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トラント
強欲
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「そんなに粗悪に見える?」
剣をダートに見せると、ダートは首を傾げながら。
「坊主、ダメなモノはダメなんだぞ。お前はこれが良いモノだと思いたいだけなんだ。自分を慰める意味でも。」
確かに普通の冒険者に鑑定眼などないもんな。
これ以上、議論しても仕方ないと思い、店の出口へ。
「どうしたの?また何か揉めてるの?」
入口側よりアリスが呆れ顔で歩いてきていた。
その隣には見た事のない女性が。
ダートは熱く、今までの経緯を説明し始めた。
「お前からも言ってやれ、ちゃんとしたモノを選べって。」
だが、その言葉を無視して、その女性が近づいてきて。
「貴方の師匠の系統なのは間違いない?貴方と同じ弟子の作品だとしても、それなりの品よね。」
ダートは話についていけずにイラッとしながら。
「小僧の師匠がどうしたんだよ。Eランクの師匠だぞ。」
女性はキリッとダートを睨み。
「この子の冒険者としてのランクなんて興味ないの。まさか噂の新星に会えるとはね。」
ダートはアリスに小声で何者かを聞いた。
「商業ギルド担当なの、この子。それでリョーの話になって、会いたいって付いてきたの。」
店員は状況が把握出来ずに。
「クラさん、彼の師匠って少しは有名な人なの?」
クラと呼ばれた女性は店員を指さしながら。
「少しは有名?彼の作品を扱う事が夢と言う商人も居るくらいの人物よ。」
「一体、どうしたんだ?」
店の奥からでっぷりとした男が現れた。
店員が説明すると、その男は慌てて。
「申し訳ございません。この店の責任者でゴルドと申します。その品はうちの者の手違いで、お詫びを上乗せ致しますので、返して頂けますか?」
リョーには有無を言わせず、剣を奪い取ると、店員に金を持ってこさせた。
金貨三枚をリョーに押し付け。
「これで充分ですよね。」
それをクラはやれやれと言う顔を見ていた。
「おい、こいつの師匠って、誰なんだよ。」
クラは溜め息混じりに。
「本当に商売に向いてないわ、ゴルド。彼の師匠はオードよ。」
ゴルドはオードの名を聞いて、更に大切そうに剣を抱き抱えていた。
「じゃあ、これはオードの作品なんだろ。」
「さっきから言ってるよね。師匠の系統だって。でも、弟子のモノとも言ってないんだけど。」
金貨三枚で買うかと聞かれれば、買わない。
うまく出来た模造品の域を出ない逸品だ。
ゴルドは言ってる意味が分からないという表情であった。
「つまり、これはオードの工房に少しはいた人物の作品だって事?」
リョーはクラの言葉に頷いた。
「オードの弟子と名乗れる人物は少ないものね。」
ゴルドはしばらく考え込んで、リョーに食ってかかった。
「このガキ、騙しやがったな。」
言いがかりにも程がある。
リョーから金貨を奪うと。
「返して貰うぞ。コイツを追い出せ。」
リョーは近付いてくる店員を制して。
「出ていくよ。」
クラは疲れた様な表情で。
「ゴルド……貴方、自分が何したか分かってるの?」
リョーは振り返ると、クラに問いかけた。
「この街で剣を手に入れれないみたいだから、何処か借りれる鍛冶場ある?」
クラは急な問いかけに驚きながら。
「探せばあると思うけど。」
「なら、依頼するよ。1週間程使える鍛冶場を探して。あっ、言っとくけど……オードの弟子なんて、まだまだ名乗れると思ってませんから。」
リョーは店を出て行きながら、ある後悔が……支払った銀貨を返金してもらってないと。
剣をダートに見せると、ダートは首を傾げながら。
「坊主、ダメなモノはダメなんだぞ。お前はこれが良いモノだと思いたいだけなんだ。自分を慰める意味でも。」
確かに普通の冒険者に鑑定眼などないもんな。
これ以上、議論しても仕方ないと思い、店の出口へ。
「どうしたの?また何か揉めてるの?」
入口側よりアリスが呆れ顔で歩いてきていた。
その隣には見た事のない女性が。
ダートは熱く、今までの経緯を説明し始めた。
「お前からも言ってやれ、ちゃんとしたモノを選べって。」
だが、その言葉を無視して、その女性が近づいてきて。
「貴方の師匠の系統なのは間違いない?貴方と同じ弟子の作品だとしても、それなりの品よね。」
ダートは話についていけずにイラッとしながら。
「小僧の師匠がどうしたんだよ。Eランクの師匠だぞ。」
女性はキリッとダートを睨み。
「この子の冒険者としてのランクなんて興味ないの。まさか噂の新星に会えるとはね。」
ダートはアリスに小声で何者かを聞いた。
「商業ギルド担当なの、この子。それでリョーの話になって、会いたいって付いてきたの。」
店員は状況が把握出来ずに。
「クラさん、彼の師匠って少しは有名な人なの?」
クラと呼ばれた女性は店員を指さしながら。
「少しは有名?彼の作品を扱う事が夢と言う商人も居るくらいの人物よ。」
「一体、どうしたんだ?」
店の奥からでっぷりとした男が現れた。
店員が説明すると、その男は慌てて。
「申し訳ございません。この店の責任者でゴルドと申します。その品はうちの者の手違いで、お詫びを上乗せ致しますので、返して頂けますか?」
リョーには有無を言わせず、剣を奪い取ると、店員に金を持ってこさせた。
金貨三枚をリョーに押し付け。
「これで充分ですよね。」
それをクラはやれやれと言う顔を見ていた。
「おい、こいつの師匠って、誰なんだよ。」
クラは溜め息混じりに。
「本当に商売に向いてないわ、ゴルド。彼の師匠はオードよ。」
ゴルドはオードの名を聞いて、更に大切そうに剣を抱き抱えていた。
「じゃあ、これはオードの作品なんだろ。」
「さっきから言ってるよね。師匠の系統だって。でも、弟子のモノとも言ってないんだけど。」
金貨三枚で買うかと聞かれれば、買わない。
うまく出来た模造品の域を出ない逸品だ。
ゴルドは言ってる意味が分からないという表情であった。
「つまり、これはオードの工房に少しはいた人物の作品だって事?」
リョーはクラの言葉に頷いた。
「オードの弟子と名乗れる人物は少ないものね。」
ゴルドはしばらく考え込んで、リョーに食ってかかった。
「このガキ、騙しやがったな。」
言いがかりにも程がある。
リョーから金貨を奪うと。
「返して貰うぞ。コイツを追い出せ。」
リョーは近付いてくる店員を制して。
「出ていくよ。」
クラは疲れた様な表情で。
「ゴルド……貴方、自分が何したか分かってるの?」
リョーは振り返ると、クラに問いかけた。
「この街で剣を手に入れれないみたいだから、何処か借りれる鍛冶場ある?」
クラは急な問いかけに驚きながら。
「探せばあると思うけど。」
「なら、依頼するよ。1週間程使える鍛冶場を探して。あっ、言っとくけど……オードの弟子なんて、まだまだ名乗れると思ってませんから。」
リョーは店を出て行きながら、ある後悔が……支払った銀貨を返金してもらってないと。
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