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第一章 ヒロイン視点 悪役令嬢の断罪
20.婚約
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全体的に、にやにやする顔を必死に隠している、うちの酒場チーム。
その中で、明らかに私だけを見て笑ってる奴がいる。
なによ、ニムルス、こっちみんな。笑うな。
なんか目が小さな動物を愛でるみたいな目になってんだよ。なんか嫌だ。
不意に、ひざの上の手に、感触があった。
ニムルスの手だ。
え、やだテーブルの下で手が触れた。
偶然だと思って手を退けると、逃がさないとばかりに握られた。
いや、握るな。ちょ、離して。
手とかおが、かおがなんか、へん。
あっついんですけど。やめてくれます?
きっと睨むと、また目尻を下げてにやにやしている。
ほんとうさんくさい。もう、離して。
「お前、ほんと面白いな。俺、お前と婚約してもいいぞ」
ん?
今、何かおっしゃいましたか?
がたっと、ロザリーがテーブルにぶつかった。
紅茶のカップががちゃんと音を立てる。
動揺してる?
ちょっと、カップ割らないでよ。弁償だよ?
「こら、ニムルス。それは俺とディアスが勝手に言ってるだけで、本人の意思がだな」
カラム!お前か!お前が元凶か!!
カウンターの中から、お父さんが声をかけてくる。
「……しかし、ここにこのメンバーを連れて来たのは、明らかにニムルスだな?」
ニムルスは頷いた。
「なんか見てられなくてよ。
ロザリーが家に帰るのを見計らって、一人の時に声かけたんだ。
お前やばいから親連れてリーナんちに行こうってな」
テーブルの下のニムルスの手は、私の手を確かめるように優しく撫で始めた。
手から何か変な熱い感触がふわっと全身に伝わってくる。あ、さっきの黒くない新顔だ。
熱は顔に到着した。顔が火照る。体が熱い。なにこれ。え、なんなのこれ。
ロザリーが見てる。なんか睨んでる。うめぼしがすごい。涙がまた、目に溜まってきている。
いや、そうじゃない。ちがうちがう。あんた誤解してる。
でも、あれ、黒くないなにかの新顔が、私を満たして暴れている。
なにこれ。やだ。うわ、ふわふわして熱い、何かが広がっていく。なんか体を掻きむしりたい。
いや。でも、いやじゃない。
「……本人が同意するなら、いいだろう。婚約を許可する。あくまでも、リーナが同意したら、だ」
ちょっと待ってお父さん!?
私、こいつのこと何も知らないよ??
カラムの息子さんなら安心だろうけどさ!
けど、なんか胡散臭いし急に近づいてくるし手とか握ってくるし、なんか、え、ずっとこっち見てるし。
目が、離せない。
じっと私を、深いきれいな紫の瞳が、まっすぐ見つめてくる。両手を握って、体をこちらに向けて。
真剣な顔しないでよ。
私の顔は、茹で蛸を通り越して湯気が上がりそうなくらいになっていた。
うわあ、ちょっと、隠れたい。なんなのこれ。
その中で、明らかに私だけを見て笑ってる奴がいる。
なによ、ニムルス、こっちみんな。笑うな。
なんか目が小さな動物を愛でるみたいな目になってんだよ。なんか嫌だ。
不意に、ひざの上の手に、感触があった。
ニムルスの手だ。
え、やだテーブルの下で手が触れた。
偶然だと思って手を退けると、逃がさないとばかりに握られた。
いや、握るな。ちょ、離して。
手とかおが、かおがなんか、へん。
あっついんですけど。やめてくれます?
きっと睨むと、また目尻を下げてにやにやしている。
ほんとうさんくさい。もう、離して。
「お前、ほんと面白いな。俺、お前と婚約してもいいぞ」
ん?
今、何かおっしゃいましたか?
がたっと、ロザリーがテーブルにぶつかった。
紅茶のカップががちゃんと音を立てる。
動揺してる?
ちょっと、カップ割らないでよ。弁償だよ?
「こら、ニムルス。それは俺とディアスが勝手に言ってるだけで、本人の意思がだな」
カラム!お前か!お前が元凶か!!
カウンターの中から、お父さんが声をかけてくる。
「……しかし、ここにこのメンバーを連れて来たのは、明らかにニムルスだな?」
ニムルスは頷いた。
「なんか見てられなくてよ。
ロザリーが家に帰るのを見計らって、一人の時に声かけたんだ。
お前やばいから親連れてリーナんちに行こうってな」
テーブルの下のニムルスの手は、私の手を確かめるように優しく撫で始めた。
手から何か変な熱い感触がふわっと全身に伝わってくる。あ、さっきの黒くない新顔だ。
熱は顔に到着した。顔が火照る。体が熱い。なにこれ。え、なんなのこれ。
ロザリーが見てる。なんか睨んでる。うめぼしがすごい。涙がまた、目に溜まってきている。
いや、そうじゃない。ちがうちがう。あんた誤解してる。
でも、あれ、黒くないなにかの新顔が、私を満たして暴れている。
なにこれ。やだ。うわ、ふわふわして熱い、何かが広がっていく。なんか体を掻きむしりたい。
いや。でも、いやじゃない。
「……本人が同意するなら、いいだろう。婚約を許可する。あくまでも、リーナが同意したら、だ」
ちょっと待ってお父さん!?
私、こいつのこと何も知らないよ??
カラムの息子さんなら安心だろうけどさ!
けど、なんか胡散臭いし急に近づいてくるし手とか握ってくるし、なんか、え、ずっとこっち見てるし。
目が、離せない。
じっと私を、深いきれいな紫の瞳が、まっすぐ見つめてくる。両手を握って、体をこちらに向けて。
真剣な顔しないでよ。
私の顔は、茹で蛸を通り越して湯気が上がりそうなくらいになっていた。
うわあ、ちょっと、隠れたい。なんなのこれ。
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