面目。そして直向きで善良な者ばかりだ。だから俺はここで上神できて幸せだ」

 ニカッと笑うその顔は、野球少年みたいだった。夏休みに真っ黒に日焼けして、バットとグローブ抱えて自転車かっ飛ばしてそう。爽やかだ。

「私はフロリアだよ。お祭り楽しい?」

「あぁ!民が俺の守る土地で平和に暮らして、豊作だったと喜んでくれる。こんなに嬉しい事は無い」

「良い神様だね!アマタケルさん……なんか言いにくいからタケルさんって呼ぶね?タケルさんの事が皆んな大好きなのが分かるよー!だってあのお面とか、あの絵とかみんなタケルさんだよね?似てるもん!こういうの良いね、大好き!興奮する!祭り好きの日本人の血が騒ぐよ!」

「そうか?そうか、そうか!あぁ、嬉しいなぁ!旅人も、異邦人もみな楽しいと俺は嬉しいんだ!嬢ちゃん、俺とここに住まないか?嬢ちゃんも眷属なんだろう?」

「……パパとアルバートさんと住めたらいいのに。でも、私…眷属じゃないの」

「?だってこれ、嬢ちゃんが作ったんだろう?」

「私はフェリラーデさんの契約なの」

「……こ、これは失礼した!3神の一柱とは露知らず、失礼な事を申した!」

「ううん、まだ上神してないし、する予定もないから。今日はね、アルバートさんが息抜きに連れてきてくれたの。だから今日帰らなきゃならないの。でもさ、ここにセルトトさんっているんでしょ?」

「セルトト神は俺と違ってセジャーイーの他の地でも信仰されているからな。いつもセジャーイーの領内を転々としているよ。俺はもう何百年とあの方にはお会いしていない」

 少し落胆した顔のタケルさんに、私はなんだか悲しい気持ちになった。狭い地域で信仰されている土着の神様、触れ合う神も少ないのだと言う。どれだけ人々が彼を愛していても、彼等にはタケルさんが見えない。それは愛情を注いだ分だけ寂しくて、孤独がその神魂を蝕んでいる様に思えた。

「お、おい。フロリア……大丈夫か?さっきから独り言ばかりだが」

 アルバートはフロリアを抱き上げると辺りを見渡している。もしかしたらまたどこぞの神やら眷属やらが居るのではないかと慌てていた。だが、その通りであった。

「今ね、目の前にアマタケルさんって神様がいるよ?」

 アルバートは天を仰ぎ、これ以上はやめろと叫んだが、フロリアを取り囲む村人達はどこだどこだと騒ぎ立てた。

「お嬢ちゃんそれは本当かい?」

「ん」

 フロリアは魔石を手のひらに乗せ、目の前に居るアマタケルに突き出した。彼はそれを手にするべきか悩み躊躇していたが、フロリアが「大丈夫」と言ってずいっと押し付けて来たので、それを摘み上げパクリと口に入れた。

「「き、消えた!タケル様がいらっしゃるんだ!」」

「おい!御神酒持って来い!」

「タケル様のお好きだと言う串焼きとおはぎ!ばーちゃん、急いで!」

「あぁっ、俺は何を差し上げよう?そ、そうだっ採れたてのトーモコロシがある!タケル様、待っていて下さい!すぐお持ちしますから!」

村人達は慌てて家に帰ったり、売り物を買い込んでフロリアの目の前に積み上げた。そして、まるで親戚が帰って来たかの様に各々好き勝手に話しかけている。

「孫が生まれたんでさぁ!」

「私、今度結婚するんです!タケル様の様に頼りになるんです!」

「たけるさまー!土のおだんごあげるー!」

「だめよ!タケル様は美しいものが好きなんだから!タケル様、お花の冠よ?あ、どうしよう、被せてあげられない!ねぇ、お姉ちゃんこれタケル様にあげて欲しいの」

「いーねー!きっと似合うよ!」

フロリアはアルバートの腕から降りると、少女から花冠を受け取りタケルの頭に被せてやった。

「何でお姉ちゃんだとあげれるの?私だってタケル様にお会いしたいのに!」

少女に聞かれてフロリアは首を傾げた。

「本当だ」

確かに。私の体が神体だから?何でだろう。
でも、タケルさんはすごく嬉しそうで、ずっと泣き笑いしている。皆んな幸せが嬉しい。その幸せの中にタケルさん、あなたもいるんだよ?だから大丈夫、1人じゃない。

 勝手にじんわりほっこりしていると、懐かしい神力の圧が降り注いだ。誰もがびっくりしていて、アルバートはフロリアを思わず抱き上げた。そして神であるタケルも驚き目を見開いている。

「おいフロリア。まさかお前が呼んだのか」

「そんな訳無いじゃん。あれだよ、天上界から見てるだけが辛くなって出て来たんだよ。断じて私の所為じゃないから」

「俺も慣れたもんだな。もう神力に抑え付けられる事もない」

 だがアルバートは知らない。フロリアを抱いているからだと言う事を。


『愛し子ーー!来ちゃったーー!』
『愛し子、会いに来た』

 ポーンと飛び出して来たアルケとシュナーがアルバート目掛けて飛びついて来て、アルバートはぐっと唸り仰け反った。そしてアルケシュナーにもみくちゃにされながらも何とかフロリアを抱え直した。

『フロリア、我が妹よ。天罰は辛かったか?あれも全て其方の為を……』

「分かってる分かってる!お兄ちゃん達、皆んな久しぶりだね!」

 フロリアはアルバートから飛び降りると、トルトレスとクローヴェルに抱きつきしがみついている。トルトレスは頬擦りしながら抱きしめ腕に抱え腕を振った。

『アマタケルよ、今宵一時の恩寵を授ける事も可能だが如何する。其方……』

 トルトレスが最後まで言い終える前に、アマタケルは言葉を被せ笑って答えた。

「有難き幸せ。今宵は上神より600年目、そして最高の夜となりましょう」

『そうか。ならば良い、我々も天より其方らを眺めておった。祭りとやらに我等も加わって構わぬか?』

「勿論に御座います、最高神様方をおもてなし出来る民達はこの日の事を末代まで語り継ぐ事で御座いましょう」

 民達は一体何が起きているのかわからず、急に現れた神々と、初めて目にする彼等の加護神アマタケルの姿に驚いている。だが何よりも一番偉そうな神の腕にあの少女が抱かれていると言う事に驚いていた。


『愛し子ー!これ買って!』

「アルバートさん、これ買ってって!」

『剣よ、我はこれがよい』

『我もトルトレスと同じものを頼むぞ、剣よ』

『アルバート、私はこれが良いわ。あら、あちらも美味しそう』

『では、私はあれを。私の風の眷属達が匂いが堪らぬと堪えきれないようでね、アルバート。頼みますよ』

『アルバートよ!我は燃えるように熱いあのクラン焼きを頼むぞ!祭りは我の領分よ!今宵は我の業火で盛り上げてしんぜよう!』

「嬢ちゃん、皆と楽しめる祭りは楽しいなぁ!」

「だよね!お祭り最高ーー!」

『『お祭り最高ーー!』』

 神々とてストレスはあるし、不平不満もある。そして叶わぬと知りつつ抱いてしまう願いもあった。口では人への愛を語るが、簡単に触れ合えぬ人の子達に、いつも神々は触れ合いたいと願って来た。最高神の恩寵により、神力が分け与えられ彼等は下界に顕現できた。だが、フロリアという存在が居なければ、トルトレスがそれを許す筈が無いと思うと、神々はアルケシュナーと手を繋ぐフロリアを見ながら感謝していた。

『……すまぬな。人の子よ』

「……ザザナーム様お気遣い痛み入ります」

 いつの間にか神々は浴衣や甚兵衛に着替え、髪を結い上げた姿で村の出店通りを闊歩する。その背後からアルバート達は財布となって付いて歩いていた。大概買い食いをさせたがまだ足りぬと、神々はあっちへフラフラ、こっちへフラフラと各々自由に歩き回る為、アルバートはもう面倒だと部下の騎士達から財布を奪い取り、そこに銅貨と銀貨を追加してパンパンに膨れ上がったそれを神々に手渡した。

「限度額はこの財布の中身です。お好きにお使い下さい!後、迷子になりましたら、合図を空に打ち上げるか、アマタケル様にお願いして先程入って来た出店通りの入り口でお待ち下さい。お迎えに参ります。宜しいでしょうか皆様」

『『相分かった』』

 まるで子供の引率かの様な自分に、フロリアを気遣ってやったばっかりに俺がこんな目に合うとは、ハリィを連れてくれば良かった。そして殺気立つハリィの相手は御免とばかりに、伝言も残さず出て来た事をアルバートは後悔した。

「アルバートさん、私離れてもいいの?」

「構わん。トルトレス神様方居られるのだ。何か有り様も無いだろう」

「わーい!アルバートさん大好きー!ぎゅー!」

「えぇい!暑い!」

「アルバートさんも浴衣借りれば良かったのに。絶対似合うのに」

「はぁ。俺はこの先の領主館で仕事がある。ロア達を残すからまた後でな」

「えぇっ!お祭り楽しもうよ!お仕事は明日でも良いでしょう?お願い!アルバートさんも一緒に行こう?お願い!」

 フロリアは拝み手でアルバートに懇願した。そんなフロリアに、アルバートは笑いながら頭を撫で「悪いな。大事な用なんだ」と言って去って行った。

「……」

『何?寂しいの?』

「うん。アルバートさん、私とはなかなか遊んでくれないから。今日は嬉しかったのに」

『大丈夫でしょ?戻ってくるみたいだから、お土産買って渡したら?』

「そうだね。みんなで楽しまなきゃ損だよね!」


 初めて見る神々に臆する事なく民達は笑いかけ、手を取り踊ろうと誘い出す。アマタケルは子供達に囲まれ供物に埋もれていて、若者達はレネベントに法被を着せて皆で神輿を担いで練り歩く。村の取り纏めの年寄り達は久しぶりだと意気揚々と大団扇を仰いで彼等を煽る。フロリアは本来ならそこに貴方が乗るんでしょ?そう言いながらアルケシュナーやクローヴェルと笑って踊り歌う。そんな彼等をトルトレス達は綿菓子を頬張りベタベタになった顔で見つめていた。

『命の炎はこれだから堪らぬのだ』

『本当に。私、思い出しましたの……眷属であった頃、フェリラーデ様にこの祭りに連れられた事。あの時の土地神は別のアマタケルだったけど、当代のアマタケル。彼のこの土地と人への愛は他の神とは比べ物になりませんわね』

『神の想いで土地も人も変わる。見習わねばならぬな、あの者の様にひたすらに孤独を受け入れただ民を愛す姿勢、神位が上がっても良い位だ』

『あぁ、眷属が歌っていますよ。人々の奏でる祭囃子に喜んでいます。ふふっ、誰かにこの喜びを伝えたいと音を遠くまで伝えに行ってしまいまいましたね。本当にまだまだ子供なんだから』

オーフェンタールにザザナーム、シャナアムトはゆっくりと消えゆく祭りの残り火をその神魂に感じ、夜空を見上げた。

『『戻りたくないなぁ』』

 少しずつ出店の明かりが消え始め、人々は広場に集まると神々を呼び集めた。そして村長が代表して感謝の気持ちを語った。

「本日はこの村の祭りにお越し頂き、誠にありがとう御座いました。我々の敬愛して止まぬアマタケル神の御姿を拝見出来た事は、我等が一生の宝で御座います。そしてこの世界をお創り賜うたトルトレス神様、安息を齎してくださるクローヴェル神様。土地を癒し、風を呼び、生きる物全てを温めるすべての命に恵みを与えて下さる5形威けいい神様には感謝と祈りを捧げます」

 名を呼ばれなかったその言葉に、アルケシュナーは手を繋ぎそっとザザナームの巨体の影に隠れた。アルケは静かに涙を零し、シュナーは悲しげに足元を見つめた。

「今宵は奇跡の夜でした。もう2度と神々にお会いする事は叶いますまい。そしていつか我々は肉体を離れこの世を去ります。しかし、この地の民は恐れませぬ。なぜならアルケシュナー神が我等をお迎えくださると知っておるからでございます。朗らかなアルケ様、お優しいシュナー様、死せる時、二柱様にお会い出来ると我々は死をも楽しみなのでございます」

 その言葉に、アルケシュナーはそっとザザナームの背から顔を出した。そして村長の手招きに応えて近寄った。

「今宵で最後かもしれませぬ。ですが、死後の世界でまた我々とこの日の想い出話しにお付き合い下さいませんでしょうか?」

『ぐすっ、いいよ。だったら死ぬ時にさ、ぐすっ、ぐすっ。雷氷の道よって言うんだ。そしたら特別にっ!僕達が迎えに行くから。だから、僕達と遊んだ事忘れないでっ』

泣きながら村長に抱きつくアルケシュナーを、人々は取り囲み抱きしめた。その光景をトルトレス達は微笑ましく見つめ、フロリアは泣きながらその輪に突撃して行った。

『アマタケルよ。良かったのか』

『はい。トルトレス様……今年の土起こしが最後でしたから』

『フロリアの神力を喰うたが、それでもか?』

『この姿を保つのと、民への贈り物で全て使ってしまいました』

『そうか。其方と早くに語っておればな。神位を上げてやれた……すまなかった』

『いいえ、良いのです。腹八分目、何事も後もう少し。そう思う位が良いのです。奢らず、分相応に欲張らずただ民を愛せた事が嬉しかった。嬢ちゃ、いえっ、フロリア様に感謝申し上げますとお伝え下さい』

『……良かろう。アマタケル、永きの務めご苦労であった』

『有難き幸せに御座います。トルトレス様の光が遍く世界を照らします様に……では失礼致します』


 泣き声響く広場の上空、全てを切り裂くような爆音が響いた。皆驚き空を見上げた。

「花火だっ!」

「すごく綺麗!」

「わーー!花火だーー!」

人々は何発も上がる美しい花火に声を上げ、祭の締め括りを楽しんだ。そしていつの間にかいなくなったアマタケルに名残を残しつつ、未だ上がり続ける花火を見上げた。

『フロリア、あれアマタケルの神魂が砕けた光なんだよ』

「え?」

『元々土地神は精々400年が限界なんだ。彼は頑張ったんだ。嬉しくて最後の力を使ったみたいだよ』

「そう。また、私がいらん事したから」

『違う!彼も夏を思い切り楽しみたかったんだ。人の子と』

「楽しめたならいいな、はぁ。イケメンだったなぁ、ボーイフレンド位にはなってくれたかなぁ?残念」

『ビッチ』

「ツンデレ」

涙に滲むその花火は、まるで彼の様に明るく、力強く美しかった。

「フロリアー!何だこれはっ!誰が迷子になった!」

 夏は始まったばかり。海に山、川に湖と遊びはまだまだ盛り沢山で、
トルトレス達はフロリアと海に行く約束をして天上界へと帰って行った。






タケル物語になってしまいました。
すみません。
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