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賊討伐
実力テスト
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「手加減?そんな事する必要もない。何なら、全員でかかってきても良いのだぞ。」
虎丸はピクリと動きかけた。
「虎丸、休んでろ。アンタの名だけ聞いててもいいか?」
リザードマンは鼻で笑いながら。
「ワシの名か?これから死んでいくのに無意味だと思うが、ルドラだ。」
そう言うと、槍を手にし。
「何か言い残した事はあるか?恨むなら、あんな男に関わった事を恨むんだな。」
だが、ルドラが槍を構える事なく、その場に膝から崩れ落ちた。
ルドラの頭上から無数の炎の槍が降り注いだのだから。
「これで魔法の方は良いのかな?」
無論、その炎の槍の犠牲になったのはルドラだけではなかった。
その後方で余裕を持って、見ていた魔術士の一部も巻き添えになった。
だが、予想より数は少なかった。
その原因は魔道士であるデムが気付き、耐炎魔法を発動させたからであった。
「それなりには上達してるみたいだな。でも……まぁ、今はいいか。」
その光景に我慢出来ずに居るのはリザードマン達であった。
ルドラは正々堂々と戦おうとしたのに、魔法を使うなんてって事だろう。
「虎丸、槍使うか?」
全身から血を吹き出して、地面に跪くルドラの槍を指さしながら。
「ひ、卑怯だぞ……。」
そういうルドラを見ながら、リョーは冷たい笑みを浮かべた。
「卑怯?賊なのに?本番はこれからだよ、そこで見てな。」
そう言うと、デムの一団を飛び越え、リザードマンの集団へと突っ込み、舞を踊るかの様に斬殺していく。
地面は真っ赤に染まり、横たわる骸も20を数え始める頃、他のリザードマンは散り散りに逃げ出した。
デム一団もそれに続いて。
「ここは一旦、退却だ。体制を立て直す。」
その場から脱兎の如く、逃げ去った。
全身を真っ赤にしながら、リョーはルドラの元へやってきて、見下ろしながら。
「さて、始めるか?」
そう言うと、リョーはルドラを回復させた。
状況が飲み込めないルドラだが、仲間が無惨に殺された事に怒りを露わにし、槍をリョーに向かって、薙ぎ払った。
だが、既にその場にリョーはおらず、ルドラは槍を手にし、立ち上がり、何度もリョーに向って、槍で攻撃した。
だが、その槍は当たらず、ルドラの鱗で覆われた体躯に無数の斬り傷が増えていくだけであった。
やがて、再びルドラは膝をついた。
「悪い、まだ手加減しちゃったみたいだ。やり直してもいいか?」
リョーはそう言葉をかけると、回復させ、膝をつかせた。
だが、4度目にルドラは回復させられても、立ち上がれなくなっていた。
「殺せ、一思いに殺せ。頼む……。」
地面に大の字に寝転びながら。
「剣技もこれでいい?」
リョーはルドラを無視し、カシューの方を向いた。
「お前……いい性格してるよな。」
カシューの顔はやや引き攣っていた。
その言葉を聞きながら、リョーは振り向き、ルドラの耳元で。
「安心していいから、今回は討伐の依頼じゃないんだ。でも、どの位の強さで鱗に傷が付くのか、試しても難しかったよ。」
その言葉にルドラは震えてしまった。
向こうで犠牲になった仲間は試しで斬られたって事らしい。
次の瞬間、倒れていた亡骸は消えてしまった。
カシューは呆れ顔で。
「そんな魔法まで習得してるのか、お前は。」
この一帯で幻影魔法に掛からなかったのはカシューと虎丸だけであった。
基本、力の差があり過ぎると通用しない。
デムに通用したのかは不明であった。
混乱した部下を率いて、あのまま戦うのは得策ではないのは当たり前であった。
だが、それはリョーが魔法主体で戦うスタイルだと判断の上であった。
虎丸はピクリと動きかけた。
「虎丸、休んでろ。アンタの名だけ聞いててもいいか?」
リザードマンは鼻で笑いながら。
「ワシの名か?これから死んでいくのに無意味だと思うが、ルドラだ。」
そう言うと、槍を手にし。
「何か言い残した事はあるか?恨むなら、あんな男に関わった事を恨むんだな。」
だが、ルドラが槍を構える事なく、その場に膝から崩れ落ちた。
ルドラの頭上から無数の炎の槍が降り注いだのだから。
「これで魔法の方は良いのかな?」
無論、その炎の槍の犠牲になったのはルドラだけではなかった。
その後方で余裕を持って、見ていた魔術士の一部も巻き添えになった。
だが、予想より数は少なかった。
その原因は魔道士であるデムが気付き、耐炎魔法を発動させたからであった。
「それなりには上達してるみたいだな。でも……まぁ、今はいいか。」
その光景に我慢出来ずに居るのはリザードマン達であった。
ルドラは正々堂々と戦おうとしたのに、魔法を使うなんてって事だろう。
「虎丸、槍使うか?」
全身から血を吹き出して、地面に跪くルドラの槍を指さしながら。
「ひ、卑怯だぞ……。」
そういうルドラを見ながら、リョーは冷たい笑みを浮かべた。
「卑怯?賊なのに?本番はこれからだよ、そこで見てな。」
そう言うと、デムの一団を飛び越え、リザードマンの集団へと突っ込み、舞を踊るかの様に斬殺していく。
地面は真っ赤に染まり、横たわる骸も20を数え始める頃、他のリザードマンは散り散りに逃げ出した。
デム一団もそれに続いて。
「ここは一旦、退却だ。体制を立て直す。」
その場から脱兎の如く、逃げ去った。
全身を真っ赤にしながら、リョーはルドラの元へやってきて、見下ろしながら。
「さて、始めるか?」
そう言うと、リョーはルドラを回復させた。
状況が飲み込めないルドラだが、仲間が無惨に殺された事に怒りを露わにし、槍をリョーに向かって、薙ぎ払った。
だが、既にその場にリョーはおらず、ルドラは槍を手にし、立ち上がり、何度もリョーに向って、槍で攻撃した。
だが、その槍は当たらず、ルドラの鱗で覆われた体躯に無数の斬り傷が増えていくだけであった。
やがて、再びルドラは膝をついた。
「悪い、まだ手加減しちゃったみたいだ。やり直してもいいか?」
リョーはそう言葉をかけると、回復させ、膝をつかせた。
だが、4度目にルドラは回復させられても、立ち上がれなくなっていた。
「殺せ、一思いに殺せ。頼む……。」
地面に大の字に寝転びながら。
「剣技もこれでいい?」
リョーはルドラを無視し、カシューの方を向いた。
「お前……いい性格してるよな。」
カシューの顔はやや引き攣っていた。
その言葉を聞きながら、リョーは振り向き、ルドラの耳元で。
「安心していいから、今回は討伐の依頼じゃないんだ。でも、どの位の強さで鱗に傷が付くのか、試しても難しかったよ。」
その言葉にルドラは震えてしまった。
向こうで犠牲になった仲間は試しで斬られたって事らしい。
次の瞬間、倒れていた亡骸は消えてしまった。
カシューは呆れ顔で。
「そんな魔法まで習得してるのか、お前は。」
この一帯で幻影魔法に掛からなかったのはカシューと虎丸だけであった。
基本、力の差があり過ぎると通用しない。
デムに通用したのかは不明であった。
混乱した部下を率いて、あのまま戦うのは得策ではないのは当たり前であった。
だが、それはリョーが魔法主体で戦うスタイルだと判断の上であった。
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