生まれるはずだった人

ふぁ

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大切な時間

どうして優しくするの?

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収容所の中には沢山の未来に羽ばたく赤ちゃんとそのサポーター(ライフスタートビジネスの人)がいた。



泣いている赤ちゃんも入れば、笑っている赤ちゃんもいた



もしかしたら、この中に居るかもしれないと思い
探そうとしたら



クハク「…寝坊したなクソ下僕」


いたーー!!


ヨサク「…ごめんなさい……」



よくみると吐く先輩は赤ちゃんを抱き抱えていた




やっちまったなぁー





ヨサク「いやー、赤ちゃんが居なくてビックリしましたよー、先輩が抱っこしてここにいるなんて考えつかなかったなー…なんて」





クハク「顔面をぐちゃぐちゃにしてやろうか?」





ヨサク「なんでもありません。」








怒られるとかよりも赤ちゃんのことばかり考えていたので
とりあえず、ほっとした





フシキ「あれ?ヨサクじゃん、どうしてここに」



えっと、…その…ねぼ…



クハク「俺が連れてきた」





ヨサク「えっ」




フシキ「えっ?あのクハクがー?!」

クハク「五月蝿い、赤ちゃんが泣く」




フシキ「あぁ、ごめん…。」





クハク「フシキ、あの用は済んだか?」



フシキは驚きながらコクりと頷く



クハク「…付いてこい、クソ下僕」




ヨサク「あのークソ下僕って名前やめてくれません?」




そう茶番をいいながら二人は別の場所に向かった




フシキはあのあとずっと棒立ちしていたらしい



収容所の中はざわめきで溢れていた




なぜなら、研修生がサポーターの足を引っ張ったりしたら何をしてもいいという契約がされている



つまり大半の研修生はサポーターの気を損ねただけでも殴られたり、叩かれたりして、研修生はサポーターに支配されるのが一般的だった





サポーターたちは目付きの悪さ+攻撃力を兼ね揃えている
クハクが怖かったのですが





あのヨサクを見て戸惑いを隠せきれませんでした。







ヨサク「ねーねー。歩くの早いでーす。もう少しゆっくり歩かないと赤ちゃんも可哀想でーす」





クハク「五月蝿い」



笑っている赤ちゃんを見て、疑問に思ったことを聞いちゃいけない気がしたけれど聞いてみた




ヨサク「…どうして、…」





クハク「…なんだ?」






ヨサク「どうして私に優しくするんですか?」










クハク「…」






ヨサク「確かに、私の体って生まれつき無敵なので形は変わらないですけれど痛みは感じるんですよ」










クハク「…お前は、前世の記憶をもっていて、今後の参考になりそうだからだ」




ヨサク「それだけ?…。多分違いますよね?」




クハク「は?」





ヨサク「嘘を言っているとき目がキョロキョロするって教科書に載ってました!」




クハク「…黙れクソ下僕」



ヨサク「…一応言っておきますけど私前世の記憶はほぼないです。」





ヨサク「あと、その、色々と感謝して…ます。これからもよろしくお願いします。」




なんか恥ずかしいー!けど今、伝えておこう




クハク「…遅い」







あのとき先輩が笑っているのを初めて見た



どうして私に優しくするのか…




このあと会った友達が傷をつけられていたのを見て、サポーターを恐がっている様子を見て余計に思った
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