19 / 22
第19話 ☆
しおりを挟む
シーラside
馬鹿王子と私は、行く宛も無いので、謎の男に言われた通り隣国のマラチュへといくことにした。
そこまで、この馬鹿王子と一緒に過ごす事が苦痛で仕方がなかったけれど、冒険者になったら、運命の人と出会えるかもしれない。
と、新しく始まる生活に不満を持ちながらも希望も抱いていた。
「はぁ…あっつい…」
汗をたらたらと流しながら、パスタニア皇国に入るための門を目指して歩く。
「シーラ。お前魔法使えないのか。水でも出せ」
馬鹿王子が気持ち悪いぐらいに汗を流しながら命令してくる。城を追い出されてからまともに、風呂も入っていないこの体は最悪だ。
今着ている服は庶民中の庶民のボロっぽい服。お城の中で身につけていた宝石やドレスは全て売りお金に替えた。とにかく今は生きることが大切だから。
そして、絶対あのクソ女に復讐してやるんだから…
門の前につくと、大きな槍と重たそうな銀の鎧を身に纏う兵士が2人いた。
「ここから先はパスタニア皇国です。入国料は銀貨1枚です。何か身分証のようなものはありますか?」
「身分証みたいなものは無いわ」
「き、きさまっ!私に向かってお金を徴収するというのかっ!!!」
はぁ…また馬鹿王子が騒いでいる。私はさりげなく、馬鹿王子の右足を思いっきり踏み潰す。
「いったっっっ!!!シーラ!何するだ!!」
馬鹿王子は自分の右足を手で抑えながら、必死に訴えかける。
いいざまだこと。
「黙れ。」
人を見下すような目で私は馬鹿王子を見る。そして、人が変わるようにパッと顔を変えて、笑顔で兵士に言う。
「すみませんね、連れはちょっと頭のネジがとんでしまっていって…」
「あ、ああ…そうか。じゃ2人の名前と出身地を書いてくれ。偽りを書いた場合は大罪にもなる場合があるから、本当の事を書けよ」
兵士は少し戸惑いながらも、紙とペン差し出す。
私は、紙に シーラ ナソパ国、ハイネ ナソパ国と記入した。
私たちは、国からも追放された身。もちろんラストネームなどない。
記入した紙と銀貨を2枚渡す。
「よし、銀貨2枚。二人分だな。よし、通っていいぞ。いい旅を」
ギギギと重たそうな門が兵士によって開けられる。
さぁ、復讐のはじまりだ。
馬鹿王子と私は、行く宛も無いので、謎の男に言われた通り隣国のマラチュへといくことにした。
そこまで、この馬鹿王子と一緒に過ごす事が苦痛で仕方がなかったけれど、冒険者になったら、運命の人と出会えるかもしれない。
と、新しく始まる生活に不満を持ちながらも希望も抱いていた。
「はぁ…あっつい…」
汗をたらたらと流しながら、パスタニア皇国に入るための門を目指して歩く。
「シーラ。お前魔法使えないのか。水でも出せ」
馬鹿王子が気持ち悪いぐらいに汗を流しながら命令してくる。城を追い出されてからまともに、風呂も入っていないこの体は最悪だ。
今着ている服は庶民中の庶民のボロっぽい服。お城の中で身につけていた宝石やドレスは全て売りお金に替えた。とにかく今は生きることが大切だから。
そして、絶対あのクソ女に復讐してやるんだから…
門の前につくと、大きな槍と重たそうな銀の鎧を身に纏う兵士が2人いた。
「ここから先はパスタニア皇国です。入国料は銀貨1枚です。何か身分証のようなものはありますか?」
「身分証みたいなものは無いわ」
「き、きさまっ!私に向かってお金を徴収するというのかっ!!!」
はぁ…また馬鹿王子が騒いでいる。私はさりげなく、馬鹿王子の右足を思いっきり踏み潰す。
「いったっっっ!!!シーラ!何するだ!!」
馬鹿王子は自分の右足を手で抑えながら、必死に訴えかける。
いいざまだこと。
「黙れ。」
人を見下すような目で私は馬鹿王子を見る。そして、人が変わるようにパッと顔を変えて、笑顔で兵士に言う。
「すみませんね、連れはちょっと頭のネジがとんでしまっていって…」
「あ、ああ…そうか。じゃ2人の名前と出身地を書いてくれ。偽りを書いた場合は大罪にもなる場合があるから、本当の事を書けよ」
兵士は少し戸惑いながらも、紙とペン差し出す。
私は、紙に シーラ ナソパ国、ハイネ ナソパ国と記入した。
私たちは、国からも追放された身。もちろんラストネームなどない。
記入した紙と銀貨を2枚渡す。
「よし、銀貨2枚。二人分だな。よし、通っていいぞ。いい旅を」
ギギギと重たそうな門が兵士によって開けられる。
さぁ、復讐のはじまりだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,369
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる