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言葉の通じない異民族に嫁にされる話
言葉の通じない異民族に嫁にされる話 前編
しおりを挟む「ほんっと、に!どうなってんのよこれ‼︎」
予想外の事態に思わず怒りの言葉を吐き捨てながら、光が地面に届かないほどに木々が生い茂る森の中を走り抜ける。
買ったばかりのパンプスが靴擦れを起こし、ズキズキと走る痛みを無視しながら無我夢中で背後から迫り来る何かから逃げ続ける。
本当にどうしてこんなことに____________。
私は青空光。ごくごく平凡な女子大生だった。
今日だって就職活動のために出かけようと家の扉を開いたら、何故か森に繋がっていて_____。
ちょっと様子を見るために出たら、扉が消えて帰れなくなってしまっていた。
当てもなく森を歩いていると突如として現れた醜悪な見た目をした化け物、例えるならゲームで見たゴブリンみたいな謎の生き物に追いかけられて今の状況に至る。
「ギャギャッ‼︎」
徐々に追いつかれようとしていることがわかり、焦って地面から飛び出た木の根に足を引っ掛けて思いっきり転んでしまった。
「やだ...来ないで......‼︎」
「グギャッ‼︎」
ニタニタと勝利を確信しているのか手に持った刃こぼれしたナイフを手元で回しながらゆっくりと私に近づいてくる。
これから襲いくるであろう惨状に思わず目を瞑り、覚悟を決める。
「 豁サ縺ュ!」
低い男性の掛け声のような声と共に化け物の断末魔、そして何か肉が切り裂かれる音が私の耳をつんざく。
僅かに何か生暖かい液体が足にかかる感覚がし、それが血であることに気がつくにはそう時間はかからなかった。
「 縺翫>縲∵?ェ謌代?辟。縺?°?」
自分が知る限り、どの言語ともかけ離れたその言葉は少なくとも敵意は感じず。
恐怖から顔を伏せていた私の顔の前に浅黒い肌の、豆ができていた武人のような大きい手が差し出される。
恐る恐る顔を上げると、黒い癖っ毛に浅黒い肌をした男が立っていた。ヨーロッパ旅行で見た彫刻のような彼の端正な顔は日本人とはかけ離れており、狩猟民族のような動物の皮を使った服の隙間から彼がかなりの怪我を負っている事が見て取れる。
「貴方、怪我してる...?」
「 險?闡峨′騾壹§縺ェ縺??縺」
何か困ったように呟くと、彼は化け物の死体を適当に放り投げ私の前であぐらを描くように座り込む。
同じように座り込んでいても私が見上げる状態になる程彼の身長は大きく、その彼が無言で私を見つめるこの状況は助けられたと分かっていても少し恐怖を感じた。
彼は自分自身を指で指し、ラルバと話す。
ラルバ?...........もしかして名前の事を言ってるのかな。
同じようにラルバと私が発すると、満足したように頷く。
「光」
「ヒ、カ...リ?」
同じように自分を指して名前を言う。
私の名前を覚えようとしているのか何度も繰り返し呟いている彼の様子からして、少なくとも先ほどの化け物のように敵対することはないだろうとほっと息をつく。
彼の体に目を向けると、かなりの怪我をしていてまだ血が流れ続けている事が見て取れる。素人目でもこのまま放っておくのは良く無いだろう。
「あ、そうだ。これ...」
持っていたバッグから中にあるタオルを出して体の傷を指さす。
雨の予報だからと大きめのタオルを入れておいて良かった。
見た事がないのか不思議そうにタオルを見ているラルバの体の傷を、タオルを使って抑えるようにして止血する。
その間ラルバは時々痛みからか眉間に皺を寄せるものの、無言で私の顔を見つめていた。
少したち、血が止まったのを確認して彼から離れようとすると突然手を引っ張られて抱きしめられるような形になる。
「っ!?ちょ、ちょっと!」
「 縺ゥ縺薙∈陦後¥繧薙□」
かなり鍛え上げられているのか、筋肉に覆われたその腕を振り解き事ができない。
耳元にかけられる息は興奮しているのか熱く、男性経験がない私にとっては初めてのことに思わず体の動きが止まる。
「 雜ウ繧呈?ェ謌代@縺ヲ縺?k縲ゆソコ縺ョ髮?誠縺ォ陦後%縺??」
「え、あ⁉︎ちょっと待って!」
私をお姫様抱っこしたまま起き上がり、慣れたように森の中を歩き出すラルバ。
手で止まるように伝えても、寧ろそのスピードは早まっていき森の中を一気に駆け抜ける。人間とは思えない速さに思わず冷や汗が流すと、ラルバは手で私の顔を自身の胸に押し付けるようにする。
私が怖がらないように...?だったら今すぐ止まって欲しいんだけど......。
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