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第三話
昼下がり、もうやることがない俺は屋敷の庭をテオと散歩していた。
「ていうかテオは俺についてきて良かったの?」
「いきなりどうしたんです? リアン様が小さい頃付いてきてと仰られたのではないですか」
「そうなんだけど……」
卒業パーティーの日に断罪されることはわかっていたが、実際の俺はジョンをいじめるどころか喋ったことすらない。
だってアルフレッド王子もジョンも興味ないし。
でもなぜか二人は俺の目のつくところでイチャイチャしていたなあ。
仮にも婚約者がいるのに、あっちでいちゃいちゃこっちでいちゃいちゃ、発情期ですか? バカなの?
あれを見て完全に呆れた。きっとジョンはアルフレッド王子ルートにいったんだろう。
卒業パーティーのとき、アルフレッド王子が「リアン・ヒスコックはジョン・スミスに嫌がらせをしていた! 俺はリアンとの婚約を破棄をする」と声高々に叫んだのは何回思い出しても笑える。
俺はジョンにわざとぶつかったり、暴言を吐いたり、ものを隠したり……とネチネチ嫌がらせをしていたらしい。本人だけど知らなかったなあ。
周りの人もあの王子の言動に失笑していた。
だって俺は基本ぼっちで授業が終わると迎えにきたテオとさっさと帰ってたし! どこにそんないじめをする暇があるんだよっていう。
ジョンだけは熱っぽい目でアルフレッド王子を見ていた。
まじでなんの茶番? さっさと屋敷に帰りたくて俺は口を開いた。
「そんなことした覚えはないですが、婚約破棄はさせていただきます」
俺が淡々というと王子は急にもごもご言い出した。
「いや、リアン。お前が謝れば許してやらんこともない」
昔からアルフレッド王子は傲慢だ。
急になに言ってるの? あなたが許すとかの問題じゃなくて、俺が許すか許さないかだし!
隣のジョンもどういうこと?! みたいな顔をしてアルフレッド王子を睨み付けていた。
「結構です。この件で私は体調が悪くなりましたので領地で療養します。では」
はあ、やっとこの茶番から解放される!
俺はさっさとパーティーから出ていった。
屋敷に帰り、父様に相談したら父様は大変怒っていた。
そりゃそうだ。そもそもこの婚約は政治的な面も絡んでいる婚約で、王子一人の声で婚約破棄など出来ないし、もしこのまま婚約破棄出来なければ俺は恥をかかされただけだ。
父様は母様そっくりの俺のことを目に入れても痛くないほど可愛がってくれているから、正式に婚約破棄を申し出るそうだ。
王都にいるとあの王子がいつ難癖をつけてくるといけないから、と王都を出ることも涙ながらに了承してくれた。
婚約破棄は王族の過失なので必ず受理させると意気込んでいた。
次の日、テオに起こされて馬車に乗せられ、あっという間に領地の屋敷についた。テオも一緒に。
だからテオに確認なんかする暇なくこの屋敷についた訳だけど……。
「いや、テオはかっこいいし、王都に付き合っている人とか居なかったのかなって……」
「……そんな人いませんよ」
「そうなの? もし良い人いたら紹介してね。俺、応援するから!」
「はあ。本気でいってます?」
「む、本気だよ! 応援する! テオは良い人だから、きっとすぐ素敵な人と付き合えるよ!」
王都より人が少ないけれど、この土地にも領民はいる。
テオにいい縁があるといいな、とぽやぽやと考えていると怖い顔をしたテオが近くまで迫っていた。
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