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第1話 無
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君たちは考えた事があるだろうか?
この世界は自分の為だけに作られた世界で、この世界にある歴史や地形、秩序すらも私の為だけに用意された物なんじゃないかと…。
そんな考えをしていた、私の目には人がゲームの中にいるNPCの様にも見えた。
じゃあ、この私の為だけにある世界なら私が何をしてもいいんじゃないか。そう思った。
でも、現実は違った。
この世界のNPC達は一人一人の自我を持っていて集団して一人では生きられない弱い動物。それゆえの行動か勝手に人をランク付けし自分よりもカーストの低いものを見下す。
今日から高校生な私は。期待の欠けらも無い澄んだ目をしていた。その瞳に映る世界は灰色に満ちていた
────────
朝。目覚ましがなる
『ピピピッー』
ああ。朝がきた。どうしてこの世界は学校に行って学ばなければいけないのだろうか?
私は重い瞼を開ける
「ねむい…」
初めて着るシャツに腕を通す。
スカートを履き、靴下を履き、リボンをしめる。
そして、今日も鏡の中の自分を見つめる
鏡に映る彼女は何処か悲しげな雰囲気を持っているが、その瞳はこの世界を『つまらない。くだらない』と全てを見透かしている様な澄んだ目。彼女は自分の黒く先がくせっ毛で少しカカールしている髪の毛を丁寧にとかす。
『ピピピッー』
また目覚まし時計がなる。
この2回目の目覚まし時計の音は家を出る時間という合図だ。
鏡に映る彼女はどこかへ消え。
私は新しい綺麗な鞄を持って、自室から静かに外へ出ていく。
「いってきます…」
最後にボソリと帰ってこない挨拶を呟くように家に向かって言う。
空を見上げる今日は晴れていた。風もそよそよと吹いていて桜吹雪があちらこちらで見られる。
普通の高校生ならば、これを美しいと感じ新たな生活に憧れや期待を持つだろう。
私は、こんな景色を見たって学校が変わっていたって自分自身が変わるわけではない。何がそんなに楽しいんだ。逆にめんどくさい事だらけなのにと思う。
こんなに世界を普通の人のようにカラフルに見れない私だが、人が1人で生きていけない事は理解している。だから本当の自分を隠して、皮を被って…人と接する。
ああ。これほど疲れるものは中々無いんだけどね…。
駅に着くと、混んでいる改札を通り、混んでいるホームで混んでいる電車を待つ。
どうしてこんな、朝早くから混んでるものを待たなければいけないんだ。
『2番線に〇〇行きの電車がまいります。白線の内側までお下がり下さい』
凄い振動と風がホームに流れ込む。
今から乗る電車の中にはぎゅうぎゅうに押し込まれた人達がごった返している
この中に入るのか…全く人生とは何だろうか。この光景を見る度に思う疑問だ。
電車の扉が開く。ホームに待っていた大人、学生達は何かに囚われたように小さな電車の入口に足を踏み入れる。
ごった返していて息をするのもやっとだ。
大丈夫…急行だからあと3駅我慢すれば着く。それまでの辛抱だ
暫くこの、地獄なような時間を過ごすとようやく、目的地に着いた。
「はぁ…疲れた」
一息ふうと、深呼吸すると、気を取り直して学校へと向かった。
今日から通う『海月学園』は進学校として有名だ。別にいい仕事について出世したいとかそうゆう事を願っている訳ではない。普通に大きすぎず小さすぎずの家に住めて無理をせず、チャレンジをせず安定した生活を送れればいいんだ。じゃあ何故そんな進学校にわざわざ通うかって?親に言われたからだ。
「今の時代は、まず、何処の大学を出ているかよ。だから大学は絶対いい所に行きなさい」
とね。大学で人生が変わる?そんな事があってたまるか。
この世界はおかしい…
この世界は自分の為だけに作られた世界で、この世界にある歴史や地形、秩序すらも私の為だけに用意された物なんじゃないかと…。
そんな考えをしていた、私の目には人がゲームの中にいるNPCの様にも見えた。
じゃあ、この私の為だけにある世界なら私が何をしてもいいんじゃないか。そう思った。
でも、現実は違った。
この世界のNPC達は一人一人の自我を持っていて集団して一人では生きられない弱い動物。それゆえの行動か勝手に人をランク付けし自分よりもカーストの低いものを見下す。
今日から高校生な私は。期待の欠けらも無い澄んだ目をしていた。その瞳に映る世界は灰色に満ちていた
────────
朝。目覚ましがなる
『ピピピッー』
ああ。朝がきた。どうしてこの世界は学校に行って学ばなければいけないのだろうか?
私は重い瞼を開ける
「ねむい…」
初めて着るシャツに腕を通す。
スカートを履き、靴下を履き、リボンをしめる。
そして、今日も鏡の中の自分を見つめる
鏡に映る彼女は何処か悲しげな雰囲気を持っているが、その瞳はこの世界を『つまらない。くだらない』と全てを見透かしている様な澄んだ目。彼女は自分の黒く先がくせっ毛で少しカカールしている髪の毛を丁寧にとかす。
『ピピピッー』
また目覚まし時計がなる。
この2回目の目覚まし時計の音は家を出る時間という合図だ。
鏡に映る彼女はどこかへ消え。
私は新しい綺麗な鞄を持って、自室から静かに外へ出ていく。
「いってきます…」
最後にボソリと帰ってこない挨拶を呟くように家に向かって言う。
空を見上げる今日は晴れていた。風もそよそよと吹いていて桜吹雪があちらこちらで見られる。
普通の高校生ならば、これを美しいと感じ新たな生活に憧れや期待を持つだろう。
私は、こんな景色を見たって学校が変わっていたって自分自身が変わるわけではない。何がそんなに楽しいんだ。逆にめんどくさい事だらけなのにと思う。
こんなに世界を普通の人のようにカラフルに見れない私だが、人が1人で生きていけない事は理解している。だから本当の自分を隠して、皮を被って…人と接する。
ああ。これほど疲れるものは中々無いんだけどね…。
駅に着くと、混んでいる改札を通り、混んでいるホームで混んでいる電車を待つ。
どうしてこんな、朝早くから混んでるものを待たなければいけないんだ。
『2番線に〇〇行きの電車がまいります。白線の内側までお下がり下さい』
凄い振動と風がホームに流れ込む。
今から乗る電車の中にはぎゅうぎゅうに押し込まれた人達がごった返している
この中に入るのか…全く人生とは何だろうか。この光景を見る度に思う疑問だ。
電車の扉が開く。ホームに待っていた大人、学生達は何かに囚われたように小さな電車の入口に足を踏み入れる。
ごった返していて息をするのもやっとだ。
大丈夫…急行だからあと3駅我慢すれば着く。それまでの辛抱だ
暫くこの、地獄なような時間を過ごすとようやく、目的地に着いた。
「はぁ…疲れた」
一息ふうと、深呼吸すると、気を取り直して学校へと向かった。
今日から通う『海月学園』は進学校として有名だ。別にいい仕事について出世したいとかそうゆう事を願っている訳ではない。普通に大きすぎず小さすぎずの家に住めて無理をせず、チャレンジをせず安定した生活を送れればいいんだ。じゃあ何故そんな進学校にわざわざ通うかって?親に言われたからだ。
「今の時代は、まず、何処の大学を出ているかよ。だから大学は絶対いい所に行きなさい」
とね。大学で人生が変わる?そんな事があってたまるか。
この世界はおかしい…
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