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過去と今
第19話
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「今日はこの辺にしときましょうか」
配信のテストを終えると、時刻は夕方に差し掛かっていた。まだまだやることは山積みなのだが、ひとまずの区切りはついた形になる。
「お腹すいてませんか」
千歳が出し抜けにそう言うと、確かに空腹であるように優雨も感じ始めた。これには通話を繋いでいた大佐も同意した。
「みんなでご飯食べにいこうよ」
続いて流歌が提案すると、蘭子を除いた全員が口を揃えて賛同する。
「大丈夫ですよ」
気をもんだ様子で蘭子がこちらを見やった。優雨の外出には賛同できないのだろう。優雨自身も、彼女の気持ちはよくわかっているつもりだ。それでも、この場の和やかな雰囲気をできる限り保ちたい。
「その前にちょっと寄ってみたいところがあるんですけど」
この場にいるのは流歌・蘭子・千歳、そして自分を含めた四人と、ついでに(通話のみだが)大佐。普段なら一人で行けそうにないところも、この面子であれば何とかなりそうな気がした。
「どこだよ」
蘭子がストレートに疑問を口に出す。彼女のこういった気質は話を切り出し易くなるので優雨は内心で重宝していた。早速、本題に移るとしよう。
「喫茶店なんですが」
*
なんとなく嫌な予感はしていた。
「着きました。ここです」
千歳は滝のように流れる冷や汗を片っ端からハンカチで抑えながら、極度の緊張に動悸が激しくなるのを感じた。
まさか、こんな形で再びここへ来ることになるとは。
「流石に男装喫茶は入ったことがないな」
ちゃっかり合流した大佐が店の構えをしげしげと眺めながら言った。幸いにして今日は「服屋でマネキン買いした」という無難な格好をしている。これも蘭子を意識してのことなのだろう。
「メイド喫茶にでも行って来たら。一人で」
蘭子がにべもない様子で言うと、大佐は慌てて「通っているわけじゃないぞ」と謎の弁明を図り始める。こう見えても彼は急遽半休を取ってまで午後から諸々の準備に手を貸してくれた功労者だ。流石の蘭子も今回ばかりは大佐の同道を拒むことはできなかった。実際には、嫌がる彼女を周囲が宥めた成果なのだが。
ここまで来ての仲間外れは余りにもかわいそうだ。二人の仲が進展することを望まない優雨も、流石に同情の気持ちを禁じ得なかったらしい。どれだけチャンスを与えたところで大佐が蘭子に好かれるビジョンも思い描けない点はさておき。
「とりあえず、入りましょうか」
店先で騒いではいい迷惑だろう。見るに見かねた優雨が二人に声を掛けた。どうやら、彼のクラスメイトがここに勤めているらしかった。しかし、近いうちにアルバイトを辞めてしまうというので、一目でも働いている姿を目にしようというのが今回の来店の目的だ。
「ボクもこういうとこ初めてだから楽しみ」
流歌の無邪気な笑顔を向けられると、千歳も「そうですね」と精一杯の作り笑顔で応えるしかなった。まさしく、ここは「ユキ」こと浅野深雪が勤務しているコンセプト喫茶に他ならない。運命の悪戯とはまさにこのこと。通い慣れているはずの場所なのに、まるで初めて訪れたときのように緊張してしまっていた。
蘭子の家に遊びに行くだけのつもりだったので、服装は普段より少し控えめに、聖歌隊をイメージしたデザインのクラシカルなワンピースを選んでいた。それに、鉄面皮のような厚手のメイクも今日は施していない。
「顔色悪くねーか」
蘭子がこちらの顔を覗き込みながら訝しむような目を向ける。思わずぎくりとなった千歳は声を裏返しながら、
「そんなことありませんわよ」
誰に対して使ったこともないお嬢様口調で返答した。自分でも気が動転しているのがよくわかる。動揺を隠し切れないまま、先頭をきって歩く優雨の背中に隠れるようにして千歳は店内へと足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ」
入店後は優雨と大佐、流歌と蘭子と千歳の二手に分かれる形でそれぞれのテーブルに案内された。その間も千歳はナーバスな気分を払拭できずにいた。普段なら気にならない従業員の目も、今日ばかりは視界の端に捉える度に気になってしまう。
深雪のことだから先日の一件を同僚に話したりはしないと思いたいが、万が一にでも自分を指して「同性のキャストを口説こうとするやべーやつ」と店中に知れ渡っていたとしたら―――そんな疑念が頭の中で渦巻くと、一刻も早くこの場から立ち去りたいという思いに駆られてしまう。
しかし、こんなところまでのこのこ付いてきてしまった手前、今更尻尾を巻いて逃げ出すわけにもいかない。もしかすると、いつもより薄いメイクのお陰で自分だと気づかれないかもしれないし。
「ご指名はユキさんですか」
そんなことはなかった。注文を取りに来たキャストは当然のようにこちらを馴染みの客の一人として認識している。
「来たことあったんだ」
流歌が興味深そうな目でこちらを見やる。笑顔を作るのに必死で頬が引き攣りそうになりながら、千歳は彼に「ええ、まあ」と曖昧な返事を寄越した。あらかじめわかっていたことだが、今日は深雪の出勤日である。そのために有給まで取っていたのだが、先日のこともあって気まずさを覚えていた千歳は蘭子の家に遊びに行くことを選んでいた―――そのはずだったのだが。
結局、来てしまった。
しかし、ここでくよくよしていては何も始まらない。折角の機会なのだから、深雪とは後腐れなく良き友人として今後も付き合えるように努めるチャンスにしよう。新しい恋に生きる決心もしなければ。
*
店内で友人の姿を認めたとき、思わず深雪は自分の目を疑った。
ここに勤めていることは伝えていたが、本当に来るとは思ってもみなかった。店名を教えたのも、彼には一人で来店する度胸がないはずだと高を括っていたからだ。まさか友人と連れ立ってまでこんなところに来てしまうとは。見たところ、一緒に来ている男は自分たちと同年代には見えないが―――どちらにしろ、想定外の事態だ。
マズいっす。
できる限り彼らの方に顔を向けないようにしながら仕事を続けていたが、万が一指名でもされたらその努力も水の泡だ。いや、そうなるに違いない。でなければ優雨がわざわざ店に来る理由など皆目見当もつかなかった。
一人でそわそわしてると、注文を取っていたキャストから声を掛けられた。指名が入ったのだ。相手はもちろん、常連客の百鬼千歳である。彼女が来ていると知って、深雪は内心でどきりとした。以前に気まずい別れ方をして以来だったので、どんな顔をして会ったらいいかわからなかったのだ。それでも、仕事はきっちりこなさなければ―――接客に余計な私情を挟んではプロ失格だ。
深雪は気を引き締めると、優雨に見つからないようなルートを選んで千歳の待つテーブルへと向かった。彼の目線をしきりに気にしては、手にしたメニューで顔を隠して。さながら不審者のような足取りの自分を訝しむような目で見る同僚たちには目もくれず、深雪はおっかなびっくり歩みを進める。
*
「いらっしゃいませっす」
背丈は自分よりも高いだろうか。すらりと伸びた手足と、男装メイクの映える切れ長の目が印象的だった。彼女こそが千歳の指名したキャストの「ユキ」だ。
「また来ちゃいました」
常連客らしく砕けた挨拶を交わす千歳を横目にしながら、流歌は彼女が同性愛者であることを思い出していた。ユキのような、凛々しいタイプが好みなのだろうか。
「来てくれて嬉しいっす」
心底ほっとした様子でユキが言った。二人の間にかつて何があったかは知らないが、さして大きな問題ではなかったようだ。こうして面と向かえる程度には。
「今日はお友達も一緒なんすね」
明るい笑顔を振りまくユキに対して遠慮がちに「どうも」と返した流歌とは正反対に、蘭子が「ういーっす」と無遠慮に挨拶した。三者三様のユニークな取り合わせにユキは目を丸くしてから、
「二人とも可愛いっすね」
満面の笑みで再び千歳に向かった。それを受けた彼女はもじもじしながら「そうなんです」と消え入りそうな声で答える。
「こいつは男だけどな」
蘭子がテーブルに頬杖をつきながら流歌の方を見やって言った―――ユキのリアクションを確かめるように。
「マジっすか」
ユキはどうやら感情が表に出やすい性質らしく、心底驚いた様子を見せる。口をあんぐりと開けて、折角の男前が台無しだった。
「本当だよ」
そんな彼女の疑問に答えてやると、続いてユキはテーブルに手をついてまじまじとこちらを見つめた。
「女の子にしか見えないっす」
「だよな」
彼女の反応に満足したのか、蘭子が笑みを浮かべて同意する。優雨からは好き嫌いの激しい性格だと聞いていたが、ユキのことはお気に召したようだ。
「ちなみにあたしも男なんだけど」
「それは嘘っすね」
蘭子が気軽に冗談を吹っ掛けるところを見るに、ユキの対応は好感触だったらしい。ルックスこそ店の雰囲気に合わせて整えてはいるが、彼女の飾り気のない言動は持ち前のものなのだろう。
蘭子のことは気難しい性格というより、単に建前が苦手なだけなように流歌の目には映っていた。人付き合いには苦労するだろうが、誰に対しても本音を口にできる姿が容易に想像できるところには憧れてしまう。自分にはとても真似できそうにないからだ。
そこでふと、優雨は彼女のことをどう思っているのかが気になった。自分よりも長い付き合いのようだが、恋仲というわけではなさそうだ。ビジネスパートナーなんて言葉も似合わないし、まるで自分と誠のような、家族にも似た繋がりを感じた。
優雨たちが掛けるテーブルの方をちらと見やる。彼がキャストとの会話を楽しんでいる様子が目に入ると、ちくりと胸を刺すような痛みを感じた。その痛みの理由も、今はわかっているつもりだ。
優雨とは友達にはなれても、同性の自分では彼の恋人にはなれないのだから。
*
「なかなかに男前じゃないか。男装喫茶なんて初めて来たが、どの子もレベルが高いな、流石に」
この期に及んでどうして上から目線で物が言えるのか不思議でならなかったが、容姿の話をしだすと自分の首も絞める結果になりかねないので、敢えて指摘するのは控えておく。
「ええ、まったく」
大佐の言葉を聞き流しながら、それとなく店内を見渡した。もちろん、浅野の姿が見当たらないか期待してのことだ。
「で、本命の子は指名しないのか。同級生の」
「しませんよ。嫌がるでしょうし」
「呼ばなきゃ来た意味がないだろう」
「一目でいいんですよ、一目で。どんな雰囲気のお店か知りたかっただけですから」
生憎と流歌たちとは別席になってしまったが、こういった形式のお店に大人数で掛けられるテーブルがないのは当然といえば当然な気もする。自分だったら若い女性と話してデレデレしているところを誰かに見られたいとは思わないし、かといって一人で遊びに来る勇気もなかったのだが。
「どなたかお探しですか」
そこへ丁度自分たちの前を通りかかったキャストが気を利かせて声を掛けてきた。
「いえ、お構いなく」
「こういうのは遠慮する方が無粋だぞ、イナリくん」
自分もここへは初めて来たくせに、何を知った風な口をきくんだこの人は。
大佐が得意げな顔で優雨を諭すように立てた人差し指を振る。それから彼は「そうだな」と前置きしてから注文をつける。
「アニメとか、ゲームの話ができる人がいいかな」
「かしこまりました」
大佐の注文を承ったキャストが上品な笑みを残してテーブルを離れる。
「それが常套句ですか」
勿体ぶった割には無難な要求に思える。厄介なことを言い出されるよりは遥かにましだが。
「いや、適当だよ。常連でもないし、手の空いた人間を宛がわれるだけに決まってる」
「なるほど」
彼の言うことにも一理ある。コミケで鉢合わせしたときにも思ったが、趣味には過剰な情熱を注ぐ反面、時折見せるシニカルな一面に彼の人間性が垣間見えた気がした。
「向こうは盛り上がってるな」
流歌たちのテーブルを見やると、すらりとした長身のキャストの背中が目に入った。ポニーテールにまとめた髪のおかげで丸見えになったうなじがとても魅力的だ。その横顔に見覚えがある気がして、どうにか確認したいと思っていたところ、
「お待たせ致しました」
そこへ、二人分のコーヒーをキャストが届けに来た。それを運んでくれた人が大佐の希望通りアニメ好きな人物かどうかはわからないが、折角なので少しはコンセプト喫茶の楽しみ方というものを探ってみることにしよう。流歌たちのテーブルから目を離すと、優雨は手に取ったコーヒーカップの水面を揺らしながら適切な話題を探すことにした。
*
どうしても気になって、接客の合間に優雨のいるテーブルの方を覗き見てしまう。すると、彼は自分のことを指名するでもなく他のキャストと楽しそうにお喋りしているではないか。
あの浮気者。
添い寝までしてあげたのに、と内心で恨み言を連ねていると、彼とは未だに恋人関係に至れていないことを思い出した。
「あっちが気になるのか」
不意に図星を突かれると、慌てて担当のテーブルに目を戻す。興味津々といった様子の蘭子がこちらを見ていた。
「いえ、その、なんでもないっす」
「彼氏か」
「「ええっ」」
深雪と千歳、二人の驚きの声が重なって店内に木霊した。
「す、すみません。つい取り乱しました」
立ち上がりかけたところで、僅かに椅子から浮き上がった腰を再び落ち着けた千歳が咳払いして言った。それに同調するように、深雪も曖昧な笑みを作ってみせる。
「で、どうなんだよ」
しかし、蘭子は追及の手を止めない。それをはらはらした様子で流歌が眺めている。
「と、友達っす」
どう誤魔化していいかわからず、正直に答えることにした。それから、
「ま、まだ」
ぽつりと言葉を付け加えると、流歌と蘭子がぱっと表情を明るくした。その横で、顔を青くした千歳が今にも何か吐き出しそうなのを堪えた様子で歪んだ笑みを浮かべている。彼女には気の毒だが、自分が優雨に恋をしているのは事実である―――そうすると、千歳にとって彼の存在は恋敵ということになるのか。今更になって余計な一言を付け加えてしまった事実に気がつくと、焦る気持ちが更に加速していく。
「なんだよ期待させること言いやがって」
興奮する二人をよそに、破裂寸前の千歳。三人の顔を順繰りに見やりながら、未だに地雷原でタップダンスを続けている自覚に深雪は苦しめられた。できることなら二人に心躍るような恋バナをしてあげたいという気持ちと、これ以上千歳を刺激したくないという気持ちとで板挟みになってしまった。
*
「延長なさいますか」
キャストの問い掛けに、思っていたよりも時間が経っていることに気づかされた。
「いや、延長はなしだ。楽しかったよ、ありがとう」
優雨が口を開くより先に、大佐が満足げに答えている。確かに、時間を忘れてつい話し込んでしまった。予め長居はしないと全員で取り決めていたので、少しばかり名残惜しいがここで離籍することにした。相手をしてくれたキャストと挨拶を交わしながら、二人が席を立つ。
「ん?」
すると、誰かに脇腹をつつかれた。そちらの方を見下ろすと、自分たちと同様に店を出ようとしていた三人娘(うち一人は男)を見送りに来ていたポニーテールのキャストだ。見知った頭の位置に、見覚えのある顔。おや、と優雨が訝しむ。
「どうして来たんすか」
自分に肘鉄を打っていたのは、やはりというべきか友人の深雪だった。こちらにはそっぽを向きながら、頬を膨らませている。
「似合ってんじゃん」
「もうっ」
それだけ言うと、優雨はそそくさとその場を後にした。その様子を見ていた大佐が恨みがましい目を向ける。
「今の子が友達か。本当に羨ましいやつだな君は」
「どうしてです?」
「あーいや、なんでもない・・・・・・いいから聞かなかったことにしてくれ」
店先で流歌たちと合流すると、五人は街をぶらつきながら手頃な飲食店を探すことにした。その間も話題は尽きることなく、終始賑やかに過ごした。蘭子が冗談を振りまき、流歌がそれを真に受けては、千歳が慌てて間違いを正そうとする。彼女らのやり取りを見ながら大佐と二人で笑い合う。
この先もずっと、こうであればいいのに。そう思わずにはいられなかった。
「今日はこの辺にしときましょうか」
配信のテストを終えると、時刻は夕方に差し掛かっていた。まだまだやることは山積みなのだが、ひとまずの区切りはついた形になる。
「お腹すいてませんか」
千歳が出し抜けにそう言うと、確かに空腹であるように優雨も感じ始めた。これには通話を繋いでいた大佐も同意した。
「みんなでご飯食べにいこうよ」
続いて流歌が提案すると、蘭子を除いた全員が口を揃えて賛同する。
「大丈夫ですよ」
気をもんだ様子で蘭子がこちらを見やった。優雨の外出には賛同できないのだろう。優雨自身も、彼女の気持ちはよくわかっているつもりだ。それでも、この場の和やかな雰囲気をできる限り保ちたい。
「その前にちょっと寄ってみたいところがあるんですけど」
この場にいるのは流歌・蘭子・千歳、そして自分を含めた四人と、ついでに(通話のみだが)大佐。普段なら一人で行けそうにないところも、この面子であれば何とかなりそうな気がした。
「どこだよ」
蘭子がストレートに疑問を口に出す。彼女のこういった気質は話を切り出し易くなるので優雨は内心で重宝していた。早速、本題に移るとしよう。
「喫茶店なんですが」
*
なんとなく嫌な予感はしていた。
「着きました。ここです」
千歳は滝のように流れる冷や汗を片っ端からハンカチで抑えながら、極度の緊張に動悸が激しくなるのを感じた。
まさか、こんな形で再びここへ来ることになるとは。
「流石に男装喫茶は入ったことがないな」
ちゃっかり合流した大佐が店の構えをしげしげと眺めながら言った。幸いにして今日は「服屋でマネキン買いした」という無難な格好をしている。これも蘭子を意識してのことなのだろう。
「メイド喫茶にでも行って来たら。一人で」
蘭子がにべもない様子で言うと、大佐は慌てて「通っているわけじゃないぞ」と謎の弁明を図り始める。こう見えても彼は急遽半休を取ってまで午後から諸々の準備に手を貸してくれた功労者だ。流石の蘭子も今回ばかりは大佐の同道を拒むことはできなかった。実際には、嫌がる彼女を周囲が宥めた成果なのだが。
ここまで来ての仲間外れは余りにもかわいそうだ。二人の仲が進展することを望まない優雨も、流石に同情の気持ちを禁じ得なかったらしい。どれだけチャンスを与えたところで大佐が蘭子に好かれるビジョンも思い描けない点はさておき。
「とりあえず、入りましょうか」
店先で騒いではいい迷惑だろう。見るに見かねた優雨が二人に声を掛けた。どうやら、彼のクラスメイトがここに勤めているらしかった。しかし、近いうちにアルバイトを辞めてしまうというので、一目でも働いている姿を目にしようというのが今回の来店の目的だ。
「ボクもこういうとこ初めてだから楽しみ」
流歌の無邪気な笑顔を向けられると、千歳も「そうですね」と精一杯の作り笑顔で応えるしかなった。まさしく、ここは「ユキ」こと浅野深雪が勤務しているコンセプト喫茶に他ならない。運命の悪戯とはまさにこのこと。通い慣れているはずの場所なのに、まるで初めて訪れたときのように緊張してしまっていた。
蘭子の家に遊びに行くだけのつもりだったので、服装は普段より少し控えめに、聖歌隊をイメージしたデザインのクラシカルなワンピースを選んでいた。それに、鉄面皮のような厚手のメイクも今日は施していない。
「顔色悪くねーか」
蘭子がこちらの顔を覗き込みながら訝しむような目を向ける。思わずぎくりとなった千歳は声を裏返しながら、
「そんなことありませんわよ」
誰に対して使ったこともないお嬢様口調で返答した。自分でも気が動転しているのがよくわかる。動揺を隠し切れないまま、先頭をきって歩く優雨の背中に隠れるようにして千歳は店内へと足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ」
入店後は優雨と大佐、流歌と蘭子と千歳の二手に分かれる形でそれぞれのテーブルに案内された。その間も千歳はナーバスな気分を払拭できずにいた。普段なら気にならない従業員の目も、今日ばかりは視界の端に捉える度に気になってしまう。
深雪のことだから先日の一件を同僚に話したりはしないと思いたいが、万が一にでも自分を指して「同性のキャストを口説こうとするやべーやつ」と店中に知れ渡っていたとしたら―――そんな疑念が頭の中で渦巻くと、一刻も早くこの場から立ち去りたいという思いに駆られてしまう。
しかし、こんなところまでのこのこ付いてきてしまった手前、今更尻尾を巻いて逃げ出すわけにもいかない。もしかすると、いつもより薄いメイクのお陰で自分だと気づかれないかもしれないし。
「ご指名はユキさんですか」
そんなことはなかった。注文を取りに来たキャストは当然のようにこちらを馴染みの客の一人として認識している。
「来たことあったんだ」
流歌が興味深そうな目でこちらを見やる。笑顔を作るのに必死で頬が引き攣りそうになりながら、千歳は彼に「ええ、まあ」と曖昧な返事を寄越した。あらかじめわかっていたことだが、今日は深雪の出勤日である。そのために有給まで取っていたのだが、先日のこともあって気まずさを覚えていた千歳は蘭子の家に遊びに行くことを選んでいた―――そのはずだったのだが。
結局、来てしまった。
しかし、ここでくよくよしていては何も始まらない。折角の機会なのだから、深雪とは後腐れなく良き友人として今後も付き合えるように努めるチャンスにしよう。新しい恋に生きる決心もしなければ。
*
店内で友人の姿を認めたとき、思わず深雪は自分の目を疑った。
ここに勤めていることは伝えていたが、本当に来るとは思ってもみなかった。店名を教えたのも、彼には一人で来店する度胸がないはずだと高を括っていたからだ。まさか友人と連れ立ってまでこんなところに来てしまうとは。見たところ、一緒に来ている男は自分たちと同年代には見えないが―――どちらにしろ、想定外の事態だ。
マズいっす。
できる限り彼らの方に顔を向けないようにしながら仕事を続けていたが、万が一指名でもされたらその努力も水の泡だ。いや、そうなるに違いない。でなければ優雨がわざわざ店に来る理由など皆目見当もつかなかった。
一人でそわそわしてると、注文を取っていたキャストから声を掛けられた。指名が入ったのだ。相手はもちろん、常連客の百鬼千歳である。彼女が来ていると知って、深雪は内心でどきりとした。以前に気まずい別れ方をして以来だったので、どんな顔をして会ったらいいかわからなかったのだ。それでも、仕事はきっちりこなさなければ―――接客に余計な私情を挟んではプロ失格だ。
深雪は気を引き締めると、優雨に見つからないようなルートを選んで千歳の待つテーブルへと向かった。彼の目線をしきりに気にしては、手にしたメニューで顔を隠して。さながら不審者のような足取りの自分を訝しむような目で見る同僚たちには目もくれず、深雪はおっかなびっくり歩みを進める。
*
「いらっしゃいませっす」
背丈は自分よりも高いだろうか。すらりと伸びた手足と、男装メイクの映える切れ長の目が印象的だった。彼女こそが千歳の指名したキャストの「ユキ」だ。
「また来ちゃいました」
常連客らしく砕けた挨拶を交わす千歳を横目にしながら、流歌は彼女が同性愛者であることを思い出していた。ユキのような、凛々しいタイプが好みなのだろうか。
「来てくれて嬉しいっす」
心底ほっとした様子でユキが言った。二人の間にかつて何があったかは知らないが、さして大きな問題ではなかったようだ。こうして面と向かえる程度には。
「今日はお友達も一緒なんすね」
明るい笑顔を振りまくユキに対して遠慮がちに「どうも」と返した流歌とは正反対に、蘭子が「ういーっす」と無遠慮に挨拶した。三者三様のユニークな取り合わせにユキは目を丸くしてから、
「二人とも可愛いっすね」
満面の笑みで再び千歳に向かった。それを受けた彼女はもじもじしながら「そうなんです」と消え入りそうな声で答える。
「こいつは男だけどな」
蘭子がテーブルに頬杖をつきながら流歌の方を見やって言った―――ユキのリアクションを確かめるように。
「マジっすか」
ユキはどうやら感情が表に出やすい性質らしく、心底驚いた様子を見せる。口をあんぐりと開けて、折角の男前が台無しだった。
「本当だよ」
そんな彼女の疑問に答えてやると、続いてユキはテーブルに手をついてまじまじとこちらを見つめた。
「女の子にしか見えないっす」
「だよな」
彼女の反応に満足したのか、蘭子が笑みを浮かべて同意する。優雨からは好き嫌いの激しい性格だと聞いていたが、ユキのことはお気に召したようだ。
「ちなみにあたしも男なんだけど」
「それは嘘っすね」
蘭子が気軽に冗談を吹っ掛けるところを見るに、ユキの対応は好感触だったらしい。ルックスこそ店の雰囲気に合わせて整えてはいるが、彼女の飾り気のない言動は持ち前のものなのだろう。
蘭子のことは気難しい性格というより、単に建前が苦手なだけなように流歌の目には映っていた。人付き合いには苦労するだろうが、誰に対しても本音を口にできる姿が容易に想像できるところには憧れてしまう。自分にはとても真似できそうにないからだ。
そこでふと、優雨は彼女のことをどう思っているのかが気になった。自分よりも長い付き合いのようだが、恋仲というわけではなさそうだ。ビジネスパートナーなんて言葉も似合わないし、まるで自分と誠のような、家族にも似た繋がりを感じた。
優雨たちが掛けるテーブルの方をちらと見やる。彼がキャストとの会話を楽しんでいる様子が目に入ると、ちくりと胸を刺すような痛みを感じた。その痛みの理由も、今はわかっているつもりだ。
優雨とは友達にはなれても、同性の自分では彼の恋人にはなれないのだから。
*
「なかなかに男前じゃないか。男装喫茶なんて初めて来たが、どの子もレベルが高いな、流石に」
この期に及んでどうして上から目線で物が言えるのか不思議でならなかったが、容姿の話をしだすと自分の首も絞める結果になりかねないので、敢えて指摘するのは控えておく。
「ええ、まったく」
大佐の言葉を聞き流しながら、それとなく店内を見渡した。もちろん、浅野の姿が見当たらないか期待してのことだ。
「で、本命の子は指名しないのか。同級生の」
「しませんよ。嫌がるでしょうし」
「呼ばなきゃ来た意味がないだろう」
「一目でいいんですよ、一目で。どんな雰囲気のお店か知りたかっただけですから」
生憎と流歌たちとは別席になってしまったが、こういった形式のお店に大人数で掛けられるテーブルがないのは当然といえば当然な気もする。自分だったら若い女性と話してデレデレしているところを誰かに見られたいとは思わないし、かといって一人で遊びに来る勇気もなかったのだが。
「どなたかお探しですか」
そこへ丁度自分たちの前を通りかかったキャストが気を利かせて声を掛けてきた。
「いえ、お構いなく」
「こういうのは遠慮する方が無粋だぞ、イナリくん」
自分もここへは初めて来たくせに、何を知った風な口をきくんだこの人は。
大佐が得意げな顔で優雨を諭すように立てた人差し指を振る。それから彼は「そうだな」と前置きしてから注文をつける。
「アニメとか、ゲームの話ができる人がいいかな」
「かしこまりました」
大佐の注文を承ったキャストが上品な笑みを残してテーブルを離れる。
「それが常套句ですか」
勿体ぶった割には無難な要求に思える。厄介なことを言い出されるよりは遥かにましだが。
「いや、適当だよ。常連でもないし、手の空いた人間を宛がわれるだけに決まってる」
「なるほど」
彼の言うことにも一理ある。コミケで鉢合わせしたときにも思ったが、趣味には過剰な情熱を注ぐ反面、時折見せるシニカルな一面に彼の人間性が垣間見えた気がした。
「向こうは盛り上がってるな」
流歌たちのテーブルを見やると、すらりとした長身のキャストの背中が目に入った。ポニーテールにまとめた髪のおかげで丸見えになったうなじがとても魅力的だ。その横顔に見覚えがある気がして、どうにか確認したいと思っていたところ、
「お待たせ致しました」
そこへ、二人分のコーヒーをキャストが届けに来た。それを運んでくれた人が大佐の希望通りアニメ好きな人物かどうかはわからないが、折角なので少しはコンセプト喫茶の楽しみ方というものを探ってみることにしよう。流歌たちのテーブルから目を離すと、優雨は手に取ったコーヒーカップの水面を揺らしながら適切な話題を探すことにした。
*
どうしても気になって、接客の合間に優雨のいるテーブルの方を覗き見てしまう。すると、彼は自分のことを指名するでもなく他のキャストと楽しそうにお喋りしているではないか。
あの浮気者。
添い寝までしてあげたのに、と内心で恨み言を連ねていると、彼とは未だに恋人関係に至れていないことを思い出した。
「あっちが気になるのか」
不意に図星を突かれると、慌てて担当のテーブルに目を戻す。興味津々といった様子の蘭子がこちらを見ていた。
「いえ、その、なんでもないっす」
「彼氏か」
「「ええっ」」
深雪と千歳、二人の驚きの声が重なって店内に木霊した。
「す、すみません。つい取り乱しました」
立ち上がりかけたところで、僅かに椅子から浮き上がった腰を再び落ち着けた千歳が咳払いして言った。それに同調するように、深雪も曖昧な笑みを作ってみせる。
「で、どうなんだよ」
しかし、蘭子は追及の手を止めない。それをはらはらした様子で流歌が眺めている。
「と、友達っす」
どう誤魔化していいかわからず、正直に答えることにした。それから、
「ま、まだ」
ぽつりと言葉を付け加えると、流歌と蘭子がぱっと表情を明るくした。その横で、顔を青くした千歳が今にも何か吐き出しそうなのを堪えた様子で歪んだ笑みを浮かべている。彼女には気の毒だが、自分が優雨に恋をしているのは事実である―――そうすると、千歳にとって彼の存在は恋敵ということになるのか。今更になって余計な一言を付け加えてしまった事実に気がつくと、焦る気持ちが更に加速していく。
「なんだよ期待させること言いやがって」
興奮する二人をよそに、破裂寸前の千歳。三人の顔を順繰りに見やりながら、未だに地雷原でタップダンスを続けている自覚に深雪は苦しめられた。できることなら二人に心躍るような恋バナをしてあげたいという気持ちと、これ以上千歳を刺激したくないという気持ちとで板挟みになってしまった。
*
「延長なさいますか」
キャストの問い掛けに、思っていたよりも時間が経っていることに気づかされた。
「いや、延長はなしだ。楽しかったよ、ありがとう」
優雨が口を開くより先に、大佐が満足げに答えている。確かに、時間を忘れてつい話し込んでしまった。予め長居はしないと全員で取り決めていたので、少しばかり名残惜しいがここで離籍することにした。相手をしてくれたキャストと挨拶を交わしながら、二人が席を立つ。
「ん?」
すると、誰かに脇腹をつつかれた。そちらの方を見下ろすと、自分たちと同様に店を出ようとしていた三人娘(うち一人は男)を見送りに来ていたポニーテールのキャストだ。見知った頭の位置に、見覚えのある顔。おや、と優雨が訝しむ。
「どうして来たんすか」
自分に肘鉄を打っていたのは、やはりというべきか友人の深雪だった。こちらにはそっぽを向きながら、頬を膨らませている。
「似合ってんじゃん」
「もうっ」
それだけ言うと、優雨はそそくさとその場を後にした。その様子を見ていた大佐が恨みがましい目を向ける。
「今の子が友達か。本当に羨ましいやつだな君は」
「どうしてです?」
「あーいや、なんでもない・・・・・・いいから聞かなかったことにしてくれ」
店先で流歌たちと合流すると、五人は街をぶらつきながら手頃な飲食店を探すことにした。その間も話題は尽きることなく、終始賑やかに過ごした。蘭子が冗談を振りまき、流歌がそれを真に受けては、千歳が慌てて間違いを正そうとする。彼女らのやり取りを見ながら大佐と二人で笑い合う。
この先もずっと、こうであればいいのに。そう思わずにはいられなかった。
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