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愛し愛され
しおりを挟む「愛しているよ、クリステル誰よりもだ」
「私もです、ジョルジュ様」
二人は愛を誓いあい神の前で頬に唇を落とした、幸せだとクリステルは涙を流す。最初は政略結婚のはずだったが婚約している数年間に愛を育んで相思相愛の仲になっていた。
「おめでとうございますオベール様!」
「おめでとうバランド様、末永くお幸せに」
言祝を受け取り微笑みあう二人は誰よりも輝いてそこにいた。ライスシャワーを浴びて擽ったいと嬉しい悲鳴を上げていた。
たくさんの祝福を貰い披露宴ですっかり出来上がってしまったジョルジュはヘベレケだ。仕方のない人だと苦笑する彼女は優しく介抱していた。
「新婚初夜はお預けかしら、おやすみなさいジョル」
「んう……クリス……」
意識を朦朧とさせたまま彼はグーグー寝てしまった、何か物足りなさを感じたクリステルは「ふぅ」と溜息しかででこない。
***
翌日、何事も無かったような顔で起き上がった彼は呑気に「おはよう」と言った。酒気はまだ残っているのか少し臭いとクリステルは顔を顰める。
「飲み過ぎですわ、いくら勧められたからって」
「うん、ごめんよ……せっかくの初夜を」
「もう!」
ボスンと枕を投げつける彼女は怒り半分である、顔を赤らめる彼女はすでに許していたが怒っている体を装って彼に甘えた。
「もう、懲り懲りだわジョル」
「怒らないでお姫様、私が悪かった」
額に「チュッ」とキスを落とし身支度を整える。この後は新婚旅行へ旅発つのだ、しっかりしなくてはと彼は思う。
だったのだか……
予定通り新婚旅行へ向かおうとしたのだが、土壇場でジョルジュはいけないと言い出した。
「どうしてなんですか?あんなに楽しみにしていたのに」
「すまない、キミだけでも行ってくると良いよ、予約した宿が勿体ない」
「……バカにしないで!行ける訳がないでしょう!」
あまりの事に立腹した彼女はそのまま居室に立て籠ってしまうのだ。
「酷い、酷すぎるわ……あぁ、どうして?理由さえ教えてくれないなんて」
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