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オリオール邸のベランダでふたりは仲良く語り合っていた、陽が落ちて星々が煌めき始めた頃合いで「そろそろ、戻りましょうか」とロザリーが気を利かせた。
だが、セレスタンが思いつめた顔でそれを制した、話があるのだと言う。
「ロザリー・バイヤール様、どうかこの手を取ってください。愛に飢えた愚かな男に慈悲を……私の生涯の伴侶になってくださいませんか、私の愛は永久に一途です」
片膝を付いてそう宣う、彼の面持ちはいつになく真剣そのものだ。捧げた左手には彼の瞳の色の指輪が光っている。自分色に染まって欲しいという願望の表れだ。
「まあ……そんな私などで宜しいのですか?私は愛人の子で」
「そんな事は気にしていないです、だってそうでしょう?テレンツォ殿の愛は本物だ、誰よりも奥方を愛しておられる。私はそれに倣って貴女を愛し続けます」
「セレスタン様……ありがとう。私もお慕いしておりました」
彼女はそういうと彼の手を取り愛を受け取った。
かつて、死に戻り転生した彼女ロザリーは最上の幸せを掴んだ。
深く悲しかった片鱗はどこにもない、彼女は誰よりも幸福で愛溢れる日々を過ごすことだろう。
***
場面変わって城の地下牢でのことだ、貴族牢では必要最低限の施ししか与えられない。
すぐに開放されるとばかり思っていたアリソンは苛立ち、何度鉄柵を揺らしたかわからない。そこは貴族牢でも最低の環境だったからだ。
「ああもう!頭が痒いわ湯浴みをしたいのよ!それに着替えも、こんな生活は堪えられないわ!」
たかが貴族令嬢を誘拐しただけでこの仕打ちは酷いと嘆く、なぜそのような短絡的思考に陥るのか甚だ疑問だ。
彼女は自分の責任を軽く見過ぎていた。
捕らえられて1週間後、漸く移動が決まった。
アリソンは自由になれるとばかり思っていたがそうではない、とある場所に連れて来られた彼女は蒼くなる。
そこは、拷問部屋だったからだ。
「これより刑を執行する、鞭打ち百回だ」
「そ、そんな!いやぁああ」
略式起訴された彼女は簡易裁判所から処罰を受けたのだ、罰金刑と合わせて鞭打ち百回を科せられた。たかが百回とうが無数の鋲が付いた鞭3本で柔肌を叩かれると想像すれば、その刑罰は決して優しいものではないとわかる。
「ひいいい!痛いぃ、勘弁してぇ……ああ、誰か、ひぎゃああ!」
丸裸にされたアリソンは三十回目で失神して、翌日に繰り越された。血濡れの身体は癒える暇もなく鞭を叩きつけられる。
最も悪辣だったアルファノ・ロドニクスは肉刑に処された、彼は不服として裁判所に訴えたが棄却された。鞭打ちの後に両脚の骨を砕かれて放置された。これは生き地獄に違いない。
「ああ、私の両脚が……くそぉ!なんてことだ、痛い助けてくれぇ……」
彼は足の自由を奪われて放逐となる、生家にも咎が下り爵位は下げられ準男爵となった。
そして、諸悪の根源マチルドだが、鞭打ち肉刑ともに処されたのは言うまでもない。すでに離縁されていることからバイヤール家には沙汰がない。元よりお家騒動だったことから除外された。
彼女は放逐の後にオドラン家を頼ったが、歓迎されるわけもなく荒屋へほうり込まれて余生を生きることになった。
「どうして、私はあの方の愛が欲しかっただけ……なのにどうして、どうしてなの」
彼女は誰にも愛されることもなく放置されて、非業の死を遂げた。享年48歳。
完
だが、セレスタンが思いつめた顔でそれを制した、話があるのだと言う。
「ロザリー・バイヤール様、どうかこの手を取ってください。愛に飢えた愚かな男に慈悲を……私の生涯の伴侶になってくださいませんか、私の愛は永久に一途です」
片膝を付いてそう宣う、彼の面持ちはいつになく真剣そのものだ。捧げた左手には彼の瞳の色の指輪が光っている。自分色に染まって欲しいという願望の表れだ。
「まあ……そんな私などで宜しいのですか?私は愛人の子で」
「そんな事は気にしていないです、だってそうでしょう?テレンツォ殿の愛は本物だ、誰よりも奥方を愛しておられる。私はそれに倣って貴女を愛し続けます」
「セレスタン様……ありがとう。私もお慕いしておりました」
彼女はそういうと彼の手を取り愛を受け取った。
かつて、死に戻り転生した彼女ロザリーは最上の幸せを掴んだ。
深く悲しかった片鱗はどこにもない、彼女は誰よりも幸福で愛溢れる日々を過ごすことだろう。
***
場面変わって城の地下牢でのことだ、貴族牢では必要最低限の施ししか与えられない。
すぐに開放されるとばかり思っていたアリソンは苛立ち、何度鉄柵を揺らしたかわからない。そこは貴族牢でも最低の環境だったからだ。
「ああもう!頭が痒いわ湯浴みをしたいのよ!それに着替えも、こんな生活は堪えられないわ!」
たかが貴族令嬢を誘拐しただけでこの仕打ちは酷いと嘆く、なぜそのような短絡的思考に陥るのか甚だ疑問だ。
彼女は自分の責任を軽く見過ぎていた。
捕らえられて1週間後、漸く移動が決まった。
アリソンは自由になれるとばかり思っていたがそうではない、とある場所に連れて来られた彼女は蒼くなる。
そこは、拷問部屋だったからだ。
「これより刑を執行する、鞭打ち百回だ」
「そ、そんな!いやぁああ」
略式起訴された彼女は簡易裁判所から処罰を受けたのだ、罰金刑と合わせて鞭打ち百回を科せられた。たかが百回とうが無数の鋲が付いた鞭3本で柔肌を叩かれると想像すれば、その刑罰は決して優しいものではないとわかる。
「ひいいい!痛いぃ、勘弁してぇ……ああ、誰か、ひぎゃああ!」
丸裸にされたアリソンは三十回目で失神して、翌日に繰り越された。血濡れの身体は癒える暇もなく鞭を叩きつけられる。
最も悪辣だったアルファノ・ロドニクスは肉刑に処された、彼は不服として裁判所に訴えたが棄却された。鞭打ちの後に両脚の骨を砕かれて放置された。これは生き地獄に違いない。
「ああ、私の両脚が……くそぉ!なんてことだ、痛い助けてくれぇ……」
彼は足の自由を奪われて放逐となる、生家にも咎が下り爵位は下げられ準男爵となった。
そして、諸悪の根源マチルドだが、鞭打ち肉刑ともに処されたのは言うまでもない。すでに離縁されていることからバイヤール家には沙汰がない。元よりお家騒動だったことから除外された。
彼女は放逐の後にオドラン家を頼ったが、歓迎されるわけもなく荒屋へほうり込まれて余生を生きることになった。
「どうして、私はあの方の愛が欲しかっただけ……なのにどうして、どうしてなの」
彼女は誰にも愛されることもなく放置されて、非業の死を遂げた。享年48歳。
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