未来の悪役令嬢

えりんこ

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第4章 子供以上大人未満で彷徨う私達

女の子にはセンチメンタルなんて感情は無い ②

久しぶりに来た王宮に少し怖くなる 今はアルフレッドアンジェリーナ親友もいない
たった一人きりで王宮になんて来た事がない これが初めてだった。
今までは何時もあの二人に守られていた
本気でサミュエル様と向き合うには震えが来る 
でも 私ももう少し大人にならなくては

親友は一足先に大人の女性になった。
アンジーはお兄様に只、守られている娘ではない
何時でも凛としてお兄様と肩を並べて同じ方向を見ている それがとても羨ましい
そうこうしている内に 第二王子宮に入り 見慣れた部屋に案内された ソファを進められて腰を下ろす

(ふぅー、勢いで来てしまいましたけど何て切り出せば宜しいのでしょうか?)

お茶を第二王子付きの女官からお茶を進められたがとてもじゃないけどまったりとした気分にはならない
まだ、父は王宮から帰って来てない様だったのでまだこの城の何処かにいるのだろう
マリエッタが来た事を知っているのだろうか? 待っている時間は長く感じる

「何だ?どうした?来ていたのか?」
サミュエルがやって来た 立ち上がって挨拶をしようとする
マリーにサミュエルは手で制して 
「そんなのはいいよ。行き成り来るなんて珍しいな?アンジー達はは一緒じゃないのか?」
と笑いかけた。
(やっぱり この方が好き)思いは口に出せない

「アンジーは王宮から帰宅したお兄様が離さないのでモンドローズ私の家におります。行き成り来ちゃって御免なさい。許可を陛下達から頂いているってお兄様が言うから・・・・」

「ああ、別に父上達の許可何か無くったってお前達はだ 
何時だって来て良いんだぞ?」
素っ気無いが 優しい言い方に涙が出そうになる。
「アルは相変わらずアンジーを離さないんだな」

普段通りの会話 本当に聞きたい事が有るのに何で言えないんだろう?
こんな時アンジーだったらズバッと本題に入るんだろうなとか考えていた。

「ところでさ、あの男爵令嬢の処分も決まったって聞いたか?」


入学したとたん、学園を混沌に陥れた男爵令嬢。 
サミュエル殿下やお兄様に付き纏い自治生徒会長のクレールの失脚の直接の原因となった娘。
アンジーにも辛辣に当り散らしていたわよね 今未で見た事の無い怖い娘だった。

「どんな処分ですか?」
「アルフレッドから聞いてないんだ。ウォーレン修道院で生涯を過ごす事になったんだ」
「えっ、ウォーレン修道院ですか?」
これはまた厳しい処分が下されたなと思ったがあれだけ迷惑を掛けられたのだから妥当と思い直した。
マリーは意外と現実主義者リアリストであった

それから学園で過ごしているのと変わらない会話は続く そのうちにサミュエルの方から
「マリー本当はどうした?何時でも出来る会話をしに王宮何て来ないだろう?お前が一人で此処まで来るって事は余程、話したい事があるんだろう?言ってみな?」

「私も本気でお聞きします。サミュエル様は私の事 如何思っていらっしゃいますか?」
言ってしまった  もう後戻りは出来ない これで振られたとしたら・・・・
部屋中を静寂が包む サミュエルは何も答えない 時間だけが無常に過ぎてゆく

「俺はお前の事が嫌いじゃない ああ、こんな言い方だと誤解を生むな 幼馴染としてだけじゃない好きだ。 けど女性として好きか?と聞かれるとまだ自信は無い。此のまま大人になって社交界デビューをして結婚するならマリーお前だと思う。御免な こんな曖昧な言葉でしか表現できなくて。自分で自分の気持ちが良く解らないんだ。
我ながら卑怯だと思う。俺達は大人でもなければ子供でもない非情に中途半端な年頃だな。だから その
あーもう、こんな何も力の無い男で王子の肩書きしか無いんだぞ?それでも俺の婚約者になるのか?今だったらまだ(やめても)間に合うぞ?」 
サミュエルは一方的に言い出した 

「私、小さい頃からサミュエル様が好きでした。今は未だ愛と言う言葉を使って頂けなくても先は長いんです
私 待ちます 本気で好きになって頂けますように努力します」 涙を流しながらマリーが言った。
「もし、変わらなければどうする?クレール達の事があるからな」
「それでも・・・・」
「あの方達に無くて私達の仲にある物 それは信頼関係と絆だと思います。たとえ最終的に私を選んで頂けなくても」 サミュエルは何か考え込んでいたようだが 不意に笑顔になった。

「わかった。よし、行くぞ」
「えっ、どちらにですか?」
「陛下と宰相のところ」
マリエッタの手を取りながら部屋を出て行く
暫く 無言で二人歩く 国王の執務室まで来た。今の時間はまだマリーの父親でもある宰相もいる事だろう
ドアの横にいる護衛騎士を促して部屋にいるであろう 国王に入室の許可を得る
「サミュエルです お時間をお願いします」
「入れ」  護衛騎士がドアをゆっくりと開ける

部屋には陛下と宰相が二人でいた
「これはサミュエル殿下珍しいですね?ん?マリーも一緒か」
「どうしたんだ?二人揃って珍しいね?アルやアンジーは一緒じゃないんだ?」と陛下
「父上、宰相殿 行き成りですが俺・・嫌、私はマリエッタと正式に婚約します 宜しくお願いします」
サミュエルが頭を下げる 慌ててマリーも一緒になって頭を下げた。

「本気だな?」珍しく真面目な顔をしたリシャールが問う
「はい、この先 共に過ごすのならマリーがいいです」
「マリエッタは?異存は無いのか?」
「ございません。サミュエル様を支えて行きたいと存じます」
「婚約披露は追々決めるとしよう しかし姉のベアトリーチェの婚約披露パーティーが先に控えているからな 後になるぞ?それでも良いか?」
「陛下の御心のままに」
此処まで無言だった宰相のジェスランが口を開いた

「サミュエル殿下、マリエッタと結婚となるとアルフレッドが
殿下の義兄になりますがその点は大丈夫でしょうか?」
「おいおい、今更な事聞くのか?」
「いえ、大事な事ですよ アルフレッドは我息子ながら天才と言われている男。
身内となりましたらお気に触る点が多々あると思いますが。それにマリーお前は殿下を陰、日なた無く支え続けられますか?来週にでも妃殿下としての教育を始めなければいけません。その教養の下地は過分につけさせていると自負しておりますがお前は何分、大人しすぎる。もっと図太くなければ王族としてはやってはいけないからな」

宰相は宰相なりに父としても心配らしい リシャールが少し呆れた声で言う

「お前、嫁にやるのが嫌なのか?」
「とんでも有りませんよ 私は真実を述べたまでです」
「俺、私は能力的な物は何一つ、アルフレッドには敵いません。嫉妬心も微塵も無いです。昔からあいつの事は第二の兄だと思っていました。これから先、王族として残るのか臣下に下るのかは解りませんがアルフレッドと一緒に王太子になられる 将来は国王になられるエティエンヌ兄上を二人して支えて行きたいと思います」

真面目な顔でサミュエルが言い切った アルフレッドは本当に兄のような存在だった色々な事を教えてくれた
心底、恐ろしいところもあるが親友兼兄だと思う気持ちは噓ではない

「お前さ 今の言い方だとアルフレッドを嫁に貰うみたいだぞ?」
「確かに」二人の父親達は複雑な表情をしていた。 
マリーは不安は一杯あるがサミュエルの横に並べる事に安堵した。
(私もこれからしっかりしなきゃ)
サミュエル様に恥をかかす訳にはいかないのだ。
「マリエッタ おめでとう 婚姻まではまだ長いので気を引き締めなさい」
と父親の顔をして宰相が笑った
 
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