ソード・プリンセス! ~剣術王女の冒険日記~

吉口 浩

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王女リリアと西の魔王

魔法使いの少年・2

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「あんた、なんだってあんなところで遊んでたのよ」

 私がからかうと、ホルス少年は、

「別に遊んでたってわけじゃありません」

  と、むくれる。

「ごめんごめん、なんでこんな森にいるのかって話」
「ボクは、この森のもっと東の方に住む魔法使い、ゴウト様の弟子なんです」
「ふーん」
「あ、聞いたことがあるべ、森の偏屈魔法使いだ。森に引きこもって研究しとるだよ」

 ジョージがそう言うと、ホルスは苦笑し、

「ええ、その偏屈魔法使いの弟子なんですけれど」

 と言った。

「お使いでも頼まれてたの?」

 私が聞くと、少し考えたあとに、

「まあ、広い意味では」

 と、ホルスが言う。

「広い意味では?」
「西の魔王のことは知っていますか?」

 ホルスは聞いた名前を出してきた。

「知ってる」
 
 私は答えた。
 だって、今からそいつをやっつけにいくんだもんね。

「その西の魔王が、お師匠様の宝物を盗んでしまったんです」
「だから、それを取り返しに行くところってわけ?」
「ええ、まあ」
「うーん、こう言ったら悪いけど、あんたで大丈夫?」
「ぼ、ボクも、それなりには魔法を使えますから」
「いや、ドジ過ぎるからさ」

 私が言い、

「んだな、ゴブリンの罠にひっかかるようなおっちょこちょいが魔王をこらしめようなんぞ、心もとねえ」

 ジョージも言ったもんだから、ホルスはたちまちに顔を赤くしてしまう。
 こうなると、なんだか悪い気がするもんだから、

「あのさ、提案があるんだけど」

 と、私は言ってみた。

「提案?」
「実はね、私たちも、西の魔王をこらしめに行くとこなのよ。うちもあいつに、大事なもんを盗まれちゃってね」
「うち?」

 ホルスがキョトンとするので、

「んだ、王国のお宝の力の腕輪さが盗まれただ」

 と、ジョージが言った。
 そう言われて、ホルスがさらにキョトンとし、

「ってことは……あなた、この国の……」

 と、しどろもどろになるので、こうなれば名乗った方が早いと思い、

「王女よ。リリアって名前、聞いたことはない?」

 と、言ってしまった。

「剣術自慢のお転婆王女様のことは聞いてます……」

 ホルスはそうつぶやいた後に、慌てて、

「あ! 失礼しました!」

 と、口をふさいだ。
 なんか可愛い。
 私は、

「いいのよ、ホントのことだから」

 と、笑ったあと、

「で、どうする? 一緒に来る?」

 と聞いた。

「そんな……お姫様と一緒だなんて恐れ多いです……」

 ホルスはドギマギとする。

「行きましょうよ。あなた、一人じゃ危なそうだもの」

 私がそう言ってホルスの手を取ると、彼はたちまちに赤面した後、

「わ、わ、分かりましたっ! お断りするのも余計失礼ですし、ご一緒させていただきますっ」

 と、私に一礼した。
 こうして、私たち一行に、魔法使いの少年ホルスが加わったのである。
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