転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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トラント

品定め

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その足でギルドに行くつもりだったが、少し街中を歩く事にした。
虎丸の獣人化した際の装備も揃えておかないとまずいし。
着てたり、身につけてたモノは本来の姿に戻っても何処かに収納されるらしく、着け外しは基本的に不要の様だ。
虎丸が現在、身に付けてるモノはダートのグランで余ってたのを貰ったんで、それ程良いモノではない。
虎丸はそれで満足している様だが、不安は少しでも小さくしておいた方が良いのは間違いない。
虎丸と2人で見て回ったが、気に入るモノはそれなりの値段がする。
政都だけあって、店の数は多い。
だが、ほとんどの店主がヘタに売り物に触れない様に警戒している。
確かに2人とも格好に気を使うタイプではないので、見た目からすると客には見えないのかもしれない。
だが、幾つか気になるモノがあり、話し掛けようとすると、途端に嫌そうな顔を浮かべた。
しかも、話しかけても、ランクを聞かれ、Eランクだと答えると、溜め息混じりに決まって言うセリフがあった。
「うちにはないね、駆け出しに売る様なモノは。」
そんなセリフを何度も聞きながら、この街で一番大きな商会を訪ねた。
まぁ、店員の態度は他の店と大差はなかった。
だが、大きいだけあって、それなりの品揃えはしているらしい。
「そうだな、この辺のなら売ってやるよ。」
それは売り物と呼ぶには乱雑に木箱に突っ込まれた剣、積み重ねられた鎧や兜。
「もし、気にいらないなら他の店へ行って貰っていいんだぞ。」
虎丸は店員を睨みつけていた。
虎丸は店を出ようと言ったが、その中に気になるモノが幾つかあったので、漁った。
店員は本当に選ぶのかよと言う顔で見下していた。
四、五十本はある剣から三本を選び、篭手を二点選んだ。
店員に値段を聞くと、全部で銀貨30枚でイイと。
銀貨は100枚で金貨になるらしいので、3万程。
ハッキリ言えば、ぼったくり価格なんだろう。
革袋から銀貨を取り出し、店員に渡すと……店員はニヤけた。
店員的には何も分からない冒険者にナマクラを上手く売りつけたつもりなんだろう。
その時、不意に後ろから声を掛けられた。
「もう少しましな剣を買えるだろ?何だったら、買ってやるぞ。」
振り返ると、そこにはダートらが立っていた。
「大丈夫、厳選した逸品だから。」
テッドはその言葉に。
「幾ら厳選した一品と言っても、そのランクではたかが知れてるだろ。」
テッドがそういう横で別の店員が笑いをこらえてた。
「もうこれ、売買完了してるよね?」
笑いをこらえてた店員は頷いた。
「えぇ、もう……お客様のモノです。」
その言葉を聞き、剣を抜き。
「これ、うちの師匠の系統をひく逸品だよ。」
その言葉にその場の全員が唖然とした。
現在、Eランクであるリョーの師匠とすれば、良くてC級。
それが打った剣など粗悪品と分類されて、当たり前。
「幾らお前の師匠のモノだからって……。もう少し良いの買ってやるから。」
ダートは憐れむ様な目で見ていた。
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