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ミリアの知らないオレファンの過去編
宰相補佐オレファン、皇女の案内役を任命される・01
■
「来月、友好国グナーデより第二皇女がこのオリゴー王国の上下水施設を視察にいらっしゃる。オレファン、お前がその窓口になり、接待役をしなさい」
「え、嫌です」
夕食の席でさりげなく会話に混ぜられた父王の言葉を、オレファンはあっさりと拒否した。
「言い方」
その席についていたオレファン以外の全員が、共にため息を吐いて首を横に振った。
この国の王たる父、王妃である母、王太子である兄王子、その妻で王太子妃という錚々たる面々を前にこれだけ太々しい態度を取れるのは多分オレファンだけだろう。
「この席で仰られたということは、国王としての命令ではありませんよね? なら拒否させて頂きます」
「オレファン」
「第一、グナーデは皇子がおらず、まだどの皇女が立太子されるのかも未定だとか。第二皇女殿下が実績つくりの為に外交にいらっしゃるというならば、しがない第二王子にして宰相補佐でしかない私よりも、次代を背負う王太子であるアレクサンドル兄上か、もしくは同性であり未来の王妃たる王太子妃であるタチアナ義姉上がお相手されるべきでは?」
それはあまりにも正論である為、王としては異論を挟み難かった。
憮然として、手にもったゴブレットを呷る。
「ターニャは駄目だよ、オレファン。妊娠中の妻にそのような面倒事……ごほん。二国間の友好に関わるような神経を使う案件にかかわらせる訳にはいかない。同性の方が好ましいというならば、第二皇女殿下とは一歳違いでしかないのだし、ファネス公爵家のミリア嬢にお願いするのもいいんじゃないか。お前の婚約者なんだし。いっそ皇女には学園へ短期で編入して貰うのもいいんじゃないか」
横から王太子である兄がしてきた提案を、オレファンがひと言で切り捨てる。
「ミリィは僕のものです。ミリィのすべての時間は僕の為にあるのでそれこそ承知できませんね」
キリッと表情を引き締めて言い返しているが、言っている内容は最低である。
「お前が見るか、お前の婚約者が見るか。そのどちらかだ、オレファン。この程度の案件、難なく成功させる程度のことができなくては我が国の政を任せることはできない。その場合、お前は当初の計画通り軍部へ異動することになる」
それは、王都を離れるのと同義語だ。
軍の最高司令となるべく下積みから勉強しなくてはいけない。辺境を廻り顔を繋げ、剣の腕と軍略に関する知識を問われる生活を送るということだ。それが何年掛かるかも分からない。
そして、ミリアと婚姻を結ぶことは叶うかもしれないが、最初の数年は血を繋ぐため以上のかかわりを持つことは難しく、子を為した後はそんな時間すら持てなくなる。
広い国土を守る為の軍を統括するというのは、それほどの激務であるということだ。
今ですら最愛の唯一ミリア・ファネスとの時間がほぼない生活であるというのに。
ここからさらに削られるなど、オレファンに耐えらえる訳が無かった。
想像しただけで血反吐を吐き出しそうになり、震える拳を握りしめた。
「これは最終通告だ」と国王である父から言われて、オレファンは頭を下げてそれを受け入れた。
「来月、友好国グナーデより第二皇女がこのオリゴー王国の上下水施設を視察にいらっしゃる。オレファン、お前がその窓口になり、接待役をしなさい」
「え、嫌です」
夕食の席でさりげなく会話に混ぜられた父王の言葉を、オレファンはあっさりと拒否した。
「言い方」
その席についていたオレファン以外の全員が、共にため息を吐いて首を横に振った。
この国の王たる父、王妃である母、王太子である兄王子、その妻で王太子妃という錚々たる面々を前にこれだけ太々しい態度を取れるのは多分オレファンだけだろう。
「この席で仰られたということは、国王としての命令ではありませんよね? なら拒否させて頂きます」
「オレファン」
「第一、グナーデは皇子がおらず、まだどの皇女が立太子されるのかも未定だとか。第二皇女殿下が実績つくりの為に外交にいらっしゃるというならば、しがない第二王子にして宰相補佐でしかない私よりも、次代を背負う王太子であるアレクサンドル兄上か、もしくは同性であり未来の王妃たる王太子妃であるタチアナ義姉上がお相手されるべきでは?」
それはあまりにも正論である為、王としては異論を挟み難かった。
憮然として、手にもったゴブレットを呷る。
「ターニャは駄目だよ、オレファン。妊娠中の妻にそのような面倒事……ごほん。二国間の友好に関わるような神経を使う案件にかかわらせる訳にはいかない。同性の方が好ましいというならば、第二皇女殿下とは一歳違いでしかないのだし、ファネス公爵家のミリア嬢にお願いするのもいいんじゃないか。お前の婚約者なんだし。いっそ皇女には学園へ短期で編入して貰うのもいいんじゃないか」
横から王太子である兄がしてきた提案を、オレファンがひと言で切り捨てる。
「ミリィは僕のものです。ミリィのすべての時間は僕の為にあるのでそれこそ承知できませんね」
キリッと表情を引き締めて言い返しているが、言っている内容は最低である。
「お前が見るか、お前の婚約者が見るか。そのどちらかだ、オレファン。この程度の案件、難なく成功させる程度のことができなくては我が国の政を任せることはできない。その場合、お前は当初の計画通り軍部へ異動することになる」
それは、王都を離れるのと同義語だ。
軍の最高司令となるべく下積みから勉強しなくてはいけない。辺境を廻り顔を繋げ、剣の腕と軍略に関する知識を問われる生活を送るということだ。それが何年掛かるかも分からない。
そして、ミリアと婚姻を結ぶことは叶うかもしれないが、最初の数年は血を繋ぐため以上のかかわりを持つことは難しく、子を為した後はそんな時間すら持てなくなる。
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「これは最終通告だ」と国王である父から言われて、オレファンは頭を下げてそれを受け入れた。
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