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初依頼へ!
チート、初依頼へ!ミアとリリィの場合
しおりを挟む私は、今ホーリードラゴンが暴れ出した聖域と呼ばれている場所に来ていた。
「おかしいわね、血が至る所にあるのにホーリードラゴンの姿が見えないのは、どう言う事かしら?」
まだ、未完成だけどあの魔法使ってみましょうか。
「【フォッグアイ】」
私の片目が霧に包まれ見えなくなった。
この魔法は、自分の視界を霧に乗せて索敵する魔法。でも、私のはまだ未完成な為、そんなに遠くまでは見る事は出来ない。
「これは…なんて事!」
私は、魔法を解き見えた場所へ移動した。
聖域-最深部-
「貴方!何してるの!」
「んあ?誰だてめぇ」
血だらけで倒れているホーリードラゴンの上にタバコを吸いながら腰掛けている男が、こちらを鋭い目で睨みつけた。
この人…強いわね…。
「人に名前を訪ねる時は、まず自分からじゃないかしら?」
私は、動揺を悟られない様にしながら言い返した。
「それもそうだな。俺の名前はレンだ。よろしくな、ビビリのお姉さん」
くっ、やっぱりバレてたわね。
「私の名前は、ミアよ。レンはこんな所で、何をしてたのかしら?」
レンは、しばらく私を見つめゆっくりと立ち上がった。
仕掛けてくる!?
私が、一瞬まばたきで目を閉じ、次に目を開けると耳元で声が聞こえた。
「お前には、関係ない事だ」
私は、咄嗟に後ろに飛び距離を開けた。
あの、一瞬で私の目の前まで来るなんてここは、逃げた方が良さそうね。
「そ、そう。じゃあ、私は用事があるから失礼するわ」
私が、属性強化を足にかけ走り出そうとすると、いきなり私の体が吹き飛んだ。
「おいおい、そう簡単に逃げれると思うなよ?」
これは、本気でやばいかも知れないわね。今、何されたか全くわからなかったわ…。
「呆けてる暇あんのかよ【デビルメイク・銃】」
レンの手に真っ黒な銃が持たれ、目にも留まらぬ速さで私の肩を弾が貫いた。
「っ!?」
「これを、避けれないのか…弱すぎんだろ」
確かに、私はまだまだだけど…
「あんたに言われると腹立つわね。【ファントム】【フォッグボディ】【フォッグシェル】」
私の前には、五体の幽霊が現れ、私の体は霧になり、周りに深い霧が現れた。
「なるほど。それで、守ってるつもりか?【デビルメイク・双剣】」
レンの手に持たれていた銃の形が変わり、二本の短剣へと変わった。
「無駄よ!貴方が、何をしようと私に攻撃は当たらないわ!」
「それが、弱いって言うんだよ。」
レンが、短剣を振ると私の腕が宙を舞い、私の身体の至る所に切り傷ができた。
「あぁぁぁぁ!な…なんで…」
「知ってるか?悪魔の武器は、全てを切り裂くんだよ。俺の能力は悪魔の武器の作成だ」
能力に勝てる訳が無かったわ…。悪いわね、みんな先行ってるわね。
私が、最後に見たのはレンが剣を振り下ろす瞬間だった…。
リリィ目線
「にゃ♪にゃん♪にゃーん♪」
私は、鼻歌を歌いながら目的地の鳥の巣へと向かっていた。
「それにしても、木しかない所にゃ」
私は、近くに落ちていたいい感じの棒を拾い空を見上げた。
「んにゃ?なんにゃ、あれ」
空から、でかい塊が落ちて来るのが見えたので、少し横にずれ落ちてくる物体を待った。
落ちて来たのは、血だらけで息をしていないレイジングバードだった。
そして、それに続く様に小さい女の子がゆっくりと降りて来た。
「ん?貴方は誰なのです?」
それは、こっちのセリフにゃ。
「私は、リリィにゃ。君は?」
「リリィさんなのですか。私の名前はノアと言うのです。いきなりで悪いのですが、死ぬのです」
私は、殺気を感じ横に転がって避けた。
次の瞬間、さっきまで私の居た場所が消滅した。
「何が起こったにゃ?」
「よく避けたのです。ご褒美に私の能力を教えてあげるのです。私の能力は【宇宙の創造】なのです」
能力持ちとは、厄介にゃ。
説明をすると、能力と言うのは生物が生まれ持った力の事で、能力を持った生物は魔力を持たない。そして、能力はどれも反則級の強さを誇る。と、言われている。
「我が、呼び掛けに応えよ!【黒ちゃん】」
私の呼び掛けに、呼応する様に私の肩に黒ちゃんが現れた。
「どうしたにゃ?ん?あれは…」
黒ちゃんは、ノアの姿を見るなり顔を青くした。
「リリィ…ダメにゃ!あれは、危険にゃ!今すぐ、ここから離脱するにゃ!」
妖怪である黒ちゃんがここまで、恐るなんて…あれを、放置するのはまずい気がするにゃ。
「少しばかり場所変えるのです【宇宙の創造・スペースワールド】」
私達の周りが暗くなり、キラキラと星空が輝いた。
「逃げれなくされたにゃ!くそ、こうなったらせめて死なない様にするにゃ!僕も手を貸すにゃ」
「なら、勝つにゃ!」
私は、身体全体に身体強化を発動し魔武器を召喚し相手の出方を伺った。
「せめてもの情けで、楽に殺してあげるのです」
死んだら、みんな悲しんでくれるかにゃ…。
「【宇宙の創造・スターダスト】」
ノアが、そう唱えると空に輝いていた星が私に向かって、落ちてきた。
「リリィ!あれに、当たると一瞬で塵になってしまうにゃ!」
大丈夫、全部見えてるにゃ!
私は、降り注ぐ星の間を縫う様に避け、ノアに向かって回し蹴りを放った。
ノアは、何故か避けるそぶりも見せずに吹き飛んだ。
なるほど、能力を使ってる間は動けないのかにゃ。
「舐めるなよ!【サンバースト】【ルナバースト】」
ノアが、手を横に大きく広げるとノアの後ろから太陽と月が、現れ私に向かって放たれた。
「【ウィンドブースト】」
「【ウィンドエナジー】」
私の身体に、風が纏わりつきその風が黒ちゃんの魔法によって緑色に輝いた。
風を目で捉える事は出来ない、そこに黒ちゃんの魔法の強化が入れば、そのスピードは光にも匹敵する速さとなる。
「貰った!」
私は、太陽と月を避けノアの後ろからかかと落としを決めようとしたが、いきなり力が抜けその場に倒れた。
「うん、まあまあなのです」
「な、何が起こったにゃ?」
黒ちゃんも、消えちゃったしこのまま死ぬのかにゃ…?
「説明してあげるのです。ここの空間は限りなく宇宙に近い空間なのです。あれだけ、激しく動いたらどうなるかわかるのです?」
「酸素が足りなくなる…」
あぁ、ダメだ。私が、馬鹿だった…。
「それじゃあ、さよならなのです」
そして、私の視界は真っ白に染まった。
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