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激動篇
閑話 グルドとメリアーデ
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グルド視点
「こんにちは、いつもそこにいるのね。出てきて話さない?美味しい林檎はいかが、それとも葡萄が好みかしら」
心地の良い澄んだ声が吾輩へ届いた。
なんてことだ、上手く隠れていたはずなのに。
二つの国を挟む魔の森の外れから、こっそり様子を伺うのが日課になっていた。穢れは濃くて浄化は上手くいってない様子、それでも娘は毎日懸命に清めの作業をしていた。
そんな見目麗しいドリアードの娘が気になって仕方なかった、しかし、窶れた横顔が哀れで吾輩は魔力を分け与えるようになった、こっそり吾輩の魔力を分けていたのだがバレていたのか。
気まずげに茂みから顔を出せば満面の笑みで彼女は吾輩を迎えた。
「ふふ、とても優しくて温かい魔力を毎日ありがとう。助かっているわ」
「そ、そうであるか。微細であるが役に立てて良かった」
それから、吾輩の好物は胡桃であることを知った彼女は「御礼」と称して胡桃をたくさんくれるようになった。
少々退屈だった日々が急に色鮮やかになった、メリアーデと名乗ったドリアードの娘に友以上の気持ちを持つのに時間はかからなかった。
メリアーデも友愛以上の心を持っていると告白してくれた。
ほんのひと時の逢瀬だったが、我らはとても幸せだった。
触れあうこともせず、ただ他愛ない話をするだけで良かった。
それなのに、我らの愛は引き裂かれた。
とある日、メリアーデと共に燕尾服を纏った神経質そうな長身のドリアードがやってきた。
メリアーデに仕える執事だと紹介された。
だが、執事は開口一番に「我が王と関わるな、醜い化生風情が!」と吾輩を罵ってきた。
頭にきた吾輩も口汚く応戦した、醜い言い争いを晒してメリアーデを狼狽させてしまったことを後悔した。
執事が言うには彼女の輿入れが決まったという、だから会う事は禁ずると宣った。
メリアーデは青褪めて「本当のことだ」と認めた。
吾輩は世界の色を失った。
美しく輝いていた日々が崩壊したのだ。
愛しいメリアーデはカリュアス国との聖約のもとに人間と婚姻を強制されたのだ。
絶望した吾輩は我を忘れ魔の森で暴れた、呪いの言葉を吐き木々を無差別に食い荒らした。己でも信じられない力が湧いて止められない。怒りで暴挙に走った吾輩は魔力を暴走させ体が大きく膨張していた。
今思い返せば本来の姿クロノスに戻っていたに違いない。壊しては戻すを繰り返すうちに荒れた土地はどんどん穢れた。
吾輩の怨嗟の念が浸食したせいだ。
やがて半壊した森をメリアーデは悲しみ癒しと豊穣の言祝ぎを与えた。
吾輩のせいで余計な仕事をさせてしまった。
居たたまれなくなった吾輩は謝罪して、彼女の前から逃げるように去った。
魔の森の奥へ引っ込み、再び外界を拒絶して隠遁生活をすることにした。
彼女を愛しても足枷にしかならない己の無能を呪った。
始祖ドリアードと人間の国の盟約は原初より永年続いたことで絶対らしい、吾輩の力ではどうにもならない。
遠くから彼女を見守ることにして、時々彼女の様子を垣間見ることにした。
王都の端に翠緑の館を建て、そこで人間の男と結婚した事を確認する。
健やかに暮らして欲しいと願う、吾輩にはそれしかできない。
だがしかし、人間は彼女を愛そうとしなかった。
国は終わらない浄化の仕事を彼女一人だけに押し付け、尚且つ愛のない結婚を強いたのだ。
許せなかった、人間が心底憎いと思った。
吾輩は彼女を攫ってでも助けたいと思った。
だがそんなことをメリアーデは望まなかったのだ、それでも引かない吾輩に自分の部屋で暮らさないかと勧める。
己の耳を疑った、清廉な彼女が不貞ともとれる発言をしたからだ。
「不貞を……ね。裏切ったのは夫の方よ。私は貴方に友人として招きたいのよ、どうかしら?私はこの通り朽ちる寸前、だから次代の王を株分けしようと思うの。私の子の後見になってくれないかしら?」
「あぁ!もちろんだ!喜んでキミの子を護るとも!」
吾輩は本来の姿に戻ってメリアーデに誓いを立てた、出会って初めてその手に触れた。
そして、手の甲へ口づけを落とした。
吾輩の幸せは戻って来た。
再び世界に色も戻った、吾輩はメリアーデの側にいられるならどこでも良い。
しかし、秘密の部屋を造り同棲を知らされた執事は激怒した。融通が利かない実直さは時に面倒だ。
だが仕える主には逆らえない、怒りの矛先は自然と吾輩に向けらる。
メリアーデはしっかり匿ってくれたが、やむを得ない用件で執事が入室すると吾輩と遭遇することもあった。
その度に我らは衝突して彼女を困らせた。
「こんの得体の知れぬ化生が!我が主が許していなければ地の養分にしてくれるのに!」
「なんだと!たかが名も無い下僕の分際で分を弁えよ!」
「はぁ!?」
「あぁん!?」
「ふぅ、止して頂戴。どうしてこうもそりが合わないのかしらね?お腹が空くと余計にイライラするわ、お茶にしましょう、ほらグルドにも胡桃を用意してあげる」
こうやって場を納めるのはいつもメリアーデだ、申し訳ないと思いつつも執事とは相いれない関係。
吾輩は堅い胡桃の殻に怒りをぶつけるように噛み砕いたものだ。
「ふふ、こんなに愛らしいのに、執事にはどうしてわからないのかしら?」
「そうである!あやつの目は節穴なのである!」
「こんにちは、いつもそこにいるのね。出てきて話さない?美味しい林檎はいかが、それとも葡萄が好みかしら」
心地の良い澄んだ声が吾輩へ届いた。
なんてことだ、上手く隠れていたはずなのに。
二つの国を挟む魔の森の外れから、こっそり様子を伺うのが日課になっていた。穢れは濃くて浄化は上手くいってない様子、それでも娘は毎日懸命に清めの作業をしていた。
そんな見目麗しいドリアードの娘が気になって仕方なかった、しかし、窶れた横顔が哀れで吾輩は魔力を分け与えるようになった、こっそり吾輩の魔力を分けていたのだがバレていたのか。
気まずげに茂みから顔を出せば満面の笑みで彼女は吾輩を迎えた。
「ふふ、とても優しくて温かい魔力を毎日ありがとう。助かっているわ」
「そ、そうであるか。微細であるが役に立てて良かった」
それから、吾輩の好物は胡桃であることを知った彼女は「御礼」と称して胡桃をたくさんくれるようになった。
少々退屈だった日々が急に色鮮やかになった、メリアーデと名乗ったドリアードの娘に友以上の気持ちを持つのに時間はかからなかった。
メリアーデも友愛以上の心を持っていると告白してくれた。
ほんのひと時の逢瀬だったが、我らはとても幸せだった。
触れあうこともせず、ただ他愛ない話をするだけで良かった。
それなのに、我らの愛は引き裂かれた。
とある日、メリアーデと共に燕尾服を纏った神経質そうな長身のドリアードがやってきた。
メリアーデに仕える執事だと紹介された。
だが、執事は開口一番に「我が王と関わるな、醜い化生風情が!」と吾輩を罵ってきた。
頭にきた吾輩も口汚く応戦した、醜い言い争いを晒してメリアーデを狼狽させてしまったことを後悔した。
執事が言うには彼女の輿入れが決まったという、だから会う事は禁ずると宣った。
メリアーデは青褪めて「本当のことだ」と認めた。
吾輩は世界の色を失った。
美しく輝いていた日々が崩壊したのだ。
愛しいメリアーデはカリュアス国との聖約のもとに人間と婚姻を強制されたのだ。
絶望した吾輩は我を忘れ魔の森で暴れた、呪いの言葉を吐き木々を無差別に食い荒らした。己でも信じられない力が湧いて止められない。怒りで暴挙に走った吾輩は魔力を暴走させ体が大きく膨張していた。
今思い返せば本来の姿クロノスに戻っていたに違いない。壊しては戻すを繰り返すうちに荒れた土地はどんどん穢れた。
吾輩の怨嗟の念が浸食したせいだ。
やがて半壊した森をメリアーデは悲しみ癒しと豊穣の言祝ぎを与えた。
吾輩のせいで余計な仕事をさせてしまった。
居たたまれなくなった吾輩は謝罪して、彼女の前から逃げるように去った。
魔の森の奥へ引っ込み、再び外界を拒絶して隠遁生活をすることにした。
彼女を愛しても足枷にしかならない己の無能を呪った。
始祖ドリアードと人間の国の盟約は原初より永年続いたことで絶対らしい、吾輩の力ではどうにもならない。
遠くから彼女を見守ることにして、時々彼女の様子を垣間見ることにした。
王都の端に翠緑の館を建て、そこで人間の男と結婚した事を確認する。
健やかに暮らして欲しいと願う、吾輩にはそれしかできない。
だがしかし、人間は彼女を愛そうとしなかった。
国は終わらない浄化の仕事を彼女一人だけに押し付け、尚且つ愛のない結婚を強いたのだ。
許せなかった、人間が心底憎いと思った。
吾輩は彼女を攫ってでも助けたいと思った。
だがそんなことをメリアーデは望まなかったのだ、それでも引かない吾輩に自分の部屋で暮らさないかと勧める。
己の耳を疑った、清廉な彼女が不貞ともとれる発言をしたからだ。
「不貞を……ね。裏切ったのは夫の方よ。私は貴方に友人として招きたいのよ、どうかしら?私はこの通り朽ちる寸前、だから次代の王を株分けしようと思うの。私の子の後見になってくれないかしら?」
「あぁ!もちろんだ!喜んでキミの子を護るとも!」
吾輩は本来の姿に戻ってメリアーデに誓いを立てた、出会って初めてその手に触れた。
そして、手の甲へ口づけを落とした。
吾輩の幸せは戻って来た。
再び世界に色も戻った、吾輩はメリアーデの側にいられるならどこでも良い。
しかし、秘密の部屋を造り同棲を知らされた執事は激怒した。融通が利かない実直さは時に面倒だ。
だが仕える主には逆らえない、怒りの矛先は自然と吾輩に向けらる。
メリアーデはしっかり匿ってくれたが、やむを得ない用件で執事が入室すると吾輩と遭遇することもあった。
その度に我らは衝突して彼女を困らせた。
「こんの得体の知れぬ化生が!我が主が許していなければ地の養分にしてくれるのに!」
「なんだと!たかが名も無い下僕の分際で分を弁えよ!」
「はぁ!?」
「あぁん!?」
「ふぅ、止して頂戴。どうしてこうもそりが合わないのかしらね?お腹が空くと余計にイライラするわ、お茶にしましょう、ほらグルドにも胡桃を用意してあげる」
こうやって場を納めるのはいつもメリアーデだ、申し訳ないと思いつつも執事とは相いれない関係。
吾輩は堅い胡桃の殻に怒りをぶつけるように噛み砕いたものだ。
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