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第5章 男の子って何でできてるの?
薔薇は赤く菫は青い ②
(面倒臭い事にならなきゃいいが・・・)
アルフレッドは先日のエティエンヌ殿下の爆弾発言について考えていた
彼は僕に何を望んでいるのだろう?国と国の取り決めが有る以上婚約破棄などは出来ない。愛しい《菫》とやらがどんな存在なのかも分からないのだ。父である宰相に打ち明けようとも思ったが
自分の手で見極めてからでも遅くは無いと公爵家の暗部を使わなかった。
「何か考え事かい?アルフレッド珍しいね~」と一人の男子生徒が話しかけてきた
彼の名前はクロード=ラ=リード リード侯爵家の嫡男であり 宰相夫人の甥に当たる人物でアルフレッドとマリエッタの従兄に当たる。 アルフレッドの二つ上と言う事もあり少年と言うよりはもう既に立派な青年に思える。
少し長めの金色の髪は一つに括っており深い海の様な瞳を隠すかのように眼鏡を掛けている
理知的だが優しげな印象を纏っている。
生徒自治会は引退したとは言え彼は前、生徒自治会長だったのだ
(彼に尋ねたら何か分かるかもしれない 何せ殿下の側近の一人だ)
「ああ、エティエンヌ殿下の事でちょっとね。クロード君は菫の君をご存知かい?尊き若獅子が目に留めている事も知っていたのかい?」
クロードは少し目を細め「まだ思っていたのか」とごちた
「ここではちょっと・・・ね。自治会長室でも行こうか」
二人は歩き出した。
生徒自治会長室は王宮の文官の執務室みたいな作りになっており音も遮断される
秘密裏の話をするにはもってこいである。
「この部屋に来るのは久しぶりだな。まさかクレールがこんなに早く失脚するとは思いもよらなかったよ。どうだい会長の椅子の座り心地は?」
とアルフレッドをからかう
「特に無いですね。はっきり言って迷惑の一言ですよ。」
と本心から迷惑そうに言った
「ふむ、誰もが羨望するマルグレーデス学園の自治会長を迷惑がるのは君ぐらいなものだよね?」と心底、可笑しそうに笑った。雑談をしにきた訳ではない アルフレッドは真剣な顔で向き合った。
「エティエンヌ殿下には何処までお聞きしたのですか?」
クロードは自分で淹れたお茶を飲みながらアルフレッドの様子を伺った
自分も卒業後は殿下の側近として執務に入り支える立場になるがこの目の前の美しい従兄は自分以上にこの国の中核を担う役目を持った人物だ。未来の国王陛下の懐刀になる男なのだ。
「詳しい事はまだ何も・・・愛妾にと願うほどには執着が見られましたが」
そう一言言うと溜息をついた。 自分は少し年が離れているせいかサミュエル程一緒に過ごしていない
アルフレッドが知っているエティエンヌは少なくても誰かを特別扱いをしていないはずだ。それでも先日の殿下の話はかなりの執着を感じ取れた。
「そうですね エティエンヌ殿下は学生生活の中で後ろ暗い行動など有りませんでしたよ?彼女との出会いもほんの偶然だとお聞きしております」
「偶然・・・?どんな偶然で殿下と男爵令嬢が知り合ったのか興味深いですね」
「偶々彼女がかぶっていた帽子が風で飛んで殿下が拾ったのが最初だとお聞きしました。その時は本当に帽子を渡したらしいですが。その後は図書室で彼女、フルール=バロワン嬢が届かなかった本を殿下が取って差し上げたり 転んだバロワン嬢の手を差し伸べて起こしてあげたらしいです」
「恐ろしいほどのカウント率だな」
アルフレッドもクロードが淹れてくれたお茶を一口飲む
殿下には安全の為の護衛がついている。周りを囲んでいるのは騎士の心得がある人間だ。取り巻きに見えてもあくまで護衛しているのだ。
無論、サミュエルにもついている。
唯の男爵令嬢がそんな気安く殿下の近くに来られるとはとは思わない
本当に噂の一つもなっていないのか?と不思議だった
アルフレッドの一つ上だと言うがその男爵令嬢は全然知らなかった
学年によりまちまちだが其処まで生徒数は多くない それを知らないのはまさか意図的に隠されたとか言うんじゃ無いだろうな?と心配になった。
「それに・・・」まだあるのかと少しゲンナリしてきたアルフレッドだった
「いいえ、後は特別に目立った進展はなかったと思いますがたまに王宮に上がって殿下の所に行きますと菫の君のお話をお聞きになります。学園生活のお話のついでみたいに ですが」
「クロード、君はその令嬢の事をどれ位知っているんだい?おかしな事に私には彼女が良く分からないんだ。一つしか違わないのに何で知らないのだろう?」
アルフレッドらしくも無く不安の色が顔を覆う。
「それはですね・・・彼女はフルール=バロワンとなりましたのが最近だからですよ 名前をご存知でないのは 昔の名前はフルール=ダンテス 両親は裕福な材木商を営んでいる平民でしたが親が相次いで亡くなった為に遠縁のバロワン男爵夫妻の養女になりました。お名前は覚えておいでですか?」
(フルール=ダンテス 確かに名前と顔は一致する。特に接点は無いのだが)
取り立てて目立つ事の無い平凡な子だったと思う。どこがエティエンヌ殿下の琴線に触れたのか?まあ、好みは色々だからなとアルフレッドは考えた。
しかし・・だ 一応、今は男爵家の令嬢とは言え元は平民の出 愛妾として召抱えるのも我国では歓迎されないだろう。他所の国では正妃の他に側室制度が有るところには有る。それこそ愛妾だって望めば娼婦だってなれるのだ。唯、マルグレーデス王国は王族は一妻一夫である。
初代国王夫妻が龍の血を引いている事も有り番を大事にする事が多いのだ
勿論、皆が皆 番に巡り会えるとは限らないからこその愛妾制度が有る。後から番が見つかっても正室を脅かし蔑ろにさせぬように側室は作らない。子供は数多くいた方がいいのだが母親違いが大勢居たらとんだ お家騒動になる。諸外国でもそれで王家が揺れて騒ぎになった国も有るのだ。正室に子供が出来ない事を覗いて基本的に愛妾の子供には王位継承権がこの国には無い。
もっとも聖人君子ばかりでは無いので結婚後も愛人や恋人を作ったりは出来る
それはけして大っぴらには出来ない話なのだ。
エティエンヌはせめて愛妾にでもと願ったが婚儀も挙げておらずまた男爵家の令嬢の身分では愛妾に上がる事さえも出来ない。愛妾にはせめて伯爵家以上の家柄が必要だ。血筋を残す、これはあくまでも正室に子供が出来ない事が確定してからの話でもしもの時の保険でしかないのだ。
未来の王としての才覚は認める 人格も悪くない(皆のお兄ちゃんだけ有って頼りがいも有る)
自分が将来右腕として采配を揮うのに不足は無い人物だ。
(しかしなあ~此ればかりはなあ~)
今までの話を総合すると殿下と恋仲になっては居ないはずだ。恋未満で殿下を諦めさせる方法は無いかと頭を抱えた。従兄が此方の様子を心配そうに伺っている。
「クロード、悪いけれど少し調べてもらいたい事があるから動いてもらえないか?」
「ああ、災いの種は早くに摘んだ方が良いからね」と察しの早い従兄は頷いた。
アルフレッドは先日のエティエンヌ殿下の爆弾発言について考えていた
彼は僕に何を望んでいるのだろう?国と国の取り決めが有る以上婚約破棄などは出来ない。愛しい《菫》とやらがどんな存在なのかも分からないのだ。父である宰相に打ち明けようとも思ったが
自分の手で見極めてからでも遅くは無いと公爵家の暗部を使わなかった。
「何か考え事かい?アルフレッド珍しいね~」と一人の男子生徒が話しかけてきた
彼の名前はクロード=ラ=リード リード侯爵家の嫡男であり 宰相夫人の甥に当たる人物でアルフレッドとマリエッタの従兄に当たる。 アルフレッドの二つ上と言う事もあり少年と言うよりはもう既に立派な青年に思える。
少し長めの金色の髪は一つに括っており深い海の様な瞳を隠すかのように眼鏡を掛けている
理知的だが優しげな印象を纏っている。
生徒自治会は引退したとは言え彼は前、生徒自治会長だったのだ
(彼に尋ねたら何か分かるかもしれない 何せ殿下の側近の一人だ)
「ああ、エティエンヌ殿下の事でちょっとね。クロード君は菫の君をご存知かい?尊き若獅子が目に留めている事も知っていたのかい?」
クロードは少し目を細め「まだ思っていたのか」とごちた
「ここではちょっと・・・ね。自治会長室でも行こうか」
二人は歩き出した。
生徒自治会長室は王宮の文官の執務室みたいな作りになっており音も遮断される
秘密裏の話をするにはもってこいである。
「この部屋に来るのは久しぶりだな。まさかクレールがこんなに早く失脚するとは思いもよらなかったよ。どうだい会長の椅子の座り心地は?」
とアルフレッドをからかう
「特に無いですね。はっきり言って迷惑の一言ですよ。」
と本心から迷惑そうに言った
「ふむ、誰もが羨望するマルグレーデス学園の自治会長を迷惑がるのは君ぐらいなものだよね?」と心底、可笑しそうに笑った。雑談をしにきた訳ではない アルフレッドは真剣な顔で向き合った。
「エティエンヌ殿下には何処までお聞きしたのですか?」
クロードは自分で淹れたお茶を飲みながらアルフレッドの様子を伺った
自分も卒業後は殿下の側近として執務に入り支える立場になるがこの目の前の美しい従兄は自分以上にこの国の中核を担う役目を持った人物だ。未来の国王陛下の懐刀になる男なのだ。
「詳しい事はまだ何も・・・愛妾にと願うほどには執着が見られましたが」
そう一言言うと溜息をついた。 自分は少し年が離れているせいかサミュエル程一緒に過ごしていない
アルフレッドが知っているエティエンヌは少なくても誰かを特別扱いをしていないはずだ。それでも先日の殿下の話はかなりの執着を感じ取れた。
「そうですね エティエンヌ殿下は学生生活の中で後ろ暗い行動など有りませんでしたよ?彼女との出会いもほんの偶然だとお聞きしております」
「偶然・・・?どんな偶然で殿下と男爵令嬢が知り合ったのか興味深いですね」
「偶々彼女がかぶっていた帽子が風で飛んで殿下が拾ったのが最初だとお聞きしました。その時は本当に帽子を渡したらしいですが。その後は図書室で彼女、フルール=バロワン嬢が届かなかった本を殿下が取って差し上げたり 転んだバロワン嬢の手を差し伸べて起こしてあげたらしいです」
「恐ろしいほどのカウント率だな」
アルフレッドもクロードが淹れてくれたお茶を一口飲む
殿下には安全の為の護衛がついている。周りを囲んでいるのは騎士の心得がある人間だ。取り巻きに見えてもあくまで護衛しているのだ。
無論、サミュエルにもついている。
唯の男爵令嬢がそんな気安く殿下の近くに来られるとはとは思わない
本当に噂の一つもなっていないのか?と不思議だった
アルフレッドの一つ上だと言うがその男爵令嬢は全然知らなかった
学年によりまちまちだが其処まで生徒数は多くない それを知らないのはまさか意図的に隠されたとか言うんじゃ無いだろうな?と心配になった。
「それに・・・」まだあるのかと少しゲンナリしてきたアルフレッドだった
「いいえ、後は特別に目立った進展はなかったと思いますがたまに王宮に上がって殿下の所に行きますと菫の君のお話をお聞きになります。学園生活のお話のついでみたいに ですが」
「クロード、君はその令嬢の事をどれ位知っているんだい?おかしな事に私には彼女が良く分からないんだ。一つしか違わないのに何で知らないのだろう?」
アルフレッドらしくも無く不安の色が顔を覆う。
「それはですね・・・彼女はフルール=バロワンとなりましたのが最近だからですよ 名前をご存知でないのは 昔の名前はフルール=ダンテス 両親は裕福な材木商を営んでいる平民でしたが親が相次いで亡くなった為に遠縁のバロワン男爵夫妻の養女になりました。お名前は覚えておいでですか?」
(フルール=ダンテス 確かに名前と顔は一致する。特に接点は無いのだが)
取り立てて目立つ事の無い平凡な子だったと思う。どこがエティエンヌ殿下の琴線に触れたのか?まあ、好みは色々だからなとアルフレッドは考えた。
しかし・・だ 一応、今は男爵家の令嬢とは言え元は平民の出 愛妾として召抱えるのも我国では歓迎されないだろう。他所の国では正妃の他に側室制度が有るところには有る。それこそ愛妾だって望めば娼婦だってなれるのだ。唯、マルグレーデス王国は王族は一妻一夫である。
初代国王夫妻が龍の血を引いている事も有り番を大事にする事が多いのだ
勿論、皆が皆 番に巡り会えるとは限らないからこその愛妾制度が有る。後から番が見つかっても正室を脅かし蔑ろにさせぬように側室は作らない。子供は数多くいた方がいいのだが母親違いが大勢居たらとんだ お家騒動になる。諸外国でもそれで王家が揺れて騒ぎになった国も有るのだ。正室に子供が出来ない事を覗いて基本的に愛妾の子供には王位継承権がこの国には無い。
もっとも聖人君子ばかりでは無いので結婚後も愛人や恋人を作ったりは出来る
それはけして大っぴらには出来ない話なのだ。
エティエンヌはせめて愛妾にでもと願ったが婚儀も挙げておらずまた男爵家の令嬢の身分では愛妾に上がる事さえも出来ない。愛妾にはせめて伯爵家以上の家柄が必要だ。血筋を残す、これはあくまでも正室に子供が出来ない事が確定してからの話でもしもの時の保険でしかないのだ。
未来の王としての才覚は認める 人格も悪くない(皆のお兄ちゃんだけ有って頼りがいも有る)
自分が将来右腕として采配を揮うのに不足は無い人物だ。
(しかしなあ~此ればかりはなあ~)
今までの話を総合すると殿下と恋仲になっては居ないはずだ。恋未満で殿下を諦めさせる方法は無いかと頭を抱えた。従兄が此方の様子を心配そうに伺っている。
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