Exスキル『能力100万倍』で、あべこべ世界で苦しむ奴隷達の『低価値スキル』を超優秀に!ただし、『性欲100万倍』の副作用付きですが...。

たけ

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第二章 回復系魔法使い クラリス

第15話 ご飯何て、2日に1度で結構です!

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 朝、日差しの明るさに導かれるかの様に自然と目が覚めた。何だか暑いな。それになんだか狭く感じる。隣を見るとブランケットをかぶった裸の女性が俺に抱き付いていた。

 「うわっ!」

 思わず声が出てしまった。そうだ、昨日は異世界のケインズ村に行って、それから奴隷商からメルを買ったんだ。そして戦闘に巻き込まれて...。

 メルが強くなったけど、その代償としてメルの性欲が暴走したんだ...。

 メルは俺にしっかりと抱き付いていた。もう痛いぐらい。メルの二つの柔らかな物体が少し潰れながらも、その素晴らしい形をしっかりと保っている。

 「う、うーん。ご、ご主人様!お、おはようございます。す、すみません。ど、奴隷の身分でありながら、ご主人様よりも遅く目覚めるなんて...。あってはならない事です。も、申し訳ございません」

 恐怖で顔が蒼白になったメルは、慌ててベッドから飛び降り、裸のまま床に土下座をして俺に対して謝ってきた。裸体の首にチョーカー型の首輪が妙にエロい。

 そのままの姿勢でメルは「昨日はご慈悲を頂き、誠にありがとうございました。メルは幸せ者です!んなに素敵なご主人様に初めてを貰って頂き、更には『愛しているよ』と何度も呟いて頂けたメルは、本当に幸せ者です!」

 深々と裸の恰好のままで土下座をしてきた。顔をあげたメルは本当に幸せそうであった。

 「メル、幸せなのは俺の方なんだよ。何度も言ったろう?この世界ではメルはすごく美人なんだよ。それに...こんな俺のことを素敵だなんて言ってくれるなんて、こっちが信じられないよ」

 俺は、メルが土下座をしながら喜ぶ姿に困惑した表情を浮かべつつ、今思っていることをメルに伝えた。

 「確かにご主人様の世界は、私のようなブサイクが持ち上げられている国の様です。でも...私は向うの世界の人間です。何度聞いても自分の外見に自信は持てません。ずっとそういう目で見られてきましたから...」

 メルは、心の奥から湧き上がる痛みがその瞳に宿っているかのように、辛さを滲ませながらじっと俺を見つめ返した。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 「メル...。そんなことないよ。本当に綺麗だよ。ねぇメル?俺はナイメール星でメルが安心して暮らせる国を作る予定なんだ。協力してくれるかい?」

 メルに俺の思いを告げると、「私が安心して暮らせる国...」と、非常に驚いた表情をして、俺の言った内容を繰り返した。

 「メルと同じ様に外見で不幸な目にあっている者達を、俺は救うつもりだ。そしてみんなが安心して暮らせる場所を作るんだ!」

 俺はみんなに対して力を与えることが出来る。ただし、メルみたいに信頼と愛情が100%にならないと力が発揮できないみたいだけど...。

 それに...男性を助けるとどうなるのだろう?大丈夫だろうか...。副作用で根性が、100万倍になっちゃうんだよね?ちょっと不安だ...。でも、今はメルのことが大切だ。メルの不安を解消してあげないと。

 「メル、向こうの世界、ナイメール星ではメルよりも強い者はいないだろう?戦闘が重要視される向こうの世界で、メルはもう馬鹿にされることはないよ」と、メルを見つめてそう伝えた。

 ただ、メルは大きく首を横に振って、慌てて俺の言った言葉を否定した。

 「それは、ご主人様がいてくれるからです!でも、そうですね!ご主人様!私と同じように苦しんでいる者達は沢山います。特にエルフ族は人族に見下されております。必要な物資も人族から高い値段で買わされています。助けてあげましょう!」

 本当に美しさの概念が違うんだな。地球では美のシンボルとされるエルフが蔑《サゲス》まれているなんて...。

 「そ、それとご、ご主人様!」と言って土下座した状態から顔をあげ、俺の目に切実な眼差しを向けてきた。

 俺の目に映るメルの乳房や、きめ細やかな肌、艶やかな唇等、その全てが俺の欲望を刺激する。メルはそんな俺の反応を確かめているかの様であった。

 「そ、その!仲間が増えても私を捨てないで下さいますか?私にその、いつまでもいつまでも、ご慈悲を与えて下さいますか?」と、メルは切羽詰まった様な表情で、俺に迫ってきた。

 「も、勿論だよ」メルの気迫のこもった言動に押されるかの様に、慌てて返事をして、そのままメルから押し倒された。

 俺がメルを抱きしめたことによって、メルの胸の形が歪んだ。お互いの距離が縮まったことで2人の体温が一気に上昇した。

 メルは幸せそうな表情と行動の一つ一つで俺を向かい入れた。「ご主人様...お慕いしております。私を、私をどうか捨てないで下さい...。どうかご主人様のお傍にずっと、ずーとおいて下さい。何でも致しますから...」と涙を流しながら訴えてきた...。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 互いの気持ちを確かめ合った後、メルは穏やかな表情になった。今日はバイトも無い。メルがこの世界に馴染めるように、一緒に街並みを歩いたり、近くのショッピングセンターに案内して、洋服などを買う予定だ。

 だが...まずは腹ごしらえだ。メルにご飯を出した。とわいっても冷凍ピラフとカップラーメンだが。朝からそんな物を女性に食わすなと思われるかもしれないが...。

 俺だよ?。ブーちゃんだよ。こってり系が大好きなの。それにこんな物しか冷蔵庫には、入っていないもん。

 メルと俺は昨晩から今日の朝にかけて、ご飯を食べずに激しく愛し合った。「メルごめんね。お腹空いただろう?そうメルに聞くと、メルはきょとんとした顔で「ご飯何て2日に1度程度でした。水も10時間に一度だけでしたし」と、恐ろしい言葉を返してきた。

 ビッグハムの奴~!うちの可愛いメルに、どんな生活をさせていたんだ⁉


◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 今後はメルに一日三食を食べて健康になるようと伝えた。だが...。

 「ご主人様!お気持ちはありがたいのですが...メルはそんなにお食事はいりません!」ときっぱりと断ってきた。

 理由はなかなか喋ろうとしなかったが、どうやら俺が、今のメルの体型を気に入っていることが原因らしい。メルは、俺が胸が大きくてウエストがスリムな体型を好むことを知り、このプロポーションを維持するために食事量をセーブしたいらしい。

 「メルは2日に一度の食事で十分です!たくさん食べ過ぎて体型が変わり、ご主人様に嫌われたくありません!今までの様な野菜くずで十分です」そう言ってきた。

 メ、メル...。こうなった時のメルは、頑固で骨が折れるんだよな...。はぁ...。
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