転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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賊討伐

脆さ

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その事実を報告すべき対象が見つからなかった。
基本、ダートかテッドがおり、報告すれば良かった。
だが、テッドは無論、ダートも何処かへ行ってるようで姿が見えなかった。
そんな中、街へと戻ってくる影が。
兄の月命日で墓へとリョーと虎丸を連れて、向かっていたレーラであった。
息を切らしながら、レーラは状況を把握しようとした。
そして、報告された内容は……グランの団旗が切り裂かれていた。
これは明確な宣戦布告であった。
だが、本来の賊の目的は達成されなかった。
少し離れた丘でコボルトは怒りを隠さずに。
「おい、話が違うじゃないか。仲間を犠牲したんだぞ。」
リザードマンは憮然とした表情で。
「そう言っても、この時間なら大丈夫だと申したのはあの娘。居ない者は攫いようがない。」
コボルトは舌打ちをし、リザードマンを睨みつけた。
「まぁ、チャンスはまた来ますよ。こちらの狙いがバレた訳ではないんですから。」
黒いローブの男が二人を宥める。
二人は聞く耳持たない感じで歩いていく。
黒いローブの男は二人に聞こえない大きさの声で。
「………ぶっ殺すぞ。」
そして、笑顔を作り、二人を追いかけた。

街へと戻ってきたテッドは無惨な姿になった団旗を両膝をつき、茫然と眺めた。
ダートはその日、帰ってくる事はなかった。

翌日、街自体に大した被害はなかったのも有り、街はいつもの日常と変わらないように見えた。
表面上は平穏を装うとしてはいたが、内心いつ賊がまた襲ってくるか分からない不安があった。
襲撃があった2日後、ダートは戻ってきた。
そして、賊の襲撃があった事を知ると、顔を真っ赤にして、憤慨した。
ダートはあの時名が挙がっていたカルバの名である場所に呼び出されたらしい。
ダートは迷いながらも、素直に向かったらしい。
だが、その場所に現れるわけもなく、半日待って、帰ってきたらしい。
「で、賊の位置は掴めたのか?」
ダートはかなりイラつきながら。
あれ以降の足取りが全く掴めずにいた。
「申し訳ございません。アジトどころか、はっきりとした動きすら把握出来ておりません。」
偵察や調査を得意とするコボルトは頭を下げながら、報告した。
ダートはテッドを見て。
「この件、そなたの思う様にグランを動かして、解決してみろ。」
テッドはコボルトのみではなく、調査人数を増やす様に指示した。
だが、数日経っても、期待してる様な成果は全く上がらなかった。

襲撃から半月が経とうしたある日、テッドはある事を決めた。
それにはレーラが激しく反対したが、聞き入れられる事は無かった。
テッドが決めたのは、グランメンバー以外の入街、滞在を禁ずる。
元々、この街にグランメンバー以外はほとんど居なかったが、グランの動きが漏れてるとしか思えない事が何度もあった。
つまりスパイが紛れ込んでるとの疑いらしい。
そう決まった以上、この街にリョーらも居れなくなった。
こんな状況でレーラが教える余裕はそんなになかったが、レーラも時間を作って、虎丸に教えてくれた。

残念ながら、虎丸は獣人化を会得出来なかった。
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