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王女リリアと西の魔王
魔王の部屋・4
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私が机の上に腰を下ろしてから、しばらくの時間が経った。
紫のおじさんは、気まずそうな顔でだまりこくっていたけど、やがて、
「ああ、ああ、認めます! わしが西の魔王じゃわい!」
と、叫んだ。
「やっぱりね」
「もっと早く言ってくださいよ」
「下手な嘘さ、いつまでもつくもんでねえだぞ」
と、私とホルスとジョージは言ったが、デュラハンの頭だけはびっくりしたみたいで、
「なんと! あの輝かしき鋼鉄の魔王様の中身が、かような貧相な妖魔だったとは……」
なんて感じで、ショックを受けた様子だった。
「あんたが、あの鎧を操って、西の魔王を名乗ってたってところかしら?」
私が聞くと、紫のおじさんは――西の魔王は、こくりとうなずいた。
「あの鎧の頭の中に入って念じるとな、鎧全体がわしの思いのままに動くのじゃ」
と、西の魔王は言った。
「廃城になったこの城を調査している時に見つけたんじゃ――おおかた、古代文明の遺産かなにかだとは思うが……」
「なーるほど。で、それを見つけたのをいいことに、西の魔王になって、近場の魔物を支配してたってわけなのね」
西の魔王はうなずく。
「えーい、恥を知れ、恥を!」
そう叫んだのはデュラハンだ。
ま、騙されてこんな弱そうな相手に仕えていたんだから、こいつが怒るのも無理はないか。
「でも、なんで、うちのお城から、力の腕輪を盗んだのよ?」
「わしだって、鎧ばっかりに頼らずに、自分の力を強くしたいと思うわい」
「魔法の腕輪に頼って強くしたって同じことでしょ、自分で鍛えなさい」
私が言うと、西の魔王は、
「…………はい」
と、うなだれる。
「ドワーフの里を襲ったのはなんでなんだべ?」
ジョージが聞くと、
「最近、鎧があちこち壊れがちで……治すために、ドワーフたちの守る魔法の金属シンメリルが必要だったのじゃ」
と、西の魔王。
「お師匠さまの秘伝のピクルスを盗んだのはなんでなんです」
そう言ったのはホルスだ。
……ホルスのお師匠のゴウトさんが盗まれたのって、ピクルスだったんだ。
なんかすごい、魔法のアイテムだとばっかり思ってた。
「ありゃあの辺を通った部下が気まぐれに盗み出しただけじゃ、まあ美味しかったけど……」
と、西の魔王。
「ええ、食べちゃったんですか。それじゃ、ボク、怒られちゃいますよ」
と、ホルスもがっくりした。
でも、食べ物を盗まれてそのまま取り返してこいなんて、ホルスのお師匠さんの言うのが無茶だと思うけどなあ……。
「なーんだ、結局のところ、別に西の魔王が新しくすごい悪さを企んでるってわけじゃなかったんだべな」
ジョージが言う。
ま、終わってみれば拍子抜けだ。
「えーい、なんということだ! このような小物に、我々が仕えていたなどとは……おい! 私の体を返してくれ! このチンケな魔物をぶったぎってくれる!」
ジョージの腕の中のデュラハンの頭だけが、ぷりぷりといつまでも怒っている。
ともあれ、一件落着というところにはなりそうだから、なんとなく和やかなムードにさえなってきたところで、
「はっはっは! なかなか面白い結末だったね!」
なんて声が、魔王の鎧の向こう側から聞こえてきた。
紫のおじさんは、気まずそうな顔でだまりこくっていたけど、やがて、
「ああ、ああ、認めます! わしが西の魔王じゃわい!」
と、叫んだ。
「やっぱりね」
「もっと早く言ってくださいよ」
「下手な嘘さ、いつまでもつくもんでねえだぞ」
と、私とホルスとジョージは言ったが、デュラハンの頭だけはびっくりしたみたいで、
「なんと! あの輝かしき鋼鉄の魔王様の中身が、かような貧相な妖魔だったとは……」
なんて感じで、ショックを受けた様子だった。
「あんたが、あの鎧を操って、西の魔王を名乗ってたってところかしら?」
私が聞くと、紫のおじさんは――西の魔王は、こくりとうなずいた。
「あの鎧の頭の中に入って念じるとな、鎧全体がわしの思いのままに動くのじゃ」
と、西の魔王は言った。
「廃城になったこの城を調査している時に見つけたんじゃ――おおかた、古代文明の遺産かなにかだとは思うが……」
「なーるほど。で、それを見つけたのをいいことに、西の魔王になって、近場の魔物を支配してたってわけなのね」
西の魔王はうなずく。
「えーい、恥を知れ、恥を!」
そう叫んだのはデュラハンだ。
ま、騙されてこんな弱そうな相手に仕えていたんだから、こいつが怒るのも無理はないか。
「でも、なんで、うちのお城から、力の腕輪を盗んだのよ?」
「わしだって、鎧ばっかりに頼らずに、自分の力を強くしたいと思うわい」
「魔法の腕輪に頼って強くしたって同じことでしょ、自分で鍛えなさい」
私が言うと、西の魔王は、
「…………はい」
と、うなだれる。
「ドワーフの里を襲ったのはなんでなんだべ?」
ジョージが聞くと、
「最近、鎧があちこち壊れがちで……治すために、ドワーフたちの守る魔法の金属シンメリルが必要だったのじゃ」
と、西の魔王。
「お師匠さまの秘伝のピクルスを盗んだのはなんでなんです」
そう言ったのはホルスだ。
……ホルスのお師匠のゴウトさんが盗まれたのって、ピクルスだったんだ。
なんかすごい、魔法のアイテムだとばっかり思ってた。
「ありゃあの辺を通った部下が気まぐれに盗み出しただけじゃ、まあ美味しかったけど……」
と、西の魔王。
「ええ、食べちゃったんですか。それじゃ、ボク、怒られちゃいますよ」
と、ホルスもがっくりした。
でも、食べ物を盗まれてそのまま取り返してこいなんて、ホルスのお師匠さんの言うのが無茶だと思うけどなあ……。
「なーんだ、結局のところ、別に西の魔王が新しくすごい悪さを企んでるってわけじゃなかったんだべな」
ジョージが言う。
ま、終わってみれば拍子抜けだ。
「えーい、なんということだ! このような小物に、我々が仕えていたなどとは……おい! 私の体を返してくれ! このチンケな魔物をぶったぎってくれる!」
ジョージの腕の中のデュラハンの頭だけが、ぷりぷりといつまでも怒っている。
ともあれ、一件落着というところにはなりそうだから、なんとなく和やかなムードにさえなってきたところで、
「はっはっは! なかなか面白い結末だったね!」
なんて声が、魔王の鎧の向こう側から聞こえてきた。
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