仕事と家庭を上手に整理整頓の秘訣

夕日 空

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第4章

書類や写真の整理

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書類や写真の管理には特別なケアが必要になります。

書類や写真の中には、もし無くしてしまうと取り返しの付かなくなるものも                                                                                                                                                                             あるので、その保管と管理には十分な注意を払う必要があります。

そのためこの章では書類と写真の管理に焦点を当ててお話をします。

大事な書類や写真などは職場にも家庭にもあります。

職場の場合は一般的に保管設備が整っているのですが、個人の家庭では保管設備の整ったところはまれです。

ですから大事な書類や写真がよく紛失します。

整理整頓ができていなかったために、大切な書類を何度も紛失した苦い経験があります。


まずどのような書類があるかを考えてみますと、家庭で保管されている大事な書類には「公的な書類」と「私的な書類」があります。

公的な書類というのは、例えば自宅の登記済証(いわゆる権利書)、健康                                                                                                                                                                                            保険証、印鑑カード、運転免許証、パスポート、各種公的資格の証明書、各種許可証、免許証などです。

この中で運転免許証は基本的には毎日身に付けていますので、盗難にあったり落としたりしない限り、めったに無くなることはありません。

また、紛失すればすぐに気が付いて対処します。

しかしその他の書類は日常的に身に付けていないので、自分で保管しておきながら、どこにおいたのか分からなくなることがよくあります。

たいていは何かの空き箱などに入れて保管していたのが、大掃除などで部屋を片付けた時に、どこかにしまい込んで行方が分からなくなるケースです。


悪いことにはこれ等の書類の多くは普段はあまり必要ありませんので、いざ必要になるまで行方不明になっていることに気付きません。

たいていの書類は無くなってしまっても再発行は可能なものです が、紛失してしまうと非常にストレスになりますし、再発行にも相応の日数とお金がかかります。

例えば海外旅行の出発間際になってパスポートが無いのに気付いたら、非常に慌てることになります。

ましてやその海外行きがただの観光旅行ではなく会社のビジネスだったなら、場合によっては人事にも響きかねません。

もちろん再発行できない書類は永遠に戻ってきません。


このような無くしてはいけない大事な書類を整理・保管する時はあちこちにバラバラにおいてはいけません。

それが行方不明になる元です。

重要な書類は必ずひとまとめにして同じボックスなどに入れ、なにが入っているか分かるように表書きをしておきます。

著者の知り合いの人は黄色の防災袋の中に、重要な公的書類や生命保険、傷害保険の証書などを入れています。

整理整頓にもなるし、いざという時はそのまま防災袋を持って逃げれば、重要書類も無くさないということです。


家庭に保管される書類には公的な書類の他に、私的な書類もいろいろあります。

例えばあなたも必ず持っている学校の卒業証書も、保管しておくべき大事な書類のひとつです。

私的な書類でとりわけ多いのが子供の学校や幼稚園からのお知らせ、町内会や自治会からの各戸配布文書、加入している趣味のサークルやクラ ブなどからのお知らせ文書等々で、個人の家庭にも結構書類はたくさん 回ってきます。

それ等の中には無くなっても良いものもありますが、多くの書類には重要な情報が記載されています。

その様な書類をあなたはどのような方法で保管していますか?


一番多いのは冷蔵庫にマグネットでとめておく方法ですね。

特に家庭の主婦の場合はほとんどの人がこの方法で、子供の学校や幼稚園からのお知らせなどを保管しています。

家庭の主婦なら冷蔵庫は毎日何回も開閉しますから、ここにマグネットでとめておけば絶対に忘れないと思うのは当然です。

しかしこの方法は注意しないと上に別の書類を重ねてとめたりし
 

て、気が付いたらとっくに期日を過ぎていたなどということがよくあります。

その他の保管方法ではダイニングテーブルの上に透明な耐熱性のビニールシートを敷き、その下に忘れてはいけない書類を挟み込んでおくという保管法です。

これは食事をする時、お茶を飲む時、必ず目に入るので良い保管法ではあります。

ただ欠点は冷蔵庫にマグネットと同じで、他の書類と重なったりして見落とすリスクがあることです。

大事な書類は意識的にチェックするようにしないと、必ず見落としや紛失の問題が出てきます。


家庭でも簡単にできて割に効果があるのが、会社でよく使われている日付入りのホワイトボードの利用です。

会社にあるような大きなものではなく、冷蔵庫にマグネットでぶら下げることができる小型の日付入りのホワイトボードがあります。

小さくても1ヵ月分のスケジュールが一覧できるようになっています。

このホワイトボードに忘れてはいけないことを、ちょっとメモ書きしておきます。

例えば「小学校参観日」というような要領です。これならめったに見落とすことはありません。
詳しいことは保管している書類を見れば良いのです。
 


次に写真の整理整頓と保管についてお話します。

写真の中にはかけがえのない大事な写真もあります

特にコンピュータのハードディスクやCDなどの外部媒体にダウンロードしていない昔のアナログ写真の中には、とっくにフイルムも無くなって、そこにある1枚の写真を無くせば二度と手に入らないものもあります。


写真には心の中同様にその1枚1枚に私たちの記憶が残っています。誰もが昔の写真を見ては懐かしむものです。
こうした写真をなくさずに保管しておく秘訣は実に簡単なことで、それは自分がどこにあるか分かっている場所に保管をしておくということです。

写真はできれば写真用のケースや、専用のフォトアルバムの中に入れて保管しましょう。

もしまとまりなく置かれている写真をまとめたいのであれば、1ヵ所に集めて箱の中に入れ、今後整理整頓する時のために、一時どこかに保管をしておきましょう。

きれいな専用の箱も販売されているはずですし、単に空き箱を利用しても良いのです。

箱には必ず中身が分かるようにラベルを貼っておきましょう。


そして写真は湿気の少ない日の当たらない場所に保管しましょう。

プリントされた写真は紫外線や、空気中に含まれるオゾンや不純物などに常時触れていると劣化します。

劣化の中でも一番目立つのはカラー写真が色落ちする「退色」です。

カラー写真というのは「赤」、「青」、「黄」のいわゆる「色の三原色」の組み合わせで、白以外の全ての色を表現しています。

この三原色のバランスは写真が紫外線に当たったり空気中のオゾンや不純物に晒されると、徐々に崩れていきます。

それがカラー写真の退色です。

この退色は昔の白黒写真でも起こります。

あなたも戦死したおじさんのセピア色に変色した軍服姿の写真などを見たことがあると思いますが、あれは白黒写真が退色したものです。

もちろんそのような写真の退色は、すでにセピア色になっていてもまだ続いています。


退色はアルバムなどに大事に整理・保管すれば遅らせることはできますが、完全に止めることはできません。

ですから本当に大事な写真はできるだけ早くデジタル化して、CDなどに写真データをバックアップしておきましょう。

アナログ写真のデジタル化はそれほど精緻な画像品質を望まないのなら、個人の使っているスキャナーでもできます。

スキャナーが無ければ昔からある街の写真屋さんの中には、個人のアナログ写真のデジタル化をしているところもありますので、多少お金はかかりますがお願いすると良いでしょう。

ちなみにこのような写真屋さんにはアナログ写真だけでなく、ビデオテープやカセットテープ、さらには大昔の8mmフイルムまでデジ
 

タル化してもらえるところがあります。


アナログ写真の整理・保管で特に気を付けなければいけないのが「ネガ」の保管です。

ネガはプリントされた写真よりも早いスピードで劣化します。

それはあなたが持っている古いカラーフィルムを一度プリントしてみれば、どの程度劣化するものかがわかります。

ですからプリントしていない古いネガで大事なものはできるだけ早くプリントするなり、フイルムスキャンをするなりして保管する必要があります。

ただしデジタル化すればいかなることがあっても劣化しないというものではありませんので、その点は心得ておいてください。


例えばCDやDVDなどは直射日光に晒したり、夏の暑い盛りに長時間停車中の車の中に放置するようなことをしていると、データがきれいサッパリ消滅してしまうことがあります。

もちろん衝撃には極めて弱いのでうっかり落としたりしたら、データを復元するには高いお金を払って専門の復元業者に頼まなければなりません。

ですからデジタル化してバックアップをとったからもう安心というものではありませんが、ただなにもせずに写真が紛失したり劣化するリスクに晒されるよりははるかにましです。


最近のデジカメによる写真の場合に注意するのは、まず長期保管しておく写真は、すぐにメモリカードからパソコンやCDなどにデータを移し替えておくことです。

その場合念のために複数のメディアに保存し、後日探しやすいようにフォルダーを作って名前を付け、体系立てて整理・保管するようにします。

最近では携帯電話に付いているデジカメも結構高性能になっていますので、デジカメ写真は整理せずに放っておくと枚数が増え過ぎて、その内わけが分からなくなります。

ですから保管する場合は後から探しやすいように、保管方法を自分で工夫しましょう。

フラッシュドライブを利用して、写真のラベルを作成しておくのも良いと思います。


またデジカメ写真をプリントする時にプリンターをよく使いますが、普通のプリンターで出力した写真は、写真屋さんでプリントしたものよりも退色による劣化が早いことは知っておく必要があります。

本当に大事な写真は、近くの写真屋さんでプリントしてもらう方が良いと思います。

特に誰かにプレゼントするような写真は、きちんとしたプリントをしたものの方がベターです。

最近はインターネットを使ってデジカメ写真を預り(有料)、それを希望に応じてまるで写真集のような、きれいなプリントと製本までしてくれる業者もいます。

預り賃はあまり高くありませんので、このような業者と契約してデジカメ写真を預けておけば、自分の手元はすっきりと整理整頓できます。


写真は基本的に専用のフォトアルバムに保管します。
 


いくらデジカメ写真でもやはり1枚はプリントして、フォトアルバムに整理・保管しておきたいものです。

それでもまだ乱雑に保管されている写真もあります。写真の数が多ければそれは仕方のないことです。
ただ何度も言うようですが、大事な写真はデジタル化してバックアップを取った上で、フォトアルバムにして整理しておきましょう。

大切な思い出を失わないためには、写真を整理整頓する時はうっかり捨ててしまわないように十分に注意します。

例えば子供や家族のビデオを撮影した場合にはラベルをしっかり貼り、うっかり消してしまうことがないようにしましょう。


著者はこれについては苦い経験があります。

著者の娘と娘の友人がビデオカメラで家族の映画を撮影しました。

非常に出来の良いビデオで他のビデオと一緒に保管しておいたのですが、ラベルを貼ることを忘れてしまったのです。

恐らく誰かが間違って消してしまったのでしょう。今はそのビデオがどこにも見当たらないのです。 これは二度と再生できないものです。
貴重な瞬間が収められた大切な宝物でした。


このような失敗が無いように、写真やビデオ、大事な書類などは自分の身近にある安全な場所に、すぐに取り出せる状態で保管してお
 

かなければなりません。

写真をアルバムや所定の場所に保管していないと、例えば写真を見た後で棚の上などにちょいとおき、その後適当に机の引き出しなどに入れて、やがて行方不明になります。

その時には分かりませんが、いずれ再びその写真を見たいと思うときが来ます。

しかしその時にはもう写真はありません。


写真と書類の両方を上手に整理することができる1つのアイテムは、ポータブルのファイリングキャビネットです。

事務用品をおいてあるお店であればどこでも販売しています。

ファイルセパレーターやフォルダーなども売っていますので、分別用に合わせて購入しておくと便利です。

このように自分で全てのものがどこにあるのか分かっているような状態にしておき、必要な時にいつでも取り出せるようにしておきましょう。


休暇の予定表などもこのファイリングキャビネットに保管しています。

ファイリングキャビネットは二つ購入してあり、もう一つのファイリングキャビネットの中には祖父母から受け継いだ写真を入れています。

これも一つの箱に保管されて整理整頓されているので、必要な時にすぐに取り出すことができます。

ファイリングキャビネットは価格も安いので、大いに活用すれば良
 

いと思います。


最近は整理整頓術が注目されていますので大きな文房具屋さんなどに行くと、様々な整理整頓用のアイテムを売っています。

どんどん新しい素材を使った新しい商品が発売されていますので、時々は文房具屋さんに見に行けば良いのではないでしょうか?

特にオフィス用のアイテムに注意してください。

整理整頓用のアイテムならオフィス用が数も多く、機能面でも優れています。

書類や写真の保管方法には複数の方法がありますが、必ず守らなければいけないのは、※ウォータープルーフのファイルを利用し、必要な時に直ぐに取り出せる状態にしておくことです。

(※注記)ウォータープルーフとは防水加工のこと。


特に写真は湿気を嫌います。

例えウォータープルーフ加工をしたフォトアルバムを使っていても、やはり空気中の湿気は中に浸透しています。

ですからフォトアルバムは時々開いて、内部の湿気を取ってやる必要があります。

整理整頓にはこのような事後のメンテナンスも必要なのです。

書類や写真の分類には時間がかかりますが、やって見ると楽しい時間が過ごせるはずです。
 

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