未来の悪役令嬢

えりんこ

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第1章 プロローグですわ

運に身分は関係ない①

気がついたら この世界にいた。
頭に本が当たった強い衝撃で自分の前世を思い出しつつあった。あれ?何時の間に自分は死んだんだろう?
神様とのイベント無かったよね?魔法の力やチート・・・あれ?何も無いの?ううん、きっとこれからよね。

 
男爵令嬢として生を受けていた。やった!! 王道の男爵令嬢!!
これが噂の異世界転生なのね? マルグレーデス国って知ってる。 詳しい事は思い出せ無いけど
此処は乙女ゲームの世界に違いないわ。

やったー 私がヒロインよ と一人で騒いでいる娘に周囲は奇異の目を向けた。 何時でもオドオドしていて表情も無く親しい友達の一人もいないそんな冴えない娘。

暗い女の子の筈がその姿は微塵もない誰しも頭を打ったせいだと思った。

(何で皆、変な顔してるんだろ?)

私が可愛すぎるのかしら?其処らの平民とは違うんだから  私はヒロインなのだから

自称ヒロイン  ルイーズ=ボードリエ小さな領地の余り裕福では無い男爵家の次女彼女の野望は七歳の今、始まった。

恐る恐るルイーズの異母兄が声を掛けた

「そんなに高笑いしてどうしたんだい?やっぱり頭の打ち所が悪かったのかい?医師を呼ぼうか?」

「お兄様、私絶対に王子様に見初められるわ  王子様じゃなくても公爵家の息子とかより取り見取りよ
 早く、こんな田舎出て王都に行きたいわ。 綺麗なドレスを着て王子様と一緒にダンスを踊りたいわ
 私にはそうなる価値が有るのよ 早くしないと王子様達が悪役令嬢の魔の手に捕まってしまうわ」

やはり、頭を打った所為で錯乱しているらしい  悲痛な顔で覗き込んだ義兄オーラスに小馬鹿にした 顔して視線を逸らす  

(うわ~ いかにも冴えないモブ顔ね )

彼女は気が付いていないのだろうか 兄妹として同じ顔をしてる事に
義姉を含めて三人父親の血が強いのであろうかソックリな事に

誰しも掛ける言葉が見つからずルイーズの妄想劇場はまだまだ終わりが見えそうも無かった。

同じ貴族でありながら上級貴族と下級貴族の差は越えられない壁がある ましてやルイーズの家柄は一番下の男爵家である 平民より な程度だ。
夢を見るのは自由であるが今の時点で 伯爵家の侍女さえも勤まるかどうか怪しいレベルだった

「そんなに王都に行きたいのでしたら今、自分が今、何をすべきか考えたほうが良いんじゃないの?」
異母姉のミラベルがしごく全うな事を言う

「お勉強も碌にしない、社交のお勉強だって苦手だと言ってやらない。貴女ルイーズもう七歳よね?
 刺繍だって最後までやり遂げた事ないじゃない?それなのに何が王子様よ 会う前に終わっているわよ」

異母姉はけしてルイーズを嫌っている訳ではない いつもは暗く義務の一つも果たさず
引き篭りがちの異母妹の事を本気で心配していた。それなのに今日に限っては頭を打ったせいなのか
出るわ出るはの妄想と尊大な態度。一体、何が起こっているのか頭が追いついて行かないのだった

「お姉さまは私だけ半分庶民だから馬鹿にしているんでしょう?知っているんだから!!」
ルイーズの激昂した声が響き渡る 誰も口を挟む暇なく 怒声が飛ぶ

「お姉様達のお母さんは古くからある由緒正しい子爵家の出だものね 私なんか所詮お母さんは商人の娘
そうやって見下しているのよね何時も 何時も」

ルイーズ達の父は最初の妻を流行り病で失った後、領地内の少し裕福な商人の娘だった母を後妻に迎えていた
今までは特に家族仲が悪かった覚えも無い。母は貴族の出身では無い為教育には一切口を出さない
男爵夫人という肩書きになったので平民とは違う生き方にそれなりに苦労はしたがにこなしていた。 

見下したつもりは毛頭無いががルイーズはずっと思って生きてきたのだろうか? 沈黙と泣き声だけが聞こえる
 
「私は 自分の意思で動くんだからーー 指図しないで 私はこの世界のヒロインなのよー」

嗚咽をもらしながらルイーズが部屋を飛び出した。この後を考えると頭の痛い姉弟二人だった

(私は王子様と結ばれるのよ ゲームの結末は決まっているのよ お姉さまの虐めになんか負けないわ
私はなんだから特に何もしなくても後からチートでどうにでもなるでしょ)

夕食前に揉めたから夕ご飯はどうすればいいのか目下の悩みはそれだけであった




 


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