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第十二章
320.LOVE HUNTERとは
しおりを挟む「確かに信じられない気持ちはわかる。私達も和葉の気持ちがよくわからないから。……でもね、和葉はあの話を知られてから毎日抜け殻のようだった。学校に来ても机にうずくまって口を開いてくれないし、放課後は荷物を持って何処かに行っちゃうし」
「……」
「実はあの子、胸の内を話さない子なの。恋の相談とか、自身の悩みとか。……でも、秋頃からいつも一人で泣いてた。藤田さんに話を聞くまでは泣いてる理由が分からなかった。お昼ご飯もまともに食べないし、授業も受けれない。保健室で寝込む日々が続いていた。それに加えて日を追うごとにやせ細っていって……」
「あいつが、まともに授業を受けれないくらい体調を崩してた……?」
「嘘じゃないよ。藤田さんからの話や普段の様子を見てそう思ったの。だから、賭けで狙っていた事なんて忘れちゃうくらい和葉は本気で弘崎くんの事が……」
「祐宇! この辺にしておきな。こいつの事なんて放っておきなよ」
ーーそれは、祐宇の話が起動に乗って、拓真の気持ちが少しずつ揺れ始めていた矢先の出来事だった。
「ちょっと……、凛!」
「こいつは和葉の中身を見てきてるんだから、私達がわざわざ口出しする問題じゃない。だから、ほっときな」
凛はまるで今さっきまでの話をリセットするかのようにそう吐き捨てた。
祐宇は予想外の口出しに、思わず目をギョッとさせる。
祐宇「凛~~~っ!」
凛「どうせ、こいつは人の話をただ鵜呑みして、勝手に妄想を膨らませて勝手に怒ってるだけ。器のちっぽけな男」
拓真「なにっ!」
凛「イライラするくらいなら思い返してみなよ。私達には和葉の気持ちがわかんないって言ってんの。表面ばかり切り取ってないで、少しは現実に目を向けたら? 怒る暇があるなら自己解決したらどうなの? 女みたいにウジウジ甘えてんじゃねーよ」
拓真「くっ……」
凛はキツくそう吐き捨てると、背中を向けて南校舎の教室の方へ足を進ませた。
祐宇は凛のせいで恩返しどころか台無しにされたような気分のまま先行く凛の背中について行き声を届けた。
「凛、まだ話は終わってないよ」
「何言ってんの? ……ってか、タイムリミット! 早く教室に戻らないと和葉が登校しちゃうよ」
「でも、拓真と話すチャンスはもうないかももしれないよ?」
「元々あいつに話なんて、ないない」
拓真と話を続けたい祐宇と、もう話はないと断言する凛。
気持ちに温度差が生じながら言い争っていると、背後から拓真の声が届いた。
「最後に教えて欲しい。さっき言ってたLOVE HUNTERって一体どーゆー意味?」
すると、凛は足を止めて振り返った。
「そうねぇ、直訳すると愛をあさり回る人だけど、本当は人一倍愛に包まれていたい女って言った方がわかりやすいかもね。……ま、上っ面でしか人を判断しないあんたには到底理解できないか」
呆れ眼でそう伝えると、再びプイッと顔を背けて教室へと戻って行った。
祐宇は最後に拓真とチラッと目線を合わせて、何か物言いたげな目をしたまま凛の後を追った。
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