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転生後の記憶
しおりを挟むアドリアノの計らいで4割の売り上げが貰えると知った彼女は大変喜ぶ。
「これで新な商品が出来るわ!とっても嬉しい」
ハンナレッタは”今川焼”の再現に奮起した、アドリアノは「それは必要経費で落とすべき」と主張した。
「え?でもこれは私の我儘ですから」
「そんな事はない、ちゃんと申請すべきだよ」
彼は騎士達を連れて足繁く通ってくれるのだ、彼らは常に飢餓に陥っていてよく食べるのだと笑う。
「特に今日の訓練は厳しかったからなぁ、タコ焼きお代わり!」
「こっちも頼むよ!」
「は~い、ありがとうございます」
焼けて香ばしいソースは食欲をそそる、しかも安価だ。いくらでも食べられると彼らは豪語する。
「ふふ、喜んでいただけて嬉しいわ」
店内は若干暑苦しい男達で溢れている、もちろん近隣の子供たちもチラチラと見える。彼らの目的は駄菓子だった、コインを一つ握り締めてやってくるのだ。
「きな粉棒をちょうだい!」
「私は水あめを」
「はい、はい、ちょっと待っててね。はい、オマケしちゃう」
ありがとうと言って満面の笑顔を見せてくる子供たちに、ハンナレッタはとても温かい気持ちになるのだ。
「うふふ、とても良い子たちだわ」
その様子を伺うアドリアノもまた心にフワリとした感情が芽生えていた、いまは伝えられないその気持ちをそっと隠す。
***
「さぁ、今川焼の販売ですよ~甘いクリームとチーズ入りです」
張り切るハンナレッタにスーヤとラベンは興味深そうにその丸く円筒形に焼いた物体を眺めている。
「わあ、なんですかそれは?」
「また面白い食べ物……ジュルリ」
「今川焼と言うんですよ、土地によっては名称が変わりますが……言ってもわからないか」
大判焼き、回転焼きと名称が異なる食べ物を愛しそうに見る。スーヤとラベンにそれを試食させて作って貰う。
「お母さん……」
前世での記憶を思い出してちょっぴり傷心気味の彼女の元にアドリアノがやってきた。すこしばかり寂しげな彼女見て「なにかあったの?」と心配顔だ。
「なんでもないんです、ちょっと思い出しただけ」
「そうか、まぁ詮索はしないが心配事があるなら遠慮なく言ってくれ」
「ええ、ありがとう。ではさっそくお願いしちゃおうかしら?」
彼女はそう言って今川焼の試食を強請る、熱いから気を付けてとそう言って手渡す。
「へえ、面白い食べ物だ。キミは発想が素晴らしいな」
「いいえ、私が発案したわけでは……」
困ったように笑う彼女はどう説明すべきかと頭を捻る、前世の記憶と言っても信じて貰えそうにないと嘆息した。
その後、騎士達から大量注文が入って大忙しになった。
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