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初めての街
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次の日、生まれて初めて街の方に出ることになった。
父さんかリアムの付き添いの元、家の周りを歩き回ったり、遊んだりしたことはあるが、それ以上のことをしたことがなかったので、とても楽しみである。
今回はみんなで買い物をしに行くだけだが、街をみれるだけでも貴重だ。
家から歩いて数十分かかってしまうということで、今は水などをリュックに詰めている。
「リリィ、エリカ、準備はできたかい?」
ちょうど背負おうとした時、リアムが部屋に確認をしにきた。
少し嬉しそうな表情で扉の端からひょこっと顔を出し、返答を待っている。
きっと初めて俺たちと出かけることのできる今日という日が、嬉しくてたまらないのだろう。
「「できたよ」」
二人でにこっと笑顔を作ると、リアムは俺たちの手を握り歩き始めた。
家の外に出ると、普段から着ているシャツの上に、分厚く重そうなローブを着て腰に剣を差している父さんと、少し長めのスカートをはいていつもより可愛らしい服を着た母さんがいた。
「じゃあ行くか。守護の陣付与式」
出発しようと歩き出した父さんがそういうと、少しずつ家が透明な壁で囲まれた。
「なにをしたの?」
初めて見る光景故に、エリカは父さんに問いかける。
「留守の間侵入されないようにね。この壁に触る人がいたら父さんに知らせてくれるんだ。壁自体もなかなかの強度を持っているからそう簡単には突破できないだろうな」
一応鍵は存在するのだが、山の中腹にある家のため危険はある。それを補うために魔力を行使して家を守ると言うわけか。
人気の少ないこの場所ではどんな手段を取ってくるかわからないからな。
「それじゃあ二人とも、いきましょうか」
父さんを先頭に、俺は母さんと手を繋ぎ、エリカはリアムと手を繋いで街へと歩き始めた。
足が痛くなり始めた頃、ようやく目的地が見えてきた。見える景色は前の世界で言う所の駅前のような場所で、見たこともない施設が複数存在していた。
「さて、みんなで買い物を楽しみたいところだけど、見ての通り人も多いし、ここは男女で別れるとしよう」
異論は特になく、男性組と女性組に分かれて街を歩くことになった。
リアムが何か言うんじゃないかと思ったのだが、むしろ楽しそうだ。
これはおそらく何かあるんだろうな。そんなことを考えながら母さんの手を握った。
「やることが終わったら街の広場に集まろう。じゃあまた」
それを最後に、二手に分かれ街へと入った。
「まずはどこに行くの?」
「そうね、食材は最後に買うとして、最初は服かしらね。女の子なんだし、自分で選んだ服を一着は持っておかないと」
俺たちの着ている服を見ながら母さんは言った。
言われてみると確かに、母さんが買ってきてくれた服以外は持っていないし、これから先必要になってくるだろう。
それに、女子として服というのはとても大切だ。これから色々勉強しなくてはいけない。
「服を買うときにいつもお世話になってるお店があるから、そこにいきましょうか」
センスが乏しいのがバレてしまわないか心配だ。ふとエリカの方に目をやると、とても輝いた目で歩いていた。
過去何度か見たことがあるが、この目は本当に楽しいときにしか見せない目だ。
考えてみればエリカは服を選ぶのとか得意そうだよな。というより、好きなのかな。
なら、エリカに服を選んでもらうのもありだな。
父さんかリアムの付き添いの元、家の周りを歩き回ったり、遊んだりしたことはあるが、それ以上のことをしたことがなかったので、とても楽しみである。
今回はみんなで買い物をしに行くだけだが、街をみれるだけでも貴重だ。
家から歩いて数十分かかってしまうということで、今は水などをリュックに詰めている。
「リリィ、エリカ、準備はできたかい?」
ちょうど背負おうとした時、リアムが部屋に確認をしにきた。
少し嬉しそうな表情で扉の端からひょこっと顔を出し、返答を待っている。
きっと初めて俺たちと出かけることのできる今日という日が、嬉しくてたまらないのだろう。
「「できたよ」」
二人でにこっと笑顔を作ると、リアムは俺たちの手を握り歩き始めた。
家の外に出ると、普段から着ているシャツの上に、分厚く重そうなローブを着て腰に剣を差している父さんと、少し長めのスカートをはいていつもより可愛らしい服を着た母さんがいた。
「じゃあ行くか。守護の陣付与式」
出発しようと歩き出した父さんがそういうと、少しずつ家が透明な壁で囲まれた。
「なにをしたの?」
初めて見る光景故に、エリカは父さんに問いかける。
「留守の間侵入されないようにね。この壁に触る人がいたら父さんに知らせてくれるんだ。壁自体もなかなかの強度を持っているからそう簡単には突破できないだろうな」
一応鍵は存在するのだが、山の中腹にある家のため危険はある。それを補うために魔力を行使して家を守ると言うわけか。
人気の少ないこの場所ではどんな手段を取ってくるかわからないからな。
「それじゃあ二人とも、いきましょうか」
父さんを先頭に、俺は母さんと手を繋ぎ、エリカはリアムと手を繋いで街へと歩き始めた。
足が痛くなり始めた頃、ようやく目的地が見えてきた。見える景色は前の世界で言う所の駅前のような場所で、見たこともない施設が複数存在していた。
「さて、みんなで買い物を楽しみたいところだけど、見ての通り人も多いし、ここは男女で別れるとしよう」
異論は特になく、男性組と女性組に分かれて街を歩くことになった。
リアムが何か言うんじゃないかと思ったのだが、むしろ楽しそうだ。
これはおそらく何かあるんだろうな。そんなことを考えながら母さんの手を握った。
「やることが終わったら街の広場に集まろう。じゃあまた」
それを最後に、二手に分かれ街へと入った。
「まずはどこに行くの?」
「そうね、食材は最後に買うとして、最初は服かしらね。女の子なんだし、自分で選んだ服を一着は持っておかないと」
俺たちの着ている服を見ながら母さんは言った。
言われてみると確かに、母さんが買ってきてくれた服以外は持っていないし、これから先必要になってくるだろう。
それに、女子として服というのはとても大切だ。これから色々勉強しなくてはいけない。
「服を買うときにいつもお世話になってるお店があるから、そこにいきましょうか」
センスが乏しいのがバレてしまわないか心配だ。ふとエリカの方に目をやると、とても輝いた目で歩いていた。
過去何度か見たことがあるが、この目は本当に楽しいときにしか見せない目だ。
考えてみればエリカは服を選ぶのとか得意そうだよな。というより、好きなのかな。
なら、エリカに服を選んでもらうのもありだな。
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