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第1章
サフィニアです。てへ。
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辺境伯様との話し合いの後に、隣国へ行くメンバーを決めるため白熱した(第何回か最早わからない)家族会議の結果、辺境の警備もあるから父さんと兄さんはお留守番。残念そうだったけど、騎士団長が何度も長期休暇をとるのは駄目だろうし仕方ないよね。兄さんがぼそっと
「神足使えばこっそり行けるか…。」
って言ってたのを聞いてしまった。
やるよねー。
隣国へは母さん、私、カミュ、リュートさんで行くことになった。
まうちゃん、くるるについては、意志疎通の魔方陣を使って2匹に確認したら
「まう、イオンママと一緒がいい。」
「おいらも行く!悪い奴の顔知ってる!」
とのことで、一緒に行くことになったんだけど、カミュに隣国の拠点に転移の魔方陣を設置して貰ってからそれを使って来て貰うことにしたの。道中あまり目立ちすぎるのもよくないからね。
母さんの傭兵仲間さんに、拠点となる宿か空き家を手配して貰ってから出発しようってことになり、その間、準備のためにカミュとリュートさんは1度王都の爺さんちへ行くことして、お店の食品庫から2人で出掛けて行った。
私は一旦、お屋敷の仕事はお休みさせて貰えることになった。あれ以来よそよそしいジェフリーさんが、旅の安全を祈って、私に守護石の付いたブレスレットをくれたの。
「イオンさん、無事に戻ってきて下さいね。」
「おっふ。あ、ありがとうございます。」
このやりとりの間、侍女先輩が私の隣に仁王立ちしていたのはなぜだろう。
そして、その横には辺境伯様も仁王立ち。
「イオン、国境を越えてすぐの領地を治めている貴族には気を付けなさい。あまり良い噂を聞かないからな。好戦的な人物らしく、協定がなければいつ戦争を仕掛けて来てもおかしくないような奴だ。まぁ、そこら辺のことはナディアの方が知っているだろうが。」
「わかりました。あの…母さんの生まれ故郷って、どこだかわかりますか?」
「確か、主都だと言っていたような…。」
「そうですか…。」
母さんからは、隣国の家族のことは大まかにしか聞いたことが無い。
どんな家だったとしても、貴族の令嬢が剣1本で生きていくということはどれだけ大変だったんだろうと思う。
苦労なんて無かったような顔をしてるけどね。そういうのを絶対に見せないのが母さんの凄いところだ。
父さんとラブラブで、楽しそうに仕事して、ひゃっはー!言ってる母さん。
私がもう少し大人になったら、色々聞きたいな。
「こんにちはー!爺ちゃ~ん、来たよ!」
「おう、待ってたぞ。」
ミーシャ婆ちゃんに案内されて、応接室に入るとそこには爺ちゃんと魔術の先生…筆頭魔術師のサフィニアさんが座ってた。
「あれ、サフィニア先生?!どうしたんですか?」
「んー、来ちゃった。てへ。」
濃いブルーのふわふわの癖毛を掻きながら先生が笑っている。
「こいつ、カミュの手紙を読んで、どうしても隣国へ一緒に行きたいって言うんだよ。」
「行きたーい!ね、カミュっち、いいよね?ね!」
僕の両肩をガシッと掴むサフィニアさん。
「あのー、この方がサフィニア様なんですよね?」
リュートさんが目を丸くして見てる。
「あー、うん。そう。」
驚くのもムリないよね。見た目は僕とあまり変わらないぐらいの少年だもん。ちょっと眠そうに見えるタレ目の可愛い少年。
本当の年齢は爺ちゃんと同じくらいなのに
これも魔術師の成せる技なんだけどね。
プライベートでは、いつもこの姿だから、僕は本当の姿は知らないんだ。
「てへ。あれ、こちらは?」
「王立研究所のリュートさんだよ。」
「はじめましてー!サフィニアです。てへ。」
「は、はじめまして。いやぁ、驚きました。伝説級の魔術師にお会い出来るなんて!」
「伝説だなんて、いやだなー。てへ。」
サフィニアさん、てへって言うの口癖なんだよね。
「まー、いいからみんな座れ。」
と、爺ちゃんに言われてそれぞれソファーに腰掛けた。
「隣国行きのメンバーが決まったんだ。
父さんと兄さん以外みんなで行くことにしたよ。」
「私も連れてってくれるよね?てへ。」
いいの?って思って爺ちゃんを見ると苦笑いしてる。
「言い出したら聞かないからな、こいつは。」
「大丈夫!足手まといにはならないよ。てへ。」
足手まといになるはずないじゃん。伝説級の魔術師が!
「ま、いいんじゃないでしょうか?一緒に行って頂けるのでしたら、とても心強いですよ。」
リュートさんは、キラキラした目でサフィニアさんを見てる。
「そうだ!僕、サフィニアさんに転移の魔方陣の書き方を教えて貰おうと思って、王都に来たんだよ。一緒に行ってくれるなら安心だね。」
「じゃあ決まり!てへ。」
「神足使えばこっそり行けるか…。」
って言ってたのを聞いてしまった。
やるよねー。
隣国へは母さん、私、カミュ、リュートさんで行くことになった。
まうちゃん、くるるについては、意志疎通の魔方陣を使って2匹に確認したら
「まう、イオンママと一緒がいい。」
「おいらも行く!悪い奴の顔知ってる!」
とのことで、一緒に行くことになったんだけど、カミュに隣国の拠点に転移の魔方陣を設置して貰ってからそれを使って来て貰うことにしたの。道中あまり目立ちすぎるのもよくないからね。
母さんの傭兵仲間さんに、拠点となる宿か空き家を手配して貰ってから出発しようってことになり、その間、準備のためにカミュとリュートさんは1度王都の爺さんちへ行くことして、お店の食品庫から2人で出掛けて行った。
私は一旦、お屋敷の仕事はお休みさせて貰えることになった。あれ以来よそよそしいジェフリーさんが、旅の安全を祈って、私に守護石の付いたブレスレットをくれたの。
「イオンさん、無事に戻ってきて下さいね。」
「おっふ。あ、ありがとうございます。」
このやりとりの間、侍女先輩が私の隣に仁王立ちしていたのはなぜだろう。
そして、その横には辺境伯様も仁王立ち。
「イオン、国境を越えてすぐの領地を治めている貴族には気を付けなさい。あまり良い噂を聞かないからな。好戦的な人物らしく、協定がなければいつ戦争を仕掛けて来てもおかしくないような奴だ。まぁ、そこら辺のことはナディアの方が知っているだろうが。」
「わかりました。あの…母さんの生まれ故郷って、どこだかわかりますか?」
「確か、主都だと言っていたような…。」
「そうですか…。」
母さんからは、隣国の家族のことは大まかにしか聞いたことが無い。
どんな家だったとしても、貴族の令嬢が剣1本で生きていくということはどれだけ大変だったんだろうと思う。
苦労なんて無かったような顔をしてるけどね。そういうのを絶対に見せないのが母さんの凄いところだ。
父さんとラブラブで、楽しそうに仕事して、ひゃっはー!言ってる母さん。
私がもう少し大人になったら、色々聞きたいな。
「こんにちはー!爺ちゃ~ん、来たよ!」
「おう、待ってたぞ。」
ミーシャ婆ちゃんに案内されて、応接室に入るとそこには爺ちゃんと魔術の先生…筆頭魔術師のサフィニアさんが座ってた。
「あれ、サフィニア先生?!どうしたんですか?」
「んー、来ちゃった。てへ。」
濃いブルーのふわふわの癖毛を掻きながら先生が笑っている。
「こいつ、カミュの手紙を読んで、どうしても隣国へ一緒に行きたいって言うんだよ。」
「行きたーい!ね、カミュっち、いいよね?ね!」
僕の両肩をガシッと掴むサフィニアさん。
「あのー、この方がサフィニア様なんですよね?」
リュートさんが目を丸くして見てる。
「あー、うん。そう。」
驚くのもムリないよね。見た目は僕とあまり変わらないぐらいの少年だもん。ちょっと眠そうに見えるタレ目の可愛い少年。
本当の年齢は爺ちゃんと同じくらいなのに
これも魔術師の成せる技なんだけどね。
プライベートでは、いつもこの姿だから、僕は本当の姿は知らないんだ。
「てへ。あれ、こちらは?」
「王立研究所のリュートさんだよ。」
「はじめましてー!サフィニアです。てへ。」
「は、はじめまして。いやぁ、驚きました。伝説級の魔術師にお会い出来るなんて!」
「伝説だなんて、いやだなー。てへ。」
サフィニアさん、てへって言うの口癖なんだよね。
「まー、いいからみんな座れ。」
と、爺ちゃんに言われてそれぞれソファーに腰掛けた。
「隣国行きのメンバーが決まったんだ。
父さんと兄さん以外みんなで行くことにしたよ。」
「私も連れてってくれるよね?てへ。」
いいの?って思って爺ちゃんを見ると苦笑いしてる。
「言い出したら聞かないからな、こいつは。」
「大丈夫!足手まといにはならないよ。てへ。」
足手まといになるはずないじゃん。伝説級の魔術師が!
「ま、いいんじゃないでしょうか?一緒に行って頂けるのでしたら、とても心強いですよ。」
リュートさんは、キラキラした目でサフィニアさんを見てる。
「そうだ!僕、サフィニアさんに転移の魔方陣の書き方を教えて貰おうと思って、王都に来たんだよ。一緒に行ってくれるなら安心だね。」
「じゃあ決まり!てへ。」
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