転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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武者修行

盗人扱い

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フェルメールに近付き、一抹の不安が……。
虎丸は街に入れるのか?それくらいの大きさになっていた。
フェルメールの近くになると、虎丸はギュッと小さくなった。
それはまるで仔犬のような大きさになった。
もう普通の人にはモンスターに見えないかも。
虎丸の問題さえ解決すれば、フェルメールには容易に入れた。
オードに会いに行こうかと一瞬、考えたが……あれ以降、全く鎚にも触れてないのが何処かで引っかかり、とりあえず他を回ることにした。
デュポンと違う雰囲気に虎丸は辺りをキョロキョロ見ている。
しばらくの間、住んでたとは言え、ほとんど出歩かなかったので、知り合いもほとんど居ないのが実情であった。
気が付くと、職人街へと来ていた。
デュードの鍛冶場を覗いたが、残念ながら、少し街を離れているらしい。
ガッカリしながらも、オードの鍛冶場へ向かった。
相変わらず人気がなかった。
もしかして、また止めたのかと思ったが、そうではなさそうだ。
昔の感覚で鍛冶場に入り、鍛冶場を見てると、後ろから不意に声を掛けられた。
「お前、そこで何してる?さては師匠の作品を盗みに来た盗っ人だな。」
俺と変わらぬ年頃の少年はそういうと、有無を言わさない勢いで竹箒を振り回してきた。
虎丸はチラッとこちらを見たので、首を横に振った。
虎丸は納得したのか、鍛冶場を飛び出した。
竹箒をかわしながら、どうしようか考えていた。
だが、少年の体力は長くは続かなかった。
少年は地面にドカッと腰を下ろし、絶え絶えの息で。
「クソッ、師匠が居たら、お前なんかイチコロなんだからな。留守中に師匠の作品が盗まれるなんて……。」
少年の目には涙が溜まっていた。
だが、ふと疑問に思ったので聞いてみた。
「お前、オード殿の弟子なのか?」
今にも泣きそうだったクセに立ち上がり、胸を張り。
「そうだ。俺はオード師匠の一番弟子なんだぞ。」
どう考えても、その体力じゃ……鍛冶工としての仕事は出来ないだろう。
それに一番弟子って……他の弟子に怒られるぞ。
俺は中途半端で終えてるので、弟子と名乗るのは抵抗がある。
「一番弟子なら、剣とか打てるのか?」
からかうつもりで言うと、下を向いて、口籠もった。
「何だ、打てないのか。」
調子にのって、言わなかったら良かった。
少年は打ってやるよって言い出した。
剣となる鉄の棒を手にして、火に入れようとしだした。
火入れを許されてないのに、やったら………。
どう見ても、火入れどころの話ではない。

少年から奪い取り、打ち始めると、久しぶりにやる鍛冶は楽しかった。
少年はしばらく騒いだ後、何処かへ行ったようだ。
だが、徐々に楽しくなっていった頃に凄い足音の数が近付いて来た。
やはり、後方付近で足音はピタリと止まった。

後ろを見ずに口を開いた。
「これが打ち終わるまで待っててもらえないか?」
少年らしき声は。
「何で盗人の言う事なんて。」
それを制する声が。
「別に良いぞ。で、どの位時間がかかる?」
「半日かな?」
「半日なら、待とう。」
後ろでは数人がどっしりと座る気配を感じた。


半日どころか、もうじき一日経とうかという頃、ようやく完成した。
解体用の小刀が。
「待たせたな。」
後ろを振り返ると、そこには見覚えのある顔が。
「久しぶりですね。」
デュードの元で一緒にいた顔だった。
名はリュード、デュードの息子。

「何とか後ろは見えてきたかな。」
小刀を見ながら。
話を聞くと、オード親方は相変わらず弟子は取ってないらしい。
さっきの少年はデュードの弟子らしく、留守番をさせられていたらしい。
リュードは鍛冶屋になるか迷っていたらしい。
デュードの息子だからと言う期待と周りの扱いが嫌だったらしい。
何処か特別扱いされてると感じたらしい。

だが、突然来たオレが周りなんか関係なしで振舞ってるのを見て、先輩後輩とか周りの事とか考えて、行動出来ないのかと1度質問したらしい。
その答えが。
「周りの顔色を伺って、振舞って、それで良いモノが鍛えられるのか?それにチャンスが目の前に来たなら、周りなんかを気にしてたら、勿体ないじゃん。むしろ、押し退けてでも掴まないと。何より先輩、後輩とか言うより、ただのライバルだろ。例え、相手が師匠でも自分が自信あるモノが出来たら、師匠の作品を取り上げてでも自分のを持たせるよ。名前や作り手の人柄じゃなくて、現物で判断されたいんだ。そんなモノが作れるなら、他の誰かに嫌われても構わない。モノ作るの楽しいし。」
そんな事を言ったらしい。
リュードはここまで開き直って生きれないが、確かに周りを気にしすぎてたのかもしれない。
それに鍛冶が好きだった事を思い出したらしい。
それから鍛冶屋としての修行に邁進してるらしく、腕前も上達してるらしい。
 オードとデュードはニードの元を訪ねていってるらしい。
噂の災害級モンスター討伐で特注が大量に入ったらしい。
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