転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

文字の大きさ
19 / 230
ギルドに所属しました

王都へ

しおりを挟む
すんなり王都に入れるかと思ったら、入れない……。
原因はそう、虎丸。
登録されてないモンスターは検疫を受けないと、ダメらしい。
半日かかるって……。
連れていかれる虎丸は暴れたから、また大変な事に。
そして、困ったのが役人が。
「で、この種類は?」
種族は分かってるんだが、あの文字に誰にでも言うなよって、念入りに言われたんだよな。
「確か……哭犬ヘルドックだったはず。」
「哭犬かぁ……、なかなか賢そうだな。」
哭犬もそれ程、数は多くはない種類だが、王都であるここ、デュポンならたまに見かけるだろうって、文字が言ったから。
とりあえず、デュポンへ入れるのは翌朝になってからだと言われ、門の前にある簡易宿に泊まる事になった。
流石は王都、場合によっては昼に着いても、その日中に入れない程の待つ時があるそうだ。

翌日、ようやくデュポンの街の中へ。
虎丸は首輪とリードを着けられていた。
大分、暴れたんだろうな……職員の顔がかなりお疲れでした。

街の中へ入ると、虎丸は周りをキョロキョロ見ながら、こちらを何度も振り向いた。
フェルメールも立派だったが、やはり王都なだけは有り……デュポンの町並みは圧巻であった。
石造りの強固な建物が建ち並び、はるか奥には純白な城がそびえ立っていた。
「あれ?もしかして、キミって?」
不意に背後から声が……振り返ると、立派な青で統一された鎧兜を身に纏った騎士が馬上から降りようとしていた。
「えっと……?」
兜で顔が見えなかったし、こんな立派な格好をした知り合いに心当たりがなかった。
一瞬、その騎士は戸惑いながらも、兜を脱ぎ。
「覚えてないかな?サラと一緒に一度、会った。」
「……あっ、ティーロ…さん?」
そう言った瞬間、後ろから少し遅れてきた騎士に剣を突きつけられた。
「ティーロ様に馴れ馴れしい。」
虎丸はその騎士に向かい、威嚇の様な唸り声をあげていた。
「ニース、剣を下ろせ。」
「しかし、ティーロ様。」
「良いから、下ろせ。」
ニースと呼ばれた男は渋々、剣を鞘に収めた。
「悪かったな。知り合いが失礼な事をして。」
ティーロの言葉を聞きながら、まだ唸る虎丸の頭を撫でた。
「いえ、こちらが無礼でしたので。」
よく考えてみれば、相手は王立学院に入る程のエリート……それにこの出で立ちからすれば、出も良いのだろう。
片膝をつき、軽く頭を下げた。
「村での話は聞いたよ。でも、元気そうで良かった。サラもキミの事を心配してたから。」
「ティーロ様、そろそろ行かなければ……。」
「あぁ、そうだな。悪い、呼び止めたのに、ゆっくり話す時間もなくて。デュポンにしばらく滞在されるのか?」
特に急ぐ用もないし、今日着いたばかりなので頷くと。
「なら、またゆっくり話でもいたそう。」
ティーロはそう言うと、馬に跨り、去って行った。
《ティーロ・カシューム:17歳、モナス王国騎士団所属第七隊小隊長。Cランク。カシューム家次期当主。》
既にCランクという事はエリート中のエリートなんだなって。
虎丸は頭を撫でられ、ご満悦の表情を浮かべていた。

街中を散策するのもいいが、その前に腹ごしらえでもしようかと、街を歩いていると。
虎丸は何処かに行こうとリードを引っ張る。
強引に引っ張る事も出来るのだが、虎丸が何をしたいのか、少し様子を見る為についていく。

虎丸はある場所に着くと、そこに座り、尻尾を左右に振っている。
そこはデュポンの中でもかなり外れになるであろう場所にあり、間違いなく、ここには何も無いだろう。

いゃ、あるのはあるんだけど……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?

六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」 前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。 ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを! その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。 「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」 「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」 (…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?) 自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。 あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか! 絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。 それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。 「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」 氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。 冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。 「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」 その日から私の運命は激変! 「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」 皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!? その頃、王宮では――。 「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」 「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」 などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。 悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!

【1部完・2部準備中】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略

神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。 そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。 これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

処理中です...