ソード・プリンセス! ~剣術王女の冒険日記~

吉口 浩

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王女リリアと西の魔王

魔法使いの少年・3

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 ホルスを仲間に加えた私たちは森を歩いた。
 歩きながら私は、

「この辺りって、ゴブリンの縄張りなのよね? あんたが罠に引っかかってたってことは」

 と、ホルスに聞いてみる。

「ええ、まあ」

 ホルスはうなずいた。

「じゃ、まだ、襲われる可能性があるわけだ」

 私が言うと、

「縁起でもねえなあ」

 ジョージは嫌そう。

「私も無駄にゴブリンと喧嘩したいわけじゃないけどさ……でも」

 私はちらりとホルスを見ながら、

「ホルスくんはもしかしたら、ゴブリンどもに仕返ししたかったりするんじゃない?」

 と、言ってみる。
 ホルスは、

「別にいいですよ、彼らの縄張りに踏み込んだボクも悪いですから」 

 と、首を振る。

「……優しいわね、あんた」

 私が言うと、

「そ、そんなことないですよ」

 と、ホルスは照れた。

「ま、どっちにしろ、こっちにその気がないからって、なんも起きずにすむとは限らないわよね」

 私の言葉に、

「ま、たしかに、せっかく引っかかった獲物が逃げたってことで、追ってきてるかもしんね。考えたくはねえけどもよ」

 ジョージがうなずく。

「さっきから、ついてきてる気配があるもんね」

 私が言うと、

「なんだ、姫さん気づいてただか、ま、オラの方は耳で足音が聞こえてただけなんどけどもよ」

 ジョージがまたうなずいた。

「誰かついて来てるんですか?」

 ホルスが聞くので、

「さっきから殺気がね……いや、洒落じゃないわよ」
「小さな足音がついてくるのが、聞こえるでがすよ」

 私とジョージはそれぞれ答えた。

「すごいなあ」

 ホルスは素直に感心してくるもんだから、

「いやなに、ちょっとばかり剣術をかじったもんだから、こういうことはある程度はできるのよ」
「オラのは生まれつきだんべ、誰にも取り柄はあるもんだ」

 と、私たちは照れてしまう。
 うーん、思ったよりもいい子だし仲間に入れてよかった……なんて、いつまでも思っている場合じゃない。

「殺気のある誰かがついてきてる以上は、残念ながら面倒は起きるかもね」

 私の言葉に、ホルスとジョージがうなずいた。

「こっちから怪我させるのはなんだけど、姿は見せてもらってもいいかな」
「どこにいるんです?」
「あの木の後ろに二人」

 私が五メートルばかり先の大木を指すと、

「ボクに任せてもらってもいいですか」

 ホルスが言うので、

「どうぞ」

 私が言うと、ホルスは一度深呼吸したあと、大木めがけて手をかざす。
 それとほぼ同時に、その指先から炎の玉が発射され、大木めがけて飛んだ。

 バアアアン!

 という大きな音を出しながら、火の玉は大木に当たって爆発。
 たちまちに、大木は跡形もなく吹き飛んだ。
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