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珍婚生活開始(不穏)
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挙式が終わった直後、義両親に質問攻めにあった。
とうぜん療養中のことだ、傷に障るからと直接見舞いに行かなかったことを後悔したと言われる。
栄養過多だったことを包み隠さず話すと、「スペンサー家には問題がある」と断言された。
えぇ、うちの両親は私に甘すぎます。
不摂生で醜悪になりました、ごめんなさい。
巨体を縮こませる私に、姑が鋭い眼光で睨んでくる。
私は婚約中から姑に嫌われてる自覚があった、舅であるガバイカ伯爵は可もなく不可もなくという態度だ。
醜い私を罵り責めるのは9割姑。
「だから婚約に反対だと言ったのよ!ガリガリだった時も凡庸な容姿だったのですからね!こんな化物になるなんて、イーライが可哀そうよ!こんな醜女が産んだ孫など認めませんからね!」
そう不満をぶつけてくる姑の顔はイーライにそっくりだ。
やはりそう思ってらしたのね……、でもイーライだって普通の容姿だと思うわ。
つまり義母も普通なのよ。
現時点で醜いデブの私が言えることではないけど、容姿で人を判断するのはいかがなものかしら?
ガンガンと心を抉られる口撃に耐えていたら、ずっと押し黙っていたイーライが口を開いた。
「安心して、母上。ボクは化け物を抱く趣味はないさ。貴族同士の契約婚は簡単に反故できないから結婚をしたまで。そして考えた、ボクは白い結婚を貫き3年後に離縁することにしたよ」
は?なんて?あらやだ、嬉しい。
私は初めてイーライを尊敬出来たわよ、ありがとう!
彼らガバイカ家は、私の腹の内など知らずに息子の英断を褒めていた。
なんて愉快な家族でしょう。(褒めてない)
***
結婚を機に、ガバイカ家当主となったイーライはやりたい放題になるだろう。
義両親もまた息子に甘い人達なのだから。
領地運営などできるのかしら、まさか私に丸投げなんてしないわよね?
義両親は王都のタウンハウスへ蟄居し、領地のど真ん中に構える伯爵邸はわたしたち若夫婦の住まいになる。
まぁ、白い結婚を宣言されたから居心地最高とはいかないでしょう。
婚姻後、案内されたのは客室だった。歓迎されてないのだから、そうなるわよね。
屋根裏部屋か、下女の部屋へ軟禁されるかと危惧してたけど安心したわ。
多少の冷遇は仕方ないと思うので、我慢しよう。
3年かぁ……結構長いわね。でも、嫌われてるのに大人しくここにいる意味はあるの?――ないわね。
嫁イビリするなら使用人達からかしら。
一切世話をしないという考えならば、むしろ歓迎だわ~。
気絶する前の私だったら、ジメジメと泣いて過ごしていたかもしれない。
でも、今は違うわ。
そんな風に私は身構えていたのだけど、侍女はちゃんと付いたし、専属メイドも3名いた。
あらあら、想定外。
不思議に思っていたら、イーライが居室にズカズカやってきた。
彼の横にはどこかの令嬢が侍っている。
「いいか良く聞け、彼女こそがボクの最愛ポリーだ。3年後に正妻として迎えるつもりだ、そして先日言った通りお前とは仮面夫婦となる。離縁するまでの期間は本邸は貴様に預ける好きにしろ。ボクらは別邸で暮らすことにした邪魔をするな」
なんてことでしょう、堂々と不貞宣言してくるなんて。
貴方に付いている執事が青褪めてますよ?
うーん、こんなスカスカ頭な人が領地を管理できるのでしょうか?
そこで仮嫁から質問です。
「本邸の管理は承りましたわ。でも、領地運営はおひとりでなされますの?」
至極当然の質問をしたが、イーライは鼻で笑う。
「ふん、仮の妻に心配される謂れはないぞ。仕事のことに口を出すな!これまで通り家令が仕切っていく。貴様の軽い頭などハナから当てにしていない。それから、別邸の生活にも干渉するなよ、これは命令だ!」
なるほど、なるほど。
やはりガバイカ伯爵家は2代続いて他人に丸投げなんですね。
仕事の合間に見舞いに来ていたと思っていたら、実は愛人と遊んでいたというのが真実のようね。
綿花産業の業績が年々落ちているのはガセの噂ではないみたい。
うちからも多少の融資をしてたはず、これは問題だわ。早急にお父様にお報せせねば……。
共倒れは御免こうむります。
「すべて了承しますわ、でしたら白い結婚の契約を致しましょう。弁護士を立てて近日中にお願いします」
こうなることは想定していたのですよ。
「は、小賢しいことだ。いいだろう、ひと月以内に互いに弁護士を呼んで交わすことにする」
「ありがとうございます」
「ふん!それまではボクの前に顔を見せるなよ。目から反吐が出そうだからな」
イーライは好き勝手に捲し立てて、ポリーという女を愛しそうに抱きしめて出て行った。
家名を名乗らないから平民の娘ね。
未来の妻としてどうなのかしら。でもいいわ、将来に伯爵家が傾こうと私には関係ないもの。
さて、私がやることはふたつ。
痩せて健康になること、そして自活できるように働くことよ!
働かざる者、食うべからず!
さーて、数年後に笑うのはどっちかしら。
とうぜん療養中のことだ、傷に障るからと直接見舞いに行かなかったことを後悔したと言われる。
栄養過多だったことを包み隠さず話すと、「スペンサー家には問題がある」と断言された。
えぇ、うちの両親は私に甘すぎます。
不摂生で醜悪になりました、ごめんなさい。
巨体を縮こませる私に、姑が鋭い眼光で睨んでくる。
私は婚約中から姑に嫌われてる自覚があった、舅であるガバイカ伯爵は可もなく不可もなくという態度だ。
醜い私を罵り責めるのは9割姑。
「だから婚約に反対だと言ったのよ!ガリガリだった時も凡庸な容姿だったのですからね!こんな化物になるなんて、イーライが可哀そうよ!こんな醜女が産んだ孫など認めませんからね!」
そう不満をぶつけてくる姑の顔はイーライにそっくりだ。
やはりそう思ってらしたのね……、でもイーライだって普通の容姿だと思うわ。
つまり義母も普通なのよ。
現時点で醜いデブの私が言えることではないけど、容姿で人を判断するのはいかがなものかしら?
ガンガンと心を抉られる口撃に耐えていたら、ずっと押し黙っていたイーライが口を開いた。
「安心して、母上。ボクは化け物を抱く趣味はないさ。貴族同士の契約婚は簡単に反故できないから結婚をしたまで。そして考えた、ボクは白い結婚を貫き3年後に離縁することにしたよ」
は?なんて?あらやだ、嬉しい。
私は初めてイーライを尊敬出来たわよ、ありがとう!
彼らガバイカ家は、私の腹の内など知らずに息子の英断を褒めていた。
なんて愉快な家族でしょう。(褒めてない)
***
結婚を機に、ガバイカ家当主となったイーライはやりたい放題になるだろう。
義両親もまた息子に甘い人達なのだから。
領地運営などできるのかしら、まさか私に丸投げなんてしないわよね?
義両親は王都のタウンハウスへ蟄居し、領地のど真ん中に構える伯爵邸はわたしたち若夫婦の住まいになる。
まぁ、白い結婚を宣言されたから居心地最高とはいかないでしょう。
婚姻後、案内されたのは客室だった。歓迎されてないのだから、そうなるわよね。
屋根裏部屋か、下女の部屋へ軟禁されるかと危惧してたけど安心したわ。
多少の冷遇は仕方ないと思うので、我慢しよう。
3年かぁ……結構長いわね。でも、嫌われてるのに大人しくここにいる意味はあるの?――ないわね。
嫁イビリするなら使用人達からかしら。
一切世話をしないという考えならば、むしろ歓迎だわ~。
気絶する前の私だったら、ジメジメと泣いて過ごしていたかもしれない。
でも、今は違うわ。
そんな風に私は身構えていたのだけど、侍女はちゃんと付いたし、専属メイドも3名いた。
あらあら、想定外。
不思議に思っていたら、イーライが居室にズカズカやってきた。
彼の横にはどこかの令嬢が侍っている。
「いいか良く聞け、彼女こそがボクの最愛ポリーだ。3年後に正妻として迎えるつもりだ、そして先日言った通りお前とは仮面夫婦となる。離縁するまでの期間は本邸は貴様に預ける好きにしろ。ボクらは別邸で暮らすことにした邪魔をするな」
なんてことでしょう、堂々と不貞宣言してくるなんて。
貴方に付いている執事が青褪めてますよ?
うーん、こんなスカスカ頭な人が領地を管理できるのでしょうか?
そこで仮嫁から質問です。
「本邸の管理は承りましたわ。でも、領地運営はおひとりでなされますの?」
至極当然の質問をしたが、イーライは鼻で笑う。
「ふん、仮の妻に心配される謂れはないぞ。仕事のことに口を出すな!これまで通り家令が仕切っていく。貴様の軽い頭などハナから当てにしていない。それから、別邸の生活にも干渉するなよ、これは命令だ!」
なるほど、なるほど。
やはりガバイカ伯爵家は2代続いて他人に丸投げなんですね。
仕事の合間に見舞いに来ていたと思っていたら、実は愛人と遊んでいたというのが真実のようね。
綿花産業の業績が年々落ちているのはガセの噂ではないみたい。
うちからも多少の融資をしてたはず、これは問題だわ。早急にお父様にお報せせねば……。
共倒れは御免こうむります。
「すべて了承しますわ、でしたら白い結婚の契約を致しましょう。弁護士を立てて近日中にお願いします」
こうなることは想定していたのですよ。
「は、小賢しいことだ。いいだろう、ひと月以内に互いに弁護士を呼んで交わすことにする」
「ありがとうございます」
「ふん!それまではボクの前に顔を見せるなよ。目から反吐が出そうだからな」
イーライは好き勝手に捲し立てて、ポリーという女を愛しそうに抱きしめて出て行った。
家名を名乗らないから平民の娘ね。
未来の妻としてどうなのかしら。でもいいわ、将来に伯爵家が傾こうと私には関係ないもの。
さて、私がやることはふたつ。
痩せて健康になること、そして自活できるように働くことよ!
働かざる者、食うべからず!
さーて、数年後に笑うのはどっちかしら。
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