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王女リリアと西の魔王
襲われたお城・2
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お城に着いた時には、残念ながら、全てが終わったあとだった。
鋼鉄の人間は立ち去っていて、城のあちこちが壊され、怪我した兵士がそこらに座って、体を休めている。
「これはこれは姫様、ご無事でなによりです」
そう言って私を出迎えてくれたのは、大臣のタリネンだった。
うちのしっかりもののおじいさん大臣だ。
「なによりじゃないわよ、間に合わなかったじゃない」
私は言った。そして、
「間に合ってれば、一太刀浴びせてやったのにさ」
と、剣を振る真似をしてみる。
そして、タリネンに、
「パパとママは?」
と、聞いた。
「陛下とお妃様は、寝室においでです」
「怪我は?」
「幸いにも、しておられません」
「よかった……でも、みんなは結構やられたみたいね」
「ええ、ただ、奇跡的にも死者は出なかったようで」
「だったら、なによりだわ。じゃ、パパとママに会ってくる」
私は、ジョージを連れて、パパとママの寝室に向かった。
パパとママの寝室は、一国の支配者のものとしてはこぢんまりとした部屋で、ダブルベッド以外には大したものも置いていない。
そのダブルベッドの上に、パパが横たわっていて、その枕元にママが立っていた。
「パパ、ママ、ただいま!」
「あら、リリア、帰ってたの」
部屋に入った私を見て、ママが答えた。
「もう少し早く帰ってれば、鋼鉄野郎を真っ二つにしてやったのに」
私が言うと、
「西の魔王は、そんな簡単な相手じゃありませんよ」
ママがつぶやく。
どうやら、ジョージの言った通り、鋼鉄のあいつは『西の魔王』と言うらしかった。
「パパ、なんで寝込んでるの? やっぱりホントは怪我してた?」
私は、ベッドでうーん、うーんと唸るパパを見て言った。
「別に怪我なんてしてません、ただ、落ち込んでるだけですよ」
ママが答える。
「落ち込んでる? 壊されたお城の修繕費が高くつきそうだから?」
「それもありますけどね、お城のお宝が奪われてしまったのよ」
「うちのお城にお宝なんてあったっけ?」
私は思わず、そう言ってしまう。
うちは大して狙われるものもない小王国で、富と財産を目当てに他の国が攻めてくるなんてことはそうそうないって、小さい頃から聞かされて育ったからだ。
「大国と比べればないようなものですけれど、価値のあるマジックアイテムは、全くないわけでもないんですよ」
「へー」
「力の腕輪は知ってる、リリア?」
ママが言うと、ジョージが、
「力の腕輪が盗まれたんけ?」
と、叫んだ。
「ええ。――ジョージはあなたよりもよく、うちの国について勉強してるみたいね」
ママがじろりと私を見る。
えー、『力の腕輪』なんて知らないわよ。
鋼鉄の人間は立ち去っていて、城のあちこちが壊され、怪我した兵士がそこらに座って、体を休めている。
「これはこれは姫様、ご無事でなによりです」
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「間に合ってれば、一太刀浴びせてやったのにさ」
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と、聞いた。
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「怪我は?」
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「よかった……でも、みんなは結構やられたみたいね」
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「だったら、なによりだわ。じゃ、パパとママに会ってくる」
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どうやら、ジョージの言った通り、鋼鉄のあいつは『西の魔王』と言うらしかった。
「パパ、なんで寝込んでるの? やっぱりホントは怪我してた?」
私は、ベッドでうーん、うーんと唸るパパを見て言った。
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「落ち込んでる? 壊されたお城の修繕費が高くつきそうだから?」
「それもありますけどね、お城のお宝が奪われてしまったのよ」
「うちのお城にお宝なんてあったっけ?」
私は思わず、そう言ってしまう。
うちは大して狙われるものもない小王国で、富と財産を目当てに他の国が攻めてくるなんてことはそうそうないって、小さい頃から聞かされて育ったからだ。
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「力の腕輪が盗まれたんけ?」
と、叫んだ。
「ええ。――ジョージはあなたよりもよく、うちの国について勉強してるみたいね」
ママがじろりと私を見る。
えー、『力の腕輪』なんて知らないわよ。
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