転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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反乱?

本命

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虎丸と2人、返り血で全身を真っ赤に染めたまま、男が言った屋敷へと向かって歩いていく。
だが、そんな格好で歩いている2人を放っておく訳もなく、巡回中の兵士に止められた。
依頼書を見せると、兵士は敬礼をして、立ち去った。
目的地に近づく程、兵士に止められる回数は増えた。
ある屋敷の前に何とか辿り着くと、そこには私兵であろう男が立っていた。
男は真っ赤に染まった二人を見ながら。
「この屋敷に御用でも?」
リョーは男を見ずに。
「聞かなくても心当たりあるだろ?」
男はニヤリと笑うと、腰の剣を一気に抜いた。
「このお屋敷の主が誰か分かってての狼藉なんだな?」
リョーは先ほど、拾った剣を腰に差したまま、先へと進もうとした。
慌てて男は立ち塞がった。
「そんな慌てずにゆっくりして行けよ。」
だが、その瞬間、後ろのドアが開いて、一人のひょろっとした男が姿を見せた。
「抜けがけはないだろ。」
男は舌打ちしながら、後ろに視線をやり、不満そうに。
「こんなガキ二人、オレにやらせてくれよ。」
だが、一瞬視線を逸らした瞬間に男の兜と鎧の継ぎ目にリョーの剣が突き刺さっていた。
後ろの男は一瞬、表情を固まらせたが、直ぐに。
「ダセェな、何やられてんだよ?それにそんな不意打ち、2度と通用しないぞ。」
リョーは口から血を流す男を蹴り、剣を引き抜いた。
「うちの仲間を可愛がってくれたのは誰だ?」
その言葉に男はニヤケながら。
「心当たりが有りすぎて、分かんねぇけど……。」
ドアからは続々と仲間が姿を現し、10人程がリョーらと対峙した。
「あっ、お前ら……トカゲの仲間だよな。わざわざ来てくれるとはな。」
一人がリョーを見ながら。
「あぁ、じゃあ……ここに居る全員だわ。痛ぶり甲斐があったよな、無駄に硬い鱗のお陰で。」
そう言いながら、男達は笑った。
その時、男らの後ろから恰幅のいい男が姿を見せた。
その隣には眼帯を付けた男を伴っていた。
「なんだ、騒がしいな。」
「コイツもですよ、お宅の依頼にあった嗅ぎ回ってるヤツってのは。」
恰幅のいい男はめんどくさそうな表情を浮べ。
「なら、そいつ等も片付けろ。うちへ押し入ろうとした賊としてな。」
眼帯の男はチラッとこちらを見たが、興味はなさそうな表情で。
「俺が出る相手じゃなさそうだな。」
「頭の手を煩わせる事はないですよ。」
「リザードマンの時もそう言わなかったか?」
男は苦笑いを浮べながら。
「あれは予想外に強かったんですよ。コイツらがあのトカゲより強いなんて有り得ないでしょう。」
リョーは眼帯の男を睨み。
「そっか、お前か……。」
今にも飛びかかろうという表情を浮かべていた。
「おぃ、ガキ。頭に相手して貰おうなんて百万年早いんだよ。」
男は剣を抜き、リョーに近付いてきた。
「お前ら、このガキは俺一人でやる。手を出すなよ。」
リョーは剣を構え、男に対峙した。
男は地面を蹴り、剣をリョーへと突き出した。
少し動きかけた虎丸をリョーは制し、その剣を払った。
男は少し驚いた表情で。
「少しはやるみたいだな。だが、そうじゃないと楽しめないもんな。」
少し膠着状態が続いたその時、後ろで見ていた男の一人がリョーに向かって、炎を飛ばした。
「何、やってんだよ。早く片付けろよ。」
リョーの反応が少し遅れ、炎の一部を喰らってしまった。
「せっかく遊んでたのに、余計な事しやがって。」
男は炎で吹き飛んだリョーを見ながら、残念そうに続けた。
「直ぐにラクにしてやるよ。」
だが、吹き飛んだ先のリョーの辺りから先ほどの何倍ものでかさの炎の矢が後ろで見ていた男達に突き刺さった。
「怒りを抑えるのに、手こずっちゃっただけだよ。」
そう言うと、炎の矢を喰らった後ろにいた男達に虎丸が向かっていった。
虎丸は笑みを浮かべ、防具など関係ないと言わんばかりに殴打していた。
眼帯の男と恰幅のいい男は屋敷の中へと入っていった。
先程までリョーの相手をしてた男は何が起こっているのか分からないまま、リョーの剣に貫かれていた。
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