いと高きところに

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弐拾八a 終章 いと高きところに 前

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1.


 その女は明らかに怪しげな風体だった。髪の毛をまとめて帽子の中に入れ、見るからにオーダーメイドなトレンチコートに身を包み、店内なのにサングラスまで装着している。

「マユちゃん、どうしたの? 妙な格好をして」

 彼女は辰巳の目の前まで歩いてくると、少しサングラスをずらして、上目遣いに辰巳を見つめ、囁いた。
「おかしいわ、変装しているのに。ごきげんよう、辰巳さん。なぜ、私と気付かれたのですか?」
「かなり目立ってるよ。人に気付かれたくないのなら、もっと目立たない格好にしないと」
 アドバイスしながらも、辰巳は自分の頬が痙攣するのを感じた。油断すると吹き出しそうだ。

 大真面目に受け答えする目の前の怪しい女は彼の知り合いの彼女だ。生まれもお育ちも非常によろしい上流階級のお嬢様である。その彼氏にあたる知り合いの男は野蛮で下品で凶暴なチンピラの様な人間だ。どこでどう間違えたらこのお嬢様と「あれ」がカップルになるのか理解に苦しむところである。

「今日はどうしたの? そのおかしな変装は何の為?」
「しっ」
 真由は人差し指を自分の口の前に立てて、辰巳を軽く睨んだ。
「現在、ミッションの最中なのでございます。お静かに」
 妙な変装だが、どこか上品さが漂うところが彼女らしい。笑いを堪えて眺めていると、彼女は周囲を見回した。
「おかしいわ。まだいらっしゃっていない?」
「誰かと待ち合わせ?」
「はい。岸本さんです」
「へ?」
 間接照明だけで少々暗めな店内をキョロキョロと見回している。
「多分、そのサングラス外せばもっと見えると思うよ」
「これを外したら、私と見破られるかもしれませんわ」
「ってか、見破られたら困る知り合いなんているの?」
「勿論ですわ」
 振り向いて辰巳を見つめると、彼女は少し口を尖らせた。
「敦さんに見つかると大いに困ります。トップシークレットですわ」
 辰巳は少し悩んだ。そもそも、自分でさえ簡単に見破ったのだ。この場に敦が居たら、光の速度で真由を看破する事だろう。しかし、目の前のお嬢様は慣れないスパイ活動をお楽しみになっているご様子だ。水を差す発言は控えておいた方がよいだろう。


 店のドアが開いた。そちらに目をやり「いらっしゃいませ」と声を上げた辰巳は思わせぶりに真由に目配せをする。
「待ち人来るだよ」

「うっす」
 相変わらず、言葉が少ない男は仏頂面でカウンターに歩み寄ってきた。
「岸本さん、ごきげんよう」
「!?」
 岸本は辰巳の前に腰を降ろしていた妙な女に突然声を掛けられ、動揺した。それを見た真由は目を輝かせて辰巳を振り返った。
「ご覧になられましたか? 岸本さんを驚かせましたわ!」
 その嬉しそうな声を聞いた岸本は眉を寄せて、その変な女を観察した。
「……ったく、勘弁してよ。チョ……じゃなく、真由ちゃん? 何その変な変装?」
「どこが変なのかわかりかねますわ。ミッションの途中ですわよ、岸本さん。お願いしました [ブツ] はお持ちいただけましたでしょうか?」
「ほら」
 彼は手に提げていた紙袋を真由に手渡す。彼女は中をあらためて「確かに」と頷いた。手元のバッグから封筒を取り出すと、それを岸本に渡そうとする。
「金はいいよ」
「駄目です。こういった事はきちんとしないといけませんわ」
「いい店の情報を貰ったから、そのお礼」
「駄目ですわ。予約も含めて面倒なところは全て岸本さん任せにしてしまいました。受け取って下さい」
「わかったよ」
 真由の剣幕に押された岸本は諦めて封筒を受け取ると上着のポケットに捻じ込んだ。真由はホッとした様に微笑した。
「それ、保冷剤ついてっけど、早めに持ち帰って冷蔵庫に入れといた方がいいぞ」
「ご忠告ありがとうございます」

「ちょっと待て」
 辰巳は2人の間に割り込んだ。
「飲み屋に来て、何も注文しないまま用事は済んだようだね。このまま、帰ったら俺怒るよ。さすがに」
 まくし立てる辰巳を見ながら、2人は苦笑した。
「では、一杯だけ頂きますわ」
「俺は一杯以上飲むから、安心しろ」
 2人の返答を聞きながら、辰巳は心の中で首を傾げた。真由が近くに居ると岸本の言動が普通の人みたいになる。この妙な影響力は傍で見てると非常に面白い。そもそも、何を買ってもらったのか知らないが、この男をパシリに使うなんて、(やはりマユちゃんは一味違う)と感心しきりであった。

 しかしながら、普通にどう振舞っても岸本の存在感は半端ではない。彼が近くに居るだけで、誰も真由に話しかけてこなくなる。岸本が来店する少し前まで、真由に話しかけるタイミングを計っているような客は辰巳が気付いただけで2名居た。もしかしたら、それ以上だったかもしれない。そして岸本来店と同時に「皆無」になった。素晴らしい防虫効果だ。


 岸本経由でお目当ての貢物(チョコ)を手にした真由は、結局は岸本が原因で2月14日にそれを本命に渡す事は叶わなかった。後日、その事に気付いた岸本に「ごめんなさい」されたが「岸本さんのせいではございません事よ」と健気な男気を見せた。

2.


「お母様、酷いですわ」
「真由さん、落ち着きなさい」
「これが落ち着いていられますか? 敦さんを勝手に連れ回すのはお止め下さい」
「人聞きが悪いですわ。ほんの半日、連れ出しただけではないですか? 彼の為にも色々な方々に紹介し、挨拶させるのはよろしいかと存じますよ?」
「それは私が18を迎えてからでも遅くございません」
「まあ、真由さん。お心が狭いですわね。何に目くじらを立てている事やらですわ」

 真由は不満そうに口を閉ざした。確かに彼女の母親が言う事には一理ある。しかしどう考えても、見せびらかす為に連れ回しているとしか思えない。娘にさえも事後報告とはどういうつもりだろう?

「敦さんにも困った事。お喋りな殿方は嫌われますよと伝えておいて下さいませ」
「お母様?」
 立腹した真由の目から光線が発射されそうだ。敦から聞かなければ、母親と彼が外出した事にさえも気付かなかっただろう。全ては真由が授業を受けている金曜日の午後に行われた。

 歌舞伎座に連れて行くと贔屓の役者に紹介し、銀座で買い物に連れ回して常連の店に紹介がてら採寸させ、彼女がよく通うスポーツジムにまで連れて行ったのだ。
「ほほ、敦さんって驚くほど体格が良いのですね。プールでは眼福いたしましたわ。若い頃は競泳もやっていらっしゃったそうですわ」
 真由はわなわなと拳を握った。実の母親で彼女の性格を把握していなければ、娘の恋人を奪おうとしていると誤解するところだ。彼女が深く夫を愛している事を知っている真由はそれは無いと理解している。しかし、それでも気に入らないものは気に入らないのだ。ふと母親の言葉を反芻して、彼女は思考を停止した。
「競泳?」
「そうですよ。小学校から中学にかけて嗜んでいらっしゃったようですわよ」
 自分も聞いた事ない情報を何故母親に話すのだ。理不尽なものを感じて、真由はムスッとした。

「巷で流行っているという草食男子とは全く正反対な殿方ですわね。肉食ですか? そういえば、山村さんのお店で美佐子さんと偶然お会いしましたわ」
 真由はギクリとした。美佐子とは父の上の姉、真由にとっては叔母の名前である。他家に嫁ぎ、姓は田村となった栄治の母親である。薫は皮肉気な微笑を刷きながら、言葉を続けた。
「栄治さんもお母様とご一緒でしたわ。東京にいらっしゃるので荷物持ちでもさせられたのかしらね? あんな不肖の息子でも実の子供だから捨てるに捨てられないのですね。おお、やだ」
 栄治に対する薫の評価は見事に地に堕ちている。彼がしでかした事を考えたら、当たり前かもしれないが喉元過ぎてる真由は少しだけ不憫に感じた。死ぬほど嫌な出来事だったが、逆から考えると、あれが無ければ敦に出会わなかった。

「敦さん、栄治さんとは初対面とは思えなかったわ」
「え?」
 思ってもいなかった母親のコメントに真由は目を見開いた。
「お母様、それは?」
「紹介する前に睨みあってたわよ。栄治さんの方では、逃げ腰だったわね。敦さんがニコニコしてるのに、目付きが笑ってないのが怖かったわね」
 思い出しながら語る薫を凝視しながら真由は思い悩んだ。
(初対面ですわよね?)
 野性の本能で相手の正体を見破ったのだろうか?
 もしそうなら、凄い勘だ。真由は敦は絶対に敵にしないほうがよさそうだと強く感じた。

3.


(これを悪夢だ。やはり外に出なければよかった)

 栄治は目の前に居る男をなるべく見ないように焦点を彼の脚に当てていた。薄笑いを浮かべながら、じっと自分をねめつけるその視線は非常に彼の居心地を悪くする。
 実家から母親が出てきた。都内に外せない用事があるとの事だった。その後、買い物があるからとお供の命令が下ったのだ。
 そもそも今の世の中、ネットで何でも購入できる。実際に足を運ぶ店もよほどの店で無い限り、色々な地方にも店舗を出しているご時世だ。わざわざ銀座に買い物の為に足を運ぶ事自体ナンセンスだと思う。しかし、今は逆らえない。東京山辺家関連で両親からは厳しく追及されたばかりだ。母親もなるべく刺激したくないので、嫌々ながら買い物に付き合った。その結果がこれだ。

 その男の目が光っている。薫と一緒だ。なぜこの2人が一緒にいるのかわからないが、苦手な人間とダブルで遭遇するなんて自分はとことん不幸な男だ。
 紹介され、「はじめまして」と口にはするが、歓談する相手としては物騒な気配が拭えない。腰が引けてるので、フレンドリーには喋れない栄治は早く逃げ出したくて堪らない。女性二人が店の主人と話し込んだ際に物陰で胸倉を掴まれた。

「タムタム、ビビんなよ。その気が無くても苛めたくなりそう」
「敦さん、すみません」
「あ? 俺、オメーに下の名前で呼ぶ権利許してたっけ?」
「……すみません……」
「どう? その後、息子さんは?」
「え?」
「鈍い奴だな。短くて皮被ってるこいつの事だよ」
 敦はズボッと栄治が穿いているコーデュロイパンツの上から栄治の股間に手を押し当ててやわやわと揉んでくる。
「あ、やめ、止めてください」
 情けない声を小声で上げる男を見ながら敦は笑う。
「今も同じサイズっぽいな。専門医にはまだ見せてない?」
 引っ張り上げられたまま、間近に顔を寄せられた栄治は生きた心地がしない。
「相手する女の身にもなってみろ。汚れが溜まりやすいし、くせーの我慢するの大変だぞ?」
「は、……はい」

「敦さん? あら?」
「何、薫さん?」
「こちらにいらっしゃったのね。もう栄治さんと仲良くなられたの?」
 自分の身体で隠している栄治の胸元と股間に掛けている両手をそっと放しながら敦は振り向いて笑った。
「ま、そんなところだ。マユの従兄弟さんだって?」
「将来は貴方にとっても従兄弟になるかもしれませんわね」
「せいぜい良い子にして可愛がってもらえる様努力しますよ」
 敦は振り向くと、他に聞こえない低い声で嘲笑った。
「従兄弟のタムタムお兄ちゃん、今度お医者さんごっこしよーぜ」
「……いや、それは……」
「んじゃ、なるべくあいつにその面(つら)見せんなよ。そうしないと」
 口角が上がり、酷薄な笑顔が見下ろしてくる。
「お仕置きしたくなるだろ?」

 だらだらと汗を流しながら蒼褪めている栄治を残して女性陣に歩み寄った敦は如才なく美佐子に自己紹介をする。若い男を「ツバメ」と勘違いしていた美佐子は大いに困惑し、又、敦が真由の伴侶候補と聞くと複雑な表情を見せた。


 2人と別れた後、敦は薄笑いを刷いたまま薫に告げた。
「元治君といい意味で似てるね、あのお姉さん。根が正直でしらばっくれるのが下手」
 薫は肩を竦めた。
「宜しいのですよ。良く出来たもので、あそこの夫婦は旦那様が腹芸好きなのです。山辺の家系が長年に渡り栄えてきたのは、自分に足らないものを調達する能力が高いからですわ」
「へえ? 薫さん、あっさりと認めるんだ。自分が腹黒い事を」
 薫は怒る事無く、敦を見据えて笑った。
「お褒めに預かり光栄ですわ。それと私の大切な夫が善良である事も併せて褒めて頂き、うれしゅうございます」
 薫は思わせぶりに笑いながら、「それに」と言葉を繋いだ。
「どうやらその能力は娘の代にも見事に発揮されているようですわね。どこで栄治さんと接触したのか存じ上げませんが、あまり苛めてくださいますな。あれでも一応血縁です」
「仰せのままに、奥様」
 肩を竦めながら言い放つと、「薫さん」と訂正を求められた。


 銀座の老舗百貨店に踏み入れながら、(まだ買い物は続くのかよ?)とうんざりした気分で敦は薫の後姿を眺める。
「そろそろお疲れですか?」
 振り返って不満そうな敦の表情を眺めると、彼女は小さく笑った。
「そう言えば、敦さんには感謝してもし足りないほどの恩がございます」
 黙って自分を見ている敦の視線を受けながら薫は先を続ける。
「あの子が負ったつまらない傷を癒してくれました」
「プッ」
 思わず吹き出した敦を少しねめつける。
「抱いた女の母親にその事で感謝されるなんて始めてだわ」
「私が言いたい事は」
「わーってるよ。いい母親だな、薫さんは」
 目を和ませた敦が説明を言い募ろうとしていた薫を止めた。
「初体験が無茶苦茶だったらしく、奇妙にトラウマってたしな。エッチは本来楽しいものなのに、勿体無いと思ったんで上書きさせてもらったよ」
「私がついていながら、真由にはつらい経験をさせましたわ」
「まあ、終わりよければ全てよし。粗チンの子供孕まなかったしな」
「……ソチン? かなり詳しく経緯をご存知ですのね」
 おっと、喋りすぎは良くないと敦が考えたかどうかは薫にはわからなかった。彼は説明を放棄し、独りで笑い、薫を苛立たせ、結果として買い物を長引かせてしまった。

 交わした会話は結構楽しかったが、やはり女の買い物などには付き合うべきではないものとその日敦は思い知らされた。



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