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第三章
豚の初夜2
しおりを挟むヒューバート様は、寛容さを感じせる口調で続けました。
「腕はね、下ろしていいよ」
少しホッとした時、ヒューバート様は背後から頭を下げ、掬い上げたわたくしの乳房にキスしたのです。
「ひゃっ!?」
じゅっと音をさせ肌に吸いついてから、彼は顔を上げ、鏡の中のわたくしにおっしゃいました。
「見て、色白だから、すぐに痕がつく」
見れば、乳房にうっすらと赤い痣が出来ていました。あら? これ、どこかで?
「これはね、君は僕のものだという印だよ」
ヒューバート様の低い声が聞こえて、わたくしの胸に熱いものがこみ上げました。でもヒューバート様ったら分かっておりません。わたくしは初めてお会いした時から、ヒューバート様のものなのに。
「綺麗だろ?」
ヒューバート様に言われて、わたくしは初めてそうかもしれないと思いました。
やけに薄いナイトドレスの黒い生地、そこからまろび出るわたくしの真っ白な丸み。そのコントラストは、言われてみると綺麗に思えてきたのです。
大きな二つの塊は、ヒューバート様によってつけられた印のおかげで、わたくしにとって恥ずべきものではなくなったのかもしれません。
ヒューバート様は、もう片方の乳房にも吸いつきました。じゅっ。
わたくしの乳房は、どんどん美しくなり、もう肉の塊ではなく、宝玉と言っていいほど素晴らしいモノとなっておりました。
「ここを見ていて」
ヒューバート様は、まっしろな宝玉の中心にある、醜い突起を指で指し示しました。
「ピンクの豚の乳首ですわ」
「シンシア」
ヒューバート様に軽く諫められ、わたくしは口を閉じました。彼はそのまま指を乳輪に沿わせ、何度も突起の周りをくるくる撫でました。
なんとなく、ソワソワしてしまいます。
「薄桃色で、乳房の割に小さい突起だね。かわいい」
かわいい? このイボみたいなやつが? でも……そう言われてみれば、なんだかすごく可愛く見えてきました。
「……あっ!?」
胸の先端に、刺激が走りました。ヒューバート様が乳首を弾いたからです。
なんでしょう、わたくし何かいけないことをしたでしょうか?
「見て、ちょっと弄っただけで、立ったよ。かわいいね」
「あ、これが、これが勃起なのですね」
ヒューバート様が無言で尖端に吸い付きました。赤ちゃんみたいに、ちゅぅと吸うので、お乳が出ないことに申し訳なくなりました。
でもその刺激はなんとも言えない感情のさざ波をわたくしの中に起こし、ますますわたくしの下腹部がソワソワとしてしまうのです。
ヒューバート様は夢中でわたくしの背後から、両方の乳房の先端を吸い、舐めとり、甘噛みしました。飢えた獣のように、揉みしだきながら貪るのです。
「ぁあっ、ヒューバート様、わたくしなんだか──なんだかとても……あっ……ふぁんっ!」
ヒューバート様がそれだけわたくしの乳房を求めてくれていることが嬉しくて、そしてその刺激が切なすぎて、わたくしの唇から変な喘ぎ声が漏れてしまいました。
やっと乳房を解放してくれたヒューバート様の目は、潤んでいました。わたくしの白い膨らみの先端では、濡れ光る乳首が屹立し、これまでにないくらい誇らしげに輝いておりました。
「なんだかとても? なに? どんな感じがした?」
聞かれて、わたくしは正直に申し上げました。初夜は、旦那様に任せればいいのです。
下腹部を押さえて、鏡の中のヒューバート様に訴えます。
「ここが、きゅんきゅんして」
ヒューバート様は一瞬無言になりました。なにかしら? なにか、間違ったことを言ったかしら?
「シンシア、実はね」
そう切り出したヒューバート様の表情は、いままでの彼と違っておりました。どこか切羽詰まったような、余裕のない表情と声です。
「君には、白い果実より、もっと綺麗なところがあるんだよ」
ザラついた声でそう言って、彼はわたくしの両腿を掴み、大きく広げたのです。
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