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第1話
しおりを挟む「ねぇ…サンタっていると思う?」
雪がしんしんと、降る中。僕は猫と一緒にクリスマスイブの夜を過ごしていた。
猫が僕のお腹の上で気持ちよさそうに寛いでいるが、僕はこの猫に話しかけている。
「ねぇ…答えてよ猫」
「ああ。もううっさいな。折角の睡眠の時間を遮るなよ」
猫はムクっと重たそうに頭を起こし答えた
「サンタはいると思うか?」
猫は、はぁ…と呆れたため息をつく。
「そんなもの信じてるのか?」
「いるか、いないかを聞いて居るんだ」
「そりゃ、仮想人物に決まってるさ」
「じゃあ、イエス・キリストは?」
更に猫に問いただす
「もう、僕寝てもいいかなぁあ?」
猫は不自然な笑い方をして、早く寝かせろアピールをする
「寝ていい訳がないだろう。今日はクリスマスイブだ夜更かしする日だ」
「良い子にしないと、君が信じてるサンタはやってこないよ?」
猫はニヤニヤと意地悪っぽく笑う。
「まぁあ、いいさ。起きててあげるよ。それで?質問は?」
「キリストがいるかどうか」
もう1度猫はため息をつく。
「いるわけがないだろう…」
「今は」
「今はって事は、実在したという事か?」
「そうだよ。実際十字架に付けられた事とか。歴史の資料は集まってるからね。徳川家康がいた?と聞かれていないと答えるものは少ないだろう?」
「そうだな。確かに徳川家康はいた。じゃあ、復活したと言うことは信じるのか?」
「さぁあね。僕は見た事がないし、クリスチャンでもない」
僕は少しガッカリして、肩を降ろした。
そうか、キリストは居ないのか。
「なんで、そんな事を聞くんだい?」
逆に猫が僕に問いた。
「別に…」
「嘘だろう?僕は分かってる。君は待降節の期間。4つある、ろうそくのうちの1つを日曜に必ず順に付けてたじゃないか。これから言えることは、君はクリスマスを楽しみにしてた。どうだ?違うか?」
「認めなくないけど、そうだ。クリスマスを楽しみにしていた。何か起こるんじゃないかなって…それに気付くなんて流石、僕の猫だ」
「僕は君の猫になった覚えはない」
「え。なに」
「いや、いいよ」
猫はチェっと横を向いて舌打ちをしたけれど、僕はそれを流した。
「それより、クリスマスはただキリストが産まれただけ。奇跡なんて起きないよ。期待しない方がいい」
「そうか…」
沈黙が流れる。
そろそろ寝ようか思っていた。
「君は何が欲しいんだ」
突然だった。
猫から話しかけてく事なんてご飯を要求する時だけだったから。一瞬戸惑った。
「え。僕に聞いてる?」
「君しかココには居ないだろう?」
やれやれと猫は首を左右に振る。
「僕の欲しい物…か」
僕が欲しい物…欲しい物…欲しい物…
「愛なんて言ったら笑うかい?」
僕は絶対笑われるだろう答えを返した。
「いや、いい答えだよ」
珍しく猫は笑わずに真剣に聞いてくれる。
「でも、それが本当に欲しいものか?」
「ああ。欲しいものだ。僕の過去を知っているだろう?」
うん。と猫は頷く。
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