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異界に落ちる
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「どうしたら良い、あまりにも強すぎる……」
「あぁ、わかっている。だが、如何なる攻撃も利きやしないのだぞ」
山のように巨大な黒鬼が人里に下りて暴れている所だ、十数人がかりで陰陽師達が足止めをしようと祈祷をするのだが一向に効き目がでない。身震いするような大きな咆哮を上げて鬼は家屋を踏み散らしている。まるで麩菓子を踏むようにバキバキといとも簡単に蹴散らしてしまうのだ。
「仕方あるまい、異界に送ろう」
「なんだと!?いやしかし、それでは根本的に退治したとは言い切れぬぞ」
「ではどうどうするのだ!このままでは……」
異界送りとは別の世界に飛ばすということだ、この世のどこかに鬼は飛ばされるが、そこの住人が迷惑を被ることになりかねない。つまりは臭い物に蓋をするようなものなのだ。
「くそう……使役神を使える者が不在の時に」
「やはり異界送りを行う、良いな」
一時しのぎでしかないがそうする他手立てがないと陰陽頭は判断したのである。頭が一心不乱に祈ると不快な音を立てて異界へと繋がる大穴が出現した。ところが異界の扉を開いた際に不測の事態が起きた、なんと瞋恚鬼がもう一体出現したのである。
「うわぁ!なんて事!このままでは」
「もっと、もっと祈祷を行うのだ!」
祈祷による突風が吹き荒れ轟々という音を立てて鬼らを翻弄しようと唸る、次第に暗黒が広がり鬼らを吸い込もうとした。だがしかし、その巨体は微動だにせず虚しく躱されてしまう。その時、焦りを見せた一人の師があらぬ方向に風を飛ばしてしまう。
「うわあ!?」
「吾野の!掴まれ、早う!」
「あ、ありがたい……あぁ!」
咄嗟に身を乗り出して投げ出された仲間を掴もうとした陰陽師だったが、後数センチと言う所で空を切った。
「吾野ぉおおお!」
突風の渦に飲み込まれた吾野と言う陰陽師は、成す術なく鬼諸共漆黒の闇へと落ちて行った。
「あぁ、わかっている。だが、如何なる攻撃も利きやしないのだぞ」
山のように巨大な黒鬼が人里に下りて暴れている所だ、十数人がかりで陰陽師達が足止めをしようと祈祷をするのだが一向に効き目がでない。身震いするような大きな咆哮を上げて鬼は家屋を踏み散らしている。まるで麩菓子を踏むようにバキバキといとも簡単に蹴散らしてしまうのだ。
「仕方あるまい、異界に送ろう」
「なんだと!?いやしかし、それでは根本的に退治したとは言い切れぬぞ」
「ではどうどうするのだ!このままでは……」
異界送りとは別の世界に飛ばすということだ、この世のどこかに鬼は飛ばされるが、そこの住人が迷惑を被ることになりかねない。つまりは臭い物に蓋をするようなものなのだ。
「くそう……使役神を使える者が不在の時に」
「やはり異界送りを行う、良いな」
一時しのぎでしかないがそうする他手立てがないと陰陽頭は判断したのである。頭が一心不乱に祈ると不快な音を立てて異界へと繋がる大穴が出現した。ところが異界の扉を開いた際に不測の事態が起きた、なんと瞋恚鬼がもう一体出現したのである。
「うわぁ!なんて事!このままでは」
「もっと、もっと祈祷を行うのだ!」
祈祷による突風が吹き荒れ轟々という音を立てて鬼らを翻弄しようと唸る、次第に暗黒が広がり鬼らを吸い込もうとした。だがしかし、その巨体は微動だにせず虚しく躱されてしまう。その時、焦りを見せた一人の師があらぬ方向に風を飛ばしてしまう。
「うわあ!?」
「吾野の!掴まれ、早う!」
「あ、ありがたい……あぁ!」
咄嗟に身を乗り出して投げ出された仲間を掴もうとした陰陽師だったが、後数センチと言う所で空を切った。
「吾野ぉおおお!」
突風の渦に飲み込まれた吾野と言う陰陽師は、成す術なく鬼諸共漆黒の闇へと落ちて行った。
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