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王都
リフォーム
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居るであろう酒場に向かうと、カウンターの端に呑んでくれてる女性が。
「石工のセリさんですか?」
「残念ながら、金なら無いよ。」
こちらを全く見ずに。
「いや、そうじゃなくて……ちょっと手直しをして欲しいんですけど。」
ようやくこちらをチラッと見て、品定めする様に見て。
「で、幾ら払えるの?」
「幾ら払えるって、現物も見ないで請けれるのか?」
「あんた、ランクは?」
「えっと……Gです。」
「G?ハッ、私も堕ちたのね、堕ちるところまで。」
笑ったかと思ったら、一気にグラスをあけ、グラスを投げつけた。
「手直しって、アンタみたいな青二才の住処なんて私の仕事じゃないの。しかも、Gランクの依頼とはね。」
「セリ……うちのツケもそろそろ少しは払ってくれよ。 ボウズの仕事、請けやれよ。」
「チッ、マスターの頼みなら仕方ない。後で行くから、場所は?」
場所は街の外れの屋敷だと言うと。
「えっ?街外れって黒い屋敷の事か? 」
セリは立ち上がり。
「えぇ、確か黒い屋敷だった気が……。」
「あそこをアンタが?」
「えぇ、お爺さんが貸してくれるって。」
「……改めて聞くわ。アンタ、幾ら払えるの?」
「えっと、幾らくらいかかるんですか?」
指を3本立てた。
「えっと……金貨三十枚?」
セリは首を横に振った。
「えっ、三百枚………。」
言葉を失った。それなりにはするだろうと思ってはいたが、金貨三百枚もするなんて。
リフォームに三千万もかかるとは。
「そんなにしないから。そもそも、あそこに手直しは必要ないわ。あるとしたら、外壁を洗うくらいで金貨三枚でいいわ。アンタも手伝ってもらうわよ。それでもかなり割安にしてるんだけど。でも、あの屋敷を近くで見れるなら、それで充分。でも、あるの?」
金貨三枚?Gランクとは、そんな貧困層なんだろう。
革袋から金貨三枚を取り出し、テーブルに置くと。
「明後日から作業するから。」
二日で人夫の手配をするらしい。
セリは金貨一枚をマスターに渡し。
「これ、ツケの足しにしといて。」
「まだ全然足りねぇけどな。」
マスターはそう言いながら、豪快に笑っていた。
酒場を後にして、しばらく歩いていると、誰かが付いてくる気配が。
ん?目の前にマップみたいなのが浮かび、青と赤の点が記されていた。
青は自分で赤は付いてくる人なんだろ。
赤点が点滅し始めた。
振り返り、剣に手をかけたが……それより早くその人物は地面に押し倒されていた。
しかも、首元に牙を立てられていた。
「や、やめてくれ……。」
虎丸はゆっくりと愉しむ様に牙を食い込ませていっていた。
「虎丸、離してやれ。」
虎丸は玩具を取り上げられたように寂しそうにこちらを見ながら、体を離した。
「で、何で襲ってきたんだ?」
声を震えさせながら、男は金が欲しかったんだって。
確かに酒場で金貨なんか出してたら、金持ってると思うよな。
その男を見逃してやる事にしたが、少し歩くと倒れてしまった。
〈……虎丸の牙はただの牙じゃないからな。それに忘れてるのかもしれないが、虎丸は黒きモンスターなんだぞ。〉
確かに黒いモンスターは危険だって、聞いたっけ?
あれ?じゃあ…デュポンの人たちは慣れてるのか?
〈虎丸は他のほとんどの人間には黒には見えてないから。茶色に見える様にフェイクがかかってるから。虎丸は上位モンスターだって言っただろ。〉
あっ、そう言えば……虎丸はフェンリルらしい。
哭犬とは格が違いすぎるらしい。
多分、バレると王都には入れないどころか、オレも捕まるだろうって。
だって、オレ……Gランクだもんな。
そういえば、さっきのマップみたいなのが新しいプレゼント?
〈違うよ。それは汎用スキルだから、多分……盗賊スキルじゃない。〉
…………プレゼントって、特別なスキルなん?
〈まぁ、その内教えてやるから。楽しみにしといて。〉
文字はまた反応してくれなくなった。
「石工のセリさんですか?」
「残念ながら、金なら無いよ。」
こちらを全く見ずに。
「いや、そうじゃなくて……ちょっと手直しをして欲しいんですけど。」
ようやくこちらをチラッと見て、品定めする様に見て。
「で、幾ら払えるの?」
「幾ら払えるって、現物も見ないで請けれるのか?」
「あんた、ランクは?」
「えっと……Gです。」
「G?ハッ、私も堕ちたのね、堕ちるところまで。」
笑ったかと思ったら、一気にグラスをあけ、グラスを投げつけた。
「手直しって、アンタみたいな青二才の住処なんて私の仕事じゃないの。しかも、Gランクの依頼とはね。」
「セリ……うちのツケもそろそろ少しは払ってくれよ。 ボウズの仕事、請けやれよ。」
「チッ、マスターの頼みなら仕方ない。後で行くから、場所は?」
場所は街の外れの屋敷だと言うと。
「えっ?街外れって黒い屋敷の事か? 」
セリは立ち上がり。
「えぇ、確か黒い屋敷だった気が……。」
「あそこをアンタが?」
「えぇ、お爺さんが貸してくれるって。」
「……改めて聞くわ。アンタ、幾ら払えるの?」
「えっと、幾らくらいかかるんですか?」
指を3本立てた。
「えっと……金貨三十枚?」
セリは首を横に振った。
「えっ、三百枚………。」
言葉を失った。それなりにはするだろうと思ってはいたが、金貨三百枚もするなんて。
リフォームに三千万もかかるとは。
「そんなにしないから。そもそも、あそこに手直しは必要ないわ。あるとしたら、外壁を洗うくらいで金貨三枚でいいわ。アンタも手伝ってもらうわよ。それでもかなり割安にしてるんだけど。でも、あの屋敷を近くで見れるなら、それで充分。でも、あるの?」
金貨三枚?Gランクとは、そんな貧困層なんだろう。
革袋から金貨三枚を取り出し、テーブルに置くと。
「明後日から作業するから。」
二日で人夫の手配をするらしい。
セリは金貨一枚をマスターに渡し。
「これ、ツケの足しにしといて。」
「まだ全然足りねぇけどな。」
マスターはそう言いながら、豪快に笑っていた。
酒場を後にして、しばらく歩いていると、誰かが付いてくる気配が。
ん?目の前にマップみたいなのが浮かび、青と赤の点が記されていた。
青は自分で赤は付いてくる人なんだろ。
赤点が点滅し始めた。
振り返り、剣に手をかけたが……それより早くその人物は地面に押し倒されていた。
しかも、首元に牙を立てられていた。
「や、やめてくれ……。」
虎丸はゆっくりと愉しむ様に牙を食い込ませていっていた。
「虎丸、離してやれ。」
虎丸は玩具を取り上げられたように寂しそうにこちらを見ながら、体を離した。
「で、何で襲ってきたんだ?」
声を震えさせながら、男は金が欲しかったんだって。
確かに酒場で金貨なんか出してたら、金持ってると思うよな。
その男を見逃してやる事にしたが、少し歩くと倒れてしまった。
〈……虎丸の牙はただの牙じゃないからな。それに忘れてるのかもしれないが、虎丸は黒きモンスターなんだぞ。〉
確かに黒いモンスターは危険だって、聞いたっけ?
あれ?じゃあ…デュポンの人たちは慣れてるのか?
〈虎丸は他のほとんどの人間には黒には見えてないから。茶色に見える様にフェイクがかかってるから。虎丸は上位モンスターだって言っただろ。〉
あっ、そう言えば……虎丸はフェンリルらしい。
哭犬とは格が違いすぎるらしい。
多分、バレると王都には入れないどころか、オレも捕まるだろうって。
だって、オレ……Gランクだもんな。
そういえば、さっきのマップみたいなのが新しいプレゼント?
〈違うよ。それは汎用スキルだから、多分……盗賊スキルじゃない。〉
…………プレゼントって、特別なスキルなん?
〈まぁ、その内教えてやるから。楽しみにしといて。〉
文字はまた反応してくれなくなった。
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