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反抗期篇

サボり常習犯は食材狩りに出る

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「くそつまらない」

入学早々、俺は退学したくなった。



上位貴族の子息子女は能面を被ったような連中ばかりだ。
そういう自分も公爵生まれだけど、なんか違うぞお前ら。
揃いもそろって目が死んでいる。



一応卒業証書はなにかの役にたつかと我慢して入学している。
だが粗方の教養はすでに身に着けていた、ほぼやることが無い。
ほかの連中だって幼少から英才教育は終了してる。



「仕方ないさ、家同士の繋がりを求めてきてるだけだからね」
1才上の親友で王太子のガルディがふふっと笑う。
絵にかいたような王子様だよ、こいつマジうらやま!



「はあ、毎日が社交ぱーりぃかよ。俺は午後は抜けるからね」
「またかい?ちょっと付き合って欲しかったんだが」
「なに?」



弟エドのことだった、聖騎士は王太子に着くべきだと陛下が指示したらしい。
「おかげでアレが臍曲げてしまってね」
「ああ……うん。我儘王子だからな。なんでも一番が欲しいバカ」



俺が口添えしたって仕方ないと思うよ?『無能の長男は黙れ』とか言いそう。
ガルディが王太子になった時も荒れていたし、第4王子がなに言ってんだと思う。
癇癪我儘王子は国王なんて無理だろ、国民が死ぬ。
成人したら身分は俺より下かもしれない。



***



午後は裏門から脱出した、もちろん馬車など乗らない。
服装はすでに庶民用に着替えている、とはいえ男だからアスコットを外し上着を替えた程度。
纏めた髪をぐしゃりとすれば平民の完成。



「またですか、ぼっちゃん」
受付嬢?のオバサンが眼鏡をクイクイしつつ俺を見つめる。

「きょうは薬草じゃなくて狩りをしたいんだ」
「では、ゴブかスライムを」
「だめ、それは食えないから受けない」

なぜ食べる前提なんですか?と呆れていた。



「いいでしょ、地道にDランクになったご褒美で」
「ケガしても責任とりませんよ?コカトリス退治1件、農場からです」
誓約書に一筆書いて狩りに出る「重症、死亡になっても自己責任」という契約だ。



ギルドと王家は力関係は拮抗していて、お互い干渉はしない暗黙ルール。
これは各国共通で、ギルマス総督が大賢者スキル持ちのキレ者のお陰だ。
万年低ランク者や新人達はかなり恩恵を賜ってると思う。



身分差による贔屓がない、平民冒険者が一方的に虐げれ剥奪などされない仕組みを作った。


たとえば王侯貴族だからと言って、ギルド依頼で死んでも補償はしてくれない。
瀕死な怪我等は治癒者が助けてくれるが無料ではなくランクごと治療費が異なる。



でないと俺みたいなバカが後を絶たないし、貧乏貴族が無理な依頼を受けて死んだらキリがない。
わざと怪我して保障しろと訴えたアホ貴族が昔いたとか……。



もちろん平民も同じに死亡保証はない、ただ身分を笠にされ損害を被らないだけマシだ。
冒険者は皆平等が鉄則。



***



少しばかりの丸薬と携帯食を窓口で買い出発した。



だがギルド出口で邪魔が入った「魔法使いいりませんかぁ?」
上目遣いアンド腕を絡めて双丘を押し付ける、媚び媚びの痛い視線。
「パチィーン!!」俺は距離を取って乳にビンタした。



「きゃああ!セクハラ!」
「そっちこそセクハラだろ、乳を押し付けんな」
ギャイギャイと煩いが放置して行く、久しぶりの美味しい狩りは邪魔させん。



今度来たら上下左右からビンタしてやる。
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