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フェインゼロス帝国篇
元公爵のざまぁと鉱山の事情
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テトラビス国王ガルディの元に、帝国側の密偵が不可侵領域に出入りしている報告が届いたのは就任してすぐのことだった。
不可侵領域とは両国を挟む大河アンジオ付近である、帝国は資源豊富な山々が目の前にあるのに手が出せないことに歯噛みしていた。
長年にわたり帝国側が虎視眈々と狙っていることは王国は感づいている事。
その鉱山の一角を所有していたのが、グアニルズ公爵家(レオニードの実家)である。
将軍職をこなすかたわら、領地運営をしていたが失敗し、多額の負債を抱えて家が傾いた。
採掘量が減った時点で撤退していれば傷は浅かったが、資源はまだ奥にあると過信したのが悪手となる。
併設していた他領地の鉱山が順調に業績を上げていたせいで判断を誤った。
疲弊して行く領民たちを憂い、ガルディ王の判断で公爵領の返還を命じた。
それに反発したグアニルズ公爵は抗ったすえ、謀反といえる行動を起こした。
帝国側へ国政情報の漏洩と鉱山への手引き(不法入国)をして、報酬を得ていたのだ。
負債の補填へ充てたが焼け石に水だった。
それでも、テトラビス国では無価値のクズ石を買い取ってくれる帝国商人は有難い取引相手だった。
もとより穴だらけのやり方とノウキン公爵の行動は筒抜けだ。
将軍の汚職が見逃されるわけもなく、身分剥奪のうえ重い懲罰を受けることになった。
しかし、ほどなくして牢獄から夫妻は抜け出し、かつての息子の元へ逃げおおせた。
わざと逃されたとも知らない夫妻は侯爵邸で我が物顔をしてレオニードに捕縛され追い出された。
レオはとばっちりで嫌疑をかけられ監視下に置かれているわけだ。
泳がされていた元公爵夫妻は再び牢獄送りとなる。
危惧していた帝国との再接触は確認されず、ただの罪人と認定され死ぬまで勤労奉仕することになった。
罪人の作業は危険で過酷だ、毒草の選別が彼らの仕事として選ばれた。
毒は薬にもなることから必要な作業だ。
毒に蝕まれる作業は苦痛である、獄中で恨み言を言い続ける夫妻だったが、その声がレオ兄弟に届くことはない。
***
不法侵入のルートを確保した帝国商人は、手引きがなくとも易々と出入りを繰り返していた。
辺境砦の監視下を掻い潜り日々悪行を繰り返す。
だが、油断した作業員が採掘中に事故を起こして騒ぎになった。
欲を出した商人が横穴を掘り出す指示をだしたため落盤したのである。
救援要請を受けた伯爵領の鉱山関係者から国王へ報告が届く。
「やっと尻尾を掴んだか、だが帝国は彼らを斬り捨てるだろうな」
ガルディ王は当初、小競り合いにすらなるまいとそう思った。コソ泥のような真似を行うのは末端の人間と決まっていたからだ。
それよりも気になったのはクズ石を欲する意図だった。
採掘されるのは金銀や鉄である、場所によっては石炭が取れるがほとんどはボタと呼ばれるクズばかりだ。
侵入者が持ち出しているのは銀鉱の採掘跡が多い、そこにヒントがあると狙いはつけたが、テトラビスの鉱物学者たちは頭を捻るばかりだった。
案の定、不法侵入した作業員を尋問したがやはり石の利用価値を知らない者ばかりで話にならない。
採掘責任者の商人すら依頼人の意図も詳細も知らないの一点ばりだ。
行き詰った取り調べと外交問題に頭を抱えるガルディ王に、王妃から提案がされた。
「陛下、根をつめてもストレスになるだけですわ。久しぶりに休まれてはいかが?」
「……気持ちは嬉しい、だがな」
「ご友人のレオニード様がお戻りになられましたわ。私の実家でお会いする機会がございましたの」
「レオか!元気そうか?」
それはもちろんと答えたジュリア王妃は、「次は御忍びで陛下も」と誘う。
未だ監視対象者であるレオニードと個人的に会うのは躊躇われた。
だが、そこは久しく会ってない悪友にして親友にに会うという誘惑に勝てなかった。
「わかった、お前の従者という体で手配して貰えるか?」
「はい、任せてくださいな」
王妃は悪戯が成功した子供のように笑みを浮かべた。
不可侵領域とは両国を挟む大河アンジオ付近である、帝国は資源豊富な山々が目の前にあるのに手が出せないことに歯噛みしていた。
長年にわたり帝国側が虎視眈々と狙っていることは王国は感づいている事。
その鉱山の一角を所有していたのが、グアニルズ公爵家(レオニードの実家)である。
将軍職をこなすかたわら、領地運営をしていたが失敗し、多額の負債を抱えて家が傾いた。
採掘量が減った時点で撤退していれば傷は浅かったが、資源はまだ奥にあると過信したのが悪手となる。
併設していた他領地の鉱山が順調に業績を上げていたせいで判断を誤った。
疲弊して行く領民たちを憂い、ガルディ王の判断で公爵領の返還を命じた。
それに反発したグアニルズ公爵は抗ったすえ、謀反といえる行動を起こした。
帝国側へ国政情報の漏洩と鉱山への手引き(不法入国)をして、報酬を得ていたのだ。
負債の補填へ充てたが焼け石に水だった。
それでも、テトラビス国では無価値のクズ石を買い取ってくれる帝国商人は有難い取引相手だった。
もとより穴だらけのやり方とノウキン公爵の行動は筒抜けだ。
将軍の汚職が見逃されるわけもなく、身分剥奪のうえ重い懲罰を受けることになった。
しかし、ほどなくして牢獄から夫妻は抜け出し、かつての息子の元へ逃げおおせた。
わざと逃されたとも知らない夫妻は侯爵邸で我が物顔をしてレオニードに捕縛され追い出された。
レオはとばっちりで嫌疑をかけられ監視下に置かれているわけだ。
泳がされていた元公爵夫妻は再び牢獄送りとなる。
危惧していた帝国との再接触は確認されず、ただの罪人と認定され死ぬまで勤労奉仕することになった。
罪人の作業は危険で過酷だ、毒草の選別が彼らの仕事として選ばれた。
毒は薬にもなることから必要な作業だ。
毒に蝕まれる作業は苦痛である、獄中で恨み言を言い続ける夫妻だったが、その声がレオ兄弟に届くことはない。
***
不法侵入のルートを確保した帝国商人は、手引きがなくとも易々と出入りを繰り返していた。
辺境砦の監視下を掻い潜り日々悪行を繰り返す。
だが、油断した作業員が採掘中に事故を起こして騒ぎになった。
欲を出した商人が横穴を掘り出す指示をだしたため落盤したのである。
救援要請を受けた伯爵領の鉱山関係者から国王へ報告が届く。
「やっと尻尾を掴んだか、だが帝国は彼らを斬り捨てるだろうな」
ガルディ王は当初、小競り合いにすらなるまいとそう思った。コソ泥のような真似を行うのは末端の人間と決まっていたからだ。
それよりも気になったのはクズ石を欲する意図だった。
採掘されるのは金銀や鉄である、場所によっては石炭が取れるがほとんどはボタと呼ばれるクズばかりだ。
侵入者が持ち出しているのは銀鉱の採掘跡が多い、そこにヒントがあると狙いはつけたが、テトラビスの鉱物学者たちは頭を捻るばかりだった。
案の定、不法侵入した作業員を尋問したがやはり石の利用価値を知らない者ばかりで話にならない。
採掘責任者の商人すら依頼人の意図も詳細も知らないの一点ばりだ。
行き詰った取り調べと外交問題に頭を抱えるガルディ王に、王妃から提案がされた。
「陛下、根をつめてもストレスになるだけですわ。久しぶりに休まれてはいかが?」
「……気持ちは嬉しい、だがな」
「ご友人のレオニード様がお戻りになられましたわ。私の実家でお会いする機会がございましたの」
「レオか!元気そうか?」
それはもちろんと答えたジュリア王妃は、「次は御忍びで陛下も」と誘う。
未だ監視対象者であるレオニードと個人的に会うのは躊躇われた。
だが、そこは久しく会ってない悪友にして親友にに会うという誘惑に勝てなかった。
「わかった、お前の従者という体で手配して貰えるか?」
「はい、任せてくださいな」
王妃は悪戯が成功した子供のように笑みを浮かべた。
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