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新天地
手に職を…
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村を追い出されて、初めて別の街を目指す事になったが、平原を越えた街では同じ事になるは分かっていた。
街を横目に見ながら、どうしようかと思い始めた。
この辺からもう半日くらい歩けば、別の街があるが、果たしてそこに受け入れてもらえるのか?
逆方向に三日くらい歩けば、かなり大きな街がある。
どちらに行こうか迷いながら、どうせ行くなら大きな街の方が良いよなって、そちらに行く事にした。
すれ違う馬車や馬に跨った一行を見ながら、良いなって思ってしまった。
街道から森や林など色々、興味をそそるモノは見えたが、下手に行って、怪我しても癒す場所を確保しなければ、安心して探検出来ない。
まぁ、お腹が空いた時は飯を確保する為に少し立ち寄ったが。
ウサギより一回り大きく、額に見事なツノを生やした一角ウサギは美味かったな。
街道には簡易な食事や品物を売る商人とかは居たが、僅かな持ち金を減らす訳にはいかなかった。
何より住む場所を確保する為に金は必要だったので、倹約する事に決めていた。
街道はやはり平和でたまに怪しげな一行も居たが、少年一人を襲う様な無駄な事はしないようだ。
それでもやはり黒髪は目立つようで、すれ違いざまに好奇の目で見られる事は多かった。
そして、目的の街がようやく見えた。
商業都市、フェルメール。
国内有数の大都市の一つである。
とりあえず門前ではチェックがあるらしく、長蛇の列になっていた。
列の最後尾に並び、順番を待ったが……街に入れなかったら、どうしようかとドキドキしていた。
列に並んだのは朝だったのに、順番が来たのは昼は過ぎていただろう。
「身分が分かるモノは?」
ブライから貰ったプレートを差し出すと、こちらを一瞬、チラッと見たが。
「追放かぁ……、ここでは問題起こすなよ。入街の目的は?」
「えっと、この街に住もうかと。」
「知り合いがいるのか?」
首を横に振ると。
受付の役人はため息をつき。
「街を入ったら、右手に職を斡旋してくれる場所がある。そこへ行けば、住み込みもあるだろう。なかなか難しいかもしれんが。」
意外と簡単に入れるんだな、髪も何も言われなかったし。
言われた建物に向かうと、そこにはビックリする程、立派な石造りの建物が。
中に入り、受付に向かい、用件を告げると。
「残念ながら、今はギルドに属してない者を雇う求人はないね。」
恰幅のいいおばさんはそれだけ言うと、次の人を呼んだ。
ギルドに属してないと流石に仕事すらないとは。
確かに元の世界で言えば、身元もはっきりしない未成年に当たる人間を雇うなんて、それこそ怪しい所くらいだろうな。
立ち去ろうとしたオレにおばさんは。
「ここにはないけど、直接行けば、雇ってくれる所もあるかもよ。」
とりあえず街中を歩く事にした。
場所狭しと商店が並んでいたが、オレを呼び込む人は居なかった。
って言うか、俺の髪が驚かれなかった理由は街を歩いてて、何となく分かった。
街中には人や獣人など亜人が入り乱れていた。
商店を通り過ぎ、道を一本外れると、そこは職人街なんだろう。
更に奥へと進んでいくと、槌の音が鳴り響いていた。
数件、訪ねてみたが、良い返事は貰えなかった。
手は足りてるだの、どこの骨が分からないヤツは雇えないだの。
理由は分かりやすかった。
それでも諦めずに何軒も回ってみたが、夜になっても雇ってくれる所はなかった。
一軒だけ誰もいない鍛冶屋があった。
微かな希望を込めて、なんどか訪ねてみたが。
いつ行っても誰もいなかった。
夜も遅くなり、今日はこれくらいかなって帰ろうとした時。
「おめぇ、昼からウチに何か用か?」
その声の主を見ると、ガッチリしたドワーフのいかにも職人気質の親父が立っていた。
「あの……働きたいんですが。」
「……ウチは廃業したんだ、他を当たりな。」
確かに鍛冶場に火は入ってなかったし、最近使われてる形跡はなかった。
だが、道具は手入れがされてるのか、ホコリもかぶっていなかった。
「そうですか……。」
流石に野宿する訳には行かず、近くの安宿でも探そうかと出た。
職人街にある飲み屋兼宿屋に入ると、ギルドにも入ってない子供は珍しいらしく。
「ギルドに入ってないと少し高くなっちゃうけど、いい?」
高いと言われても、この世界の物価が分からないので、言われるまま払うしかなかった。
ブライから受け取った革袋にはこの世界の硬貨が入っていた。
その中から言われた銅貨3枚を手渡した。
「じゃあ、カウンターに座って、夕食食べちゃって。」
言われるまま、席に座ると、パン(硬いパサつく)とスープ(かなり薄味の塩のみで味付けされた)、何かの煮込まれた肉が出てきた。
空腹もあり、それらを流し込んだ。
その途中で酔っぱらいに声をかけられたが、適当にあしらいながら、食べ進めた。
今日、行った何処かの工房の人も声をかけてきた。
「何処か雇ってくれそうな所はあったか?」
首を横に振ると、済まなさそうな顔をしながら。
「だろうな。」
あのドワーフの親方が気になり、聞いてみると。
「オードの親方か……。名工だったんだが、あんな事があったからな。」
街を横目に見ながら、どうしようかと思い始めた。
この辺からもう半日くらい歩けば、別の街があるが、果たしてそこに受け入れてもらえるのか?
逆方向に三日くらい歩けば、かなり大きな街がある。
どちらに行こうか迷いながら、どうせ行くなら大きな街の方が良いよなって、そちらに行く事にした。
すれ違う馬車や馬に跨った一行を見ながら、良いなって思ってしまった。
街道から森や林など色々、興味をそそるモノは見えたが、下手に行って、怪我しても癒す場所を確保しなければ、安心して探検出来ない。
まぁ、お腹が空いた時は飯を確保する為に少し立ち寄ったが。
ウサギより一回り大きく、額に見事なツノを生やした一角ウサギは美味かったな。
街道には簡易な食事や品物を売る商人とかは居たが、僅かな持ち金を減らす訳にはいかなかった。
何より住む場所を確保する為に金は必要だったので、倹約する事に決めていた。
街道はやはり平和でたまに怪しげな一行も居たが、少年一人を襲う様な無駄な事はしないようだ。
それでもやはり黒髪は目立つようで、すれ違いざまに好奇の目で見られる事は多かった。
そして、目的の街がようやく見えた。
商業都市、フェルメール。
国内有数の大都市の一つである。
とりあえず門前ではチェックがあるらしく、長蛇の列になっていた。
列の最後尾に並び、順番を待ったが……街に入れなかったら、どうしようかとドキドキしていた。
列に並んだのは朝だったのに、順番が来たのは昼は過ぎていただろう。
「身分が分かるモノは?」
ブライから貰ったプレートを差し出すと、こちらを一瞬、チラッと見たが。
「追放かぁ……、ここでは問題起こすなよ。入街の目的は?」
「えっと、この街に住もうかと。」
「知り合いがいるのか?」
首を横に振ると。
受付の役人はため息をつき。
「街を入ったら、右手に職を斡旋してくれる場所がある。そこへ行けば、住み込みもあるだろう。なかなか難しいかもしれんが。」
意外と簡単に入れるんだな、髪も何も言われなかったし。
言われた建物に向かうと、そこにはビックリする程、立派な石造りの建物が。
中に入り、受付に向かい、用件を告げると。
「残念ながら、今はギルドに属してない者を雇う求人はないね。」
恰幅のいいおばさんはそれだけ言うと、次の人を呼んだ。
ギルドに属してないと流石に仕事すらないとは。
確かに元の世界で言えば、身元もはっきりしない未成年に当たる人間を雇うなんて、それこそ怪しい所くらいだろうな。
立ち去ろうとしたオレにおばさんは。
「ここにはないけど、直接行けば、雇ってくれる所もあるかもよ。」
とりあえず街中を歩く事にした。
場所狭しと商店が並んでいたが、オレを呼び込む人は居なかった。
って言うか、俺の髪が驚かれなかった理由は街を歩いてて、何となく分かった。
街中には人や獣人など亜人が入り乱れていた。
商店を通り過ぎ、道を一本外れると、そこは職人街なんだろう。
更に奥へと進んでいくと、槌の音が鳴り響いていた。
数件、訪ねてみたが、良い返事は貰えなかった。
手は足りてるだの、どこの骨が分からないヤツは雇えないだの。
理由は分かりやすかった。
それでも諦めずに何軒も回ってみたが、夜になっても雇ってくれる所はなかった。
一軒だけ誰もいない鍛冶屋があった。
微かな希望を込めて、なんどか訪ねてみたが。
いつ行っても誰もいなかった。
夜も遅くなり、今日はこれくらいかなって帰ろうとした時。
「おめぇ、昼からウチに何か用か?」
その声の主を見ると、ガッチリしたドワーフのいかにも職人気質の親父が立っていた。
「あの……働きたいんですが。」
「……ウチは廃業したんだ、他を当たりな。」
確かに鍛冶場に火は入ってなかったし、最近使われてる形跡はなかった。
だが、道具は手入れがされてるのか、ホコリもかぶっていなかった。
「そうですか……。」
流石に野宿する訳には行かず、近くの安宿でも探そうかと出た。
職人街にある飲み屋兼宿屋に入ると、ギルドにも入ってない子供は珍しいらしく。
「ギルドに入ってないと少し高くなっちゃうけど、いい?」
高いと言われても、この世界の物価が分からないので、言われるまま払うしかなかった。
ブライから受け取った革袋にはこの世界の硬貨が入っていた。
その中から言われた銅貨3枚を手渡した。
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言われるまま、席に座ると、パン(硬いパサつく)とスープ(かなり薄味の塩のみで味付けされた)、何かの煮込まれた肉が出てきた。
空腹もあり、それらを流し込んだ。
その途中で酔っぱらいに声をかけられたが、適当にあしらいながら、食べ進めた。
今日、行った何処かの工房の人も声をかけてきた。
「何処か雇ってくれそうな所はあったか?」
首を横に振ると、済まなさそうな顔をしながら。
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