ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)

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閑話 マホガニー流オモテナシ

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ドリュアスが地下2階へ降りたのを見計らいマホガニーは牢へ入った。
堅牢ゆえに手足は自由にしてある、逆らったところで脱獄は無理だ。

女囚人は身を縮こませ執事から距離を取ろうとする、狭い空間で無駄な抗いを。
縋るような目をこちらに向けるがどうでもいいとマホガニーは嗤う、嗜虐趣味はないが主の命令だ。程よい加減で痛めつけるだけ。

ピシャリと鞭を床に叩けば悲鳴を上げた、ドリュアスが嫌う甲高い声。
「痛みが怖いか?ならば特殊な方法で嬲ってあげよう」
「ひぃぃ!や、止めてなんでも話すといったじゃない!」

「抵抗の声など聞く気はない。それから口の利き方がなってないぞ」
ドロリとした薬液を掌から滲み出させトゲ鞭に纏わせた。

「痛みと快楽に踊れ」
パシンパシンと鞭が容赦なく女の肢体を跳ねる、強烈な痛みの後に言い知れぬ快楽が脳髄を犯す。
赤い線痕がどんどん増していく、女は悲鳴と嬌声を交互に発して身を捩った。

「きゃあぁぁー!やめてぇ、でもやめないれぇ……ひぃん!ああん!痛い~、きもぢぃ~♡」
淫らに暴れる女に執事は尋問する。

「お前の雇用主は誰だ、フォードは仲介人程度だろう?」
快感に痺れひくつく女の尻を踏みつける。

「ひぁぁ……あん♡そうれす。あいつはぁ……あの方の手足にすぎないのれすぅ。第二王子ぃドナシアン……王太子にぃひゃぁあん……なれなかったバカ王子ですぅん♡」

真の黒幕の名を暴露した女の声に、黙秘を貫いてきた侵入者達が怒声をあげた。
「裏切り者!くそ!だから女など仲間に入れるべきじゃなかったんだ!フォードの責任だ!」


煩いギャラリーに執事は眉間に皺を寄せた。
「一人でオモテナシは些か面倒だ、メイドを呼ぼう」

男どもの相手は女のほうが良かろうと執事が言えば、何かを勘違いしてか男達は嬉しそうに顔を歪める。
「人間とは恐ろしく醜い感情を持つのだな」

***

「お呼びで?」「冷製スープの下拵えが途中です」
不満な声を出したのはラミン、本日の食事当番なのだ。

「ラミン、晩餐は30分遅らせよう。私が責をとる」
「わかりました、どいつからド突けは良いですか?」

華奢な身体からコキコキと音が鳴る、細腕に不似合いな力瘤がもりっとあがる。
どこから出したのかごついメリケンサックを両手に装着した、やはりドロリとした液体を滴らせている。

「ラミンは右室から順に、エリマは左からオモテナシをするように。抵抗するなら手足の一本は捥いで良し」
「「了解!」」

エリマの武器はピコピコハンマー、見た目はオモチャだが打たれると蒼痣ができるほど威力がある。
男達は嬲られながらも、喜びの声をあげて雇い主の密命を吐いていった。

「ふむ、特製媚薬の効果は想像以上ですね。」
ネチネチと掌から滴るソレをマホガニーは舐めた。

ドリアードには効かないと知り酷く残念な顔をした。
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