公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)

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人魚の街篇

人間怖い

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迷路のような穴を出て、少し買い物をするとマルメディが言う。

10mほど泳いだ先の巨大な骨貝の店を訪ねる。

幾人かの人魚の客らがジロジロとボクらを見て出て行った。



うん、感じ悪い。



マルメディはビー玉のようなものを袋から出して店主に声をかけた。

貝殻のような物と交換している。

「ふふ、面白い?これね人魚のお金よ」ビー玉状の一つを俺の目の前に見せる。

「キュキュウ!?」



用事が済んだら帰れとばかりに店主が店奥へ姿を消した。

「……ソータごめんね、急いで寝床へ帰りましょう」

「キュ!」



マルメディは何も悪くない!

俺は味方だから!



俺はマルメディの頭をヒレで撫でた、それからポンポンと優しく叩く。

「ありがとうソータは優しいのね、ウフフフ嬉しい」

「キュ!キュ!」





マルメディは俺を抱きしめると凄いスピードで人魚街を泳いだ。

回遊魚のバスを追い抜き、小魚たちの群れを蹴散らし突破。あっという間に町はずれに着いてしまう。

「キュキューウ♪」

「えへへ、無茶しちゃったわ。バーバに叱れそう」

とても楽しかったよ、後でそう伝えよう。



人魚街はとても綺麗だけど長居するところじゃないな、マルの悲しい顔は見たくない。



***





家路を急ぐ俺達の前方、薄青の境界線の辺りで厳つい人魚達20人ほどが何やら揉めていた。

それから大きな泡に包まれた4人の人間が、ギャイギャイと叫んでいる。

「だーから人探しに来ただけよ!ちょっとだけ入れてよ!」

「そうですわ、お願いします」



「人間を入れるわけにいかん!立ち去れ!災厄どもめ!」

「そーだそーだ!俺達を薬にしようってんだろう!騙されねぇぞ!」

「陸へ戻れ!お前たちが立ち入って良い世界ではないのだ!」

「「「「害悪害悪!害悪害悪!」」」」







マルメディは警戒し、泳ぐスピードを緩める。

「人間がこんなところへ……可笑しいわ、人魚街へはたどり着けない呪い(まじない)が掛けられてるのに」

「キュー?」

関わらない様にと十分な距離を置き俺達は進んだ。



そろそろと境界を抜けたその時、人間の一人がこちらへ突進してきた。

「ひっ!?どうしてこっちへ来るの!イヤーー!」



マルメディは怖がり、俺を抱きしめると猛スピードで泳ぎ人間から離れた。

人魚街とは違い物凄い轟音が耳を襲う、きっと海流がぶつかりあう外界との差なのだろう。

海水もとても冷たくて身震いした。



よくわからないが、追われるってこんなに怖いのか!後頭部がザワザワする!

なんか追手の必死な形相がゴリラみたいで凄い恐怖!



怖えええええっ!!!
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