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第2部 闘技場騒乱
第二部 終話
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――城の自室に戻ったころには、すでに零時を回っていた。
湯で身体をざっと清め、簡素な寝巻に着替える。ベッドに腰を下ろした途端、張りつめていたものが一気に切れて、どっと疲れが押し寄せた。
「シキ様……大丈夫ですか?」
「コロッセオでの件、まだ気にしてんのか?」
気づけば、すぐ目の前にヴィクターとゼノンが立っていた。
二人とも心配そうに、おれをじっと見つめている。
その視線に胸がちくりと痛み、思わず顔を上げて、慌てて頭を下げた。
「そうだ、まだ礼を言ってなかったな。今回は、おれのわがままに付き合ってあそこへ行ってくれて、本当に感謝してる。お前たちのおかげで、リリア姫のメイドも、ローズが人身売買をしていた者たちも助けることができた」
「あれくらい、たいしたことではありませんよ。結果的にゼノンに神造兵器が手に入りましたし、ちょうどよかったではありませんか」
「まあ、俺はもっとかっこいい神造兵器がよかったけどなー……って、いてっ! なにするんだよ、兄貴!」
ゼノンに掣肘をくらわせるヴィクター。
兄弟らしいやりとりを目の前で見ていると、緊張していた肩の力がふっと抜けていく。
自然と口元がゆるみ、心の奥にじんわりと温かさが広がった。
――その温もりに気が緩んだ途端、押し込めていた想いがふいにこぼれ出してしまった。
「……本当に、これでよかったのかな。ローズが死んで……もっとできることがあったんじゃないか……」
すると、ヴィクターはそっと隣に腰を下ろし、落ち着いた声で言った。
「シキ様、あれは彼女自身が選んだ結末ですよ。どうか、ご自身を責めないでください」
ゼノンも反対側に腰を下ろすと、不機嫌そうに眉をひそめながらおれの肩に腕を回す。
「そうそう、余計なこと考えるなって。あれは、あの女の自業自得だろ? あんたが背負う必要なんてどこにもねぇよ」
左右から伝わる体温に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
二人の気遣いが嬉しかったし、先ほどのライオネルのことといい、彼らに守られているような安心感は心を落ち着けてくれるようだった。
それでもやはり、わずかな不安は拭えない。
「二人とも、ありがとう。けれど、どうしても色んな事を考えてしまって……」
「じゃあ、何も考えられないようにしてやろうか?」
「は? それはどういう――うわっ!?」
言い終わる前に、ゼノンに強引に抱きしめられていた。
こちらを見つめてくる左右色違いの瞳は、不満と、優しさの入り混じった色をしている。
「余計なことを考える余裕がなくなるくらい、抱き潰してやるよ。そうじゃないと、今夜はずっと暗い顔してそうだしな」
ヴィクターもため息を一つつきながら、しかし穏やかな声で言葉を添えた。
「シキ様がそんな顔をしているのは、私も嫌ですから。どうか今夜は……私たちのことだけを考えてください」
「ヴィクター、ゼノン……」
二人の名前を呼んだ直後、ゼノンがすぐさま、噛みつくように口づけてきた。唇の隙間からすぐがぬるりと割り入った舌が、おれの舌に絡んでくる。
「ふっ……」
ゼノンはキスをしながらおれの服を脱がしてきた。もともと寝るつもりで簡素な服装に着替えていたため、あっという間に服を剥かれてしまう。
「ちょ、ゼノンっ……んっ!?」
ゼノンとの激しい口づけが終わったと思ったら、今度はヴィクターがおれの顎を掴み、自分の方へ向けさせる。そして、唇を重ねてきた。
「ふ、ぅっ……」
ゼノンが舌を絡めて貪るような濃厚さを見せてきたのに対し、ヴィクターは舌先で顎裏や歯列をなぞり、じっくりと口内をくすぐってくる。
舌が触れるたびに痺れるような快感が走り、全く違う感覚に翻弄されて――だんだん頭がぼうっとなっていく。
「ふ、はっ……」
「大丈夫ですよ、シキ様。もしも何かあっても、また私たちがなんとかして差し上げます。だから今夜は、私たちに全てゆだねてください」
「そうそう、俺たちに全部任せとけって。ようやく俺も神造兵器を手に入れられて、これでやっと……あんたの力になれる。そう思うと、嬉しくてたまんねぇんだ」
「……ヴィクター、ゼノン……」
二人の声に包まれると、不安と怖れがない交ぜになっていた心に、そっと灯りが差すようだった。
そのせいだろうか。再びゼノンがおれにキスをしかけてきた時、気づけばおれもおずおずと舌を合わせて応えていた。
「ふっ……ん、ぅ」
「へぇ、シキ様が甘えてくるのは初めてだな」
声を弾ませて、ゼノンが嬉しそうに笑う。
胸が熱くなるのと同時に、妙に気恥ずかしくなる。
思わず黙り込んでいると、今度はヴィクターに後頭部を掴まれて、強引に彼の方を向かされた。
「シキ様、ずるいですよ。私にも甘えてください」
「ぁ、ヴィクターっ……んっ、ふ」
今度はヴィクターから、唇をついばむように、ちゅっと音を立てながら何度もキスをされる。同時に、掌で優しく胸や腹部を撫でられて、なんだかくすぐったいような、落ち着かない気持ちになる。
「はっ……ふ、ぁ……ひぁっ!?」
不意に、背後からゼノンの腕がまわった。
その手は胸元を這い、指先が乳首をきゅむりと摘む。さらにクニクニと揉みしだかれ、思わず口元を手で押さえる。
「あっ、ゼノンっ? な、なんで……」
耳もとで低く吐息がかかる。
「今回のことはともかくよ……あの聖剣使い、なんか妙にあんたになついてるよな。しかも俺に『シキのことを頼む』とか言いやがって、何様のつもりだよ」
「えっ、ぁ、いや、それは……ぁ、ひぁっ」
ゼノンの指先が乳首をきつくひねり、否定の言葉が快感に溶かされていく。
同時に、ヴィクターはおれの正面へ移動し、床に膝をつくと足を大きく割り開かせた。そのまま、中心へ顔を寄せてくる。
「あっ、ヴィクター、なにして……ぁ、あっ!?」
ぬるりと熱いものが陰茎を這い、一拍遅れて理解する。
ヴィクターが舌で舐めているのだ。
「ぁっ、だめ、そんなところ……っ、あ、ああッ!」
吐息の合間に、彼が低く囁く。
「ふふっ、こんなに敏感に反応して……シキ様は、本当に愛らしいですね」
ちゅぷり、という水音の後、ヴィクターはおれの陰茎を口に含んだ。
陰茎がじんわりとした熱い肉に包まれ、肉厚の舌がぬるぬると竿に絡んでくる。じゅぷっ、という水音を立てて、ゆっくりと頭を上下しながら陰茎をしゃぶられる。
羞恥と快感がない交ぜになり、腰が勝手に揺れてしまう。
「ひっ、ぁ、ああっ!?」
「はは、気持ちよさそうだな」
ゼノンは両手を回して、おれの乳首を再び弄り始めた。
人差し指と親指でつままれた乳首がもみくちゃにされ、時には爪先でカリカリと乳輪の周りをひっかかれる。
「ぁっ、ゼノン、それやだって……んぅっ!?」
開いた口に、ゼノンが無理やり指を差し込んできた。右手は相変わらず乳首をくにくにと弄んでいる。
何事かと思う間もなく、耳もとに唇を寄せられ、低い声が落ちる。
「俺の指、しゃぶって。兄貴がどんな風に舐めてるのか、俺に教えてくれよ」
「んぅっ!?」
「嘘ついても分かるからな」
その囁きに、目を大きく見開く。だがゼノンは、本当におれが何もしなければ指を抜くつもりはないらしい。
「っ……んむ、ぅ……」
「へぇ、今は先っぽ舐められてるんだ。シキ様、そこ弱いもんな」
おずおずと、ゼノンの人差し指の先を、ちろりと指先で舐める。
「ほら、それだけじゃないだろ?」
からかう声に、顔が一気にかあっと熱くなる。
逃げ出したいほどの恥ずかしさに震えながらも、結局おれはゼノンの指にちゅうっと吸い付いてしまった。
「んっ、ちゅ、ぅ……」
ちゅぷり、と立つ水音がおれの口内から響く音なのか、それともヴィクターが立てている音なのか、段々と判別がつかなくなってくる。
熱い口内でしゃぶられている陰茎は、今まで味わったことのない快楽だった。それに加えて、ゼノンの指によって固く尖った乳首をクリクリと愛撫されているのだ。
「んっ、ふ、ぅっ……!」
あっという間に迎えた限界。
このままではヴィクターの口内に出してしまうと思い、おれは必死に手を伸ばして彼の頭をどかせようと試みた。
だが、ヴィクターはびくともせず、しかも引いてくれるどころか、ますます頭を上下させる動きを早めた。
「~~~ッ!」
たまらず、おれは背筋をのけぞらせて射精を迎えた。びゅるりと精液を吐き出すのと同時に、ゼノンの指に強く吸い付いてしまう。
ヴィクターはおれが射精をしても、それでも陰茎を口から離すことはなかった。吐き出された精液をごくりと音を立てて飲み込むと、おれを見上げて嬉しそうに笑った。
「ふふ、そんなに気持ちよかったですか? いつもは潮吹きとメスイキばかりですもんね」
「はっ、ぁ……」
ゼノンの指がゆっくりと口内から引き抜かれると、唇と指先の間に銀の糸が引いた。
快楽の余韻に頭をぼうっとさせながら、ヴィクターをじっと見つめる。
「うん? どうかしましたか、シキ様?」
「あっちの執務室に……水差しがあるから、口を注いできたほうがいい」
「……あなたという人は……そういうところが本当に可愛いですよね」
ヴィクターはおかしそうにくすくすと笑った。
ゼノンもおれを抱きしめる腕の力を強めながら、耳元で笑う。
「こういうところが心配になるんだよ。ったく……だから余計な奴まであんたに惹かれちまうんだ」
二人がなにをいいたいのか、さっぱり分からない。首を傾げていると、不意に、後ろにひやりと冷たくぬるついた感触がした。
「ひ、ぁっ!? ゼ、ゼノン、それっ……」
「んー、この体勢じゃちょっとやりにくいな……兄貴、ちょっとシキ様を膝立ちにさせるから、正面から支えてやってくれよ」
「もちろんいいですよ」
「ぁ、ちょっと待っ……ぁ、あアッ!?」
今度は無理やりベッドの上で膝立ちにさせられ、挙げ句、ベッドにあがってきたヴィクターに腰をがちりと掴まれてしまう。同時に、ゼノンの手が足の間に入ってきたため、足を閉じられなくなってしまった。
「ぁっ、あッ……ん、ぁっ!」
「これなら少し慣らすだけで大丈夫そうだな」
ゼノンが潤滑油をまとわせた指を、後孔へとゆっくり押し入れてくる。
しかもそれを見ていたヴィクターまで正面から手を伸ばし、ゼノンの指に添うように指先を潜り込ませてきた。
重なった二人の指が、くちゅくちゅといやらしい水音を立てる。
「ひぁ、あっ、やだ、それっ……ぁ、あッ!?」
「おや、もうイきそうですか? やっぱり射精よりもメスイキの方がお好きなんですね」
「うっわ。ナカ、めっちゃびくついててやべぇな」
後孔の中で、まったく違う動きをする二人の指。
ばらばらに掻き混ぜられる感覚に翻弄されて、おれは早々にびくびくと身体を震わせ、軽い絶頂を迎えてしまった。
「ひっ……あ、ぁ……!」
声を噛み殺そうとしても、漏れる声は止められない。
膝が崩れ落ちそうになり、思わず目の前のヴィクターの頭を両腕でぎゅっと抱きしめて、しがみついてしまう。
「ふふ、甘えてくださるんですか? 嬉しいですね」
「ち、ちがっ……ん、ぁ、あっ!」
ぐちゅ、くちゅ、と絶え間ない水音が下半身から響く。前立腺を指先がかすめるたびに、甘い痺れがじぃんと身体を貫いた。
思わず考えてしまう。今でさえこんななのに、もし指以上に大きいもので中を穿たれたら――どうなってしまうんだろう。
恐ろしい想像に、ぶるりと身震いする。
けれど……そうなれば確かに、おれはもう余計なことを考えずに済むだろう。
なにせ、今でさえ意識が快楽に呑み込まれないようにするだけで精一杯なのだから。たぶん二人は、わざとそうしてくれているのだ。
だから――伝えるなら今しかない。
「ふ、二人とも……」
「なんでしょうか?」
「ん? どうかしたか?」
「おれは、その……二人にまだ言えていないことが、たくさんあって……本当なら、ちゃんと話すべきだとは分かっているんだが……んっ、ぅ」
おれがたどたどしく告げた言葉に、しかし、返ってきたのは予想外の反応だった。
「なんだ、そんなことですか」
「深刻な顔してるから、どれだけ重大な話かと思ったぜ」
「えっ」
拍子抜けしたような二人の様子に、思わず目を瞬かせて固まってしまう。
そんなおれを見て二人は顔を見合わせ、おかしそうに笑った。
「なんつーか、最近のシキ様は昔とずいぶん変わったなぁと思ったけどよ。不器用なところはぜんぜん変わってねぇよな」
「そうですね。他に楽ができる道があっても、そちらを選ばないところとか」
「え……」
思ってもみない言葉だった。
おれの混乱をよそに、二人は楽しそうに笑って言葉を続ける。
「大丈夫ですよ、シキ様。あなたがどんな秘密を抱えていようと、私たちは最後まであなたを守ります」
「そうそう。最初に契約した通り、あんたは俺たちのもんだからな。秘密ごと、全部まとめて守ってやるよ」
「……ありがとう、二人とも……」
思わず笑みがこぼれる。
胸の奥がふっと軽くなって、さっきまで革命軍やこれからのことで悩んでいた自分が嘘みたいに思えた。
この二人がそばにいてくれるなら――
少しくらいは、未来をもっと楽観的に考えてもいいのかもしれない、なんて……そんな風に思えたのだ。
だが、そんな余裕をもてたのは一瞬だけだった。
止まっていたヴィクターとゼノンの指が、不意に激しく動き出したのだ。
ぐちゅぐちゅといやらしい水音が後孔から響き、がくりと身体の力が抜ける。
「ひゃっ……!?」
慌ててヴィクターにしがみつく。
「あっ、ひ、ぁ!? ぁ、やだ、なんでいきなり……っ!」
「すみません。シキ様があまりに無防備に笑うものですから……我慢できなくなりまして」
「つーか、この状況であんな可愛い顔すんの、シキ様こそどういうつもりだよ? 早く犯してほしいっていうおねだりか?」
「あっ、な、なに言って……ぁ、ああっ、ぁあッ!?」
二人の指がきゅうきゅうと前立腺を押しつぶし、かき乱すたび、腰がガクガクと震える。
電流に貫かれたような快楽と共に、陰茎からぷしゃりと透明な潮が噴き出した。
「や、ぁ……やだ、こんなの……っ!」
羞恥に震える声をあげても、二人の指は止まらない。
ぷっくりと膨れた前立腺を、競うように指の腹でぐにぐにと押し潰される。
潮を吹いて絶頂したばかりだというのに、なお容赦なく責め立てられ、腰が勝手に逃げようとしては二人に押さえ込まれる。
「ぁっ、二人とも……すこし休ませ……っ、ああ、ァっ!?」
「これくらいで休むなんて冗談でしょう? この腫れた前立腺をもっとゴリゴリして差し上げれば、さらに気持ちよくなれますよ」
「そうそう、俺のモンでたっぷりよがらせてやる。シキ様は前立腺も結腸責めも大好きだもんなー?」
「って、待ちなさいゼノン。今日は私が先ですよ」
「はぁ? 俺に決まってんだろ。弟がようやく神造兵器を手に入れたんだぜ、祝ってやろうって気持ちはねぇのかよ?」
「私はあなたから祝われた覚えなど一度もありませんが?」
「い、いいから二人ともケンカしてないで……っひぁああっ!?」
おれの必死の静止をよそに、双子はやいのやいのと言い合いながらも、息ぴったりに指をぐちゅぐちゅと動かし続けていた。
か、勘弁してくれ!
「シキ様、私が先にイかせて差し上げますからね」
「はっ、俺に決まってんだろ! 俺の方がシキ様を気持ちよくできるに決まってる」
「ま、待っ……や、ぁ、ああ……っ!」
言い争いながらも、二人の指は休むどころかますます激しさを増していく。
前立腺を抉るように突き上げられ、もう腰がガクガクと震えて止められない。
「あ、ぁああっ……やっ、もう……っ!」
「ほら、見てください。私が指を動かすだけで、こんなに感じてますよ」
「なに言ってんだよ。どう見ても俺の指で感じてんだろ?」
二人の指は完全に競い合うように動き出した。
ヴィクターは的確に前立腺をぐりぐりと擦り上げ、ゼノンは荒々しく奥を抉るように押し広げる。
逃げ場のない二人の攻めに、腰がガクガクと震え、呼吸さえ乱れて止められない。
快感に突き落とされるたび、声が勝手に漏れてしまう。
「ふふっ。シキ様、もうすぐですね……」
「ほら、シキ様! 俺だろ? 俺の指でイけよ!」
「あ、あっ……! も、もうだめっ……んっ、ぁああッ!」
ヴィクターの指が前立腺を抉り上げ、ゼノンの指が奥を無遠慮に押し広げる。
二人の責めが同時に重なった瞬間、頭の中で何かが弾けて――おれはびくびくと全身を痙攣させながら絶頂へと叩き落とされた。
「はぁっ、あっ……」
肩で荒く息をするおれを抱き支えながら、双子は顔を見合わせて笑った。
「ふふ、どうやら同時にイってしまいましたね。これでは勝負になりません」
「ちっ……俺の勝ちのはずだったのによ。けど同点ってことは、答えはひとつだよな?」
ゼノンがニヤリと笑い、ヴィクターも穏やかに微笑む。
「えっ……?」
「二人一緒に、やるしかないでしょう」
「どっちも選べないってことは、両方欲しいってことだろ?」
同時にそう告げられ、ゾクリと背筋が震える。
羞恥と恐れと、ほんの少しの期待が入り混じり、喉がひくついて声にならない。
拒む言葉を探す前に、二人の手が同時に脚を押し広げた。
二人の熱を帯びた視線に身体が竦む。
「シキ様、覚悟してくださいね」
「これからが本番だ。頭からっぽになるくらい、よくしてやるよ」
ゼノンにぐいと腕を引かれ、気づけばその逞しい太ももの上に座らされていた。
背後から抱きすくめられ、腰を両手でがっちりと掴まれる。
「やっ……ゼノン、ま、待って……っ!」
言い終える間もなく、熱い先端が後孔へと押しつけられた。
力強く腰を下へと引き下ろされ、容赦なく膨らみが押し込まれていく。
「ひっ……あ、ぁぁっ!!」
ぐちゅりと音を立てながら、一気に奥まで呑み込まされる。
背筋が跳ね、喉から悲鳴にも似た声が漏れた。
ゼノンが腰を押しつけると、容赦なく陰茎が後孔を押し広げていく。
じゅぷっ、という強い水音を立てながら、ぐぐっと奥まで突き入れられ、視界が一気に白く染まった。
「へへ……やっぱシキ様の中は最高だな」
耳元で低く囁きながら、ゼノンは奥を貫いたままゆっくりと腰を揺さぶる。
「ぁ、くっ……ゼノン、だめ、そんなの……っ」
思わず涙がにじむおれの頬に、ヴィクターの手がそっと触れた。
「大丈夫ですよ、シキ様。力を抜いて……ほら、こうすれば楽になりますから」
そう言って、彼の指先が胸元へと滑り、硬く尖った乳首をきゅっと抓む。
さらに円を描くように撫で転がされ、背筋がびくんと震えた。
「ひゃぁっ……! や、やめ……っ」
「ふふ……本当に乳首、弱いですよね。可愛いですよ、シキ様」
後ろからはゼノンの荒々しい突き上げ、前からはヴィクターの繊細な愛撫。
全く違う快楽が同時に押し寄せ、身体はもう抵抗する余裕もなく震え続けていた。
「あ、ぁぁっ、ゼノン……っ、だめ、もうっ……!」
腰をぐいぐいと上下に揺さぶられ、ゼノンの熱が容赦なく奥を抉りつける。
突き上げのたびに前立腺を直撃され、目の前が真っ白に弾けた。
「ほら、イけよシキ様! ぐちゃぐちゃにイっちまいな!」
荒々しい声に煽られるまま、腰が勝手に跳ね、全身がびくんと震える。
前立腺を強く擦り潰され、たまらず陰茎から白濁を噴き出した。
「ひゃああっ……! ぁ、イッ……く、あぁぁあッ!!」
同時にゼノンも呻き声を上げ、奥深くへどぷりと熱いものを吐き出してくる。
注ぎ込まれる量の多さに、おれは絶頂の波に呑まれて、意識が飛びそうになった。
ようやくゼノンが腰を止め、肩で荒く息をつく。
解放されると思った、その瞬間――
「ふふ……シキ様、まだ終わりじゃありませんよ」
「えっ……あっ、や……!」
ゼノンのものが後ろから抜かれたと思った瞬間、今度はヴィクターに身体を抱き寄せられ、膝の上へと乗せられてしまう。
「シキ様……今度は、私の番ですよ」
耳元で穏やかに囁かれた直後、熱いものが再び後孔を押し広げてきた。
ずぷずぷと呑み込まれる感覚に、全身がびくんと跳ねる。
「あっ、やっ……ヴィクター、だめ……っ! もうさっきイったばかりなのに……っ」
「ご安心ください。シキ様がもっと甘えられるように、私が丁寧に愛して差し上げますから」
言葉通り、ゼノンの荒々しさとは違い、ヴィクターはゆっくりと腰を揺らして奥を擦り上げてくる。
さらに胸元に手を伸ばし、乳首を転がしながら、まるで慰めるように愛撫を重ねてきた。
「ん、ぁぁっ!? ま、待っ……さっきイったばかり、なのにぃ……っ!」
「今度は私の番ですから。シキ様を、じっくり味わわせていただきます」
優しい声音とは裏腹に、腰は容赦なく奥へと突き入れられ、身体は再び翻弄され始めた。
ヴィクターはゆったりと擦り上げるかと思えば、不意にぐっと奥を抉るように突き上げてくる。
「んあぁっ!? やっ、そこっ……だめ、また……っ!」
「ふふ……シキ様は、ここを突かれるとすぐに乱れますね。可愛いですよ」
後ろからは深く突かれ、前では乳首をくりくりと弄ばれる。
甘い痺れが身体を走り抜け、脚の力が抜けて震えた。
「もう……むり、なのに……っ、ぁあぁっ!」
「大丈夫です。私がすべて支えて差し上げますから……もっと気持ちよくなってください」
耳元に落とされる優しい声と、容赦のない突き上げ。
矛盾する二つの刺激に翻弄されながら、おれの意識はまた快楽の波に飲み込まれていく。
容赦のない突き上げに喘ぐおれの顔へ、不意に影が差した。
顔を上げるよりも早く、ゼノンが強引に口を塞いでくる。
「んむっ……んっ、ぅ……!」
荒々しく舌をねじ込まれ、呼吸さえ奪われる。
その間にも背後からはヴィクターが深く突き入れ、乳首をきゅうっとつまんで離さない。
「……んちゅ、ぷはっ。なぁシキ様、気持ちいいか?」
「ふっ、ふぁ……っ!」
返事の代わりに喉から熱い声が漏れてしまい、顔がかぁっと熱くなる。
そんなおれを面白そうに見下ろしながら、ゼノンは今度は前へ手を伸ばし、固く勃ち上がったそこを荒々しく扱き上げてきた。
「ひゃっ、ぁああっ!? や、だめ、そんな、同時に……っ!」
「はは、こっちはもっと欲しいって言ってるぜ?」
「そ、そんな……っ、ぁ、ああっ!」
陰茎の先端を指の腹ですりすりと撫でまわされ、腰ががくがくと震える。
「ほら、こんなに硬くして……兄貴に突かれながら、俺にいじられてんの、たまんねーんだろ?」
「ひぁっ……や、やだ、そんな言い方……っ!」
「素直に言えよ。俺の手で、こんなに感じてるんだってな」
ゼノンの指が先端をぎゅっと締め上げるように擦り、かと思えば、爪の腹で裏筋をつつ……っとなぞる。
そのたびに腰が勝手に跳ねて、いやだと言いながらも甘い声がこぼれてしまう。
「んぁっ、ああっ……! ちがっ、これは……っ!」
「違わねーだろ? ほら、俺の手が気持ちよすぎて止められねぇんだよな?」
にやりと笑うゼノンの顔が近づき、逃げ場を失った羞恥が全身を染め上げていく。
けれど、彼の手を振り払うどころか、むしろ身体はますます熱を帯びてしまう。
ゼノンの骨ばった手で前を無遠慮に擦られ、後ろはヴィクターにじっくりと突き上げられる。
強制的に与えられる異なる快楽に、もう声すら上手く繋がらなかった。
「ぁっ、ふぁっ、あっ、ぁあッ……!」
「ふふっ……突くたびに、こうして中がひくひくと私に絡みついて……分かりますか? シキ様の身体は、こんなにも私を欲しがってますよ」
ヴィクターの唇が耳たぶを噛み、甘い刺激に身体がびくんと跳ね上がる。
だが次の瞬間――それまで丁寧だった動きが豹変し、がつがつと荒々しく突き上げてきた。
「ひぁっ!? あっ、ああぁっ!」
「ああ……やはり奥が一番弱いんですね。抉られるたびに可愛い声が溢れて……本当に素直で、可愛いですよ」
奥を抉られるたびに腹の底まで響き、身体が跳ねる。
その激しい衝撃に合わせるように、ゼノンはおれの陰茎を荒っぽくクチュクチュと擦り立てた。
「腰、自分で揺らしてんの気づいてるか? そんなに欲しいのかよ、いやらしいな」
「ち、ちが……っ、ああっ、ぁぁっ!!」
否定の言葉は震える声に溶け、腰は勝手に二人の責めに応えるように揺れてしまう。
ヴィクターの容赦ない突き上げと、ゼノンの執拗な扱きが重なり、もう絶頂の波がすぐそこまで押し寄せてきていた。
「あっ、ふぁ……ぁあッ!」
ヴィクターの突き上げはついに限界を超え、最奥をぐりぐりと抉るように激しくなる。容赦なく背後から突き上げられて、ぐぽぐぽと音を立てながら何度も何度も前立腺を抉られる。
その勢いに合わせて、ゼノンも荒々しく前を扱き上げ、容赦なく快楽を重ねてきた。
「やっ、あっ……だ、だめ、これ以上……っ!!」
泣き声のような叫びを上げた次の瞬間――
ヴィクターの全身がびくりと震え、奥深くで脈打つ熱がどぷりと流し込まれた。
「……っ、シキ様……!」
「ひぁ、ああぁッ……!」
注がれる熱と同時に、前からはゼノンの荒っぽい手つきに追い立てられ、おれも堪えきれず再び絶頂を迎えた。
腰が勝手にガクガクと震え、後ろをぐちゅぐちゅとかき回されるたびに、腹の奥がきゅうっと縮んで痙攣する。
「ふぁっ、ぁっ、ああぁッ……」
涙が頬をつたって溢れ、口からはだらしなく涎がこぼれ落ちる。
おれの陰茎からはびゅるびゅると精を噴き出して、ゼノンの手を濡らしていた。
あまりにも強すぎる絶頂に、もう身体のどこでイっているのか、自分でも分からない。
「ぁあ……ッ、ん、ぁあ……っ」
脈打つたびにどくどくと流し込まれる熱が後孔の奥を満たし、腹の内側まで灼けつくようだった。
注がれる熱と、自らの迸りがない交ぜになり、身体の奥も前も同時に蕩けていくようで――息も絶え絶えに、ただ快楽に飲み込まれていく。
全身から力が抜け、ぐったりと後ろのヴィクターへもたれかかったところに、二人の声が重なった。
「ふふ……まだですよ、シキ様」
「これからが本番だろ?」
「――え? だ、だって、おれはもう……っ」
思わず顔を上げ、信じられない気持ちで二人を見上げる。
すると、ゼノンがぐいっとおれの顎を掴み、無理やり自分の方へ向かせてきた。
「言っただろ? 今夜は頭からっぽになって、何も考えられねぇくらい犯してやるよ」
荒々しい声音と共に、にやりと笑うゼノン。
一方で、ヴィクターはおれの髪を優しく撫でながら、落ち着いた声で囁いた。
「大丈夫です、シキ様。あなたは抗う必要などありません。ただすべて、私たちに委ねてくださればいいんです」
二人の言葉に、おれの顔からさあっと血の気がひいた。
「お、お前たち。あの……おれはもう充分なんだが……あっ!?」
しかし――弱々しい抵抗も虚しく、押し倒された身体がベッドへ沈む。
次の瞬間には、二人の手による熱っぽい愛撫が全身に降り注ぎ、ふたたび快楽に溺れさせられていった。
や……やっぱり、ほだされかけたおれが間違いだった!
今後、色々考えることはあるけれど――まず第一に国外脱出、その次に、この二人との契約関係から解放される方法を考えなきゃ!
この双子からどうにかして逃げる術を探らないと、おれの身体がもたない!
なんというか、男として色々とダメになる未来が見える!
……けれど――
もしもこの先も、二人がそばにいてくれるなら……不可能だって可能になるのかもしれない。
本来なら、今日出会ったウルガ族の姉妹は――原作『ひよレジ』ではどちらも死ぬか、ローズの手で他国に売られていたはずだった。
でも未来は変わった。ヴィクターとゼノンが助けてくれたから、二人を救うことができたんだ。
それに、革命軍のハルトやアメリとも、良好な関係を築きはじめている。ぜんぶ、ヴィクターとゼノンが支えてくれたおかげだ。
……もちろん、いいことばかりじゃない。
本来ならローズが倒されるのはもっと先だったし、ライオネルが皇都に戻るのもまだ先のはずだった。
さらにローズの行っていた人身売買だって、原作にはなかった。おれの知らない裏設定だったのかもしれないが、それを潰したことで、別の余波が広がるかもしれない。
今回おれが選んだ道で、大きく外れはじめた原作の展開がどうなるのか。
それはもう誰にも分からない。
でも――ここは現実なのだ。
未来が分からないなんて、そんなのは当たり前のことじゃないか。
そう考えていた時だった。ヴィクターが優しい笑みで囁き、おれの頬にそっとキスを落とした。
「シキ様、また難しいことを考えていませんか? まったく……なにが起きても、私たちが必ず支えますから心配しないでください」
「そうだぜ。どんなことがあったって、俺と兄貴がいりゃなんとかなるさ。だからあんたは俺たちに任せとけよ」
ゼノンも口元に笑みを浮かべながら、反対側の頬へキスを落とす。
左右から同時に与えられる温もりに胸の奥が熱くなる。
……もしかすると、この二人から逃げ出すのは無理なのかもしれない。
だけど、それを不思議と悪くないと思ってしまうのは――きっと、この先に三人で歩む未来を、どこかで信じているからだろう。
「はぁ……ほんと、厄介すぎる転生だな」
そうぼやいたはずなのに、気づけば口元には笑みが浮かんでいた。
湯で身体をざっと清め、簡素な寝巻に着替える。ベッドに腰を下ろした途端、張りつめていたものが一気に切れて、どっと疲れが押し寄せた。
「シキ様……大丈夫ですか?」
「コロッセオでの件、まだ気にしてんのか?」
気づけば、すぐ目の前にヴィクターとゼノンが立っていた。
二人とも心配そうに、おれをじっと見つめている。
その視線に胸がちくりと痛み、思わず顔を上げて、慌てて頭を下げた。
「そうだ、まだ礼を言ってなかったな。今回は、おれのわがままに付き合ってあそこへ行ってくれて、本当に感謝してる。お前たちのおかげで、リリア姫のメイドも、ローズが人身売買をしていた者たちも助けることができた」
「あれくらい、たいしたことではありませんよ。結果的にゼノンに神造兵器が手に入りましたし、ちょうどよかったではありませんか」
「まあ、俺はもっとかっこいい神造兵器がよかったけどなー……って、いてっ! なにするんだよ、兄貴!」
ゼノンに掣肘をくらわせるヴィクター。
兄弟らしいやりとりを目の前で見ていると、緊張していた肩の力がふっと抜けていく。
自然と口元がゆるみ、心の奥にじんわりと温かさが広がった。
――その温もりに気が緩んだ途端、押し込めていた想いがふいにこぼれ出してしまった。
「……本当に、これでよかったのかな。ローズが死んで……もっとできることがあったんじゃないか……」
すると、ヴィクターはそっと隣に腰を下ろし、落ち着いた声で言った。
「シキ様、あれは彼女自身が選んだ結末ですよ。どうか、ご自身を責めないでください」
ゼノンも反対側に腰を下ろすと、不機嫌そうに眉をひそめながらおれの肩に腕を回す。
「そうそう、余計なこと考えるなって。あれは、あの女の自業自得だろ? あんたが背負う必要なんてどこにもねぇよ」
左右から伝わる体温に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
二人の気遣いが嬉しかったし、先ほどのライオネルのことといい、彼らに守られているような安心感は心を落ち着けてくれるようだった。
それでもやはり、わずかな不安は拭えない。
「二人とも、ありがとう。けれど、どうしても色んな事を考えてしまって……」
「じゃあ、何も考えられないようにしてやろうか?」
「は? それはどういう――うわっ!?」
言い終わる前に、ゼノンに強引に抱きしめられていた。
こちらを見つめてくる左右色違いの瞳は、不満と、優しさの入り混じった色をしている。
「余計なことを考える余裕がなくなるくらい、抱き潰してやるよ。そうじゃないと、今夜はずっと暗い顔してそうだしな」
ヴィクターもため息を一つつきながら、しかし穏やかな声で言葉を添えた。
「シキ様がそんな顔をしているのは、私も嫌ですから。どうか今夜は……私たちのことだけを考えてください」
「ヴィクター、ゼノン……」
二人の名前を呼んだ直後、ゼノンがすぐさま、噛みつくように口づけてきた。唇の隙間からすぐがぬるりと割り入った舌が、おれの舌に絡んでくる。
「ふっ……」
ゼノンはキスをしながらおれの服を脱がしてきた。もともと寝るつもりで簡素な服装に着替えていたため、あっという間に服を剥かれてしまう。
「ちょ、ゼノンっ……んっ!?」
ゼノンとの激しい口づけが終わったと思ったら、今度はヴィクターがおれの顎を掴み、自分の方へ向けさせる。そして、唇を重ねてきた。
「ふ、ぅっ……」
ゼノンが舌を絡めて貪るような濃厚さを見せてきたのに対し、ヴィクターは舌先で顎裏や歯列をなぞり、じっくりと口内をくすぐってくる。
舌が触れるたびに痺れるような快感が走り、全く違う感覚に翻弄されて――だんだん頭がぼうっとなっていく。
「ふ、はっ……」
「大丈夫ですよ、シキ様。もしも何かあっても、また私たちがなんとかして差し上げます。だから今夜は、私たちに全てゆだねてください」
「そうそう、俺たちに全部任せとけって。ようやく俺も神造兵器を手に入れられて、これでやっと……あんたの力になれる。そう思うと、嬉しくてたまんねぇんだ」
「……ヴィクター、ゼノン……」
二人の声に包まれると、不安と怖れがない交ぜになっていた心に、そっと灯りが差すようだった。
そのせいだろうか。再びゼノンがおれにキスをしかけてきた時、気づけばおれもおずおずと舌を合わせて応えていた。
「ふっ……ん、ぅ」
「へぇ、シキ様が甘えてくるのは初めてだな」
声を弾ませて、ゼノンが嬉しそうに笑う。
胸が熱くなるのと同時に、妙に気恥ずかしくなる。
思わず黙り込んでいると、今度はヴィクターに後頭部を掴まれて、強引に彼の方を向かされた。
「シキ様、ずるいですよ。私にも甘えてください」
「ぁ、ヴィクターっ……んっ、ふ」
今度はヴィクターから、唇をついばむように、ちゅっと音を立てながら何度もキスをされる。同時に、掌で優しく胸や腹部を撫でられて、なんだかくすぐったいような、落ち着かない気持ちになる。
「はっ……ふ、ぁ……ひぁっ!?」
不意に、背後からゼノンの腕がまわった。
その手は胸元を這い、指先が乳首をきゅむりと摘む。さらにクニクニと揉みしだかれ、思わず口元を手で押さえる。
「あっ、ゼノンっ? な、なんで……」
耳もとで低く吐息がかかる。
「今回のことはともかくよ……あの聖剣使い、なんか妙にあんたになついてるよな。しかも俺に『シキのことを頼む』とか言いやがって、何様のつもりだよ」
「えっ、ぁ、いや、それは……ぁ、ひぁっ」
ゼノンの指先が乳首をきつくひねり、否定の言葉が快感に溶かされていく。
同時に、ヴィクターはおれの正面へ移動し、床に膝をつくと足を大きく割り開かせた。そのまま、中心へ顔を寄せてくる。
「あっ、ヴィクター、なにして……ぁ、あっ!?」
ぬるりと熱いものが陰茎を這い、一拍遅れて理解する。
ヴィクターが舌で舐めているのだ。
「ぁっ、だめ、そんなところ……っ、あ、ああッ!」
吐息の合間に、彼が低く囁く。
「ふふっ、こんなに敏感に反応して……シキ様は、本当に愛らしいですね」
ちゅぷり、という水音の後、ヴィクターはおれの陰茎を口に含んだ。
陰茎がじんわりとした熱い肉に包まれ、肉厚の舌がぬるぬると竿に絡んでくる。じゅぷっ、という水音を立てて、ゆっくりと頭を上下しながら陰茎をしゃぶられる。
羞恥と快感がない交ぜになり、腰が勝手に揺れてしまう。
「ひっ、ぁ、ああっ!?」
「はは、気持ちよさそうだな」
ゼノンは両手を回して、おれの乳首を再び弄り始めた。
人差し指と親指でつままれた乳首がもみくちゃにされ、時には爪先でカリカリと乳輪の周りをひっかかれる。
「ぁっ、ゼノン、それやだって……んぅっ!?」
開いた口に、ゼノンが無理やり指を差し込んできた。右手は相変わらず乳首をくにくにと弄んでいる。
何事かと思う間もなく、耳もとに唇を寄せられ、低い声が落ちる。
「俺の指、しゃぶって。兄貴がどんな風に舐めてるのか、俺に教えてくれよ」
「んぅっ!?」
「嘘ついても分かるからな」
その囁きに、目を大きく見開く。だがゼノンは、本当におれが何もしなければ指を抜くつもりはないらしい。
「っ……んむ、ぅ……」
「へぇ、今は先っぽ舐められてるんだ。シキ様、そこ弱いもんな」
おずおずと、ゼノンの人差し指の先を、ちろりと指先で舐める。
「ほら、それだけじゃないだろ?」
からかう声に、顔が一気にかあっと熱くなる。
逃げ出したいほどの恥ずかしさに震えながらも、結局おれはゼノンの指にちゅうっと吸い付いてしまった。
「んっ、ちゅ、ぅ……」
ちゅぷり、と立つ水音がおれの口内から響く音なのか、それともヴィクターが立てている音なのか、段々と判別がつかなくなってくる。
熱い口内でしゃぶられている陰茎は、今まで味わったことのない快楽だった。それに加えて、ゼノンの指によって固く尖った乳首をクリクリと愛撫されているのだ。
「んっ、ふ、ぅっ……!」
あっという間に迎えた限界。
このままではヴィクターの口内に出してしまうと思い、おれは必死に手を伸ばして彼の頭をどかせようと試みた。
だが、ヴィクターはびくともせず、しかも引いてくれるどころか、ますます頭を上下させる動きを早めた。
「~~~ッ!」
たまらず、おれは背筋をのけぞらせて射精を迎えた。びゅるりと精液を吐き出すのと同時に、ゼノンの指に強く吸い付いてしまう。
ヴィクターはおれが射精をしても、それでも陰茎を口から離すことはなかった。吐き出された精液をごくりと音を立てて飲み込むと、おれを見上げて嬉しそうに笑った。
「ふふ、そんなに気持ちよかったですか? いつもは潮吹きとメスイキばかりですもんね」
「はっ、ぁ……」
ゼノンの指がゆっくりと口内から引き抜かれると、唇と指先の間に銀の糸が引いた。
快楽の余韻に頭をぼうっとさせながら、ヴィクターをじっと見つめる。
「うん? どうかしましたか、シキ様?」
「あっちの執務室に……水差しがあるから、口を注いできたほうがいい」
「……あなたという人は……そういうところが本当に可愛いですよね」
ヴィクターはおかしそうにくすくすと笑った。
ゼノンもおれを抱きしめる腕の力を強めながら、耳元で笑う。
「こういうところが心配になるんだよ。ったく……だから余計な奴まであんたに惹かれちまうんだ」
二人がなにをいいたいのか、さっぱり分からない。首を傾げていると、不意に、後ろにひやりと冷たくぬるついた感触がした。
「ひ、ぁっ!? ゼ、ゼノン、それっ……」
「んー、この体勢じゃちょっとやりにくいな……兄貴、ちょっとシキ様を膝立ちにさせるから、正面から支えてやってくれよ」
「もちろんいいですよ」
「ぁ、ちょっと待っ……ぁ、あアッ!?」
今度は無理やりベッドの上で膝立ちにさせられ、挙げ句、ベッドにあがってきたヴィクターに腰をがちりと掴まれてしまう。同時に、ゼノンの手が足の間に入ってきたため、足を閉じられなくなってしまった。
「ぁっ、あッ……ん、ぁっ!」
「これなら少し慣らすだけで大丈夫そうだな」
ゼノンが潤滑油をまとわせた指を、後孔へとゆっくり押し入れてくる。
しかもそれを見ていたヴィクターまで正面から手を伸ばし、ゼノンの指に添うように指先を潜り込ませてきた。
重なった二人の指が、くちゅくちゅといやらしい水音を立てる。
「ひぁ、あっ、やだ、それっ……ぁ、あッ!?」
「おや、もうイきそうですか? やっぱり射精よりもメスイキの方がお好きなんですね」
「うっわ。ナカ、めっちゃびくついててやべぇな」
後孔の中で、まったく違う動きをする二人の指。
ばらばらに掻き混ぜられる感覚に翻弄されて、おれは早々にびくびくと身体を震わせ、軽い絶頂を迎えてしまった。
「ひっ……あ、ぁ……!」
声を噛み殺そうとしても、漏れる声は止められない。
膝が崩れ落ちそうになり、思わず目の前のヴィクターの頭を両腕でぎゅっと抱きしめて、しがみついてしまう。
「ふふ、甘えてくださるんですか? 嬉しいですね」
「ち、ちがっ……ん、ぁ、あっ!」
ぐちゅ、くちゅ、と絶え間ない水音が下半身から響く。前立腺を指先がかすめるたびに、甘い痺れがじぃんと身体を貫いた。
思わず考えてしまう。今でさえこんななのに、もし指以上に大きいもので中を穿たれたら――どうなってしまうんだろう。
恐ろしい想像に、ぶるりと身震いする。
けれど……そうなれば確かに、おれはもう余計なことを考えずに済むだろう。
なにせ、今でさえ意識が快楽に呑み込まれないようにするだけで精一杯なのだから。たぶん二人は、わざとそうしてくれているのだ。
だから――伝えるなら今しかない。
「ふ、二人とも……」
「なんでしょうか?」
「ん? どうかしたか?」
「おれは、その……二人にまだ言えていないことが、たくさんあって……本当なら、ちゃんと話すべきだとは分かっているんだが……んっ、ぅ」
おれがたどたどしく告げた言葉に、しかし、返ってきたのは予想外の反応だった。
「なんだ、そんなことですか」
「深刻な顔してるから、どれだけ重大な話かと思ったぜ」
「えっ」
拍子抜けしたような二人の様子に、思わず目を瞬かせて固まってしまう。
そんなおれを見て二人は顔を見合わせ、おかしそうに笑った。
「なんつーか、最近のシキ様は昔とずいぶん変わったなぁと思ったけどよ。不器用なところはぜんぜん変わってねぇよな」
「そうですね。他に楽ができる道があっても、そちらを選ばないところとか」
「え……」
思ってもみない言葉だった。
おれの混乱をよそに、二人は楽しそうに笑って言葉を続ける。
「大丈夫ですよ、シキ様。あなたがどんな秘密を抱えていようと、私たちは最後まであなたを守ります」
「そうそう。最初に契約した通り、あんたは俺たちのもんだからな。秘密ごと、全部まとめて守ってやるよ」
「……ありがとう、二人とも……」
思わず笑みがこぼれる。
胸の奥がふっと軽くなって、さっきまで革命軍やこれからのことで悩んでいた自分が嘘みたいに思えた。
この二人がそばにいてくれるなら――
少しくらいは、未来をもっと楽観的に考えてもいいのかもしれない、なんて……そんな風に思えたのだ。
だが、そんな余裕をもてたのは一瞬だけだった。
止まっていたヴィクターとゼノンの指が、不意に激しく動き出したのだ。
ぐちゅぐちゅといやらしい水音が後孔から響き、がくりと身体の力が抜ける。
「ひゃっ……!?」
慌ててヴィクターにしがみつく。
「あっ、ひ、ぁ!? ぁ、やだ、なんでいきなり……っ!」
「すみません。シキ様があまりに無防備に笑うものですから……我慢できなくなりまして」
「つーか、この状況であんな可愛い顔すんの、シキ様こそどういうつもりだよ? 早く犯してほしいっていうおねだりか?」
「あっ、な、なに言って……ぁ、ああっ、ぁあッ!?」
二人の指がきゅうきゅうと前立腺を押しつぶし、かき乱すたび、腰がガクガクと震える。
電流に貫かれたような快楽と共に、陰茎からぷしゃりと透明な潮が噴き出した。
「や、ぁ……やだ、こんなの……っ!」
羞恥に震える声をあげても、二人の指は止まらない。
ぷっくりと膨れた前立腺を、競うように指の腹でぐにぐにと押し潰される。
潮を吹いて絶頂したばかりだというのに、なお容赦なく責め立てられ、腰が勝手に逃げようとしては二人に押さえ込まれる。
「ぁっ、二人とも……すこし休ませ……っ、ああ、ァっ!?」
「これくらいで休むなんて冗談でしょう? この腫れた前立腺をもっとゴリゴリして差し上げれば、さらに気持ちよくなれますよ」
「そうそう、俺のモンでたっぷりよがらせてやる。シキ様は前立腺も結腸責めも大好きだもんなー?」
「って、待ちなさいゼノン。今日は私が先ですよ」
「はぁ? 俺に決まってんだろ。弟がようやく神造兵器を手に入れたんだぜ、祝ってやろうって気持ちはねぇのかよ?」
「私はあなたから祝われた覚えなど一度もありませんが?」
「い、いいから二人ともケンカしてないで……っひぁああっ!?」
おれの必死の静止をよそに、双子はやいのやいのと言い合いながらも、息ぴったりに指をぐちゅぐちゅと動かし続けていた。
か、勘弁してくれ!
「シキ様、私が先にイかせて差し上げますからね」
「はっ、俺に決まってんだろ! 俺の方がシキ様を気持ちよくできるに決まってる」
「ま、待っ……や、ぁ、ああ……っ!」
言い争いながらも、二人の指は休むどころかますます激しさを増していく。
前立腺を抉るように突き上げられ、もう腰がガクガクと震えて止められない。
「あ、ぁああっ……やっ、もう……っ!」
「ほら、見てください。私が指を動かすだけで、こんなに感じてますよ」
「なに言ってんだよ。どう見ても俺の指で感じてんだろ?」
二人の指は完全に競い合うように動き出した。
ヴィクターは的確に前立腺をぐりぐりと擦り上げ、ゼノンは荒々しく奥を抉るように押し広げる。
逃げ場のない二人の攻めに、腰がガクガクと震え、呼吸さえ乱れて止められない。
快感に突き落とされるたび、声が勝手に漏れてしまう。
「ふふっ。シキ様、もうすぐですね……」
「ほら、シキ様! 俺だろ? 俺の指でイけよ!」
「あ、あっ……! も、もうだめっ……んっ、ぁああッ!」
ヴィクターの指が前立腺を抉り上げ、ゼノンの指が奥を無遠慮に押し広げる。
二人の責めが同時に重なった瞬間、頭の中で何かが弾けて――おれはびくびくと全身を痙攣させながら絶頂へと叩き落とされた。
「はぁっ、あっ……」
肩で荒く息をするおれを抱き支えながら、双子は顔を見合わせて笑った。
「ふふ、どうやら同時にイってしまいましたね。これでは勝負になりません」
「ちっ……俺の勝ちのはずだったのによ。けど同点ってことは、答えはひとつだよな?」
ゼノンがニヤリと笑い、ヴィクターも穏やかに微笑む。
「えっ……?」
「二人一緒に、やるしかないでしょう」
「どっちも選べないってことは、両方欲しいってことだろ?」
同時にそう告げられ、ゾクリと背筋が震える。
羞恥と恐れと、ほんの少しの期待が入り混じり、喉がひくついて声にならない。
拒む言葉を探す前に、二人の手が同時に脚を押し広げた。
二人の熱を帯びた視線に身体が竦む。
「シキ様、覚悟してくださいね」
「これからが本番だ。頭からっぽになるくらい、よくしてやるよ」
ゼノンにぐいと腕を引かれ、気づけばその逞しい太ももの上に座らされていた。
背後から抱きすくめられ、腰を両手でがっちりと掴まれる。
「やっ……ゼノン、ま、待って……っ!」
言い終える間もなく、熱い先端が後孔へと押しつけられた。
力強く腰を下へと引き下ろされ、容赦なく膨らみが押し込まれていく。
「ひっ……あ、ぁぁっ!!」
ぐちゅりと音を立てながら、一気に奥まで呑み込まされる。
背筋が跳ね、喉から悲鳴にも似た声が漏れた。
ゼノンが腰を押しつけると、容赦なく陰茎が後孔を押し広げていく。
じゅぷっ、という強い水音を立てながら、ぐぐっと奥まで突き入れられ、視界が一気に白く染まった。
「へへ……やっぱシキ様の中は最高だな」
耳元で低く囁きながら、ゼノンは奥を貫いたままゆっくりと腰を揺さぶる。
「ぁ、くっ……ゼノン、だめ、そんなの……っ」
思わず涙がにじむおれの頬に、ヴィクターの手がそっと触れた。
「大丈夫ですよ、シキ様。力を抜いて……ほら、こうすれば楽になりますから」
そう言って、彼の指先が胸元へと滑り、硬く尖った乳首をきゅっと抓む。
さらに円を描くように撫で転がされ、背筋がびくんと震えた。
「ひゃぁっ……! や、やめ……っ」
「ふふ……本当に乳首、弱いですよね。可愛いですよ、シキ様」
後ろからはゼノンの荒々しい突き上げ、前からはヴィクターの繊細な愛撫。
全く違う快楽が同時に押し寄せ、身体はもう抵抗する余裕もなく震え続けていた。
「あ、ぁぁっ、ゼノン……っ、だめ、もうっ……!」
腰をぐいぐいと上下に揺さぶられ、ゼノンの熱が容赦なく奥を抉りつける。
突き上げのたびに前立腺を直撃され、目の前が真っ白に弾けた。
「ほら、イけよシキ様! ぐちゃぐちゃにイっちまいな!」
荒々しい声に煽られるまま、腰が勝手に跳ね、全身がびくんと震える。
前立腺を強く擦り潰され、たまらず陰茎から白濁を噴き出した。
「ひゃああっ……! ぁ、イッ……く、あぁぁあッ!!」
同時にゼノンも呻き声を上げ、奥深くへどぷりと熱いものを吐き出してくる。
注ぎ込まれる量の多さに、おれは絶頂の波に呑まれて、意識が飛びそうになった。
ようやくゼノンが腰を止め、肩で荒く息をつく。
解放されると思った、その瞬間――
「ふふ……シキ様、まだ終わりじゃありませんよ」
「えっ……あっ、や……!」
ゼノンのものが後ろから抜かれたと思った瞬間、今度はヴィクターに身体を抱き寄せられ、膝の上へと乗せられてしまう。
「シキ様……今度は、私の番ですよ」
耳元で穏やかに囁かれた直後、熱いものが再び後孔を押し広げてきた。
ずぷずぷと呑み込まれる感覚に、全身がびくんと跳ねる。
「あっ、やっ……ヴィクター、だめ……っ! もうさっきイったばかりなのに……っ」
「ご安心ください。シキ様がもっと甘えられるように、私が丁寧に愛して差し上げますから」
言葉通り、ゼノンの荒々しさとは違い、ヴィクターはゆっくりと腰を揺らして奥を擦り上げてくる。
さらに胸元に手を伸ばし、乳首を転がしながら、まるで慰めるように愛撫を重ねてきた。
「ん、ぁぁっ!? ま、待っ……さっきイったばかり、なのにぃ……っ!」
「今度は私の番ですから。シキ様を、じっくり味わわせていただきます」
優しい声音とは裏腹に、腰は容赦なく奥へと突き入れられ、身体は再び翻弄され始めた。
ヴィクターはゆったりと擦り上げるかと思えば、不意にぐっと奥を抉るように突き上げてくる。
「んあぁっ!? やっ、そこっ……だめ、また……っ!」
「ふふ……シキ様は、ここを突かれるとすぐに乱れますね。可愛いですよ」
後ろからは深く突かれ、前では乳首をくりくりと弄ばれる。
甘い痺れが身体を走り抜け、脚の力が抜けて震えた。
「もう……むり、なのに……っ、ぁあぁっ!」
「大丈夫です。私がすべて支えて差し上げますから……もっと気持ちよくなってください」
耳元に落とされる優しい声と、容赦のない突き上げ。
矛盾する二つの刺激に翻弄されながら、おれの意識はまた快楽の波に飲み込まれていく。
容赦のない突き上げに喘ぐおれの顔へ、不意に影が差した。
顔を上げるよりも早く、ゼノンが強引に口を塞いでくる。
「んむっ……んっ、ぅ……!」
荒々しく舌をねじ込まれ、呼吸さえ奪われる。
その間にも背後からはヴィクターが深く突き入れ、乳首をきゅうっとつまんで離さない。
「……んちゅ、ぷはっ。なぁシキ様、気持ちいいか?」
「ふっ、ふぁ……っ!」
返事の代わりに喉から熱い声が漏れてしまい、顔がかぁっと熱くなる。
そんなおれを面白そうに見下ろしながら、ゼノンは今度は前へ手を伸ばし、固く勃ち上がったそこを荒々しく扱き上げてきた。
「ひゃっ、ぁああっ!? や、だめ、そんな、同時に……っ!」
「はは、こっちはもっと欲しいって言ってるぜ?」
「そ、そんな……っ、ぁ、ああっ!」
陰茎の先端を指の腹ですりすりと撫でまわされ、腰ががくがくと震える。
「ほら、こんなに硬くして……兄貴に突かれながら、俺にいじられてんの、たまんねーんだろ?」
「ひぁっ……や、やだ、そんな言い方……っ!」
「素直に言えよ。俺の手で、こんなに感じてるんだってな」
ゼノンの指が先端をぎゅっと締め上げるように擦り、かと思えば、爪の腹で裏筋をつつ……っとなぞる。
そのたびに腰が勝手に跳ねて、いやだと言いながらも甘い声がこぼれてしまう。
「んぁっ、ああっ……! ちがっ、これは……っ!」
「違わねーだろ? ほら、俺の手が気持ちよすぎて止められねぇんだよな?」
にやりと笑うゼノンの顔が近づき、逃げ場を失った羞恥が全身を染め上げていく。
けれど、彼の手を振り払うどころか、むしろ身体はますます熱を帯びてしまう。
ゼノンの骨ばった手で前を無遠慮に擦られ、後ろはヴィクターにじっくりと突き上げられる。
強制的に与えられる異なる快楽に、もう声すら上手く繋がらなかった。
「ぁっ、ふぁっ、あっ、ぁあッ……!」
「ふふっ……突くたびに、こうして中がひくひくと私に絡みついて……分かりますか? シキ様の身体は、こんなにも私を欲しがってますよ」
ヴィクターの唇が耳たぶを噛み、甘い刺激に身体がびくんと跳ね上がる。
だが次の瞬間――それまで丁寧だった動きが豹変し、がつがつと荒々しく突き上げてきた。
「ひぁっ!? あっ、ああぁっ!」
「ああ……やはり奥が一番弱いんですね。抉られるたびに可愛い声が溢れて……本当に素直で、可愛いですよ」
奥を抉られるたびに腹の底まで響き、身体が跳ねる。
その激しい衝撃に合わせるように、ゼノンはおれの陰茎を荒っぽくクチュクチュと擦り立てた。
「腰、自分で揺らしてんの気づいてるか? そんなに欲しいのかよ、いやらしいな」
「ち、ちが……っ、ああっ、ぁぁっ!!」
否定の言葉は震える声に溶け、腰は勝手に二人の責めに応えるように揺れてしまう。
ヴィクターの容赦ない突き上げと、ゼノンの執拗な扱きが重なり、もう絶頂の波がすぐそこまで押し寄せてきていた。
「あっ、ふぁ……ぁあッ!」
ヴィクターの突き上げはついに限界を超え、最奥をぐりぐりと抉るように激しくなる。容赦なく背後から突き上げられて、ぐぽぐぽと音を立てながら何度も何度も前立腺を抉られる。
その勢いに合わせて、ゼノンも荒々しく前を扱き上げ、容赦なく快楽を重ねてきた。
「やっ、あっ……だ、だめ、これ以上……っ!!」
泣き声のような叫びを上げた次の瞬間――
ヴィクターの全身がびくりと震え、奥深くで脈打つ熱がどぷりと流し込まれた。
「……っ、シキ様……!」
「ひぁ、ああぁッ……!」
注がれる熱と同時に、前からはゼノンの荒っぽい手つきに追い立てられ、おれも堪えきれず再び絶頂を迎えた。
腰が勝手にガクガクと震え、後ろをぐちゅぐちゅとかき回されるたびに、腹の奥がきゅうっと縮んで痙攣する。
「ふぁっ、ぁっ、ああぁッ……」
涙が頬をつたって溢れ、口からはだらしなく涎がこぼれ落ちる。
おれの陰茎からはびゅるびゅると精を噴き出して、ゼノンの手を濡らしていた。
あまりにも強すぎる絶頂に、もう身体のどこでイっているのか、自分でも分からない。
「ぁあ……ッ、ん、ぁあ……っ」
脈打つたびにどくどくと流し込まれる熱が後孔の奥を満たし、腹の内側まで灼けつくようだった。
注がれる熱と、自らの迸りがない交ぜになり、身体の奥も前も同時に蕩けていくようで――息も絶え絶えに、ただ快楽に飲み込まれていく。
全身から力が抜け、ぐったりと後ろのヴィクターへもたれかかったところに、二人の声が重なった。
「ふふ……まだですよ、シキ様」
「これからが本番だろ?」
「――え? だ、だって、おれはもう……っ」
思わず顔を上げ、信じられない気持ちで二人を見上げる。
すると、ゼノンがぐいっとおれの顎を掴み、無理やり自分の方へ向かせてきた。
「言っただろ? 今夜は頭からっぽになって、何も考えられねぇくらい犯してやるよ」
荒々しい声音と共に、にやりと笑うゼノン。
一方で、ヴィクターはおれの髪を優しく撫でながら、落ち着いた声で囁いた。
「大丈夫です、シキ様。あなたは抗う必要などありません。ただすべて、私たちに委ねてくださればいいんです」
二人の言葉に、おれの顔からさあっと血の気がひいた。
「お、お前たち。あの……おれはもう充分なんだが……あっ!?」
しかし――弱々しい抵抗も虚しく、押し倒された身体がベッドへ沈む。
次の瞬間には、二人の手による熱っぽい愛撫が全身に降り注ぎ、ふたたび快楽に溺れさせられていった。
や……やっぱり、ほだされかけたおれが間違いだった!
今後、色々考えることはあるけれど――まず第一に国外脱出、その次に、この二人との契約関係から解放される方法を考えなきゃ!
この双子からどうにかして逃げる術を探らないと、おれの身体がもたない!
なんというか、男として色々とダメになる未来が見える!
……けれど――
もしもこの先も、二人がそばにいてくれるなら……不可能だって可能になるのかもしれない。
本来なら、今日出会ったウルガ族の姉妹は――原作『ひよレジ』ではどちらも死ぬか、ローズの手で他国に売られていたはずだった。
でも未来は変わった。ヴィクターとゼノンが助けてくれたから、二人を救うことができたんだ。
それに、革命軍のハルトやアメリとも、良好な関係を築きはじめている。ぜんぶ、ヴィクターとゼノンが支えてくれたおかげだ。
……もちろん、いいことばかりじゃない。
本来ならローズが倒されるのはもっと先だったし、ライオネルが皇都に戻るのもまだ先のはずだった。
さらにローズの行っていた人身売買だって、原作にはなかった。おれの知らない裏設定だったのかもしれないが、それを潰したことで、別の余波が広がるかもしれない。
今回おれが選んだ道で、大きく外れはじめた原作の展開がどうなるのか。
それはもう誰にも分からない。
でも――ここは現実なのだ。
未来が分からないなんて、そんなのは当たり前のことじゃないか。
そう考えていた時だった。ヴィクターが優しい笑みで囁き、おれの頬にそっとキスを落とした。
「シキ様、また難しいことを考えていませんか? まったく……なにが起きても、私たちが必ず支えますから心配しないでください」
「そうだぜ。どんなことがあったって、俺と兄貴がいりゃなんとかなるさ。だからあんたは俺たちに任せとけよ」
ゼノンも口元に笑みを浮かべながら、反対側の頬へキスを落とす。
左右から同時に与えられる温もりに胸の奥が熱くなる。
……もしかすると、この二人から逃げ出すのは無理なのかもしれない。
だけど、それを不思議と悪くないと思ってしまうのは――きっと、この先に三人で歩む未来を、どこかで信じているからだろう。
「はぁ……ほんと、厄介すぎる転生だな」
そうぼやいたはずなのに、気づけば口元には笑みが浮かんでいた。
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そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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