未来の悪役令嬢

えりんこ

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第4章 子供以上大人未満で彷徨う私達

女の子にはセンチメンタルなんて感情は無い ③

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マリーの事が気になって仕方が無い アンジェリーナです

「あー、もうどうなったのかしら?」
さっきからずっと落ち着かなくて部屋をうろうろしています
動物園の熊さんの様ですわ ソワソワ・・・分娩室の前でうろついている旦那さんみたい
「いい加減、落ち着こうよ アンジェ? 私達のは大丈夫だから そんなにサミュエルにしても信頼無い? そんな事無いでしょ?信じているでしょう?」

ぐぬぬ・・・でもそうなんですわよね 何が有っても根本的なところは信頼していますもの
まるで弟と妹の様ですわ
(下手すれば息子と娘みたいなものですわね)
現世では同じ歳なのにそういう目でつい見てしまう。アルフレッドの事はそんな目で一度も見た事が無いのに
どうしてなんでしょうね? 今更ながら、謎ですわ

「アンジェともっとイチャイチャしたいんだけど?構ってくれないんだ?」
悪戯っ子ぽい可愛い顔しても絆されませんわよーだ。 
第一、マリーが何時帰宅するか分りませんでしょ?
アルフレッドとアンジェリーナで謎の攻防戦を繰り返しているうちに 宰相夫人が部屋にやってきた

「御機嫌よう アンジー今日も美人さんね。あのね、今とても素敵な連絡が王宮の宰相様から届いたの」
アルフレッドやマリエッタの母親でもある宰相婦人は三魔女の中でも一番 穏やかそうで優しげな貴婦人

(いや、お母様や王妃様に文句がある訳ではございませんよ?あの他国のお姫様二人はただ、ただ強烈なのです。
王族の血筋の所為でしょうか?逆らえない怖さと言うか・・・)

其れを以前、サミュエルとアルフレッドに言ったら同意はしてくれたのですが
私も同類と言われたのは納得出来ませんわ。前世からの知識を持ちましてもあの人たちには勝てませんわ。
それはこの目の前にいる一見、儚げな美人さんな宰相夫人も同じで 恐ろしくて太刀打ち出来なくて あれ?
三魔女は皆、同じか そうでなかったら対等な親友で要られませんものね

「王宮からご連絡が?もしかしてマリーの事ですの?」アンジェリーナは息を弾ませた
「何だ知っていたの?ふふふ そうなのよ正式に殿下が陛下の前で宣言してくださったらしいの 
私はこれから王宮に行ってきますわ。宰相様もマリエッタも明日の事があるから今日は王宮に泊まります。
貴方達も明日、王宮に来るようにとの伝言を預かっておりますわ。エトワールご夫妻も明日登城するそうよ」

「アル、アル聞きました~。正式に決まっただなんてもう嬉しくて嬉しくて」
アンジェリーナは自分の事のようにはしゃいでいる。其れを見つめている親子も嬉しくなってしまう
「明日ですか・・・支度があるなら私も一旦、帰宅しないと拙いですわね」
アンジーが何気に呟いた
「駄目だよ アンジェ君はここから僕と一緒に行くんだ」
(はへっ?何を言い出すんでしょ?)

「そうね アンジー貴女はモントローズここから行けばいいわ
レティシアの了解も取ってあるし
ドレス類は後でエトワール家から持ってこさせれば良いわ。」
何気に母から外泊の許可を貰っているってどういう事でしょう?お母様の許可はあっても
お父様がお許しに為らない気がしますがそれは割愛なんでしょうか?どんだけ母親連合強いのよ!!

「あっ、後ねレティシアからの伝言 アンプルは必ず飲む事 ですって」
おっ、お母様~~~勘弁して下さい 今、アルフレッドが悪い顔しておりましたよ~
私、明日 無事にマリーの所へ辿り着けるのか心配ですわ 

「じゃあ私はマリエッタの明日のドレスを選ばなくてはなりませんから 
明日ね。それからアルフレッド 余りアンジーに無体な事しないでね お願いよ?」
「行ってらっしゃい 母上。アンジーに関しましてはなるべく善処いたします。
父上達に宜しくとお伝え下さい」
貴公子様、完全に黒くなっていますわ
満々ですわね。ああ、後が怖い

謎の微笑みを残して宰相夫人は出て行ってしまわれた 置いていかないでー
それでも気を取り戻し 言い訳を考えた

「明日のドレス等はグレアムとジルに頼めば宜しいとして今日の着替えが無いわ やっぱり 取りに・・・」
「大丈夫だよ 君のドレス等は幾らでも用意してあるから」しれっと涼しい顔して言った
「は?」 何か嫌な予感がする
「前回の時 替えが無いって騒ぎになったでしょ?だから一式用意しておいたよ。」
「一式ですか?もしかして下着類も?」
「うん?君の愛用しているメーカーから購入しておいたよ。ドレス等はアルゼンマのところのが多いかな? サイズもピッタリにしておいたからね」

麗しの・・・完全無欠の貴公子様が私の下着も購入・・・それって何て悪夢でしょうか?
「わっ、私の下着のサイズまで何で? 如何して? ご存知なのでしょうか?」声が多少震えてしまいますわ
「そんなの見てれば分るでしょ?触った感触とかで・・・」
「わーわー言わないで!!」
今更ですがアルフレッドは恐ろしい 戦慄の貴公子ですわ

「でも正式なドレスではなく日常の服を選ぶのも楽しいね ついつい、オーダーしすぎちゃったよ」 
もう何も言うまい その後、用の衣裳部屋に案内されて
その品々に頭を悩ませられました。人に聞かず大量過ぎます。もう一度、言います

(アルフレッド 恐ろしい子)思わず白目を剥いてしまいましたわ。

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